JPH04272620A - 二回線送電線路における避雷碍子装置 - Google Patents

二回線送電線路における避雷碍子装置

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JPH04272620A
JPH04272620A JP3112891A JP3112891A JPH04272620A JP H04272620 A JPH04272620 A JP H04272620A JP 3112891 A JP3112891 A JP 3112891A JP 3112891 A JP3112891 A JP 3112891A JP H04272620 A JPH04272620 A JP H04272620A
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Tetsuya Nakayama
哲也 中山
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は二回線送電線路に装着
する避雷碍子装置、特にいわゆる直列放電ギャップ付き
避雷碍子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線路において雷サージによる地絡事
故を防止するため、送電線を支持する絶縁支持碍子の課
電側に放電電極を設け、鉄塔側に電圧−電流特性が非直
線性の避雷素子を内蔵した避雷碍子を装着し、該避雷碍
子には前記課電側の放電電極と所定の気中放電ギャップ
をもって対向する接地側の放電電極を設けた避雷碍子装
置いわゆる直列ギャップ付き避雷碍子装置が広く使用さ
れている。
【0003】各相の送電線を並列に配設した二回線送電
線路における従来の避雷碍子装置では、両回線にそれぞ
れ地絡事故が発生するいわゆる二回線にわたる事故を防
止するとともに、高価な避雷碍子装置を効果的に用いる
ため送電線路の片側回線に装着されている。ところで、
この送電線路では、雷が襲来して避雷碍子装置を装着し
ていない回線で地絡事故が発生すると、避雷碍子装置を
装着した回線の他相の送電線の運転電圧E、すなわち常
規対地電圧Eが√3倍に上昇するものと想定している。 避雷碍子装置の設計にあたっては最も苛酷な条件である
この√3倍に上昇した電圧の下で、避雷碍子装置は雷サ
ージを処理する必要があるとして避雷碍子の動作開始電
圧を常規対地電圧Eの√3倍の電圧以上としている。こ
こで、避雷素子の断面積及び長さはこの√3倍の電圧(
定格電圧)の下で雷サージを処理できるように設定され
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、前記避雷碍子
は、この√3倍の定格電圧を基準とした所定個数の避雷
素子を内蔵しているため、避雷碍子の小型・軽量化、コ
ストダウンを図る上で限界があった。又、雷サージを避
雷碍子装置で確実に処理し地絡事故を防止するためには
避雷碍子装置の絶縁レベル、すなわち雷サージフラッシ
オーバ電圧を送電線支持用の懸垂碍子連側の絶縁レベル
より十分に小さく維持する必要がある。ところで、避雷
碍子装置としての雷サージフラッシオーバ電圧はおおむ
ね気中放電ギャップ部の雷サージフラッシオーバ電圧と
避雷素子部のバイアス電圧の和で示され、バイアス電圧
はおおむねV1mA 付近の電圧に等しく動作開始電圧
と比例関係にある。従って、避雷素子個数が多くなるに
伴い動作開始電圧も高くなるので、避雷碍子の絶縁レベ
ルを下げるには限界があった。特に、懸垂碍子個数が少
ない既設の鉄塔に避雷碍子装置を適用するに際しては、
避雷碍子と懸垂碍子連の間、及び両回線間相互での絶縁
レベルは比較的接近しており、十分な絶縁協調を図るこ
とができなかった。このため、避雷碍子装置により雷サ
ージを確実に処理して、地絡事故の発生を完全に防止す
ることができなかった。
【0005】又、懸垂鉄塔では、風などによって送電線
が振れることから、放電ギャップを形成する課電側及び
接地側の放電電極のうち課電側の放電電極の相対位置も
変化し、設定された放電ギャップが拡大した際には、避
雷碍子装置側の雷サージフラッシオーバ電圧が上昇する
ことから絶縁協調を図り得ず、地絡事故の発生頻度が高
くなる。このため、特に線路方向の振れに対し放電ギャ
ップを可能な限り一定に保つために従来装置では長く、
かつ複雑な構造とした放電電極を必要としていた。
【0006】このような従来の避雷碍子装置についての
技術的課題に対して、発明者は、常規対地電圧Eの√3
倍未満の定格の避雷素子を装着した避雷碍子であっても
、破損することなく十分に雷サージを処理できる知見を
得た。すなわち、フラッシオーバした電線路における健
全相の常規対地電圧の一線地絡時の健全相電圧上昇過程
について検討した結果、避雷碍子装置が続流を1/2サ
イクル以下で遮断することを考慮に入れ、かつ地絡部の
条件が個々に変わることを加味すると、避雷碍子装置責
務評価上必ずしも√3倍の電圧上昇を考慮する必要がな
いことが明らかとなった。表2は、常規対地電圧Eに対
する一線地絡時における他相の上昇電圧V1 の比V1
