JPH0427387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、移動式書架や移動式キヤビネツト等
の金属製移動棚装置における台車枠と支柱と下端
棚板との三者の取付け構造に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

この種の金属製移動棚における台車枠と、これ
に立設する支柱との固着手段は、先行技術として
の実公昭50−8011号公報に開示されているよう
に、Ｌ字状のブラケツトの水平片を台車枠の上面
にボルト・ナツト締着する一方、該ブラケツトの
垂直片を支柱の垂直方向側板に添わせて同じくボ
ルト・ナツト締着するようにしている。

従つて、該移動棚装置にあつては、下端位置の
棚板をその外周側面が支柱の内側面に添うように
配設する場合、前記ブラケツトの垂直片の厚さや
横向きのボルトの頭またはナツトが邪魔になるの
で、該ブラケツトの上端より高い位置に別途の棚
用ブラケツトを支柱に固着し、その棚用ブラケツ
トに下端棚板を載置するようにしている。

この構成によれば、棚板下面と台車枠の上面と
の間に大きな隙間ができることになり、台車枠の
上面を別の水平板にて完全に覆つていないと、台
車枠の内部にごみや異物が侵入し易いと云う欠点
がある。また、下端棚板の高さ位置が上昇するか
ら、それより上部の棚板との間隔が小さくなり、
いわゆる各棚板間の有効高さが小さくなつて物品
の収納スペースが減少すると云う問題もあつた。

本考案は、前記の従来の問題点を解消すること
を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案では、平面視矩形状の台車枠
の上面板四隅部に横断面Ｌ字状の支柱を、その隅
角部が台車枠の角隅部に略沿うようにして立設
し、前記台車枠を走行レール上に沿つて移動自在
に構成して成る金属製移動棚において、前記各支
柱の下端に水平状の支持板を固着し、該支持板と
台車枠の上面板とをボトルとナツトにより締着固
定する一方、前記四隅の支柱の各内側面に沿つて
嵌挿する平面視矩形状の下端棚板における内向き
に屈曲させてなるかまち板を前記各支持板の上面
に載置させ、且つかまち板縁を前記ボルトまたは
ナツトの廻り止め係止部に構成したものである。

〔考案の作用及び効果〕

本考案では、棚における支柱の下端に水平状の
支持板を固着して、この支持板を台車枠の上面板
にボルト・ナツトにより固着するのであるから、
従来のように支柱下端部近傍には、支柱の内側面
にブラケツトが取付かない。従つて、下端棚板の
隅角部分が断面Ｌ字状の支柱の内側面に沿うよう
に配設したとき、当該下端棚板のかまち板を支柱
下端の支持板の上面に接当した状態まで下げるこ
とができ、従来のように台車枠の上面板と下端棚
板のかまち板との間に隙間が生じることがない。

このように、下端棚板と台車枠の上面板との間
に隙間がないから、棚の有効高さ、すなわち多段
に設ける棚板の上下間隔を大きくして物品の収納
スペースを大きくすることができる。また、台車
枠の上面を下端棚板にて完全に覆うことができる
ので、台車枠の上面の広い面積を別途の板にて覆
う必要がなく、移動棚装置の構造を簡単にするこ
とができる。更に、下端棚板は支柱下端の支持板
の上面に載置するだけであるから、簡単に取外し
することができ、台車枠内の修理点検の際の手間
も省くことができる。

しかも、下端棚板における内向き屈曲のかまち
板の縁を、支柱と台車枠の上面板との締着用ボル
トまたはナツトの側面に近接させるだけで、当該
ボルトまたはナツトが回ることを防止できるか
ら、ボルトが緩んで支柱が外れる等の不都合も解
消できるのである。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、図において符号１は、床面２に敷設したレ
ール３に沿つて移動自在な移動棚装置で、該移動
棚装置１は、平面視矩形状の台車枠４と該台車枠
４の上面四隅部に立設した断面Ｌ字状の支柱５と
下端棚板６及び天板７と中間棚板８とから成る。
前記台車枠４は、間口方向に長手の断面横向きコ
字型の間口部材駆動輪と、それに直角方向に延び
る同じく断面横向きコ字型の奥行き部材１０と
を、ボルト・ナツト１１にて締着固定することに
よつて構成されている。

