JPH04273248A - 電子写真感光体及びそれを用いた装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを用いた装置

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JPH04273248A
JPH04273248A JP3476591A JP3476591A JPH04273248A JP H04273248 A JPH04273248 A JP H04273248A JP 3476591 A JP3476591 A JP 3476591A JP 3476591 A JP3476591 A JP 3476591A JP H04273248 A JPH04273248 A JP H04273248A
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JP
Japan
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electrophotographic photoreceptor
layer
melting point
resin
high melting
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Pending
Application number
JP3476591A
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English (en)
Inventor
Naoto Fujimura
直人 藤村
Kiyoshi Sakai
酒井 清志
Masayoshi Nakano
征孝 中野
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電像および/または
トナー画像を保持するための電子写真感光体に関し、詳
しくは耐久性に優れた電子写真感光体およびこれを用い
た装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体には一般に電子写真感光
体と、その他の電子写真感光体、例えば多数回の転写が
必要なカラー複写機の中間転写部材および静電記録部材
等の静電像及び/又はトナー像を保持する電子写真感光
体がある。
【0003】電子写真感光体は所定の特性を得るためあ
るいは適用される電子写真プロセスの種類に応じて種々
の構成をとるものである。電子写真感光体の代表的なも
のとして支持体上に光導電層が形成されている感光体お
よび表面に保護層を備えた感光体があり広く用いられて
いる。支持体と光導電層から構成される感光体は最も一
般的な電子写真プロセスによる、即ち帯電、画像露光お
よび現像、更に必要に応じて転写による画像形成に用い
られる。また保護層を備えた感光体についてこの保護層
は光導電層の保護、感光体の機械的強度の改善、暗減衰
特性の改善、または、特定の電子写真プロセスに適用さ
れるため、等の目的のために設けられるものである。な
おこのような特定の電子写真プロセスの代表的な例は、
帯電時に支持体側から電荷を注入させて保護層と光導電
層の間にまで電荷を移動させることを利用した方式があ
ります。このような方式として代表的なものは、特公昭
42−23910号公報、特公昭43−24748号公
報等に開示されているように、1次帯電、1次帯電と逆
極性の2次帯電若しくはAC除電と同時画像露光および
全面露光によって静電像を形成する方式である。また、
上記方式において画像露光は2次帯電又はAC除電の前
若しくは後にされてもよい。全面露光は省略されてもよ
い。
【0004】また、他の方式として、米国特許第304
1167号公報に開示されているものが挙げられる。
【0005】電子写真感光体には所定の電子写真プロセ
スに適用されて、静電像が形成され、この静電像は現像
されて可視化される。
【0006】電子写真感光体は適用される記録プロセス
に応じた電気特性が要求されるが、電子写真感光体の耐
久性は重要な性質である。耐久性は電子写真感光体を繰
返し使用する場合に要求される性質である。
【0007】即ち、電子写真感光体には、当然のことで
あるが、適用される電子写真プロセスに応じた所定の感
度、電気特性、更には、光学特性を備えていることが要
求される。特に繰り返し使用可能な感光体にあってはそ
の感光体の表面層にはコロナ帯電、トナー現像、紙への
転写、クリーニング処理等の電気的、機械的外力が直接
に加えられるため、それらに対する耐久性が要求される
。具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾンやNOx
による劣化のために感度低下や電位低下、残留電位増加
、及び摺擦による表面の摩耗や傷の発生等に対する耐久
性が要求される。
【0008】更に、クリーニング性は重要な要素であり
、クリーニング性を向上させる為には、摩擦抵抗を低下
させることが必須である。
【0009】電子写真感光体の表面は主として樹脂及び
光導電材料等によって構成されるため、特に樹脂の性能
が重要であり、上述の諸特性を満たす優れた樹脂が要望
されていた。最近になりこれらを満足する樹脂としてポ
リカーボネート樹脂が表面層のバインダー(結着剤)と
して用いられる様になってきた。
【0010】しかしながら、その耐久性はアクリル系の
樹脂を用いていた当時の通紙数千〜一万枚ぐらいの耐久
性が、ポリカーボネート樹脂を用いることによって五万
〜十万枚に延びたものの、無機感光体であるSe又はa
−Si(無定形Si)を用いた場合の耐久性三十万〜百
万枚には達することが出来なかった。
【0011】そこで従来の樹脂又は含沸素樹脂等を添加
して保護層を設ける研究が数多くなされているが、感光
層の構成上電荷の移動しない層を設けることに起因して
、どうしても耐久使用によって残留電位(Vr)が増加
したり、感度が低下するという弊害が見られた。この問
題は保護層の膜厚を薄く例えば、2〜3μm以下に薄く
することで改善はされるが、従来使用されている樹脂で
は耐久使用による摩耗が依然として大きい−耐久性が改
善されない−という結果に終っている。
【0012】更に、ポリテトラフルオロエチレン(以下
、「PTFE」と略称することがある)を添加した樹脂
を保護層に用いる場合に、PTFEの良好なクリーニン
グ特性を引き出すためには柔らかい樹脂を使う必要があ
る。これは感光体の耐久使用と共に表面を少しずつ削り
、フレッシュなPTFEを表面に出す為であり、固いバ
