JPH04273851A - メルカプトプロピオン酸エステルの製造方法 - Google Patents

メルカプトプロピオン酸エステルの製造方法

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JPH04273851A
JPH04273851A JP3288917A JP28891791A JPH04273851A JP H04273851 A JPH04273851 A JP H04273851A JP 3288917 A JP3288917 A JP 3288917A JP 28891791 A JP28891791 A JP 28891791A JP H04273851 A JPH04273851 A JP H04273851A
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JP
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polyether
reaction
acid ester
esters
weight
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JP3288917A
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Daniel R Chisholm
ダニエル・アール・チショルム
Jr George A Seubert
ジョージ・エイ・セウバート,ジュニア
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Original Assignee
Witco Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/02Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols
    • C07C319/04Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols by addition of hydrogen sulfide or its salts to unsaturated compounds

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概してメルカプトプロ
ピオン酸エステルに関する。より詳細には、本発明は特
にメルカプトプロピオン酸エステルを収率よく製造する
ようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,052,440号および
同第4,067,901号には、メルカプトプロピオン
酸エステルおよび/またはジチオジプロピオン酸エステ
ル並びに高次のポリチオジプロピオン酸を比較的高収率
で得る方法を開示している。この方法は、存在するモノ
チオジプロピオン酸エステルとポリチオジプロピオン酸
エステルとの総重量の30%以上の量のポリチオジプロ
ピオン酸エステルと弱塩基性アミン触媒との存在下で、
アクリル酸エステルと硫化水素とを反応させるものであ
る。 ポリチオジプロピオン酸は反応性に富んでおり、30重
量%以上存在するときは反応に加わってメルカプトプロ
ピオン酸エステルの収率を高めるといった物質的側面か
らの寄与をする。
【0003】メルカプトプロピオン酸エステルの合成反
応は全体を通して以下の式で書き表すことができる。
【0004】
【0005】この反応(1)と反応(2)、(3)、(
4)および(5)において、Rは炭素数1〜8の炭化水
素基、アルキル、アラルキル、シクロアルキルまたはア
ルキルシクロアルキルを表す。
【0006】米国特許第4,052,440号および同
第4,067,901号に開示された工程の条件下は、
上記の反応にとって好ましい条件であり、メルカプトプ
ロピオン酸エステルが高収率で得られる。しかし、反応
系は著しく複雑である。上記の反応の進行と同時に多く
の副反応が進行する。副反応の一部はその内容が確認さ
れており、上記反応の生成物がさらに反応したと考えら
れるものもある。メルカプトプロピオン酸エステルの合
成反応として特定された制御された条件以外の条件下で
は、主生成物がメルカプトプロピオン酸エステルでなく
ジチオジプロピオン酸エステルおよび高次のポリチオジ
プロピオン酸エステルであり、副生成物としてモノチオ
ジプロピオン酸エステルなどを生成するように反応の平
衡を制御することができる。
【0007】上記の反応と同時に連続して起こる副反応
として重要なものの中には、下式に従ってメルカプトプ
ロピオン酸エステルがアクリル酸エステルと反応してモ
ノチオジプロピオン酸エステルを生成する反応がある。
【0008】
【0009】モノチオジプロピオン酸エステルは有用な
物質であるが、この物質が同時に生成することによって
目的物であるメルカプトプロピオン酸エステルの収率は
低下してしまう。さらに、これら2物質をきれいに分離
することが困難であることから、純度の高いメルカプト
プロピオン酸エステルを得たい場合には、モノチオジプ
ロピオン酸エステルの副成は操作を複雑にする要因にな
ってしまう。
【0010】メルカプトプロピオン酸エステルの製造に
