JP3023880B2 - 耐酸化性に優れたR−Fe−Co−B−C系ボンド磁石 - Google Patents
耐酸化性に優れたR−Fe−Co−B−C系ボンド磁石Info
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Description
コバルト(Co)- 硼素(B)-炭素(C) からなる磁性合金
粉末と樹脂成分とからなる耐酸化性の優れたボンド磁石
に関する。
の永久磁石としてR-Fe-B系磁石が佐川らによって開
示されて以来, 多くの報告がなされてきた。しかしなが
ら該磁石はSm-Co系磁石に比べて磁力では優れるもの
の,その磁気特性の耐酸化性が著しく劣り, 例えば, 特
開昭59-46008号公報で開示された永久磁石材料では,実
質上耐得ることは困難である。
製造されることから,製品化するためには,研削, 切削
等の加工が必要となりコストの高いものとなってしま
う。この加工を必要としない方法として例えば特開昭59
-294808号公報で開示されるようにボンド法を用いるこ
とができる。
解決はなされておらず,前述焼結磁石と同様に耐酸化性
が著しく劣るため, 永久磁石材料として実用上耐え得る
ことは困難である。
Fe-B系,R-Fe-Co-B系ボンド磁石では耐酸化性にお
いて抜本的な改善効果を得るには至っておらず, 実用レ
ベルでは耐酸化性に問題があった。
石は,耐酸化性を持たせるために, 表面に強固な耐酸化
性保護皮膜の形成が必須となるが,磁性合金粉末の場
合,その表面に強固な耐酸化性保護皮膜を形成し,さら
に形成した膜が取れないような製造方法を確立しなけれ
ばならない問題がある。本発明はこのような問題点を解
決しようとするするものであり,優れた耐酸化性を付与
された磁性合金粉末を用いて耐酸化性の優れたボンド磁
石を提供しようとするものである。
問題点を解決するため,磁石表面を耐酸化性保護膜で被
覆するという従来の巨視的な観念ではなく,微視的な観
念による抜本的な耐酸化性の改善を鋭意検討した結果,
磁性合金粉末中の磁性結晶粒の各々を耐酸化性保護膜で
被覆するという従来技術では予想すら困難であった新規
技術を見出すに至り,更には,従来技術ではもはや高い
磁気特性が得られず実用範囲外とされていたB含有量2
原子%未満領域でも実用に耐え得る良好な磁気特性を付
与し得ることを新たに見出すことによって,耐酸化性が
画期的に高められた新規なボンド磁石の提供を可能とし
た。
合金粉末 (但し, RはYを含む希土類元素の少なくとも
1種)であって且つ該合金粉末中の磁性結晶粒の各々
が, 16重量%以下 (0重量%を含まず)のCおよび30重
量%以下 (0重量%を含まず)のCoを含む耐酸化性保
護膜によって覆われている磁性合金粉末と:体積比率で
50%以下の樹脂成分と:からなるR-Fe-Co-B-C系ボ
ンド磁石を提供するものである。ここで該磁性結晶粒
は,粒径が好ましくは0.3〜50μmの範囲にあり, この粒
径の各結晶粒を覆っている粒界相の厚みは0.001〜30μm
の範囲である。本発明のボンド磁石における磁性合金粉
末の好ましい組成(磁性結晶粒と耐酸化性保護膜を併せ
た全体の組成)は, 原子百分比で,R:10〜30%, B:
7%以下好ましくは2%未満(0原子%を含まず),
C:0.1〜20%, Co:40%以下(0原子%を含まず),
残部がFeおよび製造上不可避的な不純物からなり,B
は2%以上でも耐酸化性の効果は充分に発揮されるもの
ではあるが,特にBが2%未満と少ない場合に磁気特性
も充分に示しながら耐酸化性も顕著に良好となるもので
ある。
ンド磁石を構成している磁性粉末中の各磁性結晶粒の周
囲を適切なC含有量をもつ非磁性膜で覆ったことによっ
て得られたものである。すなわち,本発明者等は非磁性
相である粒界相に上記C (炭素) の所定量を含有せしめ