インダーではPTFEの効果がうまく発現しないためで
ある。しかしながら柔らかいバインダーを用いると、P
TFEの効果で保護層の耐久性は増すが、膜が柔らかい
ためにクリーニングブレードによる摺擦によるキズや、
衝撃による割れ(膜の剥離)が発生し易くなる。更には
転写紙の先端あるいは後端等、電子写真感光体と接触す
ると、その電子写真感光体の接触部分が、傷になってし
まうので黒スジ状等の画像欠陥となる。又、耐久使用に
よる残留電位の増加及び感度低下の問題については通常
の保護層と全く同じ問題を残している。
【0013】また、耐摩耗性を改良するために高硬度の
樹脂の使用も考えられるが、ポリカーボネート等を表面
に用いた場合に比べて摩擦抵抗係数が数段大きくなり、
良好なクリーニング特性を得にくいといった点に改良の
余地がある。
【0014】基本的な問題の解決としては、高融点ポリ
エステル樹脂及び硬化樹脂を有することを特徴とする電
子写真感光体を使用することで30万枚の耐久性が達成
された。
【0015】しかしながら、該感光体を30万枚を越え
て耐久使用すると、次第に画像の解像度が低下する現象
が認められた。
【0016】従来の数倍の耐久性は得られるが、更に耐
久性能を要求される場合には問題が残ることが判明した
【0017】
【発明が解決しようとする課題】(1)耐久特性を更に
飛躍的に伸長させると共に、安定した電位特性をも備え
た電子写真感光体を提供すること。 (2)上記電子写真感光体の製造方法を提供すること。 (3)上記電子写真感光体を用いた各種装置を提供する
こと。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は高融点ポリエス
テル樹脂及び硬化樹脂を有し、酸化電位が0.6V以上
の電荷輸送物質を含むことを特徴とする電子写真感光体
及びその製造方法に関する。
【0019】本発明の表面層を電子写真感光体に設ける
ことによって、30万枚を越えた耐久テストによる画像
の解像度の低下も殆ど無く、安定した電位特性を示し、
耐久使用後もキズによるスジ画像発生及び部分的な削れ
による濃度の傾きの無い電子写真感光体を得ることがで
き、その結果良好な複写画像を得ることが可能になった
【0020】本発明の電子写真感光体を図面に基づいて
、以下に説明する。ここで、図1〜図3は本発明の電子
写真感光体の内、表面層が保護層であるものの各種態様
を示す模式的断面図である。各図において、同一の符号
は同一の層を表わす。
【0021】同図において、1は保護層であり、電子写
真感光体の最外部に位置してその内側の層を保護する。 2は光導電層であるが、本発明の電子写真感光体中には
前述した如く存在しない場合もある。3は支持体である
。4は電荷輸送層、5は電荷発生層であって、これらの
両層の上下位置関係は何れでも構わない。
【0022】保護層1は耐摩耗性について格段に優れて
いるに拘らず、摩擦抵抗が小さいので、電子写真感光体
の表面保護層として極めて有用である。これは従来の単
一種の樹脂あるいは共重合体樹脂とは異なり、高融点ポ
リエステル樹脂と硬化樹脂との混成がそれぞれの樹脂成
分の特性を相乗的に作用させ合った結果、従来にない効
果を発現したものと考えている。
【0023】本発明の保護層1は極めて強靭であるので
薄膜化が可能であって、保護層の膜厚は3μm以下、望
ましくは0.1〜2μmに設定する。また、電子写真感
光体としては、必要に応じて光導電層2を有することが
出来る。
【0024】光導電層としては例えば、Se、a−Si
、ZnO、CdS等の無機光導電性を有する物質又は有
機染料、有機顔料、ポリシラン化合物等の有機光導電性
を有する物質が用いられる。さらに光導電層はその層構
成によって、支持体4上に先ず電荷発生層6、次いで電
荷輸送層5の順番に積層したもの、あるいは支持体4上
に先ず電荷輸送層5、次に電荷発生層6の順番に積層し
たもの、あるいは電荷発生物質と電荷輸送物質を混在さ
せた1以上の層を有するもの等がある。またこれらの層
構成は最小限のもので、必要に応じて中間層を設けても
差支え無い。本発明で用いた各層(保護層含む)には、
必要に応じて第3成分を加えることが出来る。該成分は
低分子量物質であるか高分子量物質であるかを問わない
【0025】図4〜図6は本発明の電子写真感光体の内
、表面層が光導電層であるものの各種態様を示す模式的
断面図である。各図において、同一の符号は同一の層を
表わす。
【0026】同図において、6は光導電層であり、高融
点ポリエステル樹脂、硬化樹脂、電荷発生物質及び電荷
輸送物質から形成されている。3は支持体である。7は
電荷輸送層であり、電荷輸送物質、高融点ポリエステル
樹脂及び硬化樹脂から主として形成されている。8は電
荷発生層であり、電荷発生物質から主として形成されて
いる。9は電荷発生層であり、電荷発生物質、高融点ポ
リエステル樹脂及び硬化樹脂から主として形成されてい
る。10は電荷輸送層であり、電荷輸送物質から主とし
てなる。
【0027】光導電層としては例えば、Se、a−Si
(無定形Si)ZnO、CdS等の無機光導電性を有す
る物質又は有機染料、有機顔料、ポリシラン化合物等の
有機光導電性を有する物質が用いられる。さらに光導電
層はその層構成によって、支持体上に先ず電荷発生層、
次いで電荷輸送層の順番に積層したもの、あるいは支持
体上に先ず電荷輸送層、次に電荷発生層の順番に積層し
たもの、あるいは電荷発生物質と電荷輸送物質を混在さ
せた1以上の層を有するもの等がある。またこれらの層
構成は最小限のもので、必要に応じて中間層を設けても
差支え無い。
【0028】本発明の電子写真感光体の表面層例えば、
上述した如き、保護層1、光導電層6、電荷輸送層7及
び電荷発生層9の形成に用いる樹脂成分について説明す
る。
【0029】ポリエステルとは酸成分とアルコール成分
との縮合ポリマーであり、ジカルボン酸とグリコールと
の縮合あるいはヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ基と
カルボキシ基とを有する化合物の縮合によって得られる
重合体である。
【0030】酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸
、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸
、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等
を用いることができる。