おいては、モノチオジプロピオン酸エステルの生成を最
小限に止めるのが望ましいことが反応(2)から明らか
である。これは理論的には様々な方法で行うことができ
る。例えば、生成物がアクリル酸エステルと反応してモ
ノチオジプロピオン酸エステルが生成するのを避けるた
めに、メルカプトプロピオン酸エステルを反応系からで
きるだけ早く除去する(好ましくは生成後直ちに除去す
る)方法がある。この方法は実際的な制約を受けてもな
お効果的である。別の方法として、反応(1)の反応速
度を速めて、それによって反応(2)やその他の好まし
からぬ副反応にアクリル酸アルキルが使われる機会を減
らす方法もある。
【0011】米国特許第4,307,225号には、水
酸化アンモニウムなどの塩基性触媒、メタノールなどの
低級アルコールおよび硫黄の存在下において、アクリル
酸メチルなどのオレフィン系不飽和カルボン酸のアルキ
ルエステルと硫化水素とを反応させて、メルカプトカル
ボン酸アルキルエステル、チオジカルボン酸ジアルキル
およびジチオジカルボン酸ジアルキルからなる混合物を
生成させ、さらにこの混合物をポリエーテルグリコール
などのグリコールとエステル交換反応を行わせてシーラ
ントとして有用なポリマーが得られることが記載されて
いる。
【0012】米国特許第4,052,440号および同
第4,067,901号に記載される工程において、少
量の(約2重量%)メタノールを使用することによって
、アクリル酸メチルと硫化水素との反応(反応(1))
速度を速めて好ましからぬ副反応を抑えることができる
ことが明らかになっている。しかし、メタノールなどの
低級アルコールは、目的生成物とともに蒸留されてしま
う傾向にあるため常時メタノールを供給する系かメタノ
ールを循環させる手段を備えなくてはならず、後の工程
においても好ましく作用するとは限らない。さらに、米
国特許第4,052,440号および同第4,067,
901号に記載される工程においてポリエーテル助触媒
を使用すれば、低級アルコールを使用した場合のような
問題を生ずることなく好結果を生むことが明らかになっ
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は概し
てメルカプトプロピオン酸エステルを得る方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】本発明の他の目的は、米国特許第4,05
2,440号および同第4,067,901号に開示さ
れるメルカプトプロピオン酸エステルの合成法を改良す
ることにある。
【0015】さらに本発明は、メルカプトプロピオン酸
エステル合成のための優れた連続工程を提供することを
も目的とする。
【0016】これらの本発明の目的は、以下の詳細な説
明から明らかであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によって、ポリチ
オプロピオン酸エステル、弱塩基性アミン触媒およびポ
リエーテル助触媒の存在下で、アクリル酸エステルを硫
化水素と反応させることによって、高収率でメルカプト
プロピオン酸エステルを得ることができる。
【0018】ポリエーテル助触媒は、2以上のエーテル
系酸素原子を有しているのが好ましい。4以上のオキシ
エチレン基を有していればより好ましい。ポリエーテル
助触媒は、アルコール系水酸基を有していてもよく、0
〜2個有しているのが好ましい。また、ポリエーテル助
触媒は、約250℃以上の比較的高い沸点を有している
が好ましい。
【0019】本明細書の一部としてここに引用する米国
特許第4,052,440号及び同第4,067,90
1号に記載されているように、下記の関連反応が全体と
して上記の反応(1)で示される形でまとめられると考
えられている。まず、下記の平衡式に従ってジチオジプ
ロピオン酸エステルが硫化水素と反応する。
【0020】
【0021】ジチオジプロピオン酸エステル溶媒は反応
性溶媒として働く。このため、ジチオジプロピオン酸エ
ステルは反応に明らかに参加して、収率を高めるように
作用する。
【0022】この反応で生成したトリチオジプロピオン
酸エステルは、次に硫化水素およびアクリル酸エステル
と反応する。
【0023】
【0024】トリチオジプロピオン酸エステルの存在下
において、アクリル酸エステルは系内に存在するメルカ
プト化合物よりも硫化水素とより容易に反応するものと
思われる。従って、硫黄の存在はポリチオジプロピオン
酸エステルが最初から存在していたことの確認となる。 連続的にあるいは時々、少量の硫黄を添加すれば、常に
トリチオジプロピオン酸エステルの濃度を低く維持しや
すくなる。
【0025】このため、かかる複雑な系において、元素
としての硫黄は重要な役割を果たしており、高次のポリ
チオジプロピオン酸エステルを得たい場合などには、欠
くべからざる効果を奏する。このときよりも量を少なく
すれば、硫黄はメルカプトプロピオン酸エステルの収率
を高めて好ましからぬモノチオジプロピオン酸エステル
の収量を抑えることができる。このことは、メルカプト
プロピオン酸エステルが目的生成物である本件の場合に
は重要なことである。
【0026】高次のポリチオジプロピオン酸エステルの
生成反応は下記の式に従って進行する。
【0027】アンモニアなどの弱塩基性アミン触媒の存
