JPH04272151A - アルミニウム合金硬質板の製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金硬質板の製造方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
に関し、更に詳しくは、特に飲料缶胴材として、しごき
加工性、塗装印刷(ベーキング)後の成形性(ネッキン
グ性・フランジング性)に優れるアルミニウム合金硬質
板とその製造方法に関するものである。
り、ビール及び炭酸飲料用などの飲料缶体には、材料と
してはAl−Mn−Mg系の3004合金が用いられて
いる。
と低耳率化の要望が強くなっており、種々の提案(例え
ば、特公昭61−7465号、特願平1−226746
号など)がなされている。しかしながら、特公昭61−
7465号においては高強度化については満足し得るも
のの、成形性については特願平1−226746号に及
ばない難点がある。また、特願平1−226746号に
ついては、元板での変形抵抗力の上昇により、しごき加
工性の向上が必要とされる。このように、なお不充分な
点が多く残されている。
004合金に均質化熱処理、熱間圧延、冷間圧延及び中
間焼鈍を組み合わせて行う方法である(例えば、特公昭
61−7465号、特公昭62−37705号等)。こ
れらの提案における冷間圧延率は、基本的には中間焼鈍
後から最終板厚に至るまでのトータルの圧延率を規制し
ている。この結果、通常数回の通板を行う現状では、パ
ス間で回復が生じ、次パスを行うと強度が非常に高くな
り、成形性を低下させる上、冷間圧延開始温度がばらつ
き、強度のばらつきを生じ、成形性を低下させるといっ
た問題点があった。
、しごき加工性、ベーキング後の成形性に優れるアルミ
ニウム合金硬質板を提供し、またその製造方法を提供す
ることをもくてきとするものである。
、本発明者等は、化学成分並びに製造条件について鋭意
研究を重ねた結果、ここに本発明をなしたものである。
5%及びMg:0.5〜1.5%を含有し、Fe:0.
3〜0.7%、Si:0.1〜0.5%をFe+Si=
0.7〜1.0%、Fe/Si=1.25〜2.5の関
係を満足するように含有し、更にCu:0.05〜0.
5%及びZn:0.05〜1.0%のうちの1種又は2
種を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなること
を特徴とするアルミニウム合金硬質板を要旨とするもの
である。
するアルミニウム合金鋳塊に500〜600℃の温度で
1時間以上の均質化熱処理を施した後、熱間圧延を終了
板厚1.5〜3.0mm、終了温度300〜360℃で
行い、その直後又は放冷後、加熱冷却速度100℃/m
in以上で、板温度400〜600℃に10分以内で保
持し、板温度が150℃以下に冷却する条件の連続焼鈍
を施し、更にその後、1回の通板による冷間圧延率を7
5%以上とする冷間圧延を施して、パス間での回復がな
いようにすることを特徴とするものである。
いては次のとおりである。
Mn系晶出物の生成によるしごき加工性の向上、缶壁強
度の軟化に効果のある元素である。しかし、0.5%未
満ではいずれの効果もなく、また1.5%を超えると強
度が高くなりすぎて成形性(絞り性、しごき性、張出し
性、フランジ性)の低下を招く。したがって、Mn量は
0.5〜1.5%の範囲とする。
あり、特にCuとの組合せにより、ベーキング時にAl
−Cu−Mg系析出物による析出硬化を生じ、缶底部の
高強度化に有効である。しかし、0.5%未満ではその
効果は小さく、また1.5%を超えると強度が高くなり
すぎて成形性の低下を招く。以上の理由により、Mg量
は0.5〜1.5%の範囲とする。
Mn系晶出物を形成し、しごき加工性の向上、晶出物形
成による缶壁強度の軟化及びAl−Cu−Mg系析出物
の形成による高強度化に効果がある。しかし、0.3%
未満ではこのような効果が小さく、また0.7%を超え
ると巨大晶出物を形成して成形性の低下を生じる。以上
の理由により、Fe量は0.3〜0.7%の範囲とする
。
に相変態を生じさせ、いわゆるα相を形成させて晶出物
の硬度を上昇させ、しごき加工性の向上に効果がある。 しかし、0.1%未満ではこの効果は小さく、また0.