 /E(以下電圧上昇倍率という)と、フラッシオーバ
確率(地絡事故の発生確率)の関係を示したものであり
、これをグラフ化したものが図3である。
【0007】
【表1】
【0008】この表2から前記電圧上昇倍率V1 /E
が1.4倍未満でフラッシオーバを生じない確率が99
.9%を占め、1.4倍以上はわずかに0.1%である
ことが明らかとなった。つまり、フラッシオーバ確率か
らいえば、常規対地電圧Eの1.4倍の動作開始電圧を
有する避雷素子で十分に雷サージを処理可能となること
が判明した。この発明はこの知見に基づいて、次のこと
を目的としてなされたものである。
【0009】この発明では、避雷碍子に内蔵された避雷
素子の動作開始電圧を路線の常規対地電圧の1.4〜1
.6倍の範囲内とすることにより、避雷素子個数を従来
の避雷素子個数より少なくして小型・軽量の避雷碍子装
置とし、さらに避雷碍子装置の絶縁レベルを低減して絶
縁協調特性に優れ、地絡事故発生頻度を低減したより信
頼性のある避雷碍子装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
、この発明では、二回線送電線路の送電線を支持する絶
縁支持碍子の課電側に放電電極を設け、鉄塔側に電圧−
電流特性が非直線性の避雷素子を内蔵した避雷碍子を装
着し、該避雷碍子には前記課電側の放電電極と所定の気
中放電ギャップをもって対向する接地側の放電電極を設
けた避雷碍子装置において、避雷碍子に内蔵された避雷
素子の動作開始電圧を路線の常規対地電圧の1.4〜1
.6倍の範囲内とした避雷碍子装置とした。
【0011】
【作用】この発明では、避雷碍子に内蔵された避雷素子
の動作開始電圧を路線の常規対地電圧の1.4〜1.6
倍の範囲内としているため、避雷素子個数を従来の避雷
素子個数より少なくして避雷碍子装置を小型軽量なもの
にできる。又、絶縁碍子側の絶縁レベルよりも避雷碍子
側の絶縁レベルを十分に小さくできるため、雷サージを
確実に避雷碍子側で処理できる。
【0012】
【実施例】この実施例は、公称電圧66Kvの抵抗又は
リアクトル接地系統の二回線送電線路において、避雷装
置を片側回線に装着した例を示している。以下、図1,
図2に基づいて説明する。図2に示すように、鉄塔1に
は上下三段に支持アーム2a〜2c及び3a〜3cが水
平にそれぞれ片持支持され、各支持アーム2a〜2c,
3a〜3cの先端部には上部吊下金具4を介して懸垂碍
子を多数直列に連結してなる絶縁碍子としての懸垂碍子
連5a〜5c及び6a〜6cが吊下支持され、各懸垂碍
子連5a〜5c及び6a〜6cの下部には、下部連結金
具7を介して片回線の三相の送電線8a〜8c及び他回
線の三相の送電線9a〜9cがそれぞれ架設されている
。 送電線8aと送電線9c,送電線8bと送電線9b,送
電線8cと送電線9aは同相の送電線路となっている。
【0013】又、図1において右側の支持アーム3a〜
3cの先端部には、取付アダプタ10が水平に片持固定
され、この取付アダプタ10には避雷碍子11がボルト
によりそれぞれ吊下固定されている(以下、説明を簡略
とするため中相の支持アーム3bにより説明する)。こ
れらの避雷碍子11はFRP等の強化プラスチックより
なる耐圧絶縁筒12と、この耐圧絶縁筒12内に収納さ
れた避雷素子13と、さらに耐圧絶縁筒12の外周及び
内部にゴムモールドした絶縁外套体14とにより構成さ
れている。
【0014】又、各避雷碍子11の課電側電極金具15
には接地側の放電電極16が取付け固定されている。懸
垂碍子連6bの下部吊下金具7には課電側の放電電極1
7が支持され、放電電極17の先端は課電側の放電電極
16と所定の放電ギャップGをもって対向して配置され
ている。なお、課電側の放電電極17は短い棒状に形成
されていて、ほぼ水平方向に延出され、放電電極17の
先端を接地側の放電電極16の取付け位置より内側とし
ている。又、避雷碍子11の電極金具には放圧時の損傷
を最小にとどめるためのアークリング20,21が取着
されている。
【0015】避雷素子13は、電圧−電流特性が非直線
性の酸化亜鉛を主材として、この実施例では直径4.5
cm,厚さ2.0cmの円柱形状に形成され、1個当た
りの動作開始電圧V1Aを5.0KvP (波高値)以
上としている。ここで、動作開始電圧V1Aを設定する
ための素子電流値は続流を直列ギャップの絶縁回復特性
を利用してその交番する波形の零点で遮断するため1A
P 以下とするのがよい。この避雷素子13を16枚積
層して所定の素子長としている。この避雷素子13によ
り避雷碍子11は公称電圧66Kvの送電線路に対して
、常規対地電圧Eに相当する電圧(線路最高電圧69K
v/√3=40Kv)を定格電圧40Kv、動作開始電
圧V1Aを常規対地電圧Eの1.4倍、すなわち、V1
A=E×1.4=40Kv×1.4=56Kvとしてい
る。又、この避雷素子13を16枚内蔵した避雷碍子1
1の外形は、笠の直径20cm,長さ55cmであり、
重量は12kgとなっている。
【0016】なお、この実施例に相当する系統に装着さ
れていた従来の避雷碍子は、動作責務レベルを常規対地
