JP3210386B2 - 送電線路における避雷碍子装置の適用構造 - Google Patents
送電線路における避雷碍子装置の適用構造Info
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Description
用しない送電線路において地絡した相を個別に遮断器で
送電線から短時間で切り離すとともに、ある時間経過後
に再投入し、送電を継続することのできる保護システム
を有する154KV以上の電圧階級の送電線路における
避雷碍子装置の適用構造に関するものである。
いては、地絡した相を個別に遮断器で送電線から短時間
で切離して無電圧として、地絡アークが消弧した後、再
投入し送電を継続する保護システムが用いられている。
このような送電線路において鉄塔本体に対し上相、中
相、下相の送電線を支持するための支持アームが上、
中、下段にそれぞれ支持され、各支持アームの先端部に
は懸垂碍子を多数直列に連結した支持碍子を介して上
相、中相及び下相の送電線がそれぞれ支持されている。
さらに、前記鉄塔の塔頂部には通信機能を兼用するとと
もに、鉄塔本体の塔頂部に侵入した雷サージ電流を分流
して、塔体に流れる雷サージ電流を低減するためのグラ
ンドワイヤーが装着されている。このような送電線路に
対し雷撃によるサージ電流が侵入した場合にそのサージ
電流を速やかに鉄塔を介して大地に放電するとともに、
その後生じる運転電圧に基づく続流電流を抑制遮断し
て、地絡事故を防止し、信頼度をより向上させるため前
記三相の送電線とそれぞれ対応して避雷碍子装置が装着
されている。
置の適用構造においては、電撃の殆どを占める塔頂ある
いはグランドワイヤーへの落雷による雷サージ電流がグ
ランドワイヤーによる分流効果によって塔体への流入が
抑制されるので、その分避雷碍子への分流が小さくな
り、通常容量の避雷碍子を使用した場合にも、特に責務
を上回り導通破壊されるような問題は生じない。
合の鉄塔においては、塔頂部に侵入した雷サージ電流が
分流することなくそのまま塔体を経由して支持アームか
ら避雷碍子に侵入するので、通常容量の避雷碍子を使用
した場合にはその耐量を上回り避雷碍子が導通破壊され
る確率が非常に高くなり信頼度が低下するという問題が
ある。これを防止するため各相の避雷碍子に大容量のも
のを使用することも考えられるが、その製造コスト及び
装柱作業等を考慮した場合、適用が極めて困難となる。
して、グランドワイヤーを装設しないタイプの154K
V以上の送電線路における避雷碍子装置の適用構造にお
いて、大容量の避雷碍子を使用することなく、しかも雷
サージが侵入した場合に送電線路の保護システムを利用
し最小限停電を防止することができ、製造及び装柱作業
を容易に行うことができる送電線路における避雷碍子装
置の適用構造を提供することにある。
成するため、地絡した相を個別に遮断器で送電線から短
時間で切り離すとともに、ある時間経過後に再投入し、
送電を継続することのできる保護システムを備え、鉄塔
本体に塔項側より順に装着した上、中、下三相の支持ア
ームにそれぞれ支持碍子を介して上、中、下三相の送電
線を支持し、鉄塔本体の上部にグランドワイヤーを使用
しない方式の送電電圧が154KV以上の送電線路にお
いて、前記上相には避雷碍子を装着しないで、中相及び
下相の送電線と対応して避雷碍子装置を装着するという
手段をとっている。
上相の送電線支持碍子の両端部に取り付けた接地側及び
課電側のアーキングホーンの気中絶縁間隔を、上相、中
相及び下相の送電線と対応して避雷碍子装置を装着しな
い状態で、前記上相の送電線支持碍子の両アーキングホ
ーンに本来設定される気中絶縁間隔よりも小さくすると
よい。
装設されていないので、雷サ−ジ電流が塔頂部あるいは
上相送電線に侵入した場合には、電位上昇が三相のうち
で一番大きい上相の支持アームと送電線間でフラッシオ
ーバを生じ、雷サージ電流の殆どが塔体から大地へ放電
される。又、上相の送電線が発電所あるいは変電所にお
いて遮断器により遮断される。このとき、中相の送電線
と下相の送電線の二相が送電を続行するので、停電に至
ることはない。
うな、大規模な雷サージ電流が中相及び下相に侵入する
確率は上相の送電線の遮蔽効果によって極めて少なく、
実質的に考慮しなくても良い。従って、中相及び下相の
避雷碍子として通常容量のものを使用することができ
る。さらに、三相全体として2個の避雷碍子を使用すれ
ばよいので、避雷碍子の個数を少なくし、その製造及び
装着作業を容易に行いコストダウンを図ることができ
る。
ーキングホーンの気中絶縁間隔を、上相、中相及び下相