【0031】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
チロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等を使用することができる。
【0032】なお、前記ポリエステル樹脂が実質的に線
状である範囲でペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘
導体等の多官能化合物を共重合させても良い。
【0033】本発明に用いるポリエステル樹脂としては
、高融点ポリエステル樹脂を用いる。
【0034】高融点ポリエステル樹脂としては、オルソ
クロロフェノール中36℃で測定した極限粘度が0.4
dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、更に好
ましくは0.65dl/g以上のものが用いられる。
【0035】好ましい高融点ポリエステル樹脂としては
、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が挙げられる。 ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分として、
テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレング
リコールから主としてなるものである。
【0036】その具体例としては、テレフタル酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、テレフタル酸成分と1、
4−テトラメチレングリコール(1、4−ブチレングリ
コール)成分とから主としてなるポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、テレフタル酸成分とシクロヘキサン
ジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘキシ
ルジメチレンテレフタレート(PCT)等を挙げること
ができる。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂とし
ては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示できる
。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分としてナ
フタレンジカルボン酸成分とグリコール成分としてアル
キレングリコール成分とから主としてなるものであって
、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンナフタレート(PEN)等を挙げることができる。
【0037】高融点ポリエステル樹脂としては、その融
点が好ましくは160℃以上、特に好ましくは200℃
以上のものである。
【0038】高融点ポリエステル樹脂は、高融点である
が故に、結晶性が高い。この結果、硬化樹脂ポリマー鎖
と高融点ポリマー鎖との相互の絡み合いが均一かつ密に
なって、高耐久性の表面層を形成できるものと考えられ
る。低融点ポリエステル樹脂の場合には、結晶性が低い
ので、硬化樹脂ポリマー鎖との絡み合いの程度が大きい
所と小さい所が生じ、耐久性が劣るものと考えられる。
【0039】高融点ポリエステル樹脂としての特性を損
わない限り、他の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリアリレート、ポリオキシメチレン
、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロ
ピレン共重合体、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン
共重合体の外、飽和ポリエステル樹脂のオリゴマー等の
少なくとも1種以上を配合することも出来る。
【0040】本発明に用いる硬化樹脂成分を形成する硬
化性樹脂成分とは、熱又は好ましくは光重合開始剤もし
くは架橋剤及び紫外線の様な光照射等によって重合もし
くは架橋が生じる樹脂である。硬化性樹脂成分としては
、イオン重合性又は架橋性のものが特に好ましい。イオ
ン重合性又は架橋性のものは、空気中の酸素によって重
合又は架橋が妨げられないので、表面層の厚さ方向に硬
化が同じように進行し、より耐久性に優れた表面層を形
成するものと考えられる。このような光イオン硬化性の
樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーン樹
脂等が挙げられる。更に好ましくは、カチオン重合性樹
脂成分を挙げることができる。
【0041】カチオン重合性樹脂としては、1分子中に
オキシラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分と
するカチオン重合性樹脂の1種又は2種以上の混合物が
好ましい。この種のエポキシ樹脂としては、芳香族型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂等が用いられる。
【0042】この様な芳香族型エポキシ樹脂としては、
例えば、エピコート828、エピコート834、エピコ
ート836、エピコート1001、エピコート1004
、エピコート1007、エピコート190P、エピコー
ト191P(以上、油化シェルエポキシ社製品の商品名
)、DER331、DER332、DER661、DE
R664、DER667(以上、ダウケミカル社製品の
商品名)、アラルダイト260、アラルダイト280、
アラルダイト6071、アラルダイト6084、アラル
ダイト6097(以上、チバガイギー社製品の商品名)
等が挙げられ、それらは単独で又は混合して用いられる
【0043】前記ノボラック型エポキシ樹脂としては、
例えばエピコート152、エピコート154(以上、油
化シェルエポキシ社製品の商品名)、アラルダイトEP
N1138、アラルダイトEPN1139、アラルダイ
トECN1235、アラルダイトECN1273、アラ
ルダイトECN1280、アラルダイトECN1299
(以上、チバガイギー社製品の商品名)等が挙げられ、
それらは単独で又は混合して用いられる。
【0044】脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、ア
ラルダイトCY175、アラルダイトCY177、アラ
ルダイトCY179、アラルダイトCY192(以上、
チバガイギー社製品の商品名)、ERL4221、ER
