JPH04269806A - 耐酸化性に優れたR−Fe−B−C系ボンド磁石 - Google Patents

耐酸化性に優れたR−Fe−B−C系ボンド磁石

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JPH04269806A
JPH04269806A JP3053105A JP5310591A JPH04269806A JP H04269806 A JPH04269806 A JP H04269806A JP 3053105 A JP3053105 A JP 3053105A JP 5310591 A JP5310591 A JP 5310591A JP H04269806 A JPH04269806 A JP H04269806A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,希土類(R)−鉄(F
e)−硼素(B)−炭素(C) からなる磁性合金粉末
と樹脂成分とからなる耐酸化性の優れたボンド磁石に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年, Sm−Co磁石の磁力を凌ぐ次
世代の永久磁石としてR−Fe−B系磁石が佐川らによ
って開示されて以来, 多くの報告がなされてきた。し
かしながら該磁石はSm−Co系磁石に比べて磁力では
優れるものの,その磁気特性の耐酸化性が著しく劣り,
 例えば, 特開昭59−46008号公報で開示され
た永久磁石材料では,実質上耐得ることは困難である。
【0003】また,該磁石合金は通常は焼結法によって
製造されることから,製品化するためには,研削, 切
削等の加工が必要となりコストの高いものとなってしま
う。この加工を必要としない方法として例えば特開昭5
9−294808号公報で開示されるようにボンド法を
用いることができる。
【0004】しかしながら, 耐酸化性に関する抜本的
な解決はなされておらず,前述焼結磁石と同様に耐酸化
性が著しく劣るため, 永久磁石材料として実用上耐え
得ることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のR−
Fe−B系,R−Fe−B−C系ボンド磁石では耐酸化
性において抜本的な改善効果を得るには至っておらず,
 実用レベルでは耐酸化性に問題があった。
【0006】一般にR−Fe−B系, R−Fe−B−
C系磁石は,耐酸化性を持たせるために,表面に強固な
耐酸化性保護皮膜の形成が必須となるが,磁性合金粉末
の場合, その表面に強固な耐酸化性保護皮膜を形成し
,さらに形成した膜が取れないような製造方法を確立し
なければならない問題がある。本発明はこのような問題
点を解決しようとするするものであり,優れた耐酸化性
を付与された磁性合金粉末を用いて耐酸化性の優れたボ
ンド磁石を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,これらの
問題点を解決するため,磁石表面を耐酸化性保護膜で被
覆するという従来の巨視的な観念ではなく,微視的な観
念による抜本的な耐酸化性の改善を鋭意検討した結果,
磁性合金粉末中の磁性結晶粒の各々を耐酸化性保護膜で
被覆するという従来技術では予想すら困難であった新規
技術を見出すに至り,更には,従来技術ではもはや高い
磁気特性が得られず実用範囲外とされていたB含有量2
原子%未満領域でも実用に耐え得る良好な磁気特性を付
与し得ることを新たに見出すことによって,耐酸化性が
画期的に高められた新規なボンド磁石の提供を可能とし
た。
【0008】すなわち本発明は,R−Fe−B−C系の
合金粉末(但し, RはYを含む希土類元素の少なくと
も1種)であって且つ該合金粉末中の磁性結晶粒の各々
が16重量%以下 (0重量%を含まず)のCを含む耐
酸化性保護膜で覆われている磁性合金粉末と,体積比率
で50%以下の樹脂成分とからなる,R−Fe−B−C
系ボンド磁石を提供するものである。ここで該磁性結晶