在下において、メルカプトプロピオン酸エステルは硫黄
と反応して、その硫黄の量に応じてジチオプロピオン酸
エステルおよび高次のポリチオジプロピオン酸エステル
を生成する。
【0028】
【0029】また、硫黄はジチオジプロピオン酸エステ
ルと反応してトリチオおよび高次のポリチオジプロピオ
ン酸エステルを生成する。
【0030】
【0031】概して、硫黄は約0.01〜約0.5、好
ましくは約0.03〜約0.05mol/mol(アク
リル酸エステル)の範囲内で使用するのが好ましい。か
かる範囲に設定することによって、モノチオジプロピオ
ン酸エステルの割合を減らし、ジチオプロピオン酸エス
テルとメルカプトプロピオン酸エステルの総量対モノチ
オジプロピオン酸エステルとの比を大きくすることがで
きる。0.05mol、特に0.5mol/mol(ア
クリル酸エステル)を越えると、ジチオプロピオン酸エ
ステルと高次のポリチオジプロピオン酸エステルの総割
合が大きくなる。
【0032】本発明の製造方法は、図1に記載されるフ
ローシートに図示されている。図示1は、本発明の方法
により、硫化水素、アクリル酸エステル、弱塩基性アミ
ン触媒、ポリエーテル助触媒および硫黄から主反応生成
物が生成する過程と、その生成と選択的、連続的または
別個にメルカプトプロピオン酸エステルおよびジチオジ
プロピオン酸エステルまたは高次のポリチオジプロピオ
ン酸エステルが生成する過程が示してある。
【0033】反応物質は、反応器内で目的とする生成物
を生成するような割合で混合する。その後、混合物は目
的生成物を与えるような条件下に維持する。所望により
、幾つかの反応器を連続的または平行して使用すること
もできる。そのような連続的な反応器を使用した例がフ
ローシート中に点線で示されている。
【0034】最終反応生成物はストリッパーに移し、そ
こにおいて未反応の硫化水素と揮発性触媒と水が除去さ
れる。残渣は、上記の反応式に示されるように、メルカ
プトプロピオン酸エステル、溶媒、ジチオもしくはポリ
チオジプロピオン酸エステル非揮発性触媒およびその他
の副生成物からなる。
【0035】この操作において、メルカプトプロピオン
酸エステルを反応生成物として単離したいときには、ス
トリッパーから得られる残渣を蒸留器に移し、そこでメ
ルカプトプロピオン酸エステルを減圧蒸留する。非揮発
性触媒も含有する残渣は反応系から反応器へ溶媒として
リサイクルすることもできる。
【0036】ジチオまたはポリチオジプロピオン酸エス
テルを目的生成物とする場合には、ストリッパーから得
られる残渣は蒸留器に移す必要はない。しかし、目的生
成物として非揮発性触媒を除去することによって後処理
することができるであろう。これは、ジチオまたはポリ
チオジプロピオン酸エステルの生成に適した条件下では
、メルカプトプロピオン酸エステルは無視しうる量でし
か存在しないであろうからである。
【0037】かかる操作工程は、連続系で行うことも回
分系で行うこともできる。いずれにするかは、使用する
ことができる装置によって決定するのが好ましい。
【0038】実験の結果、メルカプトプロピオン酸エス
テルとアクリル酸エステルとの反応(上記反応(2))
は高温である方が好ましいことが判明している。また、
高温である方が、アクリル酸エステルと硫化水素との反
応よりも有利である。従って、メルカプトプロピオン酸
エステルの生成には低温の方が有利である。このように
メルカプトプロピオン酸エステルを得たい場合には、反
応は低温で行う。概して、メルカプトプロピオン酸エス
テルを得たい場合には、反応温度を約0〜約40℃にす
るのが好ましい。しかし、メルカプトプロピオン酸エス
テルは反応温度を75℃まで上げてもかなり生成する。
【0039】反応温度が40℃より高いと、モノチオジ
プロピオン酸エステルがかなり生成し始める。約60〜
約150℃では、反応(1)により生成したメルカプト
プロピオン酸エステルがより多く反応(2)によって消
費されるようになる。このように、反応温度は約0〜約
150℃とすることができるが、約75〜約150℃と
いった高めの反応温度はメルカプトプロピオン酸エステ
ルの生成には好ましくない。
【0040】また、メルカプトプロピオン酸エステルの
生成には、硫化水素:アクリル酸エステルのモル比が大
きい方が好ましい。このモル比が1:1より小さいとき
には、反応(1)は反応(2)に準じたかたちで進行す
るので、反応(2)によってモノチオジプロピオン酸エ
ステルが比較的多量に得られる。
【0041】従って、反応生成物としてメルカプトプロ
ピオン酸エステルを得たい場合には、硫化水素:アクリ
ル酸エステルの比を反応式(1)から導かれる理論比で
ある1:1よりも高くして、1.25:1〜5:1にす
るのが好ましい。
【0042】硫化水素は気体であり、反応系に限られた
量しか溶解しないので(大気圧・周囲温度の条件下では
3重量%未満)、反応は硫化水素の過圧下で行ってもよ
い。特に、メルカプトプロピオン酸エステルを得たい場
合には、反応系内の硫化水素の割合を増加するように働
くため好ましい。硫化水素は、約500psigまでの
比較的高圧下におくことができる。反応は、大気圧下で
進行するが、通常は大気圧〜約200psigとする。 反応条件下における反応溶媒中のH2Sの濃度は約0.