L4229、ERL4234(以上、ユニオンカーバイ
ド社製品の商品名)等が挙げられ、それらは単独でまた
は混合して用いられる。
【0045】その他のブタジエン系エポキシ樹脂等の使
用も可能であり、前記各種エポキシ樹脂を混合したもの
も使用し得る。
【0046】本発明に用いられるカチオン重合性化合物
には、硬化特性を低下させない範囲内で単官能エポキシ
希釈剤を使用しても良い。この様な単官能エポキシ希釈
剤としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、t−
ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0047】更に、カチオン重合性ビニル化合物を前記
エポキシ樹脂に混合して使用することも可能であり、そ
の様なカチオン重合性ビニル化合物としては、例えばス
チレン、アリルベンゼン、トリアリルイソシアネート、
トリアリルシアネート、ビニルエーテル、N−ビニルカ
ルバゾール、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0048】本発明に用いる硬化樹脂の硬化処理は熱硬
化によることも出来るが、紫外線照射による光硬化を行
なうことが望ましい。
【0049】光硬化させるときは、光重合開始剤が添加
される。紫外線照射によりカチオン重合性化合物の重合
を開始させるルイス酸を遊離する光重合開始剤としては
、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、第VI
b族又はVb族元素の光感応性芳香族オニウム塩等が挙
げられる。
【0050】前記芳香族ジアゾニウム塩とは、次の一般
式(1)で表わされる化合物である:
【0051】
【外1】 [式中、R1、R2は水素原子、アルキル基又はアルコ
キシ基、R3は水素原子、芳香族基、アミド基又は硫黄
原子により連結された芳香族基、Mは金属又は半金属、
Qはハロゲン原子をそれぞれ表わす。aは1〜6の数で
あり、しかも、a=(b−c)が成立し、bはc<b≦
8の関係を充足する数、cは2〜7の数でMの原子価に
等しい。]
【0052】例えば、次の化合物を挙げることができる
【0053】
【外2】 等が挙げられる。
【0054】前記芳香族ハロニウム塩は一般式[(R4
)d(R5)eX] +f[MQg]−(g−n)  
  (2)[式中、R4は1価の芳香族有機基、R5は
2価の芳香族有機基、Xは例えば、I、Br、Cl等の
ハロゲン原子、Mは金属又は半金属、Qはハロゲン原子
を表わし、dは0又は2、eは0又は1であり、gはh
<g≦8の関係を充足する数、かつ(d+e)は2又は
Xの原子価に等しい。]で示される化合物であって、例
えば、
【0055】
【外3】 等が挙げられる。
【0056】更に、第VIb族元素又は第Vb族元素の
光感応性芳香族オニウム塩とは、一般式(3)で表わさ
れる化合物である: [(R6)i(R7)j(R8)kY] +1[MQm
]−(m−n)(3)[式中、R6は1価の芳香族有機
基、R7はアルキル基、シクロアルキル基、置換アルキ
ル基から選ばれた1価の脂肪族有機基、R8は脂肪族有
機基及び芳香族有機基から選ばれた複素環構造を構成す
る多価有機基、YはS、Se、Teの第VIb族元素又
はN、P、As、Sb及びBiから選ばれた第Vb族元
素、Mは金属又は半金属、Qはハロゲン原子を表わす。 iは0〜4の整数、jは0〜2の整数、kは0〜2の整
数であり、かつ、(i+j+k)はYの原子価に等しく
、Yが第VIb族のときは3、Yが第Vb族のときは4
に等しく、i=(m−n)が成立し、mはn<m≦8の
関係を充足する数を表わし、かつ、nは2〜7の整数で
Mの原子価に等しい。]
【0057】第VIb族元素のオニウム塩としては、例
えば、
【0058】
【外4】 等が挙げられる。
【0059】また、第Vb族元素のオニウム塩としては
、例えば、
【0060】
【外5】 等が挙げられる。
【0061】本発明に使用される樹脂組成物は溶媒に溶
解して基材に塗布することが望ましい。
【0062】本発明の樹脂組成物を溶解する溶媒として
は、高融点ポリエステル樹脂を溶解する溶媒として用い
られるものが使用できるが、一般に、クレゾール類、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ト
リクロロプロパン及びテトラクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素、テトラフルオロエタノール、ヘキサフル
オロイソプロパノール等のフッ素含有アルコール等の1
種又は2種以上の混合溶媒が望ましい。
【0063】特に好ましい溶媒はテトラフルオロエタノ
ール、ヘキサフルオロイソプロパノール等のフッ素含有
アルコール又はこれらの1種又は2種以上を含有する混
合溶媒である。これらのフッ素含有アルコールが常用の
塩素系溶媒に比して有利である点としては、それが電子
写真特性に影響を及ぼしにくく、高温、高湿度の環境に
おいても長時間の使用に耐える点である。
【0064】高融点ポリエステル樹脂100重量部に対
する硬化性樹脂の配合比は3〜50重量部、好ましくは
8〜45重量部、更に好ましくは10〜40重量部であ
る。前記ルイス酸遊離型光重合開始剤の配合比は硬化樹
脂100重量部に対して、0.1〜50重量部、好まし
くは1〜30重量部である。
【0065】塗布方法としては、浸漬法、ロールコータ
ー、バーコーター、スプレー、ハケ塗り等の任意の方法
を用いることができる。特に、浸漬法(ディッピング方
式)は生ずる塗膜の均一性にも優れている点で、好まし
い。
【0066】紫外線の照射条件は室温から高分子量ポリ
エステル樹脂の分解温度までの温度、好ましくはガラス
転移点温度以上で、溶融開始温度以下の温度、特に好ま
しくはガラス転移点温度よりも20℃以上高い温度で溶
融開始温度よりも20℃低い温度以下。照射時間は60
秒以下、好ましくは30秒以下、更に好ましくは5〜1
5秒である。
【0067】照射条件は得られる架橋物の溶媒不溶解分
の量によって適宜選択される。紫外線としては、一般に
波長200〜500nm、好ましくは300〜400n
mのものが使用される。
【0068】特定の樹脂成分からなる本発明の表面層は
その硬化物100mgを溶媒10mlに100℃で1時
間加熱攪拌溶解させた後、3Gのガラスフィルターで濾
過洗浄した後に残る不溶解部を130℃で恒温に達する
まで乾燥させた際の不溶解分(ゲル)が10重量%以上
