JPH04267101A - 木材接合部のほぞ加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、在来木造建築工法に
おける各種ほぞを削成する木材接合部のほぞ加工装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】在来建築工法においては、各木材接合部
に種々のほぞ加工（継手加工）を行う必要がある。従来
、手加工でなされたほぞ取り作業は、熟練技能者の不足
、工期の短縮化などの要因によって次第に機械化されて
いる。そして、機械で削成されたほぞの一例として、次
のようなものがある。すなわち図６に示す腰掛けかまほ
ぞ、図７に示す大入りあり掛けほぞ、図８に示す腰掛け
ありほぞ、図９に示す平ほぞなどがあり、雄ほぞと雌ほ
ぞを対として土台、大引、母屋の接合、胴差と根太の接
合、土台と柱のなど目的に応じて適宜に使用している。 しかして、上記のほぞ加工機械に「木造建築用柱状物の
加工機」と題して特開昭６４−３８２０２号に開示され
るものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図６〜図９にみられる
各種ほぞは、加工材の長手方向端部に形成するものと、
中間の側面部に形成するものに分類されるが、このため
に従来では、前者すなわち端部の加工を行う木口加工ユ
ニット、後者すなわち側面部の加工を行う仕口加工ユニ
ットを備え、さらに角穴のような特殊ほぞをとるために
上下面加工ユニットを各別に備えたものである。しかし
て、この装置は単純なライン接続構造であるために、全
体が大型化するという問題点がある。また、三つのユニ
ットを有機的に稼働させるためには制御系も複雑になる
という欠点があり、総じて大変なコストアップを招来す
ることになる。ここにおいて本発明は、上記した従来技
術の問題点を解決するもので、全てのほぞ加工を一つの
ユニットで行うことができるコンパクトな木材接合部の
ほぞ加工装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係るほぞ加工装置は次のように構成し
たものである。すなわち、その要旨とするところは、加
工材を左右方向からクランプするクランプ手段を前後に
適当間隔をおいて設け、またこのクランプ手段に対応し
て前後、左右及び上下の三軸方向に制御駆動される移動
ベースを設けて、この移動ベースの下部に水平面におい
て旋回駆動し、直交する四方向に換向操作される旋回体
を備え、またこの旋回体の下部に放射状に多数の切削工
具を備えて水平面で旋回し、所定の割り出し位置の切削
工具を回転駆動するタレットヘッドを設け、上記割り出
し位置の切削工具を旋回体の旋回動作によって前後又は
左右の何れか一方向に設定すると共に、タレットヘッド
の底面部に上記水平面と直交する下向きの角のみヘッド
を配設したことにある。

【０００５】

【作用】タレットヘッドを旋回操作することにより、複
数の切削工具の中から所要のものを割り出すことができ
る。割り出して選択した切削工具は、前後又は左右の何
れかに向けて設定される。旋回体を換向制御すると、上
記の切削工具を前後、左右の四方向に任意に設定するこ
とができる。従って、一方のクランプ手段に加工材を取
りつけると共に両クランプ手段の間においてタレットヘ
ッドを上下移動し、切削工具をクランプ手段側の加工材
に向けることで、加工材の長手方向端部にほぞ加工を行
うことができる。また、両クランプ手段に跨がって加工
材を取りつけ、その側方においてタレットヘッドを上下
移動し、切削工具を左右の何れかに向けて設定すること
により中間側面部にほぞ加工を行うことができる。さら
に両クランプ手段に跨がって加工材を取りつけ、その上
面に垂直方向の角のみヘッドを対向して上下動すること
により角穴加工を行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、この発明に係る木材接合部のほぞ加工
装置を一実施例について具体的に説明する。図１は全体
構成を示す正面図　　図２は同じく側面図であり、図中
のＸ方向を左右方向、Ｙ方向を前後方向さらにＺ方向を
上下方向として最初に設定する。