1%〜飽和濃度とする。
【0043】保持時間は制限的ではない。反応は高温で
は比較的迅速に進行し、低温ではゆっくりと進行する。 反応物質は目的生成物が所望の量だけ得られるまで接触
状態に保持しておくことは言うまでもない。上記の反応
条件下における保持時間は、通常は約10分〜約5時間
とし、好ましくは約30分〜約2時間とする。
【0044】H2Sとの反応は、炭素数1〜約8のアク
リル酸エステルとともに進行する。かかるアクリル酸エ
ステルの例として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s
ec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル
、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよび
これらに対応するメタクリル酸アルキルやクロトン酸エ
ステルを挙げることができる。
【0045】反応は、弱塩基性触媒(好ましくは弱塩基
性アミン触媒)およびポリエーテル助触媒の存在下で進
行する。
【0046】弱塩基性アミン触媒としてはアンモニア、
有機アミン、開鎖または脂肪族炭化水素と環状アミンと
の組み合わせなどを挙げることができる。また、環状ア
ミンとしては、環中に窒素原子を有する複素環式アミン
および環にアミンの窒素が結合している炭素環式アミン
を例示することができる。
【0047】「弱塩基性」という用語は、アニリンより
も強アルカリであり、アルカリ金属水酸化物よりも弱い
アルカリであることを意味する。本発明の工程で有効な
「弱塩基性」アミン触媒は、H2Sと可逆的に反応する
。従って、アンモニアとH2Sが反応して生成した硫化
アンモニウムは加熱すると直ちにアンモニアとH2Sに
戻る。これよりも弱いアルカリ(例えばアニリン)はH
2Sと反応せず、強いアルカリだとH2Sとの反応が不
可逆的になってしまう。第4級塩基は強アルカリである
と考えられているが、加熱によって分解するためH2S
との反応は可逆的になる。他の弱塩基性触媒として、水
酸化ナトリウムよりも弱い水硫化ナトリウム(NaSH
・2H2O)のような化合物を挙げることができる。
【0048】アンモニアはアンモニアガスとして使用し
たり、水酸化アンモニウムや硫化アンモニウムなどの水
溶液として簡便に使用することができる。触媒内のアン
モニア濃度は制限的ではないが、通常は約20〜約10
0%とする。重要なファクターは水酸化アンモニウム内
のアンモニア濃度ではないため、所望の濃度を採用する
ことができるが、反応系内のアンモニアの割合は重要で
ある。NH3の重量の約0.1〜約10%にするのが適
当である。
【0049】使用することができる有機アミンは下記の
式で表されるものである。
【0050】
【0051】使用することができる第4級アミンは下記
の式で表されるものである。
【0052】
【0053】有機アミンを表す上記の式(a)において
、R1、R2およびR3は、水素、炭素数1〜約18の
炭化水素基を表す。但し、これらのRうち1つは水素で
はない。R4、R5、R6およびR7は、炭素数1〜1
8の炭化水素基である。Rは、アルキル、シクロアルキ
ル、シクロアルキルアルキル、アルカリールの中から単
に選択してもよい。2以上のRは窒素原子とともに環内
に窒素原子を有する複素環を形成してもよい。
【0054】Rの炭素数は18以下であってよいが、ア
ミンまたは第4級アミンのRは総計したときに炭素数が
30以上になることがないようにする。
【0055】Xは、ヒドロスルフィドHS−、スルフィ
ドS、またはOH−,HCO3−,CO3=といった無
機または有機系塩基性アニオンを表す。
【0056】Rは、1以上の水酸基−OHおよび/また
は1以上のエーテル基−Oーおよび/または1以上のエ
ステル基−COORを含んでいてもよい。
【0057】Rのアルキル基の例としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
tert−ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イ
ソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、te
rt−オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、
ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリデシル
、テトラデシルおよびオクタデシルを挙げることができ
る。Rのアルケニルの例としては、プロペニル、ブテニ
ル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル
、ノネニル、デセニル、ドデセニル、リシノレイル、リ
ノレイルおよびリノレニルを挙げることができる。
【0058】水酸基を含有するアルキル基の例としては
、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシ
アミルおよびヒドロキシヘキシルを挙げることができる
。水酸基が結合しているアルキル置換基の炭素数が6以
上になると、水酸基の効果は小さくなりほとんど無視し
うる程度になってしまう。
【0059】エーテル含有アルキル基の例としては、エ
トキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシプロピル
、ブトキシエチル、アミルオキシアミル、デシルオキシ
エチル、ドデシルオキシエチル、オクチルオキシオクチ
ルを挙げることができる。
【0060】エステル含有基の例としては、カルボエト
キシメチル、カルボメトキシエチルおよびカルボエトキ
シエチルを挙げることができる。
【0061】Rのシクロアルキル基の例としては、シク
ルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを挙げる
ことができる。
【0062】2つのRが互いに結合して複素環を形成し
ている分子内に窒素原子を有する複素環式基の例として
は、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、ピラゾリジン
、ピペリジン、トリエチレンジアミン、ピロリジン、モ
ルホリン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルピ
ペリジンおよびN−エチルモルホリンを挙げることがで
きる。
【0063】アミンの例としては、メチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチ
ルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルア
ミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン
、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミン、メチル
エチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン
、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ブチルヘキシ
ルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、プロピ
ルアミルアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノール
アミン、ジヘキサノールアミン、トリメチルアミン、ト
リイソプロピルアミン、トリブチルアミン、メチルジエ
チルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルエチルプロ
ピルアミン、トリアミルアミン、トリイソブチルアミン
、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリデシ
ルアミン、メチルヘキシルデシルアミン、ドデシルジメ
チルアミン、オクタデシルジメチルアミン、トリエタノ
ールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノ
ールアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジメチル
エタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘ
キシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシ
クロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ジシ
クロペンチルヘキシルアミン、シクロプロピルメチルア
ミン、シクロヘプチルアミン、シクロペンチルアミン、
テトラメチルー1,4−ブタンジアミン、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、N−テトラデシルプロピレンジアミン、N−ス
テアリルプロピレンジアミン、グリシンエチルエステル
、3−ジメチルアミノプロピオン酸メチル、テトラメチ
ルアンモニウムカ−ボネート、ステアリルピリジニウム
ヒドロキシド、セチルジメチルベンジルアンモニウムヒ
ドロキシド、ジメチルモルホリニウムスルフィド、オレ
イルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルエチ
ルイソプロピルイソブチルアンモニウムヒドロスルフィ
ドおよびコリンビカーボネートを挙げることができる。
【0064】弱塩基性アミン触媒の濃度はやや小さくす
ることができる。0.1%(反応混合物の重量基準)程
度の濃度であっても効果を奏する。濃度は10%まで高
めることができるが、通常はこのような高濃度にするこ
とはない。好ましい濃度は約0.2〜約3%である。ア
ンモニアの場合は1〜2%が好ましい。
【0065】ポリエーテル助触媒は、一般に2以上のエ
ーテル酸素原子か任意アルコール性水酸基を有するポリ
エーテルと定義される。好ましくは、ポリエーテルは4
又はそれ以上のオキシエチレン基を有する。ポリエーテ
ルは、0〜2のアルコール性水酸基を有するのが好まし
い。また、ポリエーテルは、目的生成物とともに蒸留さ
れる量を最小限に止めるためにも、約250℃以上の比
較的高沸点であるものが好ましい。
【0066】ポリエーテル助触媒は一般に下記の式で表
される。
【0067】 XO(CHRCH2O)nY          (I
)上式において、Rはそれぞれ水素またはメチルを表し
、nは3以上であって実際に許容される材料が入手しう
る限り大きな値にすることができる。XおよびYは水素
または有機基であり、環内で互いに結合する可能性を備
えたものであるのが好ましい。式(I)で表されるポリ
エーテル助触媒として代表的なものを表Iにまとめた。
【0068】
【0069】助触媒の役割は、カチオン(例えばアンモ
ニウム)と錯体を形成しそれによってアニオンの反応性
をより高めることにあると思われる。この推論は、本発
明の特定の理論をなんら制限するものではない。ポリ(
プロピレングリコール)のようにポリエーテルに枝分れ
を導入したり、ポリ(テトラヒドロフラン)のようにポ
リエーテル内に酸素原子の分離を変更することは、助触
媒の効率を減ずるようであるため、好ましいとはいえな
い。ポリエーテル助触媒は、ポリ(エチレングリコール
)に見られるような連続したオキシエチレンユニットを
4以上有しているのが好ましい。18−CROWN−6
(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロ
オクタデカン)のようなクラウンエーテルが特に好まし
いことが判明している。
【0070】ポリエーテル助触媒は効果量で存在させる
。弱塩基性アミン触媒の量に依存させながら、反応混合
物の重量を基準にしてポリエーテル助触媒は0.1%と
いった低濃度でも効果を発揮する。ポリエーテル助触媒
は10%以下の濃度で使用することもできるが通常はこ
のような高濃度で行うことが必要とされることはない。 好ましいのは、約0.2〜約3%である。ポリエーテル
助触媒はさまざまな方法で反応系に添加することができ
る。例えば、連続系の場合は、反応溶媒に添加すること
ができる。
【0071】触媒を適切に溶解するには水相が不可欠で
あると従来より考えられている。しかし、水系を使用す
るとアクリル酸エステルがメルカプタンになってしまい
、硫化水素が得られなくなってしまう。この方法では、
溶媒としてジチオジプロピオン酸エステルかポリチオジ
プロピオン酸エステルまたはこれらの混合物を使用しな
がら、実際的な収率でメルカプタンが得られる。水相を
必要としないため、原料や生成物の加水分解は起こらな
いし収率も低下しない。本発明においては、反応媒体は
、ジチオおよび/またはポリチオジプロピオン酸エステ
ルの単一相であり、この相にアクリル酸エステル、硫化
水素および硫黄が溶解している。反応溶媒は、メルカプ
トプロピオン酸エステルを目的とする場合にはジチオジ
プロピオン酸エステルとし、トリスルフィドジプロピオ
ン酸エステルを目的とする場合にはトリスルフィドジプ
ロピオン酸エステルにするといった要領で決めるべきで
ある。加水分解を生ぜしめない程度の少量の水(溶液中
の触媒を維持するため)を使用してもよい。水の使用量
は5%未満とし、好ましくは2.5%未満とする。 この系は本質的に非水系である。気相触媒を使用した場
合には、触媒を溶解するのに水は必要とされない。
【0072】反応系は本質的に非水系にするために、ア
ンモニウムモノまたはポリスルフィドまたはナトリウム
スルフィド誘導体を含有する水系に伴って生ずるような
処理上の問題がない。反応混合物は単一の蒸留操作で後
処理することができて、第1留出液は蒸留物たるメルカ
プタンが純度90%以上で得られ、蒸留器の底にはジチ
オおよび/またはポリチオジプロピオン酸エステルが残
存する。
【0073】工程の詳細に関する下記の記載は、メルカ
プトプロピオン酸エステルまたはジチオジプロピオン酸
エステルを高収率で調製する系を説明したものである。
【0074】ジチオジプロピオン酸エステルの反応媒体
を入れる。
【0075】
【0076】硫化水素ガスをバブルさせながら導入して
反応媒体の中に溶解させ、0.1重量%〜飽和濃度(周
囲条件で約2〜3重量%)の濃度とした。わずかに加熱
してもよいが、反応は0〜150℃のいずれの温度でも
進行する。いずれにしても、温度は約0℃〜約75℃に
しておくのがよい。系の圧力は、溶解しているH2Sの
濃度に大きく依存させながら決定するのが好ましいが、
制限的ではない。硫化水素の圧力は200〜500ps
igにすることができる。H2Sの濃度が低いときには
大気圧下で行うこともできる。
【0077】この反応媒体に対して、1以上のアクリル
酸エステルCH2=CH−COORを約1lb/hr.