、好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量
%以上となる量まで紫外線照射を受けることによって硬
化が行なわれる。
【0069】本発明における像支持部材の支持体として
は、例えば以下に示した形態のものを挙げることができ
る。
【0070】(1)アルミニウム、アルミニウム合金、
耐食鋼(ステンレス鋼)、銅等の金属を板形状またはド
ラム形状に形成したもの。
【0071】(2)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持
体や前記(1)の導電性支持体上にアルミニウム、パラ
ジウム、ロジウム、金、白金等の金属を蒸着又はラミネ
ートすることにより薄膜を形成させたもの。
【0072】(3)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持
体や前記(1)の導電性支持体上に導電性高分子、酸化
スズ、酸化インジウム等の導電性化合物の層を蒸着する
か又は導電性もしくは非導電性高分子との分散塗料とし
て塗布することにより形成させたもの。
【0073】支持体と光導電層との中間にバリヤー機能
又は接着機能を有する下引き層を設けることもできる。 下引き層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μ
mが適当である。下引き層は例えば、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロ
ン、N−アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタ
ン又は酸化アルミニウム等によって形成することができ
る。
【0074】本発明に用いられる有効な電荷発生物質と
しては、例えば以下のような物質が挙げられる。これら
の電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種以上組み合
わせてもよい。
【0075】(1)アゾ系顔料:モノアゾ、ビスアゾ、
トリスアゾ等; (2)フタロシアニン系顔料:金属−フタロシアニン、
非金属フタロシアニン等; (3)インジゴ系顔料:インジゴ、チオインジゴ等(4
)ペリレン系顔料:ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミ
ド等; (5)多環キノン系顔料:アンスラキノン、ピレンキノ
ン等の縮合環化合物; (6)スクワリリウム色素; (7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類;(8)トリ
フェニルメタン系色素; (9)セレン、非晶質シリコン等の無機物質。
【0076】電荷発生物質を含有する層、すなわち、電
荷発生層6は前記のような電荷発生物質を例えば適当な
結着剤に分散し、これを支持体上に塗工することにより
形成させることができる。また、支持体4上に蒸着、ス
パッタ、CVD等の乾式法で薄膜を形成させることによ
っても作製することができる。
【0077】上記結着剤(バインダー)としては広範囲
な結着性樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラ
ール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0078】これらは単独または共重合体として用いる
ことができる外に1種または2種以上混合して用いても
よい。電荷発生層中に含有される樹脂の量は80重量%
以下、好ましくは、0〜40重量%に選ぶ。また電荷発
生層の膜厚は5μm以下、特に0.01μm〜1μmの
膜厚をもつ薄膜層とすることが好ましい。
【0079】また、電荷発生層には種々の増感剤を添加
してもよい。
【0080】電荷輸送層は電荷発生層の上又は下に設け
られ、電界の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受
取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層5
は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダーと共に
溶剤中に溶解し、塗布することによって形成され、その
膜厚は一般的には5〜40μmであるが、15〜30μ
mが好ましい。
【0081】電荷輸送物質としては電子輸送物質と正孔
輸送物質があり電子輸送物質としては、例えば2,4,
7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキノジ
メタン等の電子吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高
分子化したもの等が挙げられる。
【0082】本発明における酸化電位が0.6V以上の
電荷輸送物質は、例えばヒドラゾン系化合物、スチルベ
ン系化合物、カルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合
物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリ
アリールメタン系化合物、ポリアリールアルカン類など
が挙げられ、その中から1種あるいはそれ以上が適宜選
択される。また、酸化電位は高いほどオゾン等による劣
化を防ぐことができるので耐久性能は向上する。特に酸
化電位が0.7V以上になるとその効果はより顕著なも
のになる。
【0083】本発明記載の酸化電位は、飽和カロメル電
極を参照電極、
【0084】
【外6】 を電解液として用い、ポテンシャルスィーパーによって
作用電極を変化させ、得られた電流−電位曲線のピーク
位置をそのまま酸化電位の値として求めた。
【0085】またこれらの電荷輸送物質は1種または2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0086】電荷輸送物質が成膜性を有していない場合
には適当なバインダー(結着性樹脂)を用いることがで
きる。バインダーとして具体的には、アクリル樹脂、ポ
リアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー樹脂
、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩
素化ゴム等の絶縁性樹脂又はエラストマー、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等の有機