5%を超えると晶出物の巨大化及び晶出物の全面変態に
より、逆にしごき加工性を低下させる。以上の理由より
、Si量は0.1〜0.5%の範囲とする。
囲内での含有量の合計並びに比を以下のように規定する
ことが必要である。
びサイズの適正化によるしごき加工性の向上に効果があ
る。 しかし、Fe+Si量が0.7%未満では本発明品のし
ごき加工に対しては不充分であり、また1.0%を超え
ると晶出物の巨大化及びα相への全面変態によりしごき
加工性の低下を生じる。以上の理由により、Fe+Si
量は0.7〜1.0%の範囲とする。
成によるしごき加工性の向上に効果がある。しかし、F
e/Si比が1.25未満ではα相の形成量が少なく、
しごき加工性の向上に対しては不充分である。また、2
.5を超えると晶出物のα相への全面変態により加工時
に割れの起点となる。以上の理由により、Fe/Si比
は1.25〜2.5の範囲とする。
種を適量で含有させる必要がある。
であり、ベーキング時にAl−Cu−Mg系析出物によ
る析出硬化を生じ、缶底部の高強度化に有効である。し
かし、Cu量が0.05%未満ではその効果は小さく、
また0.5%を超えると強度が高くなりすぎて、成形性
の低下を招く。以上の理由により、Cu量は0.05〜
0.5%の範囲とする。
り加工性、しごき加工性及びフランジ成形性の向上に効
果がある。しかし、Zn量が0.05%未満ではその効
果が小さい。またZn量は1.0%を超えて添加しても
各種成形性を向上させる効果は小さく、またその効果と
コストを考慮すると1.0%が上限である。以上の理由
により、Zn量は0.05〜1.0%の範囲とする。
わない限度で許容される。例えば、 Cr≦0.20%、Ti≦0.20%である。
記化学成分を有するアルミニウム合金は、常法により溶
解、鋳造し、得られた鋳塊は熱間圧延前に均質化熱処理
を施される。この均質化熱処理は、その後の熱間圧延性
の向上や、前述のα相形成によるしごき加工性の向上及
び絞り加工時に形成される耳の抑制に効果がある。しか
し、加熱温度が500℃未満ではいずれの効果も小さく
、また600℃を超えるとバーニング等による板表面の
性能低下を生じる。保持時間は温度により異なるが、1
時間以上が必要である。したがって、均質化熱処理は5
00〜600℃の温度で1時間以上の条件とする。なお
、均質化熱処理は必要に応じて2回以上行っても良い。
が、熱間圧延の開始温度は特に制限されないが、450
℃以上が好ましい。鋳塊はこの熱間圧延によりコイル状
に巻き上げられるが、その際の終了板厚と終了温度は、
製品での絞り耳率、缶壁の強度に影響を及ぼす。すなわ
ち、終了板厚が1.5mm未満では耳率を抑制するには
効果があるが、缶壁の軟化に不足を生じる。一方、3.