粒は,粒径が好ましくは0.3〜50μmの範囲にあり
, この粒径の各結晶粒を覆っている粒界相の厚みは0
.001〜30μmの範囲である。本発明のボンド磁石
における磁性合金粉末の好ましい組成(磁性結晶粒と耐
酸化性保護膜を併せた全体の組成)は, 原子百分比で
,R:10〜30%, B:7%以下好ましくは2%未
満(0原子%を含まず), C:0.1〜20%, 残
部がFeおよび製造上不可避的な不純物からなり,Bは
2%以上でも耐酸化性の効果は充分に発揮されるもので
はあるが,特にBが2%未満と少ない場合に磁気特性も
充分に示しながら耐酸化性も顕著に良好となるものであ
る。
【0009】〔作用〕このような耐酸化性は,本発明ボ
ンド磁石を構成している磁性粉末中の各磁性結晶粒の周
囲を適切なC含有量をもつ非磁性膜で覆ったことによっ
て得られたものである。すなわち,本発明者等は非磁性
相である粒界相に上記C (炭素) の所定量を含有せ
しめることにより, 具体的には該膜の16重量%以下
がCとなるように,好ましくは0.05〜16重量%の
範囲がCとなるように含有させることにより,この非磁
性相に著しい耐酸化性機能を付与することができること
を見い出した。 この耐酸化機能をもつ非磁性膜で各磁性結晶粒を被覆す
ることにより, 従来と同等のB含有量でも充分な耐酸
化性効果を示すことができること,更に該C含有保護膜
の形成はB量の低減を可能とし,これにより2原子%未
満でも, この磁性合金粉末と樹脂成分とからなるボン
ド磁石の磁気特性は従来と同等レベル以上でありながら
耐酸化性が画期的に改善さることを見出した。
【0010】〔発明の詳述〕本発明のボンド磁石はC 
(炭素) の利用の仕方に大きな特徴があるので,先ず
この点から説明する。R−Fe−B系磁石において,従
来ではCは磁気特性および耐酸化性について消極的元素
とされており,必須の添加元素とはされていなかった。
【0011】本発明者等は,CをBの単なる置換元素と
して含有させるのではなく,当該合金の磁性結晶粒を包
囲する非磁性相 (粒界) 中にCを積極的に含有させ
るという添加の仕方をするならば,従来の常識に反して
Cは磁性合金粉末の耐酸化性に大きく寄与できることを
見い出したものであり,しかも, これによって,磁気
特性の向上が図れることも明らかとなった。すなわち,
 このような磁性合金粉末における非磁性相へのCの含
有によって,Bの含有量が公知の通常範囲であっても従
来に比べて耐酸化性が改善され,特に2原子%未満のB
量の場合にはその効果が更に著しいものになることがわ
かった。 例えば従来ではBの含有量が2原子%未満ではiHcが
1KOe以下になるとされていたのであるが,本発明で
は2原子%未満のB量であってもiHcは4KOe以上
となる。このような本発明による新規な効果が磁性結晶
粒の各々を包囲するC含有耐酸化性保護膜の形成により
もたらされる。このことから, これまでの耐酸化性の
劣化及び磁気特性の低下をもたらしていたCを消極元素
とする従来磁石とは全く異なり, Cを必須とする新規
なボンド磁石の発明を完成することができた。
【0012】この場合, 磁性結晶粒の各々を包囲する
C含有耐酸化性保護膜は,C以外に磁性結晶粒を構成し
ている合金元素の実質上全てを含むものである。このよ
うなC含有耐酸化性保護膜の形成は, 磁性合金粉末中
における磁性結晶粒子間に存在する粒界層にCを含有せ
しめることにより可能となる。その理由については以下
のように推察する。
【0013】つまり, 該保護膜は上記磁性結晶粒を構
成している合金元素の実質上全てを含むことから,特に
R−Fe−C金属間化合物の生成によるところが大きい
と考える。一般に希土類元素は錆やすく,また希土類元
素の炭化物は加水分解されやすいと言われている。しか
しながら,本発明による保護膜では不定比なR−Fe−
C系の金属間化合物が生成していると推察され,これに
より上記欠点が抑制されると考えられる。
【0014】このように,本発明者等は磁性合金粉末中
の個々の磁性結晶粒をC含有耐酸化性保護膜で被覆する
