JPH0426551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、地下に埋設されるガス管、水道管等
の流体用管、または電力線、光あるいは電気の信
号線等を収容する管を施工する横穴、あるいは水
を排出する横穴等のように、比較的小径の横穴を
掘削する場合に使用される掘削作業車に関する。

（従来の技術） 本考案者等は、既に、道路等に縦穴を掘削した
後、その縦穴の底部より、地上からの遠隔操作等
により、配管用横穴を掘削する装置を開発してい
る。この装置は、作業車の荷台上に舗装層掘削装
置と、その下に縦穴を掘削する縦穴掘削装置と、
掘削された縦穴底部から横穴を掘削する横穴掘削
装置とを搭載して移動し、作業現場にて各掘削装
置を荷台上に設置した旋回装置、水平伸縮アーム
および垂直伸縮アームからなる荷役兼支持装置に
より掘削装置を積み降ろしする構成を有する。

しかし、前記水平伸縮アームは荷台の幅より長
い長さを有することが作業上必要であるから、掘
削装置を積み降ろしを行なうため、水平伸縮アー
ムの伸縮動作と旋回動作によつて掘削装置とアー
ム取付け位置の位置合わせを行なう際、掘削装置
の搭載位置によつては、水平伸縮アームの先端部
が荷台より側方に突出するため、狭い場所で作業
を行なう場合には、水平伸縮アームの先端部が家
屋、塀、立木あるいは電柱等の障害物に衝突する
ので、作業が困難となる場合がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記問題点に鑑み、狭い場所で作業
することが可能であり、かつ荷台上が有効に利用
され、比較的大型の掘削装置も搭載できる荷台の
構成を有する掘削作業車を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するため、本考案は、作業者の
荷台上の後部の両側にそれぞれ荷台より外側に一
部突出可能な可動受台を設置し、各受台に舗装層
掘削装置と縦穴掘削装置とをそれぞれ搭載すると
共に、これらの掘削装置より前部に横穴掘削装置
を搭載し、該横穴掘削装置より前部に、旋回台お
よび水平、垂直伸縮アームを有し、かつ前記各掘
削装置を着脱自在に取付けて積み降ろしする荷役
装置を設置したことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の詳細を、図面に示す実施例により
説明する。第１図は本考案による作業車を走行時
の状態で示す平面図、第２図はその側面図、第３
図は横穴掘削装置を積み降ろしする時の状態を示
す平面図、第４図はその背面図であり、また、第
５図は該実施例の横穴掘削装置により掘削作業を
行なつている状態を示す縦断面図である。

第１図ないし第４図において、掘削作業車１の
荷台２のほぼ中央部分には、筒状体３と、その頂
部に固定される旋回モータ４ａを有する旋回装置
４とからなる旋回台５を設置し、該旋回台５上に
水平伸縮アーム６の筒状外アーム７が固定され、
該外アーム７内に内アーム８が摺動自在にかつ回
り止めされて貫挿され、外アーム７に取付けられ
た伸縮モータ９によつてラツク、ピニヨン噛合に
より内アーム８が出没するように構成されてい
る。

前記内アーム８の先端には、垂直伸縮アーム１
０の筒状体でなる外アーム１１が固定され、該外
アーム１１内に中アーム１２が摺動自在にかつ回
り止めされて貫挿され、外アーム１１に取付けら
れた伸縮アーム１３によつてラツク、ピニヨン噛
合により中アーム１２が出没するように構成さ
れ、中アーム１２内には内アーム１４が内蔵シリ
ンダ（図示せず）により出没されるように摺動自
在に嵌合され、内アーム１４の下端に掘削装置を
嵌合しピン付けする結合ロツド１５が設けてあ
る。

荷台２上の後部の両側には、舗装層１７（第５
図参照）を掘削するホールソーと称される掘削装
置１９を設置した受台２０と、その下の砂利層１
８さらにはその下層２１を既設管２３の埋設個所
まで縦穴２２を掘削する縦穴掘削装置（駆動モー
タを備えたアースドリル）２４を設置した受台２
５とを、荷台２上のフレーム等に対してピン２
６，２７をそれぞれ中心として、第３図および第
４図に示すように荷台２の外側に一部が突出可能
に回動自在に取付ける。なお、荷台２０，２５が
荷台２の外部へ突出する構造は、レール上を受台
２０，２５が摺動する構造等によつても実現でき
る。