光導電性ポリマー等が挙げられる。
【0087】本発明の別の具体例として、前述のアゾ顔
料と電荷輸送物質とを同一層に含有させた電子写真感光
体を挙げることができる。この際、前述の電荷輸送物質
としてポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフル
オレノンからなる電荷移動錯体を用いることもできる。
【0088】この例の電子写真感光体は前述のアゾ顔料
と電荷輸送物質とを適当な樹脂溶液中に分散させた液を
支持体上に塗布乾燥して形成させることができる。
【0089】本発明による光導電層を有する電子写真感
光体として電子写真複写機に使用するのみならず、レー
ザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリ
ンター、液晶プリンター、レーザー製版及びファクシミ
リ用のプリンター等の電子写真応用分野にも広く用いる
ことができる。
【0090】本発明の電子写真感光体の中で、光導電層
を有しない電子写真感光体の例としては、支持体上に静
電潜像もしくはトナー像を保持する目的で支持体の上に
表面層、又は支持体の上に誘電体層を介して表面層を設
けたもので、表面層は高融点ポリエステル樹脂及び硬化
樹脂、特に光イオン硬化樹脂を含む層として形成させら
れたものが挙げられる。
【0091】光導電層を有しない電子写真感光体の応用
例としては、トナー層もしくは静電潜像の中間転写部材
又は静電記録部材等が挙げられる。
【0092】図7に本発明の電子写真感光体を装着した
ドラム型感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の
概略構成を示す。
【0093】図7において、41は電子写真感光体とし
てのドラム型感光体であり、軸41aを中心に矢印方向
に所定の周速度で回転駆動される。該感光体41はその
回転過程で、帯電手段42によって、その周面に正又は
負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部43にお
いて、不図示の像露光手段により、光像露光L(スリッ
ト露光、レーザービーム走査露光等)を受ける。これに
より感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成
される。
【0094】その静電潜像は、次で現像手段44でトナ
ー現像され、そのトナー現像像が転写手段45により、
不図示の給紙部から感光体41と転写手段45との間に
感光体41の回転と同期取りされて給送された転写材P
の面に順次転写される。
【0095】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段48へ導入されて像定着を受け、複
写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0096】像転写後の感光体41の表面はクリーニン
グ手段46によって転写残りトナーの除去を受けて清浄
面化されて繰り返して像形成に使用される。
【0097】感光体41の均一帯電手段42としてはコ
ロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また、転写
装置45としても、コロナ転写手段が広く一般に使用さ
れている。電子写真装置として、上述の感光体41、現
像手段44及びクリーニング手段46等の構成要素のう
ち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構
成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成
しても良い。例えば、感光体41とクリーニング手段4
6とを一体化して単一の装置ユニットとし、装置本体の
レール等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良
い。この際に、上記の装置ユニットの方に帯電手段42
及び/又は現像手段44を伴って構成しても良い。
【0098】また、光像露光Lは電子写真装置を複写機
又はプリンターとして使用する場合には、原稿からの反
射光、透過光又は原稿を読み取り信号化し、この信号に
よってレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの
駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等によって行なわ
れる。
【0099】また、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントす
る為の露光になる。図5はこの場合の1例をブロック図
で示したものである。
【0100】図5において、コントローラ51は画像読
み取り部50とプリンター59を制御する。コントロー
ラ51の全体はCPU57によって制御されている。画
像読み取り部からの読み取りデータは送信回路53を通
して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受
信回路52を通してプリンター59に送られる。画像メ
モリ56には、所定の画像データが記憶される。プリン
タコントローラ58はプリンター59を制御している。 54は電話である。
【0101】回線55から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は受信回路
52で復調された後に、CPU57で画像情報の復号処
理が行なわれて順次画像メモリ56に格納される。そし
て、少なくとも1頁分の画像が画像メモリ56に格納さ
れると、その頁の画像記録を行なう。CPU57は画像
メモリ56から1頁分の画像情報を読み出してプリンタ
ーコントローラ58に復号化された1頁分の画像情報を
送出する。プリンターコントローラ58はCPU57か
らの1頁分の画像情報を受け取ると、その頁の画像情報
記録を行なうべく、プリンター59を制御する。なお、
CPU57はプリンター59による記録中に次の頁分の
受信を行なっている。
【0102】以上の様に、本発明の電子写真感光体を装
着した電子写真装置をプリンターとして、画像の受信と
記録とが行なわれ得る。
【0103】
【実施例】実施例1−1〜1−10 外径80mm×長さ360mmのアルミニウムシリンダ
ーを基体とし、これにアルコキシメチル化ナイロンの5
%メタノール溶液を浸漬法で塗布して、膜厚1μmの下
引き層(中間層)を設けた。