ことにより耐酸化性を著しく高め,更にはB含有量の低
減により一層その効果が著しくなることを見い出し,公
知の技術では困難であった良好なボンド磁石を発明する
に至った。
【0015】このC含有耐酸化性保護膜は,前記のよう
に磁性結晶粒を構成している各元素の実質的に全てを含
んでおり,且つそのC含有量は保護膜組成において16
重量%(0重量%を含まず)であることが必要である。 すなわち該保護膜中のCは磁石に耐酸化性を付与するだ
けでなく,Bの減少に伴うiHcの低下を抑制する効果
をもたらすことから,その含有量は保護膜の組成におい
て好ましくは0.05〜16重量%さらに好ましくは0
.1〜12重量%を必須とする。Cの含有量が0.05
重量%未満では耐酸化性を付与することが出来ず, ま
たiHcが4KOe未満となる。一方保護膜中のC量が
16重量%を超えると磁石のBrの低下が著しく, も
はや実用が困難となる。
【0016】尚,本発明のボンド磁石において,磁性合
金粉末中の保護膜の組成成分としては, C以外にも,
 磁性結晶粒とはその量比が異なるとしても, 磁性結
晶粒を構成している合金元素の実質上全てを含む。この
保護膜の厚みについては個々の磁性結晶粒を均一に被覆
してさえおれば,その厚みに依存せず耐酸化性は実質的
に保持されるが,膜厚が0.001μm未満ではiHc
の低下が著しく, また30μmを超えるとBrがもは
や本発明で意図する値を満足しなくなるので,0.00
1μm〜30μmの範囲,好ましくは0.005μm〜
15μmの範囲とするのがよい。なお,上記保護膜の厚
みは粒界三重点も含むものである。この保護膜の厚みは
TEMを用いて測定することができる。
【0017】一方, この耐酸化性保護膜で囲われる各
磁性結晶粒自身は,周知のR−Fe−B−(C)系永久
磁石と同様の組成であってもよい。しかしBが低量であ
っても本発明ボンド磁石の場合には良好な磁気特性を発
現できる。本発明ボンド磁石における磁性合金粉末組成
 (磁性結晶粒と耐酸化性保護膜とを併せた全体の組成
) は,好ましくは原子百分比で,R:10〜30%,
 B:7%以下望ましくは2%未満(0%を含まず),
C:0.1〜20%, 残部:Feおよび製造上不可避
な不純物からなる。この磁性合金粉末によって所要の形
状に成形されたボンド磁石とするのに体積比率で50%
以下の樹脂成分を用いる。
【0018】本発明ボンド磁石の磁性合金粉末中の総C
含有量は好ましくは0.1〜20原子%である。該総C
含有量が20原子%を超えるとBrの低下が著しく,一
方, 0.1原子%未満ではもはや耐酸化性を付与する
ことが困難になる。このように,磁性合金粉末中の総C
含有量としては, 好ましくは0.1〜20原子%とす
るが,前述の耐酸化性保護膜中のCは耐酸化性を付与す
るだけでなく,Bの減少に伴うiHcの低下を抑制する
効果をもたらすことから,その含有量は保護膜の組成に
おいて, 16重量%以下 (0%を含まず), 好ま
しくは0.05〜16重量%, さらに好ましくは0.
1〜12重量%を必須とする。Cの原料としてはカーボ
ンブラック,高純度カーボンまたはNd−C,Fe−C
等の合金を用いることができる。
【0019】Rは希土類元素であってY,La,Ce,
Nd,Pr,Tb,Dy,Ho,Er,Sm,Gd,E
u,Pm,Tm,Yb及びLuのうち一種又は二種以上
が用いられる。尚, 二種以上の混合物であるミッシュ
メタル, ジジム等も用いることができる。ここでRを
好ましくは10〜30原子%とするのは,この範囲内で
はBrが実用上非常に優れているためである。
【0020】Bとしては, 純ボロン又はフエロボロン
を用いることができ, その含有量は公知の範囲である
2原子%を超えても7原子%程度まで含有させても従来
技術に比べて耐酸化性は著しく改善され, 本発明の前
記目的が達成されるのであるが,好ましくはBは2原子
%未満,更に好ましくは1.8原子%以下においてより
一層の効果がある。他方, B無添加では耐酸化性は良