の送電線と対応して避雷碍子装置を装着しない状態で、
前記上相の送電線支持碍子の両アーキングホーンに本来
設定される気中絶縁間隔よりも小さくした場合には、雷
撃時にサージ電流がより速く前記気中絶縁間隔をフラッ
シオーバするので、雷サージ電流の分流作用を促進し、
避雷碍子側へ流れるサージ電流がさらに低減され、その
責務が軽減され、避雷碍子として小容量のものを使用す
ることができる。
段に支持アーム2a,2b,2c及び3a,3b,3c
が水平にそれぞれ片持ち支持され、各支持アーム2a〜
2c、3a〜3cの先端部には上部吊下金具4を介して
懸垂碍子を多数直列に連結してなる支持碍子としての懸
垂碍子連5a〜5c及び6a〜6cが吊下され、各懸垂
碍子5a〜5c及び6a〜6cの下部には、下部連結金
具7を介して片回線の三相の送電線8a〜8c及び他回
線の三相の送電線9a〜9cがそれぞれ架設されてい
る。送電線8aと送電線9c、送電線8bと送電線9
b、送電線8cと送電線9aはそれぞれ逆相の送電線路
となっている。
3cの内、中相及び下相の支持アーム3b,3cの先端
部には、取付アダプタ10が水平に片持ち固定され、こ
の取付アダプタ10には避雷碍子11がボルトによりそ
れぞれ吊下固定されている(以下、説明を簡略化するた
め中相の支持アーム3b側について説明する)。これら
の避雷碍子11は図2に示すようにFRP等の強化プラ
スチックよりなる耐圧絶縁筒12と、この耐圧絶縁筒内
に収納された抵抗素子13と、さらに耐圧絶縁筒12の
外周及び内部にゴムモールドした絶縁外套体14とによ
り構成されている。
は接地側の放電電極16が取付固定されている。懸垂碍
子連6bの下部吊下金具7には課電側の放電電極17が
支持され、放電電極17の先端は課電側の放電電極16
と所定の放電ギャップGをもって対向して配置されてい
る。
は前記絶縁碍子5a〜5c及び6a〜6cの沿面閃絡を
防止するための接地側及び課電側のアーキングホーン1
8,19が取着されている。そして、この実施例では上
相の絶縁碍子6a側のアーキングホーン18,19の気
中絶縁間隔Zを、避雷碍子11を装着する前の気中絶縁
間隔よりも小さくして、雷サージ電流がフラッシオーバ
し易くしている。なお、気中絶縁間隔Zの最小値は開閉
サージ電流に耐える値である。
に、上相の送電線9aに対して避雷碍子装置を装着して
いない。この適用構造では中相及び下相へ直接落雷する
ことを上相の送電線9aで防止し、実質的に上相の送電
線9a自体に、グランドワイヤーとしての機能をもたせ
ていることになる。又、鉄塔1の塔頂部にグランドワイ
ヤーがないので、その塔頂部に侵入した雷サージ電流は
その一部が上相の絶縁支持碍子6aをフラッシオーバし
て送電線9aに、又、残りの雷サージ電流が避雷碍子1
1から送電線9b,9cと大地へそれぞれ分流する。こ
のため上相の送電線9aが地絡事故となり、該送電線9
aのみが変電所等において遮断器(図示略)により一時
的に遮断される。しかし、中相及び下相の送電線9b,
9cはそれぞれ送電が続行されるので、上相の送電線9
aが短時間停電した場合にも、送電が継続して行われ、
負荷側における停電事故を防止することができる。地絡
事故時のアークが消滅するのに必要な短時間が経過した
後、遮断器は再投入され、送電線9aで再び送電が行わ
れ三相送電の初期の状態に戻る。
電線9b,9cに対してグランドワイヤーとしての機能
を有しているので、中相の避雷碍子11及び下相の避雷
碍子11に対し大規模の雷サージ電流が侵入することは
実質的な頻度として皆無に等しく、従って、両避雷碍子
11として通常容量のものを使用することができる。
又、鉄塔1の塔頂部に大規模の雷サージ電流が侵入して
も、その雷サージ電流は避雷碍子が無いために中相、下
相と比較してインピーダンスが小さくなっている上相の
支持アーム3aにより多く分流するため、中相及び下相
の避雷碍子11には通常の大きさの雷サージ電流が侵入
した場合と同じ結果になり、通常容量の避雷碍子11を
使用してもその導通破壊を防止することができる。
8,19の気中絶縁間隔Zを、上相、中相及び下相の送
電線と対応して避雷碍子11を装着しない状態で、前記
上相の送電線支持碍子の両アーキングホーンに本来設定
される気中絶縁間隔よりも小さくしているので、鉄塔の
本体から上相の支持アーム3aに分流する雷サージ電流
がさらに大きくなり、分流効果を高めることができる。
び下相の支持アーム3b,3cに対し通常容量の避雷碍
子を2個装着するのみで避雷碍子装置本来の目的を達成
することができ、製造及び装柱作業を容易に行いコスト
ダウンを図ることができる。