ることにより, 具体的には該膜の16重量%以下がCとな
るように,好ましくは0.05〜16重量%の範囲がCとなる
ように含有させることにより,この非磁性相に著しい耐
酸化性機能を付与することができることを見い出した。
この耐酸化機能をもつ非磁性膜で各磁性結晶粒を被覆す
ることにより, 従来と同等のB含有量でも充分な耐酸化
性効果を示すことができること,更に該C含有保護膜の
形成はB量の低減を可能とし,これにより2原子%未満
でも, この磁性合金粉末と樹脂成分とからなるボンド磁
石の磁気特性は従来と同等レベル以上でありながら耐酸
化性が画期的に改善さることを見出した。そして,この
保護膜にCoを30重量%以下の量で共存させることによ
り,該ボンド磁石の耐酸化性が一層良好となることが明
らかとなった。
(炭素) の利用の仕方に大きな特徴があるので,先ずこ
の点から説明する。R-Fe-B系磁石において,従来で
はCは磁気特性および耐酸化性について消極的元素とさ
れており,必須の添加元素とはされていなかった。
して含有させるのではなく,当該合金の磁性結晶粒を包
囲する非磁性相 (粒界) 中にCを積極的に含有させると
いう添加の仕方をするならば,従来の常識に反してCは
磁性合金粉末の耐酸化性に大きく寄与できることを見い
出したものであり,しかも, これによって,磁気特性の
向上が図れることも明らかとなった。すなわち, このよ
うな磁性合金粉末における非磁性相へのCの含有によっ
て,Bの含有量が公知の通常範囲であっても従来に比べ
て耐酸化性が改善され,特に2原子%未満のB量の場合
にはその効果が更に著しいものになることがわかった。
例えば従来ではBの含有量が2原子%未満ではiHcが1K
Oe以下になるとされていたのであるが,本発明では2原
子%未満のB量であってもiHcは4KOe以上となる。この
ような本発明による新規な効果が磁性結晶粒の各々を包
囲するCおよびCo含有耐酸化性保護膜の形成によりも
たらされる。このことから, これまでの耐酸化性の劣化
及び磁気特性の低下をもたらしていたCを消極元素とす
る従来磁石とは全く異なり, Cを必須とする新規なボン
ド磁石の発明を完成することができた。
含有耐酸化性保護膜は,CとCo以外に磁性結晶粒を構
成している合金元素の実質上全てを含むものである。こ
のような耐酸化性保護膜の形成は, 磁性合金粉末中にお
ける磁性結晶粒子間に存在する粒界層にCとCoを含有
せしめることにより可能となる。その理由については以
下のように推察する。
している合金元素の実質上全てを含むことから,特にR
-Fe-C金属間化合物の生成によるところが大きいと考
える。一般に希土類元素は錆やすく,また希土類元素の
炭化物は加水分解されやすいと言われている。しかしな
がら,本発明による保護膜では不定比なR-Fe-Co-C
系の金属間化合物が生成していると推察され,これによ
り上記欠点が抑制されると考えられる。
元素としてFeの一部と置換使用することにより耐酸化
性を付与できることが知られているが,これによっても
磁石自身に抜本的な耐酸化性を付与するには至らず, 磁
石品の最外表面に耐酸化性の保護皮膜を形成することが
必要であったこともまた周知のところである。本発明で
はCoは磁性結晶粒を取り巻く耐酸化性保護膜中にCと
共に共存させることによって,ボンド磁石自身に一層優
れた耐酸化性を付与できることを見出したものである。
の個々の磁性結晶粒をCおよびCo含有耐酸化性保護膜
で被覆することにより耐酸化性を著しく高め,更にはB
含有量の低減により一層その効果が著しくなることを見
い出し,公知の技術では困難であった良好なボンド磁石
を発明するに至った。
前記のように磁性結晶粒を構成している各元素の実質的
に全てを含んでおり,且つそのC含有量は保護膜組成に
おいて16重量% (0重量%を含まず),Co含有量は30
