JPH0426937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動販売機に組み込んで商品搬送
を行う、例えばチエーンエレベータ式、あるいは
チエーンコンベア式商品搬送棚装置のチエーン機
構、特にそのチエーン張り調整機構の構成に関す
る。

〔従来の技術〕

頭記したチエーンエレベータ式ないしチエーン
コンベア式商品搬送装置は周知であり、これら商
品搬送装置はスプロケツト間に張架したエンドレ
スチエーンの周上に分散して多段の搬送棚を結合
し、ここに収納された商品を販売指令に基づくチ
エーン機構の駆動により商品取出口へ向けて搬送
するものである。

ところで、かかるチエーン機構に付いては常に
適度な張力を加え、チエーンが弛むことのないよ
うにスプロケツト間に張架されていることが必要
であり、このために通常はチエーン張り調整機構
を装備している。

ここで従来におけるチエーン張り調整機構付き
チエーン機構の構造を第４図、第５図に示す。図
において１，２……スプロケツト、３はスプロケ
ツト１と２との間に張架されたこエンドレスチエ
ーン、４はチエーン３の周上に結合された搬送棚
であり、かつ前記スプロケツト１，２のうちの一
方側、例えばスプロケツト２に図示されてない駆
動モータが結合されている。かかるチエーン機構
は商品収容棚内に組み込まれており、特にその従
動側スプロケツト１に付いては、スプロケツト軸
５を軸受支持した軸受板６を商品収納棚の棚側板
７に重ね合わせて両者間が締結ねじ８により締結
されている。またここでチエーン３の張り具合を
調節するために、軸受板側には締結ねじ８に対し
てチエーン方向に長溝６１を開口して置くととも
に、軸受板６の一端をＬ字形に屈曲して形成した
ねじ座６２と該ねじ座６２に対向して棚側板７の
側面に溶接固定したＬ字形のねじ座９との間にチ
エーン張り調整ボルト１０が螺合されている。

かかる構造で、締結ねじ８を緩めた状態で調整
ボルト１０をねじ込み操作することにより軸受板
６が矢印Ｐで示すようにチエーン方向に移動操作
され、これによりスプロケツト１と２との間に張
架されたチエーン３の張力が適正に調整される。
なおチエーン張り調整後は締結ねじ８を締め付け
て軸受板６を棚側板７へ固定して置く。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかして上記した従来のチエーン張り調整機構
では次記のような欠点がある。すなわち軸受板６
に対して何等から原因でチエーン側から過大な荷
重が加わると、締結ねじ８の締め付け力に打ち勝
つて軸受板６が長溝６１に沿つてずれ、同時に棚
側板７より側方に突出するねじ座６２、ないし９
に大きなモーメント荷重が加わつて変形し、この
結果としてチエーン３が弛むようなトラブルがし
ばしば発生する。

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、前記した従来構造の欠点を除去し、チエー
ン張り調整が容易で、かつ不測に加わる過大な荷
重に対してもチエーンが弛むことのないようにし
た信頼性の高い商品搬送用チエーン機構、特にそ
のチエーン張り調整機構を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案はスプロ
ケツトの軸受板を商品収納棚の棚側板上に重ね合
わせ、締結ねじを介して両者間をねじ止め締結す
る如く成すとともに、前記棚側板、軸受板に対し
て棚側板の軸受装置面上でチエーン方向に並べて
開口した複数段の締結ねじ螺合用ねじ穴と、該各
段のねじ穴に対応して軸受板上に開口した複数段
の締結ねじ挿入穴とを設け、かつ棚側板側のねじ
穴配列ピツチと軸受板側の挿入穴配列ピツチとの
間にピツチ差を与えて構成するものである。

〔作用〕

ねじ穴と挿入穴のピツチ差があるから、組合せ
を適宜選択すれば相対位置がピツチ差分だけ調整
される。ここに締結ねじを螺合することにより、
チエーンに適正な張力を与えつつ、かつチエーン
側から過大な荷重が加わつた際にもその荷重を締
結ねじ自身が剪断力として受け止め、これにより
軸受板の取付け位置が不当にずれるのを確実に阻
止してチエーンの弛み発生を防止できる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図はこの考案の実施例を示す
ものであり、第４図、第５図に対応する同一部材
には同じ符号が付してある。すなわちこの考案に
より、締結ねじ８に対して棚側板７の軸受板装置
面上にはチエーン方向に並ぶ複数段の締結ねじ螺
合用ねじ穴１１が開口され、かつ該各段のねじ穴
１１に対応して軸受板６には締結ねじ８のねじ径
と殆ど同径のばか穴として成る複数段の締結ねじ
挿入穴１２が開口している。しかも棚側板側に開
口した前記したねじ穴１１の配列ピツチｐ１と、
軸受板側に開口した挿入穴１２の配列ピツチｐ２
との間には、ｐ１≠ｐ２，ｐ２−ｐ１＜ｐ１とな
るような条件でピツチ差が設定されている。