0mmを超えると強度が高すぎることによる成形性の低
下及び耳率の上昇による加工不具合を招く。以上の理由
により熱間圧延の終了板厚は1.5〜3.0mmとする
。更に、終了温度は特に耳率に大きな影響を与え、30
0℃未満では耳率の抑制に効果が小さく、また360℃
を超える場合にはその後の焼鈍においても再結晶に要す
る歪みエネルギーが不足し、未再結晶が残存し、同じく
耳率抑制に効果がなくなる。以上の理由により終了温度
は300〜360℃の範囲とする。
は放冷後に行う。この焼鈍は所謂CALと呼ばれる連続
焼鈍炉にて行われ、その条件は強度及び成形性に大きな
影響を与える。すなわち、加熱及び冷却速度が100℃
/min未満では強度及び成形性の向上に対する効果が
少ないので、加熱及び冷却速度は100℃/min以上
の範囲とする。板温度は再結晶及びCu、Mgの強制固
溶量に影響を及ぼし、400℃未満では再結晶が完了せ
ず、600℃を超えるとバーニングによる板の表面不良
を生じる。したがって、板温度は400〜600℃の範
囲とする。なお、高強度高成形性の面で450〜530
℃の範囲が好ましい。また、保持時間は再結晶及びCu
、Mgの強制固溶量に影響を及ぼし、板温度により異な
るが、低温(例、400℃)であれば10分程度、高温
(例、600℃)であれば保持なしでもよい。したがっ
て、保持時間は10分以内とする。更に、冷却に関して
は、150℃を超えた温度で冷却が完了するとAl−C
u−Mg系の析出物が生成し、製品板での加工時(ベー
キング)に析出硬化が得られない。したがって、冷却は
板温度が150℃以下となるようにする。
形性(缶壁のベーキング軟化)に影響を及ぼす工程であ
る。しかし、1回の通板による圧延率が75%未満であ
ると、強度及び成形性の向上の効果が得られない。また
、最終板厚まで数回の通板を行う必要があり、冷間圧延
時に発熱したままコイルに巻き取り、次回の冷間圧延ま
で放置される間に回復が生じ、次回の冷間圧延では加工
硬化が大きくなり強度が高くなり、成形性に悪影響を及
ぼす。更に、冷間圧延開始温度のばらつきによる製品強
度のばらつきも生じ易くなり、成形性に悪影響を及ぼす
。以上の理由により、冷間圧延は1回の通板時の圧延率
を75%以上とし、パス間での回復がないようにする。
の均質化熱処理を施した後、熱間圧延(終了板厚2.0
mm、終了温度320℃)を行い、直ちに加熱冷却速度
300℃/minにて板温度500℃×0min、冷却
完了温度80℃のCAL焼鈍を実施し、その後0.30
mm(圧延率85%)の製品板厚まで1回の通板にて冷
間圧延を行った。製品板の材料特性並びにDI缶の缶強
度を調べた結果を
た。
機を使用し、ブランク径を変化させ、成形できる絞り比
(ブランク径/ポンチ径)にて求めた。ポンチ径は33
mmφ、潤滑油はダイドローN、しわ押さえ力500k
gfである。
リクセン試験B法により評価した。限界しごき加工率(
LIR)は、ブランク径150mmφ、ポンチ径87m
mφにて作製した絞りカップを用い、実機レベルのDI
加工機で通常3伸でしごき加工するところを2伸で行い
、そのしごきダイスの径を変化させることにより、成形
できる加工率(1伸と2伸の板厚変化)にて求めた。な
お、缶サイズは350ccであり、潤滑油は水溶性潤滑
油を用いた。
mmh)に200℃のベーキングを施し、4段ネック加
工を実施した。加工配分は2mm/段である。4段ネッ
クができた成功率(ネック成功率)を評価した。更に交
角90°のポンチにて穴拡げを実施し、フランジ率12
%(フランジ径65mmφ、ネック径58mmφ)にお
ける成功率(フランジ成功率)を評価した。また缶強度
である耐圧、座屈強度は窒素封入及び軸圧縮にて求めた
。
DR)1.85以上、限界しごき加工率(LIR)52
%以上、エリクセン値4.3mm以上、ベーキング後耐
力27kgf/mm2以上、耳率3%以内、耐圧強度6
.3kgf/cm2以上、座屈強度170kgf以上で
ある。
例No.1及びNo.2は、適正な化合物分布、並びに
適正な強度及び高ベーキング耐力を有しており、比較例
に比べ、明らかに成形性が優れている。なお、本製造工
程で製造された板の耳率は全て3%以内であり、充分満
足し得るものである。
を用いて、
、実施例1と同じく評価した。その結果を
で製造された比較例D〜Oは、成形性或いは缶強度が劣
っている。つまり、比較例E、J、Kは強度が不足して
おり、その他の比較例は成形性が劣っている。また比較
例Gは耳率が3.5%あり、成形時の不具合につながる
。比較例D、N、Oは実際の通常生産工程で行われる冷
間圧延間でのコイルの放置時間を比較とした例であるが
、何れも本発明例Aに比べて成形性が劣っている。これ
はパス間で回復が生じるため元板強度が適正強度より高
くなりすぎるためである。また比較例D、L、M、N、
Oはコイルの先後端での強度のばらつきが見られた。こ
れはコイルでの巻き芯、巻き外でパス間での回復の度合
いが異なるためである。
れるアルミニウム合金硬質板は、成形性に優れ、かつ品
質の安定した材料が得られるので、成形中の不具合等を
低減でき、生産性向上の効果は顕著である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、Mn:0.