重量%以下(0%を含まず)であることが必要である。
を付与するだけでなく,Bの減少に伴うiHcの低下を抑
制する効果をもたらすことから,その含有量は保護膜の
組成において好ましくは0.05〜16重量%, さらに好まし
くは0.1〜12重量%を必須とする。Cの含有量が0.05重
量%未満では耐酸化性を付与することが出来ず, またiH
cが4KOe未満となる。一方保護膜中のC量が16重量%を
超えると磁石のBrの低下が著しく, もはや実用が困難
となる。また該保護膜組成においてCo量が30重量%を
超えても耐酸化性を改善する効果は飽和し,かえってB
rやiHcの磁気特性の減少を招くようになるので,該保護
膜中のCo含有量は30重量%以下とする必要がある。
護膜の組成成分としては, CおよびCo以外にも, 磁性
結晶粒とはその量比が異なるとしても磁性結晶粒を構成
している合金元素の実質上全てを含む。この保護膜の厚
みについては個々の磁性結晶粒を均一に被覆してさえお
れば,その厚みに依存せず耐酸化性は実質的に保持され
るが,膜厚が0.001μm未満ではiHcの低下が著しく, ま
た30μmを超えるとBrがもはや本発明で意図する値を満
足しなくなるので,0.001μm〜30μmの範囲,好ましく
は0.005μm〜15μmの範囲とするのがよい。なお,上記
保護膜の厚みは粒界三重点も含むものである。この保護
膜の厚みはTEMを用いて測定することができる。
性結晶粒自身は周知のR-Fe-Co-B-(C)系磁石と同様
の組成であってもよい。しかしBが低量であっても本発
明ボンド磁石の場合には良好な磁気特性を発現できる。
本発明ボンド磁石における磁性合金粉末組成 (磁性結晶
粒と耐酸化性保護膜とを併せた全体の組成) は,好まし
くは原子百分比で,R:10〜30%, B:7%以下望まし
くは2%未満(0%を含まず),C:0.1〜20%, 残
部:Co:40%以下(0%を含まず), Feおよび製造上
不可避な不純物からなる。この磁性合金粉末によって所
要の形状に成形されたボンド磁石とするのに体積比率で
50%以下の樹脂成分を用いる。
C含有量は好ましくは0.1〜20原子%である。該総C含
有量が20原子%を超えるとBrの低下が著しく,一方,
0.1 原子%未満ではもはや耐酸化性を付与することが困
難になる。このように,磁性合金粉末中の総C含有量と
しては, 好ましくは0.1〜20原子%とするが,前述の耐
酸化性保護膜中のCは耐酸化性を付与するだけでなく,
Bの減少に伴うiHcの低下を抑制する効果をもたらすこ
とから,その含有量は保護膜の組成において, 16重量%
以下 (0%を含まず), 好ましくは0.05〜16重量%, さ
らに好ましくは0.1〜12重量%を必須とする。Cの原料
としてはカーボンブラック,高純度カーボンを用いるこ
とができる。
Pr,Tb,Dy,Ho,Er,Sm,Gd,Eu,Pm,Tm,Yb及びLu
のうち一種又は二種以上が用いられる。尚, 二種以上の
混合物であるミッシュメタル, ジジム等も用いることが
できる。ここでRを好ましくは10〜30原子%とするの
は,この範囲内ではBrが実用上非常に優れているため
である。
用いることができ, その含有量は公知の範囲である2原
子%を超えても7原子%程度まで含有させても従来技術
に比べて耐酸化性は著しく改善され, 本発明の前記目的
が達成されるのであるが,好ましくはBは2原子%未
満,更に好ましくは1.8原子%以下においてより一層の
効果がある。他方, B無添加では耐酸化性は良好となる
もののiHcが極端に低下し,本発明の目的を達成できな
くなる。フエロボロンとしてはAl,Si等の不純物を含
有するものでも用いることができる。
Co,Fe-Co, Co-C等の合金を用いることができ,磁
石中に含有する総Co量 (耐酸化性保護膜と磁性結晶粒