好となるもののiHcが極端に低下し,本発明の目的を
達成できなくなる。フエロボロンとしてはAl,Si等
の不純物を含有するものでも用いることができる。
【0021】本発明のボンド磁石は, 前述のように,
磁性合金粉末中の各々の磁性結晶粒は厚みが好ましくは
 0.001〜30μm, さらに好ましくは0.00
5〜15μmの範囲のC含有耐酸化性保護膜で覆われて
いるものであるが,その磁性結晶粒の粒径は好ましくは
0.3〜50μm, さらに好ましくは1〜30μmの
範囲にある。磁性結晶粒の粒径が0.3μm未満になる
とiHcが4KOe未満となり, また50μmを超え
るとiHcの低下が著しくなり,本発明磁石の特徴が損
なわれる。なおこの結晶粒の粒径の測定は SEMによ
って, また組成分析はEPMAを用いて正確に行うこ
とができる。
【0022】さらに本発明のボンド磁石は前記磁性合金
粉末を樹脂成分で所要形状に成形したものであり,樹脂
成分は体積比率50%以下, 好ましくは5〜40%と
する。 樹脂成分が5%以下では成形困難となり,50%を越え
ると良好な磁気特性を発現できないからである。
【0023】樹脂成分としては熱可塑性樹脂, 熱硬化
性樹脂のいずれでも使用できる。例えば機械的・熱的性
質およびその他の特性に優れる樹脂としてフエノール樹
脂, フラン樹脂, ポリエステル樹脂, エポキシ樹
脂, ポリウレタン樹脂, ケイ素樹脂,フッ素樹脂,
 ポリイミド樹脂, ポリアミド樹脂, ジアリルフタ
レート樹脂, ポリフエニルオキサイド樹脂などが適宜
選択される。また,磁性合金粉末は, 樹脂との接着性
を高め, 機械的・熱的性質を向上するために, シラ
ンカップリング剤,チタネートカップリング剤, アル
ミニウムカップリング剤, ジルコアルミネートカップ
リング剤, 機能性モノマーなど各種処理剤による表面
処理も併用できる。必要に応じて可塑性, 滑剤などが
使用される。これらの可塑剤としては代表的なものとし
てジブチルフタレート (DBP),ジオクチルフタレ
ート (DOP),ジオクチルアジペート (DOA)
 などが使用できる。滑剤として代表的なものとして脂
肪酸エステル, 金属石鹸などが使用できる。
【0024】本発明のボンド磁石の磁性粉末を製造する
方法としては,焼結体から粉砕する場合には,溶解・鋳
造・粉砕・成形・焼結・粉砕若しくは溶解・鋳造・粉砕
・成形・焼結・粉砕・熱処理の一連の工程からなる従来
同様の方法でも作製可能であるが,好ましくは上記製造
プロセスにおいて,鋳造後に該鋳造合金を熱処理する工
程を導入するか,または粉砕時若しくは粉砕後にC原料
の一部若しくは全量を二次添加する工程を導入すること
,さらにはこの二つの工程を組合わせて導入することに
よって, 有利に製造できる。鋳造合金から粉砕する場
合には,熱間塑性加工法を用い粉砕若しくは粉砕・熱処
理することによって前述の効果を発揮する良好な磁性合
金粉末を得ることが出来る。また,溶湯を噴霧法を用い
粉末とする若しくは,その粉末を熱処理しても前述の効
果を発揮する良好な磁性合金粉末を得ることができる。
【0025】ボンド磁石成形品は前記磁性合金粉末と樹
脂成分を混合, 成形, 固化することにより製造でき
る。 成形方法は,圧縮成形, 射出成形, 押出成形, 静
水圧成形などを用いることによって, 前述の効果を発
揮する本発明のボンド磁石を作製することができる。
【0026】なお,このような本発明によるボンド磁石
は耐酸化性について従来材に比べ画期的に改善されるこ
とから,従来のようにボンド磁石の最外表面を耐酸化性
の保護被膜で被覆しなくても, 磁石自身が極めて優れ
た耐酸化性を有するので,場合によっては前記の最外表
面の保護被膜は不要となる。
【0027】このように本発明によれば, 従来材に比
べて耐酸化性が著しく改善され, また良好な磁気特性
を有することから, 種々の磁石応用製品に好適に用い
られる。磁石応用製品としては,例えば次の製品が挙げ
られる。DCブラシレスモーター,サーボモーター等の