【０００７】図において、１はベース　　２ａ及び２ｂ
はベース１の前後に配設した取付フレーム　　３ａ及び
３ｂは取付フレーム２ａ、２ｂ上に設けた一対のクラン
プ手段で、求心的に開閉する左右一対のバイス片４、４
とこのバイス片４、４を操作するハンドル車５、５及び
加工材Ｗの下面を受けるローラ６、６によって構成され
る。 上記のクランプ手段３ａ、３ｂは前後方向において適宜
の間隔を隔てて配設するもので、前後方向に供給される
加工材Ｗをクランプ固定する。７はベース１の四隅部に
樹立したコラム　　８はコラム７を連結して構成した枠
状の上部フレーム９は上部フレーム８の上面部に設けた
左右方向のレール　　１０はベアリングを介してレール
９にスライド自在に配設したＸ軸移動ベース　　１１は
Ｘ軸移動ベース１０に関連した送りねじ軸　　１２は送
りねじ軸１１を制御駆動するＸ軸サーボモータである。

【０００８】次に１３はＸ軸移動ベース１０の上部に設
けた前後方向のレール　　１４はベアリングを介してレ
ール１３にスライド自在に配設したＹ軸移動ベース　　
１５はＹ軸移動ベース１４に関連した送りねじ軸　　１
６は送りねじ軸１５を制御駆動するＹ軸サーボモータ１
７はＹ軸移動ベース１４の内側に取りつけた上下方向の
ベアリング　　１８はレール１９を上記ベアリング１７
に係合して上下動自在としたＺ軸移動ベース　　２０は
Ｚ軸移動ベース１８に関連した送りねじ軸　　２１は送
りねじ軸２０を制御駆動するＺ軸サーボモータ　　２２
はＺ軸移動ベース１８のバランス用シリンダである。

【０００９】次に、上記移動ベース１８の下部に配設し
た各部材を図３〜図５も参照して説明する。２３はＺ軸
移動ベース１８の下端に、ベアリング２４を介して取り
つけたフランジ状の旋回体　　上記の旋回体２３は上下
すなわち垂直軸線回りを回動するようになっている。２
５は旋回体２３に固定したギヤ　　２６はギヤ２５に噛
み合うピニオンで、Ｚ軸移動ベース１８に設けた旋回用
モータ２７の出力軸に固定する。２８はギヤ２５の周面
部に設けた４つの受孔で、この受孔２８は同一円周上に
等ピッチ（９０°の単位）で配設される。２９はＺ軸移
動ベース１８に下向きに配設した位置決め用シリンダで
、ピストンロッド端に上記受孔２８に挿入する嵌合ピン
３０を設ける。

【００１０】３１は旋回体２３の下部に設けたギヤボッ
クス　　３２はギヤボックス３１の下端に垂直軸線回り
すなわち、水平面を回動するように配設したタレットヘ
ッド　　このタレットヘッド３２には放射状に多数（実
施例では６基）の主軸ヘッド３３を突設するもので、こ
のヘッド３３にチャックを介して種々の切削工具Ｔ１〜
Ｔ６を取り付ける。３４はタレットヘッド３０を所定の
回転角度（実施例では６０°単位）で旋回操作する割出
し用モータ　　３５はギヤボックス３１内のギヤ手段（
図示省略）を介して上記切削工具を回転する駆動用モー
タである。上記の切削工具Ｔ１〜Ｔ６は、所定の割り出
し位置においてのみ回転駆動されるもので、この位置の
切削工具は前記した嵌合ピン３０が何れかの受孔２８に
嵌合するとき、前後方向又は左右方向の何れかに設定さ
れる。因みに図の例では駆動用モータ３５の取付位置と
反対側が割り出し位置である。

【００１１】次に３６はタレットヘッド３２の底板３２
ａに取り付けた角のみヘッドで、この角のみヘッド３６
は下向きのモータ３７、モータ３７の回転軸に設けたド
リル３８、ドリル３８を外套するように設けた方形の固
定刃３９及びモータ３７と固定刃３９の取付枠４０によ
って構成される。上記ドリル３８の中心はタレットヘッ
ド３２の旋回中心と一致して設定するものである。

