JPH0426766B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、外周に円周状の溝を有する円筒形フ
エライトコア（円筒形コア）の製造方法に関する
ものであり、この円筒形コアは、ビデオテープレ
コーダ等に使用される同軸型回転トランスの部品
として用いられている。

（従来の技術） この円筒形コアの使用される同軸型回転トラン
スの断面図を第５図に示す。この第５図に示すよ
うに、同軸型回転トランスは、円筒形コア５０１
の外周面に円周溝５０２が形成され、その円周溝
５０２に巻線５０３が付設された内側コアと、円
筒形コア５０４の内周面に円周溝５０５が形成さ
れ、その円周溝５０５に巻線５０６が付設された
外側コアとから成り、この内側コアと外側コアを
所定の間隔をおいて相対向させたものである。

この同軸型回転トランスに使用される円筒形コ
アは非常にわずかな間隔で、例えば50ミクロンで
相対向され、一方が高速で回転するため、外径寸
法、内径寸法、真円度、同軸度等、極めて高い寸
法精度が要求されている。

従来の同軸型回転トランス用の円筒形フエライ
トコアの内側コアの外周面に円周溝を形成する方
法としては、例えば第６図に示すように、円筒形
コア６０１を治具６０２に接着し、この治具６０
２をチヤツク６０３で保持して回転させる。そし
て、この回転している円筒形コア６０１に対し、
回転している円周溝研削用ダイヤモンドホイール
６０４を円筒形コア６０１の外周面に接触させ、
円周溝を研削加工していた。

また、別の方法を第７図に示す。この方法は、
円筒形コア７０１をチヤツク７０２に保持して回
転させ、この回転している円筒形コア７０１の外
周面に、回転している円周溝研削用ダイヤ７０３
を接触させ、円周溝を研削加工していた。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の方法では、円筒形コアの外周面に円周状
の溝を形成するときに、円筒形コア又は治具をチ
ヤツクするため、ローデイング及びアンローデイ
ングに時間を要し、工数がかかつていた。又、チ
ヤツキングの精度及びバラツキにより、加工精度
が左右されていた。そのため、生産量を増加させ
るためには、研削盤の台数を増加させる又は稼働
時間を増加させることが必要となり、コストアツ
プになるなど量産性が悪かつた。

本発明は、上記のことを鑑みて、量産性に優れ
る円筒形コアの製造方法を提供することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、外周面に円周状の溝が形成された円
筒形コアの製造方法において、前記円筒形コアの
外径を所定の真円度に形成しておき、該円筒形コ
アをセンタレスグラインダのブレード上に位置決
めし、該円筒形コアの外周に円周状の溝を形成す
るものである。

（実施例） 第１図は、本発明に係る一実施例の研削状態の
概略図であり、第２図は、第１図の実施例の円筒
形コアの供給時の概略図であり、第３図は、第１
図の実施例の供給時の平面図であり、第４図は、
第１図の実施例の円筒形コアの取出時の概略図で
ある。第１図〜第４図に示した実施例に基づいて
説明する。

円筒形コア１の外周面をセンタレスにて研削
し、外径の真円度及び円筒度を約１〜２ミクロン
としておき、この円筒形コア１を供給シリンダー
２によりブレード３上に供給し、ストツパー４に
当接させる。このシリンダー２は、研削開始とな
ると後退してもよいし、研削完了まで前進の状態
でもよい。この円筒形コア１をブレード３上に供
給し、ストツパー４に当接させた状態で、調整車
５が回転しながら前進し、円筒形コア１を回転さ
せながら回転しているダイヤ６に押しつけ、研削
する。このとき、調整車５の軸心７を若干振り、
円筒形コア１を回転させると、円筒形コア１にス
トツパー４方向の推進力を与えることができる。
よつて、円筒形コア１は、供給シリンダーの推力
又は調整車の回転による推力により、ストツパー
に正確に位置決めされた状態で研削される。従つ
て、正確な寸法精度での溝加工ができる。また、
溝位置の寸法精度は、ストツパー調整機構８によ
り容易に行うことができ、あるいはブレードとス
トツパーを一体としてブレードの調整を行う方法
もある。

このように溝の研削加工が終了すると、調整車
５が後退し、ブレード３と調整車５との間隔を円
筒形コア１より大とし、円筒形コア１をコンベア
９上に落下させ取り出される。又、コンベア９の
代わりに、アクチユエータ等で取り出してもよ
い。

本発明により、円筒形コアの外径を予め所定の
真円度に形成しておき、外径を基準として研削す
るセンタレスグライダによつて外周溝研削が可能
となり、これによりローデイング及びアンローデ
イングが短時間で行えるようになつた。

（発明の効果） 本発明は、円筒形コアの外周に円周状の溝を形
成する方法において、ローデイング、アンローデ
イングが極めて容易であつて短時間で行うことが
でき、生産性を向上させることができ、しかも量
産性及び加工精度も良いものであり、産業上極め
て有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る一実施例の概略図であ
り、第２図は、第１図の実施例の円筒形コアの供
給時の概略図であり、第３図は、第１図の実施例
の円筒形コアの供給時の平面図であり、第４図
は、第１図の実施例の円筒形コアの取出時の概略
図であり、第５図は、同軸型ロータリートランス
の一例の断面図であり、第６図は、従来例の概略
図であり、第７図は、別の従来例の概略図であ
る。 １……円筒形コア、２……供給シリンダー、３
……ブレード、４……ストツパー、５……調整
車、６……ダイヤ、７……軸心、８……ストツパ
ー調整装置、９……コンベア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周面に円周状の溝が形成された円筒形フエ
   ライトコアの製造方法において、前記円筒形フエ
   ライトコアの外径を所定の真円度に形成してお
   き、該円筒形フエライトコアをセンタレスグライ
   ンダのブレード上に位置決めし、該円筒形フエラ
   イトコアを回転させながら、回転しているダイヤ
   にて該円筒形フエライトコアの外周に円周状の溝
   を形成することを特徴とする円筒形フエライトコ
   アの製造方法。