荷台２上におけるこれらの掘削装置１９，２４
より前部に、横穴掘削装置２８を搭載する。ここ
で、受台２０，２５の第１図に示す走行時におけ
る間隔は、横穴掘削装置２８がその間を通過しえ
ない間隔であり、第３図および第４図に示すよう
に、受台２０，２５を外方に開いた状態において
は、横穴掘削装置２８が掘削装置１９，２４間を
通過させることができる間隔となるように設定さ
れる。また、荷台２上には、縦穴２２内に挿入す
るケーシング２９や、必要に応じて、既設管２３
の側部を掘削する場合に使用される小型回転掘削
装置３０が搭載されている。

この作業車を用いて掘削を行なう場合、荷台２
の後板３１および側板３２を降ろし、車外に出て
いる作業者がペンダントスイツチ（図示せず）を
操作し、モータ４，９，１３および垂直伸縮アー
ム１０に内蔵されているシリンダを遠隔操作する
ことにより、まず垂直伸縮アーム１０の結合ロツ
ド１５を最上部まで上げ、旋回装置５の旋回動作
および水平伸縮アーム１０の伸縮動作により、第
１図に２点鎖線ａで示すように、結合ロツド１５
を舗装層掘削装置１９の真上に位置させ、ロツド
１５と掘削装置１９の結合部１９ａとを結合し、
垂直伸縮アーム１０を収縮させて掘削装置１９を
持上げ、続いて旋回動作と水平伸縮アーム６の伸
張動作、さらに垂直伸縮アーム１０の伸張動作に
より、掘削装置１９の下面開口部のカツタを舗装
層１７の面に当て、モータ１９ｂを回転させて舗
装層１７を円形に掘削する。掘削後は受台２０上
に該掘削装置１９を戻す。

次に砂利層１８やその下の土砂層２１を掘削す
るため、こんどは水平伸縮アーム６を第１図の２
点鎖線ｂに示すような方向にして同様に結合ロツ
ド１５を掘削装置２４の結合部２４ａに結合し、
縦穴２２の掘削を行なう。この掘削中あるいは掘
削後に、人手によりケーシング２９を縦穴２２内
に挿入し、掘削後は該掘削装置２４を受台２５に
戻す。その後、必要に応じて、小型回転掘削装置
３０により、既設配管２３の周囲の土砂を掘削す
る。

第１図に示すように、舗装層掘削装置１９およ
び縦穴掘削装置２４を垂直伸縮アーム１０の結合
ロド１５に着脱する際には、それぞれ２点鎖線
ａ，ｂで示したように、水平伸縮アーム６の端部
が荷台２の両側より突出しないので、作業車１の
両側あるいは片側に家屋、塀、立木あるいは電柱
などの障害物５６がある場合であつても、これら
の掘削装置１９，２４の着脱が行なえる。

次に、横穴掘削装置２８により横穴掘削を行な
うが、この場合、掘削装置１９と２４間は狭くな
つているので、このままでは横穴掘削装置２８は
通過できない。そこで、人手により受台２０，２
５を掘削装置１９，２４と共にピン２６，２７を
中心として回し、第３図および第４図に示すよう
に荷台２の外側へ一部突出させ、これにより横穴
掘削装置２８の通路を開け、結合ロツド１５に吊
具を介して横穴掘削装置２８を吊り上げ、セツト
する。

このように、掘削装置１９，２４の受台が外方
に退避させることができるように構成することに
より、小型で小回りがきき、狭い場所で作業が行
なえる小型車を作業車２として使用した場合にお
いても、大型の掘削装置１９，２４を搭載し、作
業を行なうことができる。