【0104】次に下記構造式の顔料を10部(重量部、
以下同様)、ポリビニルブチラール8部
【0105】
【外7】 およびシクロヘキサノン50部を直径1mmのガラスビ
ーズ100部を用いたサンドミル装置で20時間混合分
散した。この分散液にメチルエチルケトン70〜120
(適宜)部を加えて下引き層上に塗布し、100℃で5
分間乾燥して0.2μmの電荷発生層を形成させた。
【0106】次にこの電荷発生層の上に第1表(1)〜
(10)に示す構造式の電荷輸送物質10部と
【010
7】
【外8】
【0108】
【外9】
【0109】
【外10】 ビスフェノールZ型ポリカーボネート10部をモノクロ
ルベンゼン65部に溶解した。この溶液をディッピング
法によって基体上に塗布し、120℃で60分間の熱風
乾燥させて、20μm厚の電荷輸送層を形成させた。
【0110】次にこの電荷輸送層の上に以下の方法で膜
厚1.0μmの保護層を設けた。
【0111】酸成分としてテレフタル酸を、またグリコ
ール成分としてエチレングリコールを用いて得られた高
融点ポリエチレンテレフタレート(A)(極限粘度0.
70dl/g、融点258℃(示差熱測定器を用いて1
0℃/分の昇温速度で測定した。また、測定サンプルは
5mgで測定しようとするポリエステル樹脂を280℃
で溶融後、0℃の氷水で急冷して作成した。以下の実施
例において同じ)、ガラス転移点温度70℃)100部
とエポキシ樹脂(B)[エポキシ当量160;芳香族エ
ステルタイプ;商品名:エピコート190P(油化シェ
ルエポキシ社製)]30部とをフェノールとテトラクロ
ロエタン(1:1)混合液100mlに溶解させた。次
いで、光重合開始剤としてトリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート(C)3部を添加して樹脂
組成物溶液を調製した。
【0112】光の照射条件としては、2kw高圧水銀灯
(30w/cm)を20cm離した位置から130℃で
8秒間照射して硬化させた。
【0113】このようにして作製した感光体ドラムを複
写機[商品名:NP−3525(キヤノン社製)]に装
着し、温度24℃及び相対湿度55%で通紙60万枚の
耐久テストを行った。結果を表1−1に示す。
【0114】比較例1−1 実施例1−1で用いた保護層を用いない以外には実施例
1−1と同様の感光体を作製し、実施例1−2と同様に
耐久テストを行った。結果を表1に示す。
【0115】比較例1−2 実施例1−1で用いた保護層の代りに、電荷輸送層(C
TL)で用いたものと同じバインダーとして、ビスフェ
ノールZ型ポリカーボネート4部とモノクロルベンゼン
70部、PTFE微粉末1部をサンドミルで10時間混
合分散して塗工液を作製した。この塗工液をスプレー法
でCTL上に膜厚1.0μmになるように塗布して保護
層とし、実施例1−1と同様に耐久テストを行った。そ
の結果を表2に示す。
【0116】比較例1−3 比較例1−2で用いた保護層の膜厚が12.0μmにな
るように塗工液を再調合し、スプレーで塗布して厚さ1
2.0μmの保護層を設け、実施例1−1と同様に耐久
テストを行った。結果を表1−1に示す。
【0117】この様にして作成した感光体ドラムを複写
機[商品名:NP−3525(キヤノン社製)]に装着
して実施例1−1と同様に通紙60万枚の耐久テストを
行った。結果を表2に示す。
【0118】比較例1−4〜1−6 電荷輸送物質を酸化電位0.6V未満の電荷輸送物質(
11)〜(13)に代える以外は実施例1と同様な方法
で比較感光体1〜3を作製した。
【0119】このようにして作製した感光体ドラムを複
写機[商品名:NP−3525(キヤノン社製)]に装
着して実施例1−1と同様に通紙60万枚の耐久テスト
を行った。結果を表2に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【発明の効果】本発明による電子写真感光体は、高融点
ポリエステル樹脂を含有する表面層を有することにより
、耐久テストによる削れも殆ど無く、安定した電位特性
を示し、耐久使用後もキズによるスジ画像発生及び部分
的な削れによる濃度の傾きの無い像保持部材を得ること
ができ、その結果良好な複写画像を得ることが可能にな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を備えた電子写真感光体の模式的
断面図である。
【図2】本発明の構成を備えた他の電子写真感光体の模
式的断面図である。
【図3】本発明の構成を備えたさらに他の電子写真感光
体の模式的断面図である。
【図4】本発明の構成を備えたさらに他の電子写真感光
体の模式的断面図である。
【図5】本発明の構成を備えたさらに他の電子写真感光
体の模式的断面図である。
【図6】本発明の構成を備えたさらに他の電子写真感光
体の模式的断面図である。
【図7】一般的なドラム型電子写真感光体を装着した転
写式電子写真装置の概略構成図である。
【図8】上記電子写真装置をプリンターとして使用した
ファクシミリ方式のブロック図である。

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  高融点ポリエステル樹脂、及び硬化樹
    脂を有し、酸化電位が0.6V以上の電荷輸送物質を含
    むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】  該感光層が電荷発生層と電荷輸送層の
    積層構造を有する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】  該感光層が電荷発生物質を含有する請
    求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】  高融点ポリエステル樹脂が160℃以
    上の融点を有する請求項1〜3の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】  硬化樹脂が高融点ポリエステル樹脂1
    00重量部に対して3〜50重量部含まれていることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】  高融点ポリエステル樹脂がポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】  高融点ポリエステル樹脂がポリブチレ
    ンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】  高融点ポリエステル樹脂がポリシクロ
    ヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂であることを特
    徴とする請求項1〜3に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】  高融点ポリエステル樹脂がポリエチレ
    ンナフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    3に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】  上記硬化樹脂が光イオン硬化された
    エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】  硬化樹脂が光イオン硬化されたエポ
    キシ樹脂である請求項4の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】  表面層が保護層である請求項1〜3
    の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】  上記保護層の膜厚が3.0μm以下
    であることを特徴とする請求項12の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】  上記電子写真感光体が少なくとも前
    記保護層と光導電層とを有することを特徴とする請求項
    12の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】  上記感光層として有機系光導電層を
    有することを特徴とする請求項14の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】  上記有機系光導電層が電荷発生層と
    電荷輸送層の積層体であることを特徴とする請求項15
    の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】  表面層が保護層であって、有機系光
    導電層を有する請求項4の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】  表面層が有機系光導電層である請求
    項1〜3の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】  有機系光導電層が電荷輸送層である
    請求項18の電子写真感光体。
  20. 【請求項20】  有機系光導電層が電荷発生層である
    請求項18の電子写真感光体。
  21. 【請求項21】  表面層が有機系光導電層である請求
    項4の電子写真感光体。
  22. 【請求項22】  表面層を有する電子写真感光体の製
    造方法において、該表面層を溶媒中に少なくとも高融点
    ポリエステル樹脂及び光硬化性樹脂が均一に溶解された
    塗工液を塗工し、次いで光硬化させ形成することを特徴
    とする電子写真感光体。
  23. 【請求項23】  高融点ポリエステル樹脂が160℃
    以上の融点を有する請求項22の電子写真感光体の製造
    方法。
  24. 【請求項24】  前記光硬化性樹脂がエポキシ樹脂で
    あることを特徴とする請求項22に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  25. 【請求項25】  前記塗工液中に、光照射によってル
    イス酸を遊離する光重合開始剤が存在することを特徴と
    する請求項20の電子写真感光体の製造方法。
  26. 【請求項26】  前記溶媒がフッ素含有アルコールを
    含有することを特徴とする請求項20の電子写真感光体
    の製造方法。
  27. 【請求項27】  帯電手段、現像手段およびクリーニ
    ング手段の少なくとも1つを、高融点ポリエステル樹脂
    を有する表面層を有する電子写真感光体とともに一体に
    支持してユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一
    ユニットとしたことを特徴とする装置ユニット。
  28. 【請求項28】  高融点ポリエステル樹脂が160℃
    以上の融点を有する請求項27の装置ユニット。
  29. 【請求項29】  表面層が保護層および有機光導電層
    から選ばれた層である請求項28の装置ユニット。
  30. 【請求項30】  高融点ポリエステル樹脂を有する表
    面層を有する電子写真感光体、潜像形成手段、形成した
    潜像を現像する手段および現像した像を転写材に転写す
    る手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  31. 【請求項31】  高融点ポリエステル樹脂が160℃
    以上の融点を有する請求項30の電子写真装置。
  32. 【請求項32】  高融点ポリエステル樹脂を有する表
    面層を有する電子写真感光体、潜像形成手段、形成した
    潜像を現像する手段および現像した像を転写材に転写す
    る手段を備えた電子写真装置およびリモート端末からの
    画像情報を受信する受信手段を有することを特徴とする
    ファクシミリ。
  33. 【請求項33】  高融点ポリエステル樹脂が160℃
    以上の融点を有する請求項32のファクシミリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0632334A1 (en) * 1993-06-30 1995-01-04 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, and process cartridge and electrophotographic apparatus employing the same
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JP2017114808A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トリアリールアミンヒドラゾン誘導体及び電子写真感光体
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