【００１２】図２において、４１はクランプ手段３ａ、
３ｂに接近して設け、かつ加工材Ｗの先端に当接して取
付位置決めを行うストッパー定規　　４２はストッパー
定規４１に関連した出没操作用シリンダである。なお、
バイス片４の適所には加工材Ｗに記した返り墨の位置合
わせ用目盛（図示省略）を必要に応じて配設するもので
ある。また、前述したタレットヘッド３２又は旋回体２
３などの上下作動体には、切削加工に先立って加工材Ｗ
の上面の位置を検出するセンサー手段（図示省略）を備
えるもので、この上面位置を切込み基準位置としてほぞ
加工を行うようにする。

【００１３】一実施例に係るほぞ加工装置の構成は上記
の通りであり、次のように動作して種々のほぞ加工を行
う。まず、加工材Ｗの長手方向の端部に図６の雌ほぞ加
工を行う場合は、後部のクランプ手段３ｂを使用し、加
工材Ｗの端部をストッパー定規４０に当てて送り込む。 そして、ハンドル車５を操作しバイス片４、４により求
心的にクランプする。上記のストッパー定規４０はクラ
ンプ後に下方へ没入する。次いで、加工ヘッド側におい
て割出しモータ３４を駆動し、所要の切削工具Ｔ１を割
り出し位置へ回動し、駆動用モータ３５に連係して回転
する。選択された切削工具Ｔ１が後部の加工材Ｗに対応
する場合はそのままで良いが、他の左右方向又は前方に
向く場合は、嵌合ピン３０を受孔２８から抜去して旋回
用モータ２７を操作し、切削工具Ｔ１の換向制御を行う
。（図２参照）

【００１４】次にＸ軸サーボモータ１２
及びＹ軸サーボモータ１６をそれぞれ制御駆動して、切
削工具Ｔ１を加工材Ｗの幅方向中心に合わせ、さらに長
手方向の切削位置を設定する。そしてＺ軸サーボモータ
２１により切削工具Ｔ１を下降移動して切削加工する。 切込み深さは加工材Ｗの上面を基準とするもので、これ
は上面を予め検出するセンサー手段によって適宜に設定
される。なお上記の雌ほぞ加工は、切削工具Ｔ１のＺ軸
方向の運動だけで行うことができる。

【００１５】上記の加工の際に、タレットヘッド３２さ
らにはその下部の角のみヘッド３６を含む上下作動体が
一対のクランプ手段３ａ、３ｂの間に侵入するが、両者
間には適宜の隔たりがあるので、干渉などの心配がない
。また、加工材Ｗは後部のクランプ手段に限らず前部の
クランプ手段３ａに取り付けることもできるもので、こ
の場合は旋回用モータ２７によりタレットヘッド３２を
１８０°換向し、切削工具を前向きにして行えば良い。 さらに上記の例では雌ほぞ加工について説明しているが
、切削工具を選択した後に切削工具にＵ字形の制御運動
を与えることにより、図６〜図８の雄ほぞ加工を行うこ
とがことができる。

【００１６】加工材Ｗの中間側面部に図７の雌ほぞ加工
を行う場合は、両方のクランプ手段３ａ、３ｂに跨って
加工材Ｗを供給し、返り墨を利用して取付位置を設定す
る。次に、割出し用モータ２７により切削工具を選択し
、旋回用モータ３４によりこの工具Ｔ４を右向きに設定
する。（図１参照）そして、Ｘ軸サーボモータ１２及び
Ｙ軸サーボモータ１６をそれぞれ制御して切削工具Ｔ４
の中心位置を設定する。この後にＺ軸サーボモータ２１
により切削工具Ｔ４を下降移動する。この場合の切込み
深さ基準の取り方は、前述した端部のほぞ加工と同様に
上面を基準として行うようにする。

【００１７】上記のようにして中間側面の一側の加工が
終了したならば、旋回用モータ２７により旋回体２３を
１８０°回動操作して切削工具Ｔ４を左向きに設定する
。そして、図１の仮想線のようにＸ軸サーボモータ１２
によりタレットヘッド３２を加工材Ｗの右側に移して設
定し、切削工具Ｔ４を下降して切削加工を行う。このよ
うにすることで、加工材Ｗの両側に所要の雌ほぞ加工を
行うことができる。