とCo量を合計した値) は40原子%以下とする。これは
この総Co量が40原子%を超えてもBrやiHcの磁気特性
の減少が著しくなって本発明の意図する永久磁石とはな
らないからである。
性合金粉末中の各々の磁性結晶粒は厚みが好ましくは
0.001〜30μm, さらに好ましくは0.005〜15μmの範囲の
C含有耐酸化性保護膜で覆われているものであるが,そ
の磁性結晶粒の粒径は好ましくは0.3〜50μm, さらに好
ましくは1〜30μmの範囲にある。磁性結晶粒の粒径が
0.3μm未満になるとiHcが4KOe未満となり, また50μm
を超えるとiHcの低下が著しくなり,本発明磁石の特徴
が損なわれる。なおこの結晶粒の粒径の測定は SEMによ
って, また組成分析はEPMAを用いて正確に行うことがで
きる。
粉末を樹脂成分で所要形状に成形したものであり,樹脂
成分は体積比率50%以下, 好ましくは5〜40%とする。
樹脂成分が5%以下では成形困難となり,50%を越える
と良好な磁気特性を発現できないからである。
樹脂のいずれでも使用できる。例えば機械的・熱的性質
およびその他の特性に優れる樹脂としてフエノール樹
脂, フラン樹脂, ポリエステル樹脂, エポキシ樹脂, ポ
リウレタン樹脂, ケイ素樹脂,フッ素樹脂, ポリイミド
樹脂, ポリアミド樹脂, ジアリルフタレート樹脂, ポリ
フエニルオキサイド樹脂などが適宜選択される。また,
磁性合金粉末は, 樹脂との接着性を高め, 機械的・熱的
性質を向上するために, シランカップリング剤,チタネ
ートカップリング剤, アルミニウムカップリング剤, ジ
ルコアルミネートカップリング剤, 機能性モノマーなど
各種処理剤による表面処理も併用できる。必要に応じて
可塑性, 滑剤などが使用される。これらの可塑剤として
は代表的なものとしてジブチルフタレート (DBP),ジ
オクチルフタレート (DOP),ジオクチルアジペート
(DOA) などが使用できる。滑剤として代表的なもの
として脂肪酸エステル, 金属石鹸などが使用できる。
方法としては,焼結体から粉砕する場合には,溶解・鋳
造・粉砕・成形・焼結・粉砕若しくは溶解・鋳造・粉砕
・成形・焼結・粉砕・熱処理の一連の工程からなる従来
同様の方法でも作製可能であるが,好ましくは上記製造
プロセスにおいて,鋳造後に該鋳造合金を熱処理する工
程を導入するか,または粉砕時若しくは粉砕後にC原料
の一部若しくは全量を二次添加する工程を導入するこ
と,さらにはこの二つの工程を組合わせて導入すること
によって, 有利に製造できる。鋳造合金から粉砕する場
合には,熱間塑性加工法を用い粉砕若しくは粉砕・熱処
理することによって前述の効果を発揮する良好な磁性合
金粉末を得ることが出来る。また,溶湯を噴霧法を用い
粉末とする若しくは,その粉末を熱処理しても前述の効
果を発揮する良好な磁性合金粉末を得ることができる。
脂成分を混合, 成形, 固化することにより製造できる。
成形方法は,圧縮成形, 射出成形, 押出成形, 静水圧成
形などを用いることによって, 前述の効果を発揮する本
発明のボンド磁石を作製することができる。
は耐酸化性について従来材に比べ画期的に改善されるこ
とから,従来のようにボンド磁石の最外表面を耐酸化性
の保護被膜で被覆しなくても, 磁石自身が極めて優れた
耐酸化性を有するので,場合によっては前記の最外表面
の保護被膜は不要となる。
て耐酸化性が著しく改善され, また良好な磁気特性を有
することから, 種々の磁石応用製品に好適に用いられ
る。磁石応用製品としては,例えば次の製品が挙げられ
る。DCブラシレスモーター,サーボモーター等の各種
モーター;駆動用アクチュエーター, 光学ビックアップ
用F/Tアクチュエーター等の各種アクチュエーター;ス
ピーカー, ヘッドホン,イヤホン等の各種音響機器;回
転センサー, 磁気センサー等の各種センサー;MRI等の