ものではなく、次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では図1の右側の中相及び下相の支持
アーム3b,3cに対し避雷碍子11を装着したが、左
側の中相及び下相の支持アーム2b,2cに避雷碍子1
1を装着すること。あるいは両方に避雷碍子を装着する
こと。
11の機能をもたせたタイプの電線支持型避雷碍子を使
用すること。
塔頂部にグランドワイヤーを装設しない154KV以上
の送電線路において、前記塔頂部あるいは上相の送電線
に雷サージ電流が侵入した場合にも、上相の送電線の支
持碍子のアークホーン間をフラシオーバさせて上相の送
電線と塔体間へサージ電流を分流し、中相及び下相の送
電線の避雷碍子への雷サージ電流の分流を低減せしめ、
避雷碍子の責務超過による導通破壊をなくすことができ
る効果がある。
し、装着作業を容易に行い、全体としてコストダウンを
図るとともに中相及び下相で送電を継続することがで
き、停電を防止することができる効果がある。
のアーキングホーンの気中絶縁間隔を、上相、中相及び
下相の送電線と対応して避雷碍子装置を装着しない状態
で、前記上相の送電線支持碍子の両アーキングホーンに
本来設定される気中絶縁間隔よりも小さくした場合に
は、雷撃時にサージ電流がより早く前記気中絶縁間隔を
フラッシオーバするので、雷サージ電流の分流効果をさ
らに促進し、避雷碍子側へ流れるサージ電流が一層低減
され、その責務を軽減し、避雷碍子として小容量ものも
を使用することができる効果がある。
用構造を示す正面図である。
〜5c,6a〜6c支持碍子としての懸垂碍子連、8a
〜8c,9a〜9c 送電線、11 避雷碍子、18,
19 アーキングホーン、Z 気中絶縁間隔。
Claims (2)
- 【請求項1】 地絡した相を個別に遮断器で送電線から
短時間で切り離すとともに、ある時間経過後に再投入
し、送電を継続することのできる保護システムを備え、
鉄塔本体に塔項側より順に装着した上、中、下三相の支
持アームにそれぞれ支持碍子を介して上、中、下三相の
送電線を支持し、鉄塔本体の上部にグランドワイヤーを
使用しない方式の送電電圧が154KV以上の送電線路
において、 前記上相には避雷碍子を装着しないで、中相及び下相の
送電線と対応して避雷碍子装置を装着したことを特徴と
する送電線路における避雷碍子装置の適用構造。 - 【請求項2】 請求項1において避雷碍子装置を装着し
ない上相の送電線支持碍子の両端部に取り付けた接地側
及び課電側のアーキングホーンの気中絶縁間隔を、上
相、中相及び下相の送電線と対応して避雷碍子装置を装
着しない状態で、前記上相の送電線支持碍子の両アーキ
ングホーンに本来設定される気中絶縁間隔よりも小さく
した送電線路における避雷碍子装置の適用構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02678492A JP3210386B2 (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | 送電線路における避雷碍子装置の適用構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05225843A JPH05225843A (ja) | 1993-09-03 |
JP3210386B2 true JP3210386B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=12202947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02678492A Expired - Lifetime JP3210386B2 (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | 送電線路における避雷碍子装置の適用構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3210386B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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1992
- 1992-02-13 JP JP02678492A patent/JP3210386B2/ja not_active Expired - Lifetime
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