/gal.反応媒体で添加する。添加速度は、局所的に
アクリル酸エステルが過剰になるのを避けるために、1
0lb/hr./gal.以下にする。Rは、炭素数1
〜8の炭化水素(例えばアルキル)である。非対称のジ
チオおよび/またはポリチオジプロピオン酸エステルを
目的生成物とする場合か、あるいは混合メルカプトプロ
ピオン酸エステルを目的生成物とする場合には、混合エ
ステルを使用することができる。
【0078】反応系にアルカリ条件を付与するために、
弱塩基性アミンを添加する。好ましいのはNH3である
が、第1級、第2級、第3級または第4級アミンのいず
れも使用することができる。さらに、NH3は水酸化ア
ンモニウム水溶液として添加して別個に添加したり、あ
るいはH2Sを含有する媒体として添加することができ
る。0.1〜10重量%の塩基を使用することができる
が、好ましいのは1%のNH3である。
【0079】ポリエーテル助触媒を効果量添加する。ポ
リ(エチレングリコール)または18−クラウン−6(
1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオ
クタデカン)などのクラウンエーテルを使用するのが好
ましい。0.1〜10重量%のポリエーテル助触媒を使
用することができる。塩基性アミンとしてNH3を使用
する場合は2%にするのが好ましい。
【0080】反応が進行すると、メルカプトプロピオン
酸エステルHSCH2CH2COORが生成する。かか
る最終生成物を得るために、温度は0〜40℃に保持す
べきであり、アクリル酸エステルは撹拌しながらゆっく
りと添加(1lb/hr./gal.)すべきである。 閉鎖系中のH2Sの圧力を約75〜125psigに高
めることによって、反応媒体中のH2S濃度が高くなっ
たならば、10lb/hr./gal.未満の迅速な添
加を行うことができる。生成したメルカプトプロピオン
酸エステルは生成と同時かそのすぐ後に蒸留することに
よって反応媒体から容易に分離することができる。
【0081】
【実施例】以下に記載する実施例は、本発明を説明する
ために記載されるものである。
【0082】以下に記載する実施例においては、概して
、次の一般的な反応条件に従ってメルカプトプロピオン
酸メチルを合成する。まず、H2S圧力50psigで
2重量%の助触媒を含有するジチオジプロピオン酸ジメ
チル(DDD)の溶液を撹拌しつつ、この溶液に対して
2重量%の助触媒を含有するアクリル酸メチル(MA)
を添加する。このとき、無水アンモニア(0.3%)を
塩基性アミン触媒として使用し、反応は、下記の温度で
行う。十分な量のアクリル酸メチルを添加して、存在す
る溶媒量を基準にしてそれぞれ10、20、30、40
および50%のメルカプトプロピオン酸メチル(MMP
)を調製した後、反応容器から試料を分離する。GLC
によって試料を分析して、2,3’−チオジプロピオン
酸ジメチル(UDMD)および3,3’−チオジプロピ
オン酸ジメチル(DMD)副生成物の量を決定する。下
記のUDMDおよびDMDの%は、これらの副生成物の
重量を、アクリル酸メチルの総重量を基準にして生成す
るであろうメルカプトプロピオン酸メチルの理論重量で
割った値である。UDMDは、アクリル酸メチルの非触
媒反応副生成物として生成したものであり、その相対的
割合は速度加速の指標となる。すなわち、UDMDの割
合が減ると塩基触媒反応の速度が増大していることを示
している。
【0083】実施例1 上記の一般反応操作工程に従って、DDDとMAに2重
量%のメタノールを添加することによってメルカプトプ
ロピオン酸メチル(MMP)を合成した。反応は30〜
35℃において行った。UDMDとDMDの量を監視し
て、メタノールを存在させずに同様にしてMMPを調製
したときにあらかじめ存在していたDMDとUDMDの
量と比較した。
【0084】
【0085】上記の結果は、温度と反応物が同様であれ
ばメタノールを添加することによって必要としてない副
生成物であるUDMDの量を減らすことができることを
示している。
【0086】実施例2 メルカプトプロピオン酸メチルを実施例1と同様にして
調製した。但し、反応は60〜65℃で行った。UDM
DとDMDの量を監視して、メタノールを存在させずに
同様にしてMMPを調製したときにあらかじめ存在して
いたDMDとUDMDの量と比較した。
【0087】
【0088】実施例1と同様に、上記の結果は、温度と
反応物が同様であればメタノールを添加することによっ
て副生成物であるUDMDの量を減らすことができるこ
とを示している。
【0089】実施例3 DDDに対して下記の成分をそれぞれ2重量%個別に添
加することによって、上記の一般反応操作工程にしたが
って、メルカプトプロピオン酸メチルを調製した。水;
メタノール;グリセリン;ジプロピレングリコール(D
PG);トリプロピレングリコール(TRPG);テト
ラエチレングリコール(TEG);およびポリエチレン
グリコール(PEG)(分子量300)。反応は60℃
で行い、UDMDとDMDの量を監視したところ、下記
の結果を得た。
【0090】