各種モーター;駆動用アクチュエーター, 光学ビック
アップ用F/Tアクチュエーター等の各種アクチュエー
ター;スピーカー, ヘッドホン,イヤホン等の各種音
響機器;回転センサー, 磁気センサー等の各種センサ
ー;MRI等の電磁石代替製品;リードリレー, 有極
リレー等の各種リレー;ブレーキ,クラッチ等の各種磁
気カップリング;ブザー, チャイム等の各種振動発振
機;マグネットセパレーター, マグネットチャック等
の各種吸着用機器;電磁開閉器,マイクロスイッチ, 
ロッドレスエアーシリンダー等の各種開閉制御機器;光
アイソレーター, クライストロン, マグネトロン等
の各種マイクロ波機器;マグネット発電器;健康器具,
 玩具等である。なお,このような磁石応用製品は一例
であり, これらに限定されるものではない。
【0028】また,本発明によるボンド磁石の特徴は,
 錆難く高い環境温度で使用しても,従来材よりも特性
の劣化は少なく, 又従来材のように磁石品の最外露出
表面に耐酸化性保護被膜を形成しなくても高い磁気特性
を保持しながら該磁石自身に優れた耐酸化性が付与され
ていることから, 別途の該保護被膜が不要となること
はもとより, 特殊な環境用として保護被膜の必要が生
じた場合でも, 磁石内部からの錆の発生がないので,
 保護被膜を形成するさいの接着性が良好であると共に
, 被膜の剥離や被膜厚みの変動による寸法精度の問題
等が解消される。この面からも耐酸化性を必要とする用
途には最適なボンド磁石を提供できる。以下に実施例を
挙げる。
【0029】
【実施例1】原料として純度99.9%の電解鉄, ボ
ロン含有量19.32%のフエロボロン合金及び純度9
8.5% (不純物として他の希土類金属を含有する)
 ネオジウム金属を使用し, 組成比 (原子比) と
して20Nd−72Fe−1Bとなるように計量・配合
し,真空中, 高周波誘導炉で溶解した後, 水冷銅鋳
型中に鋳込み, 合金塊を得た。このようにした得られ
た合金塊をジョークラッシャーで10〜15mmに破砕
し,次いで700℃で5時間保持した後,50℃/分の
速度で冷却した。更にこの合金塊をアルゴンガス中でス
タンプミルを用いて−100meshまで粗砕した後,
 組成比(原子比) が20Nd−72Fe−1B−7
Cとなるように, 更に純度99.5%のカーボンブラ
ックを該粗砕粉に添加し,次いで, 振動ミルを用いて
平均粒子径5μmまで粉砕した。 このようにして得られた合金粉末を10KOeの磁界中
1ton/cm2の圧力で形成した後,アルゴンガス中
1100℃で2時間保持した後,急冷し,焼結体を得た
。このようにした得られた焼結体をアルゴンガス中でス
タンプミルを用いて−100meshまで粗砕し磁性合
金粉末を得た。この磁性合金粉末における耐酸化性保護
膜中のカーボン含有量は4.3重量%であり, 保護膜
の厚みは0.012〜6.3μm, 磁性結晶粒径は1
.3〜29μm であった。
【0030】このようにして得られた磁性合金粉末にア
ルゴンガス中で体積比率12%のエポキシ樹脂を添加し
,混練機で混練し,この混練物を20KOe磁界中で4
ton/cm2で形成した後130℃×1時間, 加熱
硬化させてボンド磁石を得た。なお,比較例1として,
原料はカーボンブラックを除き上記実施例1と同一とし
,組成比(原子比)が20Nd−74Fe−6Bとなる
ように計量・配合し,実施例1と同様に(但しカーボン
ブラックは無添加)溶解後,粗砕,微粉砕,磁場成形焼
結,急冷,粉砕した磁性合金粉末を得たのち,実施例1
と同様にこの磁性合金粉末を混練,磁場成形,加熱硬化
してボンド磁石を得た。このようにして得られたボンド
磁石の耐酸化性の評価(耐候性試験)として,温度80
℃, 湿度90%の恒温・恒湿下で96時間放置した時
のBrとiHcのそれぞれの減磁率を表1に示した。
【0031】表1から明らかなように,本発明による実
施例1の(C含有保護膜で各磁性結晶粒を被覆してなる
磁性合金粉末から作製された) ボンド磁石では96時
間後の減磁率がBr;−1.6%, iHc;−14.