5〜1.5%及びMg:0.5〜1.5%を含有し、F
e:0.3〜0.7%、Si:0.1〜0.5%をFe
+Si=0.7〜1.0%、Fe/Si=1.25〜2
.5の関係を満足するように含有し、更にCu:0.0
5〜0.5%及びZn:0.05〜1.0%のうちの1
種又は2種を含有し、残部がAlと不可避的不純物から
なることを特徴とするアルミニウム合金硬質板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の化学成分を有するア
ルミニウム合金鋳塊に500〜600℃の温度で1時間
以上の均質化熱処理を施した後、熱間圧延を終了板厚1
.5〜3.0mm、終了温度300〜360℃で行い、
その直後又は放冷後、加熱冷却速度100℃/min以
上で、板温度400〜600℃に10分以内で保持し、
板温度が150℃以下に冷却する条件の連続焼鈍を施し
、更にその後、1回の通板による冷間圧延率を75%以
上とする冷間圧延を施して、パス間での回復がないよう
にすることを特徴とするアルミニウム合金硬質板の製造
方法。
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JP3056196A JPH089758B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
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JP3056196A JPH089758B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH089758B2 JPH089758B2 (ja) | 1996-01-31 |
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JP3056196A Expired - Lifetime JPH089758B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089758B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106391703A (zh) * | 2016-11-23 | 2017-02-15 | 中南大学 | 一种采用过冷轧制生产铝合金汽车板的方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56139646A (en) * | 1980-04-03 | 1981-10-31 | Sukai Alum Kk | Aging aluminum alloy for ironing |
JPH0196346A (ja) * | 1987-10-08 | 1989-04-14 | Sky Alum Co Ltd | アルミニウム合金展伸材およびアルミニウム合金展伸材用鋳塊とアルミニウム合金展伸材製造方法 |
JPH02270930A (ja) * | 1989-04-13 | 1990-11-06 | Kobe Steel Ltd | 成形性に優れたアルミニウム合金硬質板及びその製造法 |
-
1991
- 1991-02-26 JP JP3056196A patent/JPH089758B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56139646A (en) * | 1980-04-03 | 1981-10-31 | Sukai Alum Kk | Aging aluminum alloy for ironing |
JPH0196346A (ja) * | 1987-10-08 | 1989-04-14 | Sky Alum Co Ltd | アルミニウム合金展伸材およびアルミニウム合金展伸材用鋳塊とアルミニウム合金展伸材製造方法 |
JPH02270930A (ja) * | 1989-04-13 | 1990-11-06 | Kobe Steel Ltd | 成形性に優れたアルミニウム合金硬質板及びその製造法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106391703A (zh) * | 2016-11-23 | 2017-02-15 | 中南大学 | 一种采用过冷轧制生产铝合金汽车板的方法 |
CN106391703B (zh) * | 2016-11-23 | 2018-06-26 | 中南大学 | 一种采用过冷轧制生产铝合金汽车板的方法 |
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---|---|
JPH089758B2 (ja) | 1996-01-31 |
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