電圧Eの√3倍としているため、線路最高電圧に相当す
る電圧を定格電圧69Kvとし、避雷素子13が20枚
必要であった。この避雷碍子の外形は、直径20cm,
長さ63cmであり、重量は14kgのものであった。 ここで、避雷碍子の動作開始電圧を常規対地電圧Eの1
.4倍とした場合の他の公称電圧の送電線路における本
実施例の避雷碍子11の特性と従来の避雷碍子とを比較
して表1に示す。
【0017】
【表2】
【0018】又、両回線路8a〜8c,9a〜9cの上
部吊下金具4及び下部吊下金具7には、懸垂碍子連5a
〜5c,6a〜6cの沿面閃絡を防止するためのアーク
ホーン18,19が取り付けられ、アークホーン間隙Z
が形成されている。このアークホーン間隙Zは、想定し
た内部異常電圧に対してフラッシオーバを起こさない間
隙とされ、ある程度幅のある慣用値になっている。ここ
ではこの66Kv送電線路でのアークホーン間隙Zは約
590mmとされ、その50%フラッシオーバ電圧は約
375Kvとなっている。一方、避雷碍子11側では、
放電ギャップGを常規対地電圧Eの2.6倍の開閉サー
ジまで耐圧させるため300mmとし、素子を含めた5
0%フラッシオーバ電圧は約270Kvとなっている。 従って、懸垂碍子連5a〜5c,6a〜6c側の絶縁レ
ベル375Kvより格段に小さくなっている。なお、放
電ギャップGをこの実施例と同じ300mmとした従来
の避雷碍子では、素子を含めた50%フラッシオーバ電
圧が約300Kvであるから、この実施例の50%フラ
ッシオーバ電圧は、従来の避雷碍子装置に対して、90
%(270Kv/300Kv×100)、すなわち避雷
素子13のバイアス電圧の値に近い値30Kvが低減さ
れている。
【0019】次に、前述した実施例の避雷碍子装置につ
いてその作用を説明する。今、この実施例の系統に雷電
圧が加わると、避雷碍子11を装着している送電線9a
〜9c側に対し避雷碍子装置の絶縁レベルが72%(2
70Kv/375Kv×100)に低減されているので
、それぞれのフラッシオーバ電圧が変動しても重畳する
確率は実質的に零に近く、このため雷サージ電流は避雷
碍子装置により処理され、送電線9a〜9c側で地絡事
故を生じることはない。又、同様に懸垂碍子連5a〜5
cの絶縁レベルも相対的に避雷碍子11側よりも十分に
高くなるため、フラッシオーバを生じる雷撃電流も大き
くなり、このため地絡事故の発生頻度も小さくなる。
【0020】又、風などにより懸垂碍子連6a〜6cが
線路方向に振れると放電ギャップGの間隙は変動し、避
雷碍子装置の絶縁レベルも変動するが、避雷碍子11の
絶縁レベルが従来に比べ低減されているので、放電ギャ
ップGの拡大によって、避雷碍子装置の絶縁レベルが実
用的な振れの範囲では懸垂碍子連6a〜6cより大きく
ならない。
【0021】さらに、この実施例では、避雷素子の動作
開始電圧を路線の常規対地電圧Eの1.4倍とした例を
示したが、1.4倍未満ではフラッシオーバ確率が99
.9%以下となり、一方、1.6倍以上では、従来の1
.73倍の避雷素子を内蔵した避雷碍子と比較して、十
分に小型・軽量化した避雷碍子とすることが困難となる
【0022】なお、この実施例では、懸垂鉄塔に装着し
た例を示したが、耐張鉄塔にも適用できる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は、避雷
碍子に内蔵された避雷素子の動作開始電圧を常規対地電
圧の1.4〜1.6倍の範囲内とすることにより、小型
・軽量の避雷碍子装置とすることができるとともに、絶
縁協調特性に優れた避雷碍子装置として、地絡事故発生
頻度を減少できる信頼性のある避雷碍子装置とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】避雷碍子装置の正面図である。
【図2】鉄塔に避雷碍子装置を装着した状態を示す概略
図である。
【図3】一線地絡時における電圧/常規対地電圧とフラ
ッシオーバ確率との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1  鉄塔、6a〜6c  絶縁支持碍子としての懸垂
碍子連、11  避雷碍子、13  避雷素子、16,
17  放電電極、G  気中放電ギャップ、V  避
雷素子の動作開始電圧、E  常規対地電圧。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  二回線送電線路の送電線を支持する絶
    縁支持碍子の課電側に放電電極を設け、鉄塔側に電圧−
    電流特性が非直線性の避雷素子を内蔵した避雷碍子を装
    着し、該避雷碍子には前記課電側の放電電極と所定の気
    中放電ギャップをもって対向する接地側の放電電極を設
    けた避雷碍子装置において、前記避雷素子の動作開始電
    圧を、路線の常規対地電圧の1.4〜1.6倍の範囲内
    としたことを特徴とする二回線送電線路における避雷碍
    子装置。
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