符号１２，１２は前記台車枠１２に軸支した車
輪で、電動モータ１３又は人力等の適宜手段によ
つて前記レール３上を転動自在となるように構成
している。

前記各支柱５の下端には平面視矩形状の支持板
１４を水平状に溶接固着してあり、この支持板１
４と前記台車枠４における間口部材９及び奥行き
部材１０の上面板との三者を、ボルト１５とナツ
ト１６とにより締着固定する。このとき、各支柱
５における互いに直角の垂直方向に延びる側板５
ａと５とには上下方向に適宜間隔で係合１７を穿
設し、前記天板７や中間棚板８を、ブラケツトを
介して又は介さずにボルト・ナツト止めできるよ
うに形成している。

前記下端棚板６は、第３図及び第４図に示すよ
うに、その四隅部を各支柱５の内面に沿わせた状
態で水平配設しており、その四周側縁に、断面略
Ｌ字状で内向きに延びるかまち板６ａ，６ｂを折
曲形成し、該かまち板６ａ，６ｂの各端部を前記
各支持板１４上面に載置すると共に、前記各かま
ち板６ａ，６ｂのうち間口方向に沿つて延びるか
まち板６ａの先端縁６ｃを前記ボルト１５におけ
る頭の一側面に係止して、ボルト１５を回転不能
にしている。

なお、かまち板６ａの先端縁６ｃは上向き折曲
しているが必ずしも上向き折曲する必要はなく、
また、前記ボルト１５とナツト１６とを上下逆に
して締結した場合には、かまち板６ａの先端縁６
ｃはナツト１６の一側面に接当させることにな
る。また、かまち板６ａ，６ｂのうち棚の間口方
向と直交する方向に延びるかまち板６ｂの先端縁
６ｄをボルト１５の頭に係止しても良いし、四角
頭のボルトの場合には、互いに直交する両かまち
板６ａ，６ｂの先端縁６ｃ，６ｄを同時に係止す
るようにしてもよい。

以上のように、支柱５と台車枠４とは支柱５の
下端に水平状に固着した支持板１４を介して固定
するもので、下端棚板６は台車枠４に対して極く
近接した状態に載置されるから、従来のブラケツ
トを介して棚板をボルト・ナツト止めする場合の
ように下端棚板と台車枠上面との間に大きな隙間
が生じることがなく、物品の収納スペースを増大
できると共に、下端棚板６が台車枠４の上面板の
カバーを果たすから、台車枠４の上面を覆うため
の板を別途配設する必要がなく、移動棚装置全体
の構造も簡単にできるのである。

また、下端棚板６に載置された物品の重量は支
柱５によつて支持されるのではなく支持板１４を
介して台車枠４にて直接的に支持されるから、支
柱５に対する負担が軽減されると共に、下端棚板
６の荷重が支持板１４を台車枠４に押圧するよう
に作用するから、下端棚板６に対する荷重が増大
すればする程支柱４の支持強度が向上することに
なる。

更に、下端棚板６は支柱５下端の支持板１４の
上面に載置されるだけであるから、取付・取り外
しが極めて簡単で、台車枠４内の修理点検の際の
手間も省くことができるのであり、しかも、下端
棚板６におけるかまち板６ａ，６ｂの先端縁６ｃ
又は６ｄが、支柱５と台車枠４の上面板との締着
用ボルト１５又はナツト１６に対する回り止めの
作用を果たすから、回り止め用の部材を別途配設
しなくても、ボルト１５・ナツト１６の締結が緩
んで支柱５が外れたりガタついたりすることを防
止できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は移動棚
装置の正面図、第２図は第１図の−視図、第
３図は第２図の−視断面図、第４図は第３図
の−視断面図である。 １……移動棚装置、３……レール、４……台車
枠、５……支柱、６……下端棚板、６ａ，６ｂ…
…かまち板、６ｃ，６ｄ……かまち板の先端縁、
１４……支持板、１５……ボルト、１６……ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面視矩形状の台車枠の上面板四隅部に横断面
   Ｌ字状の支柱を、その隅角部が台車枠の各隅部に
   略沿うようにして立設し、前記台車枠を走行レー
   ル上に沿つて移動自在に構成して成る金属製移動
   棚において、前記各支柱の下端に水平状の支持板
   を固着し、該支持板と台車枠の上面板とをボルト
   とナツトにより締着固定する一方、前記四隅の支
   柱の各内側面に沿つて嵌挿する平面視矩形状の下
   端棚板における内向きに屈曲させてなるかまち板
   を前記各支持板の上面に載置させ、且つかまち板
   縁を前記ボルトまたはナツトの廻り止め係止部に
   構成したことを特徴とする金属製移動棚装置。