電磁石代替製品;リードリレー, 有極リレー等の各種リ
レー;ブレーキ,クラッチ等の各種磁気カップリング;
ブザー, チャイム等の各種振動発振機;マグネットセパ
レーター, マグネットチャック等の各種吸着用機器;電
磁開閉器,マイクロスイッチ, ロッドレスエアーシリン
ダー等の各種開閉制御機器;光アイソレーター, クライ
ストロン, マグネトロン等の各種マイクロ波機器;マグ
ネット発電器;健康器具, 玩具等である。なお,このよ
うな磁石応用製品は一例であり, これらに限定されるも
のではない。
錆難く高い環境温度で使用しても,従来材よりも特性の
劣化は少なく, 又従来材のように磁石品の最外露出表面
に耐酸化性保護被膜を形成しなくても高い磁気特性を保
持しながら該磁石自身に優れた耐酸化性が付与されてい
ることから, 別途の該保護被膜が不要となることはもと
より, 特殊な環境用として保護被膜の必要が生じた場合
でも, 磁石内部からの錆の発生がないので, 保護被膜を
形成するさいの接着性が良好であると共に, 被膜の剥離
や被膜厚みの変動による寸法精度の問題等が解消され
る。この面からも耐酸化性を必要とする用途には最適な
ボンド磁石を提供できる。以下に実施例を挙げる。
9.5%の電解コバルト, ボロン含有量19.32%のフエロボ
ロン合金及び純度98.5% (不純物として他の希土類金属
を含有する) ネオジウム金属を使用し, 組成比 (原子
比) として20Nd-57Fe-10Co-1Bとなるように計量・
配合し,真空中, 高周波誘導炉で溶解した後, 水冷銅鋳
型中に鋳込み, 合金塊を得た。このようにした得られた
合金塊をジョークラッシャーで10〜15mmに破砕し,次い
で700℃で5時間保持した後,50℃/分の速度で冷却し
た。更にこの合金塊をアルゴンガス中でスタンプミルを
用いて−100meshまで粗砕した後, 組成比 (原子比) が2
0Nd-57Fe-15Co-1B-7Cとなるように,更に純度99.5
%のカーボンブラックと電解コバルト粉を該粗砕粉に添
加し,次いで, 振動ミルを用いて平均粒子径5μmまで
粉砕した。このようにして得られた合金粉末を10KOeの
磁界中1ton/cm2の圧力で形成した後, アルゴンガス中1
100℃で2時間保持した後,急冷し,焼結体を得た。こ
のようにした得られた焼結体をアルゴンガス中でスタン
プミルを用いて−100meshまで粗砕し磁性合金粉末を得
た。この磁性合金粉末における耐酸化性保護膜中のカー
ボン含有量は3.7重量%, Co含有量は21.7重量%であ
り,保護膜の厚みは0.013〜6.5μm, 磁性結晶粒径は1.0
〜32μm であった。
ルゴンガス中で体積比率12%のエポキシ樹脂を添加し,
混練機で混練し,この混練物を20KOe磁界中で4ton/cm2
で形成した後130℃×1時間, 加熱硬化させてボンド磁
石を得た。なお,比較例1として,原料はカーボンブラ
ックを除き上記実施例1と同一とし,組成比(原子比)
が20Nd-59Fe-15Co-6Bとなるように計量・配合し,
実施例1と同様に(但しカーボンブラックは無添加)溶
解後,粗砕,微粉砕,磁場成形焼結,急冷,粉砕した磁
性合金粉末を得たのち,実施例1と同様にこの磁性合金
粉末を混練,磁場成形,加熱硬化してボンド磁石を得
た。このようにして得られたボンド磁石の耐酸化性の評
価(耐候性試験)として,温度80℃, 湿度90%の恒温・
恒湿下で96時間放置した時のBrとiHcのそれぞれの減磁
率を表1に示した。
施例1の(C含有保護膜で各磁性結晶粒を被覆してなる
磁性合金粉末から作製された) ボンド磁石では96時間後
の減磁率がBr;−0.7%, iHc;−6.9%と極めて小さ
く, 耐酸化性が著しく向上ししていることが認められ
る。また顕微鏡による表面観察でも錆の発生は認められ
なかった。