【００１８】次に加工材Ｗの上面部に図９の角穴加工を
行う場合は、上記中間側面部の加工と同様に返り墨を利
用して加工材Ｗの取りつけ位置を設定する。そして、割
出し用モータ２７によりタレットヘッド３２を回動し、
角のみにおける固定刃３９の刃先線が左右および前後に
一致するように設定する。そしてＸ軸サーボモータ１２
及びＹ軸サーボモータ１６をそれぞれ制御して角のみ刃
の中心位置を設定し、この後にＺ軸サーボモータ２１に
より下降移動する。角穴の深さは前述したほぞ加工と同
様に上面を基準に設定する。また、角穴が長方形の場合
は、切削位置をズラして多工程で所要の形状に仕上げる
。

【００１９】なお、上記の一実施例におけるほぞ加工の
自動化を図る上では、クランプ手段の中間部及び前後に
積極駆動のコンベヤ手段を設けること、バイス片をモー
タ、油圧などにより自動的に開閉すること、そして、可
動式のストッパー手段により加工材の各位置決めを行う
ことなどの措置を採れば良い。さらに旋回体を９０°単
位で回動することは不可欠の要件であるが、勾配加工を
行う場合においては、これ以外に例えば４５°又は３０
°の位相差で９０°単位で設定することができるように
しても良い。また上記のストッパー方式に代えて、常に
現在の回動位置を把握し、任意の回動角度に設定するこ
とができるサーボモータを使用しても良い。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明に係るほぞ加工装置
は、水平面において旋回するタレットヘッドに放射方向
に多数の切削工具を備え、これと直交する垂直方向の下
部に角のみヘッドを備えたものであり、選択された切削
工具を前後及び左右の何れの方向にも換向し、加工材の
両端部及び側面部に対応することができる。また、それ
だけでなく角のみヘッドを加工材の上面部に垂直に対応
することができる。このため１つの加工ユニットを備え
るだけの簡単な構成で、一般ほぞから特殊ほぞまで種々
の加工を行うことができるという、従来にない優れた効
果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るほぞ加工装置の一部縦断正面図
である。

【図２】同じく側面図である。

【図３】タレットヘッド、角のみヘッドの旋回機構を示
す一部縦断側面図である。

【図４】同じく一部横断平面図である。

【図５】切削工具の取付状態を示すタレットヘッドの底
面図である。

【図６】腰掛かまほぞの構成を示す斜視図である。

【図７】大入れありほぞの構成を示す斜視図である。

【図８】腰掛ありほぞの構成を示す斜視図である。

【図９】平ほぞ継手の構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

３ａ　　クランプ手段 ３ｂ　　クランプ手段 ４　　　　バイス片 １０　　　　Ｘ軸移動ベース １２　　　　Ｘ軸サーボモータ １４　　　　Ｙ軸移動ベース １６　　　　Ｙ軸サーボモータ １８　　　　Ｚ軸移動ベース ２１　　　　Ｚ軸サーボモータ ２３　　　　旋回体 ２７　　　　旋回用モータ ２８　　　　受孔 ２９　　　　位置決め用シリンダ ３０　　　　嵌合ピン ３２　　　　タレットヘッド ３３　　　　主軸ヘッド ３４　　　　割出し用モータ ３５　　　　駆動用モータ ３６　　　　角のみヘッド ３８　　　　ドリル ３９　　　　固定刃 ４１　　　　ストッパー定規 Ｗ　　　　加工材 Ｔ１〜Ｔ６　　切削工具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 加工材を左右方向からクランプするクランプ手段を前後
   に適当間隔をおいて設け、またこのクランプ手段に対応
   して前後、左右及び上下の三軸方向に制御駆動される移
   動ベースを設けて、この移動ベースの下部に水平面にお
   いて旋回駆動し、直交する四方向に換向操作される旋回
   体を備え、またこの旋回体の下部に放射状に多数の切削
   工具を備えて水平面で旋回し、所定の割り出し位置の切
   削工具を回転駆動するタレットヘッドを設け、上記割り
   出し位置の切削工具を旋回体の旋回動作によって前後又
   は左右の何れか一方向に設定すると共に、タレットヘッ
   ドの底面部に上記水平面と直交する下向きの角のみヘッ
   ドを配設したことを特徴とする木材接合部のほぞ加工装
   置。