1%と極めて小さく, 耐酸化性が著しく向上ししてい
ることが認められる。また顕微鏡による表面観察でも錆
の発生は認められなかった。
【0032】これに対してC含有の保護膜をもたない磁
性合金粉末から作成された比較例1のボンド磁石ではわ
ずか96時間の放置時間で錆が激しくサンプル形状をと
どめず測定不能となった。
【0033】また, 表1には磁気特性としてVSMを
用いて測定したBr, iHc及び (BH)maxの
値も示した。本発明によるボンド磁石は比較例1のもの
に比べて耐酸化性が著しく優れるが,同時に磁石特性も
同等以上であることがわかる。
【0034】
【実施2〜3】実施例1で使用した磁性合金粉末とエポ
キシ樹脂を表1に示す体積比率になるように配合した以
外は全て実施例1と同様の操作を行いボンド磁石を得た
。このようにして得られたボンド磁石の耐酸化性および
磁気特性を実施例1と同一の方法で評価し,その結果を
表1に記載示した。
【0035】表1から明らかなように本発明によるボン
ド磁石は比較例1のものに比べて耐酸化性が著しく優れ
,また磁石特性も同等以上であることがわかる。
【0036】
【実施例4】原料として純度99.9%の電解鉄, ボ
ロン含有量19.32%のフエロボロン合金,純度99
.5%のカーボンブラック及び純度98.5% (不純
物として他の希土類金属を含有する) ネオジウム金属
を使用し,組成比 (原子比) として20Nd−72
Fe−1B−7Cとなるように計量・配合し,真空中,
 高周波誘導炉で溶解した後, アトマイズ法を用いて
−100meshとし合金粉末を得た。このようにして
得られた合金粉末をアルゴンガス中で700℃で5時間
保持した後,50℃/分の冷却速度で冷却し磁性合金粉
末を得た。この磁性粉末における耐酸化性保護膜中のカ
ーボン含有量は3.9重量%である。保護膜の厚みは0
.010〜6.5μm,また磁性結晶粒は1.2〜32
μmであった。
【0037】このようにして得られた磁性結晶粉末にア
ルゴンガス中で体積比率12%のエポキシ樹脂を添加し
て混練機で混練したうえ,この混練物を4ton/cm
2で形成した後, 130℃×1時間, 加熱硬化させ
てボンド磁石を得た。なお,比較例2として, 原料は
カーボンブラックを除き上記実施例1と同一とし,組成
比(原子比)が20Nd−74Fe−6Bとなるように
計量・配合し,溶解後,アトマイズ法にて, 磁性合金
粉末を得たのち, 実施例4と同様に,この磁性合金粉
末を混練,成形,加熱硬化してボンド磁石を得た。この
ようにして得られたボンド磁石の耐酸化性および磁気特
性を実施例1と同一の方法で評価し,その結果を表1に
示した。表1から明らかなように本発明によるボンド磁
石は比較例のものに比べて耐酸化性が著しく優れ,また
磁石特性も同等以上であることがわかる。
【0038】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  R−Fe−B−C系の合金粉末 (但
    し, RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)であ
    って且つ該合金粉末中の磁性結晶粒の各々が16重量%
    以下 (0重量%を含まず)のCを含む耐酸化性保護膜
    で覆われている磁性合金粉末と,体積比率で50%以下
    の樹脂成分とからなるR−Fe−B−C系ボンド磁石。
  2. 【請求項2】  磁性結晶粒は,粒径が0.3〜50μ
    mの範囲にあり, 耐酸化性保護膜の厚みが0.001
    〜30μmの範囲にある請求項1に記載のボンド磁石。
  3. 【請求項3】  耐酸化性保護膜の0.05〜16重量
    %が, Cである請求項1または2に記載のボンド磁石
  4. 【請求項4】  該磁性合金粉末の組成(磁性結晶粒と
    耐酸化性保護膜とを併せた全体の組成)が,原子百分比
    でR:10〜30%, B:7%以下(0原子%を含ま
    ず),C:0.1〜20%, 残部がFeおよび製造上
    不可避的不純物からなる請求項1,2または3に記載の
    ボンド磁石。
  5. 【請求項5】  Bは2%未満(0原子%を含まず)で
    ある請求項4に記載のボンド磁石。
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