かかる構成により、チエーン機構の組立に際し
て棚側板７側のねじ穴１１とスピロケツト軸受板
６側の挿入穴１２との組合せを適宜選択すること
により、チエーン３を弛みなく適正な張力を与え
て張ることができる。また第１図、第２図に示す
位置に締結ねじ８を螺合している状態で、チエー
ン機構の長期運転に伴つてチエーン３に多少の弛
みが生じた場合には、一旦締結ねじ８を外し、第
３図に示すようにねじ穴１２と挿入穴１２との組
合わせを変更して締結ねじ８の位置を変えること
により、棚側板７に対するスプロケツト軸受板６
の取付け位置は第１図と比べてねじ穴１１と挿入
穴１２とのピツチ差（ｐ２−ｐ１＝Δp）分だけ
移動する。これによりスプロケツト１と２の軸間
距離が増加し、弛み分を吸収してチエーン３を弛
み無しに正しく張ることができるようになる。一
方、さらにチエーンの張り調整幅を拡大するに
は、さらに１段下の穴を選択することによつて軸
受板６は前記したピツチ差の２倍分だけ移動する
ことになる。逆にチエーン３が張り過ぎている場
合には、第１図に示した締結ねじ８の位置よりも
上段のねじ穴を選択することによりチエーン３の
張り具合を適正に調整できる。またチエーン機構
の使用状態でチエーン側から過大な荷重が加わつ
た場合でも、その荷重は締結ねじ８に対して剪断
方向に作用するために、締結ねじ８が破断されな
い限り棚側板７に対するスプロケツト軸受板６の
取付け位置に変化は生じない。なお前記したねじ
穴１１、挿入穴１２の段数、およびそのピツチ差
Δpを適宜設定することにより、ラフ調整から微
調整まで広範囲にチエーンの張り具合を調整する
ことができる。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、スプロケ
ツトの軸受板を商品収納棚の棚側板上に重ね合わ
せ、締結ねじを介して両者間をねじ止め締結した
ものにおいて、前記棚側板の軸受装着面上でチエ
ーン方向に並べて開口した複数段の締結ねじ螺合
用ねじ穴と、該各段のねじ穴に対応して軸受板上
に開口した複数段の締結ねじ挿入穴とを設け、か
つ棚側板側のねじ穴配列ピツチと軸受板側の挿入
穴配列ピツチとの間にピツチ差を与えて構成した
ことにより、チエーンの張り具合の調整を簡単な
操作で広範囲に亙り行うことができ、しかもチエ
ーン側からスプロケツト軸受板に過大な負荷荷重
が加わつた場合でも、締結ねじが荷重を剪断方向
で受け止めるので軸受板が不当にずれたりするお
それが無い等、その取扱性、信頼性の面での改善
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第３図はそれぞれ異なる調整位置での
組立状態を示すこの考案の実施例によるチエーン
機構の要部端面図、第２図は第１図の縦断面図、
第４図は従来におけるチエーン張り調整機構の端
面図、第５図は第４図の縦断面図である。各図に
おいて、 １，２……スプロケツト、３……チエーン、４
……搬送棚、５……スプロケツト軸、６……軸受
板、７……棚側板、８……締結ねじ、１１……ね
じ穴、１２……挿入穴、ｐ１……ねじ穴配列ピツ
チ、ｐ２……挿入穴配列ピツチ、Δp……ピツチ
差。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプロケツトに張架したチエーンに搬送棚を結
   合して商品搬送を行う自動販売機の商品搬送用チ
   エーン機構であり、前記スプロケツトの軸受板を
   商品収納棚の棚側板上に重ね合わせ、締結ねじを
   介して両者間をねじ止め締結したものにおいて、
   前記棚側板の軸受装着面上でチエーン方向に並べ
   て開口した複数段の締結ねじ螺合用ねじ穴と、該
   格段のねじ穴に対応して軸受板上に開口した複数
   段の締結ねじ挿入穴とを設け、かつ棚側板側のね
   じ穴配列ピツチと軸受板側の挿入穴配列ピツチと
   の間にピツチ差を与えて構成したことを特徴とす
   る自動販売機の商品搬送用チエーン機構。