【0091】
【0092】上記の結果は、温度と反応物が同様であれ
ば、DPGとTRPGを用いることによってメタノール
の場合と同様にUDMD副生成物の量を減らすことがで
き、TEGとPEGを用いればメタノールの場合以上に
UDMD副生成物の量を減らすことができることを示し
ている。
【0093】実施例4 メルカプトプロピオン酸メチルの生成中に生ずる副生成
物に与える温度の影響を、さまざまな温度で助触媒とし
てポリエチレングリコール(PEG)(分子量300)
を使用したりしなかったりして一般的な反応条件下で検
討した。UDMDおよびDMDの生成を監視した結果は
下記のとおりであった。
【0094】
【0095】上記の結果は、温度と反応物が同様であれ
ば、検討した上記の温度範囲においてはPEGなどのポ
リエーテル助触媒を使用することによって副生成物であ
るUDMDの量を減らすことができることを示している
。例えば、反応物が同様であればPEGを使用すること
によって、PEGを使用しなかった場合に30℃で生成
した副生成物の量を増やすことなく、反応温度は30℃
から45℃に上げることができる。
【0096】実施例5 DDDに対して下記の成分をそれぞれ2重量%個別に添
加することによって、上記の一般反応操作工程にしたが
って、メルカプトプロピオン酸メチルを調製した。ポリ
(エチレングリコール)(PEG:分子量8000);
およびポリ(プロピレングリコール)(PPG:分子量
4000)。反応を65℃で行い、好ましからぬ副生成
物の生成を促進しておき、UDMDとDMDの量を監視
した。その結果を、助触媒としてテトラエチレングリコ
ール(TEG)を使用した場合は実施例3で監視したU
DMDとDMDの量と比較し、同様の反応条件下で助触
媒をまったく用いなかった場合は前の結果と比較した。 結果は下記に示す通りであった。
【0097】
【0098】上記の結果は、温度と反応物が同様である
場合には、TEGとPPGを使用すれば副生成物である
UDMDの生成量を減らすことができることを示してい
る。PPGを助触媒として使用することによって、助触
媒を使用しなかった場合に比べて良好な結果が得られる
が、TEGとPEGと使用したときほどの効果を上げる
ことはできない。
【0099】実施例6 DDDに対して下記の成分をそれぞれ2重量%個別に添
加することによって、上記の一般反応操作工程にしたが
って、メルカプトプロピオン酸メチルを調製した。ポリ
(テトラヒドロフラン)(PTHF);ポリ(ビニルア
ルコール)(PVA);およびポリ(エチレングリコー
ル)(PEG)(分子量8000)。反応は65℃で行
った。UDMDとDMDの量を監視して下記の結果を得
た。
【0100】
【0101】上記の結果は、温度と反応物が同様である
場合には、副生成物たるUDMDの量を減らすには、P
THFとPVAよりもPEGの方が効果的であることを
示している。
【0102】実施例7 一般反応条件下で65℃においてメルカプトプロピオン
酸メチルを調製した。ただし、DDD溶媒を、テトラエ
チレングリコールとポリ(エチレングリコール)(分子
量300)の1:1混合物で置き換えた。アクリル酸メ
チルの70%以上がDMDに変換されたことが明らかに
なった。
【0103】実施例8 助触媒として2重量%の18−クラウン−6(1,4,
7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカ
ン)をDDDに添加することによって、上記の一般反応
操作工程にしたがって、メルカプトプロピオン酸メチル
を調製した。反応は65℃で行った。UDMDとDMD
の量を監視して、助触媒としてPEGを使用した場合と
助触媒を使用しなかった場合の生成量と比較した結果は
以下に示す通りであった。
【0104】
【0105】上記の結果は、クラウンエーテルの添加に
よって系内に生成する副生成物たるUDMDの量を効果
的に減らすことができることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の工程に従って主たる反応生成
物が得られる様子を図示した流れ図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水含有量が5%未満の本質的に非水系内で
    、下式: (ここにおいて、nは2〜10である)で表されるポリ
    チオジプロピオン酸エステルを、系内に存在するすべて
    のモノチオジプロピオン酸エステルとポリチオジプロピ
    オン酸エステルの総重量の30%以上含有する反応性溶
    媒の存在下であって、アンモニア、第1級、第2級、第
    3級および第4級アミンからなる群より選択される弱塩
    基性アミン触媒が反応混合物の約0.1〜10重量%存
    在する条件下において、上記反応条件下における反応性
    溶媒中の濃度が約0.1%〜飽和濃度である硫化水素と
    下式: CH2=CH−COOR (ここにおいて、Rは、炭素数1〜約8の、アルキル、
    シクロアルキル、アルキルシクロアルキルからなる群よ