もたない磁性合金粉末から作成された比較例1のボンド
磁石ではわずか96時間の放置時間で錆が激しくサンプル
形状をとどめず測定不能となった。
て測定したBr, iHc及び (BH)maxの値も示した。本発
明によるボンド磁石は比較例1のものに比べて耐酸化性
が著しく優れるが,同時に磁石特性も同等以上であるこ
とがわかる。
キシ樹脂を表1に示す体積比率になるように配合した以
外は全て実施例1と同様の操作を行いボンド磁石を得
た。このようにして得られたボンド磁石の耐酸化性およ
び磁気特性を実施例1と同一の方法で評価し,その結果
を表1に記載示した。
ド磁石は比較例1のものに比べて耐酸化性が著しく優
れ,また磁石特性も同等以上であることがわかる。
9.5%の電解コバルト, ボロン含有量19.32%のフエロボ
ロン合金, 純度99.5%のカーボンブラック及び純度98.5
% (不純物として他の希土類金属を含有する) ネオジウ
ム金属を使用し,組成比 (原子比) として20Nd-57Fe-
15Co-1B-7Cとなるように計量・配合し,真空中,高周
波誘導炉で溶解した後, アトマイズ法を用いて−100mes
hとし合金粉末を得た。このようにして得られた合金粉
末をアルゴンガス中で700℃で5時間保持した後,50℃/
分の冷却速度で冷却し磁性合金粉末を得た。この磁性粉
末における耐酸化性保護膜中のカーボン含有量は4.5重
量%, またCo含有量は20.9重量%である。保護膜の厚
みは0.013〜6.7μm,また磁性結晶粒は1.0〜29μmであっ
た。
ルゴンガス中で体積比率12%のエポキシ樹脂を添加して
混練機で混練したうえ,この混練物を4ton/cm2で形成
した後, 130℃×1時間, 加熱硬化させてボンド磁石を
得た。なお,比較例2として, 原料はカーボンブラック
を除き上記実施例1と同一とし,組成比(原子比)が20
Nd-59Fe-15Co-6Bとなるように計量・配合し,溶解
後, アトマイズ法にて, 磁性合金粉末を得たのち, 実施
例4と同様に,この磁性合金粉末を混練,成形加熱硬化
としてボンド磁石を得た。このようにして得られたボン
ド磁石の耐酸化性および磁気特性を実施例1と同一の方
法で評価し,その結果を表1に示した。表1から明らか
なように本発明によるボンド磁石は比較例のものに比べ
て耐酸化性が著しく優れ,また磁石特性も同等以上であ
ることがわかる。
Claims (3)
- 【請求項1】 原子百分比でR:10〜30%, B:7%以
下(0原子%を含まず),C:0.1〜20%, Co:40%
以下 (0原子%を含まず), 残部がFeおよび製造上不
可避的不純物からなるR−Fe−Co−B−C系の合金
粉末 (但し, RはYを含む希土類元素の少なくとも1
種)であって且つ該合金粉末中の磁性結晶粒が粒径1〜
50μmを有しその磁性結晶粒の各々が,16重量%以下
(0重量%を含まず)のCおよび30重量%以下 (0重量
%を含まず)のCoを含む耐酸化性保護膜によって覆わ
れている磁性合金粉末と:体積比率で50%以下の樹脂成
分と:からなる耐酸化性に優れたR−Fe−Co−B−
C系ボンド磁石。 - 【請求項2】 耐酸化性保護膜は,厚みが 0.001〜30μ
mの範囲にある請求項1に記載のボンド磁石。 - 【請求項3】 耐酸化性保護膜の0.05〜16重量%が, C
である請求項1または2に記載のボンド磁石。
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JP3053086A JP3023880B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 耐酸化性に優れたR−Fe−Co−B−C系ボンド磁石 |
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