この横穴掘削装置２８は、第５図に示すよう
に、必要数埋込まれたケーシング２９上に設置さ
れる地上装置Ａと、ケーシング２９の底部に設置
される地下装置Ｂとからなり、第４図に示すよう
に、これらの装置Ａ，Ｂは地上装置Ａに地下装置
Ｂが組み込まれた形で搭載される。地下装置Ｂ
は、門形フレーム３３の下部に傾斜可能にガイド
フレーム３４を取付け、該ガイドフレーム３４上
に、ガイドレール３５と、その上を転動するロー
ラ３６を有する横行車３７と、該横行車３７に搭
載されたスクリユーオーガ３８の回転チヤツク装
置３９およびスクリユーオーガ３８回転用油圧モ
ータ４０と、横行車３７を往復動させる油圧モー
タ４１と、スクリユーオーガ３８の継足し、解離
の際に先行のスクリユーオーガのねじ式継足し部
を把持しておく固定チヤツク装置４２とを設置し
てなるものである。この地下装置Ｂは、ケーシン
グ２９の内壁に対向するように設けられた２条の
ガイドレール４３に沿つてフレーム３３の左右柱
部の上下に設けられたローラ（図示せず）が転動
自在に係合している。

一方、地上装置Ａは、作業車１上の油圧源に油
圧ホース４４を介して接続される弁類からなる油
圧ユニツト４５と、地下装置Ｂを滑車４６および
ワイヤ４７を介して昇降させるウインチ４８と、
各種操作スイツチを有する操作盤４９および横行
車３７の前後動作を制御する操作レバー５０と、
これらの操作装置４９，５０と油圧ユニツト４５
との間の電気信号を取り扱うスイツチ類からなる
制御盤５１とを、ケーシング２９上に固定される
フレーム５２に搭載してなるものである。

そしてこの装置は、スクリユーオーガ３８の１
本分の掘削を行なつた後は、そのスクリユーオー
ガ３８を地中に残し、ウインチ４８を作動させて
地下装置Ｂを２点鎖線で示すように引上げ、新た
なスクリユーオーガ３８を回転チヤツク装置３９
にセツトし、地下装置Ｂを降ろし、先行スクリユ
ーオーガ３８の尾端を固定チヤツク装置４２で把
持しておいてモータ４０の回転と横行車３７の前
進を行なわせ、継足すという動作を繰返すことに
より掘進する。掘進後は前記と逆の動作により引
抜き動作を行なう。この引抜き動作の際に、先端
のスクリユーオーガ３８に大径のスクリユーオー
ガを順次継足して大径穴の掘削作業を行なう場合
もある。また、地下装置にスクリユーオーガの自
動継足し装置を設けることにより、地下装置Ｂの
スクリユーオーガ継足しごとの昇降を無くし、自
動化することもできる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案においては、作業車
の荷台上の後部の両側にそれぞれ荷台より外側に
一部突出可能な可動受台を設置し、各受台に舗装
層掘削装置と縦穴掘削装置とをそれぞれ搭載する
と共に、これらの掘削装置より前部に横穴掘削装
置を搭載し、該横穴掘削装置より前部に、該旋回
台および水平、垂直伸縮アームを有し、かつ前記
各掘削装置を着脱自在に取付けて積み降ろしする
荷役装置を設置したので、掘削装置着脱時に水平
伸縮アームの先端が荷台から左右の外側に突出し
ないかあるいは突出幅を小さくおさえることがで
き、かつ作業車を小型化できるので、狭い作業現
場においても作業が行なえる掘削作業車が提供で
きる。また、舗装層掘削装置と縦穴掘削装置とを
荷台の外側へ退避できるようにして横穴掘削装置
の積み降ろしが可能となるようにしたので、荷台
上が有効に利用され、比較的大型の舗装層掘削装
置と縦穴掘削装置を搭載することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による掘削作業車の一実施例を
走行時の状態で示す平面図、第２図はその側面
図、第３図は該実施例において、横穴掘削装置を
積み降ろしする時の状態を示す平面図、第４図は
その背面図、第５図は該実施例の横穴掘削装置に
より掘削作業を行なつている状態を示す縦断面図
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業車の荷台上の後部の両側にそれぞれ荷台よ
   り外側に一部突出可能な可動受台を設置し、各受
   台に舗装層掘削装置と縦穴堀削表置とをそれぞれ
   搭載すると共に、これらの掘削装置より前部に横
   穴掘削装置を搭載し、該横穴掘削装置より前部
   に、旋回台および水平、垂直伸縮アームを有し、
   かつ前記各掘削装置を着脱自在に取付けて積み降
   ろしする荷役装置を設置したことを特徴とする掘
   削作業車。