    り選択される)で表されるアクリル酸エステルとを約0
    ℃〜約150℃の範囲内の温度で反応させることからな
    る、下式: HS−CH2−CH2−COOR で表される改良されたメルカプトプロピオン酸エステル
    の製造方法であって;反応混合物の約0.1〜約10重
    量%のポリエーテル助触媒の存在下で前記反応を行うこ
    とを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエーテルは、下式: XO(CHR’CH2O)mY (ここにおいて、R’は個々の繰り返し単位ごとに独立
    して水素またはメチルを表し、mは3以上であり、Xお
    よびYは独立して水素または有機基を表す)で表される
    ポリエーテルからなる群より選択される請求項1の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ポリエーテルが4以上の連続したオキシエ
    チレン単位を有している請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリエーテルが0〜2のアルコール性水酸
    基を有している請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエーテルの沸点が約250℃以上であ
    る請求項1の製造方法。
  6. 【請求項6】ポリエーテルがポリエチレングリコールで
    ある請求項1の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリエーテルがテトラエチレングリコール
    である請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】ポリエーテルがクラウンエーテルである請
    求項1の製造方法。
  9. 【請求項9】ポリエーテルが1,4,7,10,13,
    16ーヘキサオキサシクロオクタデカンである請求項8
    の製造方法。
  10. 【請求項10】ポリエーテルが環状化合物である請求項
    1の製造方法。
  11. 【請求項11】(a)下式: (ここにおいて、nは2〜10である)で表されるポリ
    チオジプロピオン酸エステルを、系内に存在するすべて
    のモノジチオプロピオン酸エステルとポリチオジプロピ
    オン酸エステルの総重量の30%以上含有する反応性溶
    媒、 (b)反応混合物の約0.1〜約10重量%の弱塩基性
    触媒、および、 (c)下式: XO(CHR’CH2O)mY (ここにおいて、R’は個々の繰り返し単位ごとに独立
    して水素またはメチルを表し、mは3以上であり、Xお
    よびYは独立して水素または有機基を表す)で表される
    ポリエーテルからなる群より選択されるポリエーテル触
    媒(該助触媒は反応混合物の約0.1〜約10重量%存
    在する)、の存在する、水含有量が5%未満の本質的に
    非水系内で、上記反応条件下における反応性溶媒中の濃
    度が約0.1%〜飽和濃度である硫化水素と下式:CH
    2=CH−COOR (ここにおいて、Rは、炭素数1〜約8の、アルキル、
    シクロアルキル、アルキルシクロアルキルからなる群よ
    り選択される)で表されるアクリル酸エステルとを約0
    ℃〜約150℃で反応させることからなるメルカプトプ
    ロピオン酸エステルの製造方法。
  12. 【請求項12】ポリエーテルが4以上の連続したオキシ
    エチレン単位を有している請求項11の製造方法。
  13. 【請求項13】ポリエーテルが0〜2のアルコール性水
    酸基を有している請求項11の製造方法。
  14. 【請求項14】ポリエーテルの沸点が約250℃以上で
    ある請求項11の製造方法。
  15. 【請求項15】ポリエーテルがポリエチレングリコール
    である請求項11の製造方法。
  16. 【請求項16】ポリエーテルがテトラエチレングリコー
    ルである請求項11の製造方法。
  17. 【請求項17】ポリエーテルがクラウンエーテルである
    請求項11の製造方法。
  18. 【請求項18】ポリエーテルが1,4,7,10,13
    ,16ーヘキサオキサシクロオクタデカンである請求項
    17の製造方法。
  19. 【請求項19】ポリエーテルが環状化合物である請求項
    11の製造方法。
  20. 【請求項20】前記系が、約0.01〜約5モル/モル
    (アクリル酸エステル)の硫黄元素をさらに含有する請
    求項11の製造方法。
  21. 【請求項21】反応を約0℃〜約75℃で行い、硫黄元
    素が約0.01〜約0.5モル/モル(アクリル酸エス
    テル)で存在し、そして、硫化水素が約1.25〜5.
    0モル/モル(アクリル酸エステル)で存在する請求項
    20の製造方法。
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