JPH0426518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は水路に設けたワイヤー式倒伏堰の操作装
置に関するものである。

「従来の技術」 従来、倒伏堰開閉機では水路床に下縁を枢支し
た堰扉の上縁にワイヤロープを接続し、これを上
流側に牽引して同堰扉を下流側に若干傾倒させた
状態に保持し、上流側水位の上昇水位を浮子で感
知し、浮子の上昇動作によつてバンドブレーキを
弛緩させそれによつてワイヤロープの巻取ドラム
を遊動させて同ロープを巻戻すことにより自動的
に堰扉を下流側に倒伏させ洪水を防止するもので
あつた。しかし倒伏後同堰扉を元の位置に起立さ
せるに当り、バンドブレーキを手動レバーで緊締
させた状態を保持し、その状態でバンドブレーキ
の中心部に一方向クラツチを介して設けた駆動軸
を手動ハンドルで一方向に回動し減速装置を介し
て巻取ドラムを減速回動しワイヤロープを巻取つ
て堰扉を背圧に抗して起立させた。その際手動レ
バーの誤動作によつてバンドブレーキが弛緩状態
となると上記駆動軸及び一方向クラツチは遊動状
態となり、堰扉の背圧によつて巻取ドラム、減速
装置及び駆動軸が急激に逆転し手動ハンドルも逆
転してハンドル操作員に危害を与えるおそれがあ
つた。

「考案が解決しようとする問題点」 本案は倒伏堰開閉機において水路床に倒伏した
堰扉を手動レバーの誤動作による不慮の開放逆転
動作を防止し手動ハンドルによる堰扉起立作業を
安全に行うことのできるワイヤー式倒伏堰操作装
置を得ようとするものである。

「問題点を解決するための手段」 本案は機枠に堰扉起伏動作用ワイヤロープの巻
取ドラムを正逆回転自在に軸支し、同ドラムとそ
の駆動軸とを減速装置を介して接続し、駆動軸に
一方向クラツチを介してバンドブレーキを設け、
同駆動軸の一端部に手動ハンドルの軸部を着脱自
在に係合させるよう形成した倒伏堰開閉機におい
て、機枠に上記バンドブレーキのバンド緊締弛緩
用上向手動レバーを枢支し、同レバーに横腕を設
け、上記レバーの正逆回動に伴う同腕の先端部の
昇降によつて上記駆動軸の一端面が開閉されるよ
う同腕を配設してなるワイヤー式倒伏堰操作装置
によつて構成される。

「作用」 従つて上向手動レバー３を直立させるとバンド
ブレーキ２のンバンド２′は緊締されワイヤロー
プ巻取ドラム１１の駆動軸５は一方向クラツチ２
４を介して逆転方向に停止し正転方向に同クラツ
チ２４を介して回動可能に保持される。その状態
では横腕４の先端部４′は同駆動軸５の一端面
５′の上方に開かれている（第１図及び第３図実
線でその状態を示す）。その状態で上記駆動軸５
の一端部に手動ハンドル２９の軸部３０を嵌込ん
で回転方向に係合させることができる。そして同
ハンドル２９を把持して矢印ａ方向に回動させる
と一方向クラツチ２４を介して減速装置２１及び
巻取ドラム１１が回動しワイヤロープ１０によつ
て堰扉８を倒伏位置から第１図仮想線位置まで起
立させることができる。その間横腕４の先端部
４′は手動ハンドル２９の軸部３０の上方にある
ため直立状態の手動レバー３をバンド２′の弛緩
方向（矢印ｂ方向）に回動させることはできな
い。即ち同レバー３はハンドル２９の軸部３０に
ロツクされ、矢印ｂ方向への誤動作は防止され
る。手動ハンドル２９を駆動軸５を一端部から分
離した後手動レバー３を矢印ｂ方向に傾けるとバ
ンド２′が弛緩して駆動軸５は堰扉８の背圧によ
つて逆転し堰扉８を倒伏させるが、上述のように
横腕４の先端部４′を開いて手動ハンドル２９を
装着した状態では手動レバー３を矢印ｂ方向に傾
けることができないため誤動作は起り得ない。

「実施例」 水路床６の一方の側壁７の天端に機枠１を支持
し、同機枠１の下流側水路床６に堰扉８の下縁を
ピン９で枢支し、上端にワイヤロープ１０を接続
する。このワイヤロープ１０は上記機枠１に軸支
した正逆回転自在の巻取ドラム１１に巻取られ、
同ドラム１１の正回転によつてワイヤロープ１０
を巻取り上記堰扉８を背圧に抗して倒伏位置から
第１図仮想線位置に起立させることができる。機
枠１の内部には同ドラム１１の回動軸に減速スプ
ロケツト１２を設け、中間軸１３，１４に設けた
減速スプロケツト１５，１６及び小径スプロケツ
ト１７，１８に減速チエン１９，２０を掛回して
減速装置２１を形成し、機枠１の上部に軸支した
駆動軸５に設けた小径スプロケツト２２と上記減
速スプロケツト１６とをチエン２３で接続する。
この駆動軸５の外周には一方向クラツチ２４を介
してバンドブレーキ２を設ける。一方向クラツチ
２４は駆動軸５の逆転方向に停止し正転方向（矢
印ａ方向）にのみ回動可能であり、上記バンドブ
レーキ２はブレーキドラムの外周に掛回したバン
ド２′の一端を機枠１にピン２５で固定し、他端
を槓杆２６の基部に接続し、同槓杆２６の基端を
上記ピン２５によつて枢支し他端を昇降自在に保
持する。この他端上方に上向手動レバー３の下部
をピン２７によつて枢支し、同レバー３の下端に
設けた突起３′と上記槓杆２６の他端とを連杆２
８で接続することによつて同レバー３を直立させ
た状態で上記バンド２′を緊締し、矢印ｂ方向に
傾けた状態で同バンド２′を弛緩させることがで
きる。この手動レバー３の中程には横腕４を設
け、その先端部４′を上記駆動軸５の一端面５′の
外側に配置することによつて手動レバー３の矢印
ｂ方向への傾倒時に上記一端面５′を上記先端部
４′によつて閉鎖し（第３図仮想線）、同レバー３
の直立によつて同先端部４′を一端面５′の上方に
上昇させ一端面５′を開くよう形成する。この一
端面５′には４角孔５″を穿設し、手動ハンドル２
９の軸部３０を４角ピンに形成して同軸部３０を
４角孔５″内に着脱自在に嵌合して回動方向に係
合させるものである。この係合時には上記横腕４
の先端部４′を上方に開く必要があり、同先端部
４′は軸部３０の上面に当つて下降することがで
きないため手動レバー３も直立位置（第３図実
線）からｂ方向に傾動することはできず、その位
置にロツクされる。尚図中３１で示すものは横腕
４の取付ボルト、３２は浮子、３３は浮子昇降案
内筒、３４は浮子支持槓杆、３５は同槓杆３４の
支持ピン、３６は同槓杆３４と上記槓杆２６との
連杆、３７は遠心ブレーキである。

「効果」 本案は上述のように構成したので水路床６に設
けた倒伏堰扉８をワイヤロープ１０で牽引し背圧
に抗して手動ハンドル２９によつて駆動軸５を正
転させて同堰扉８を起立させる際、駆動軸５がバ
ンドブレーキ２及び逆転停止用一方向クラツチ２
４によつて逆転方向に安全に固定されバンドブレ
ーキ緊締弛緩用上向手動レバー３の誤動作に基く
不慮の逆転事故を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案のワイヤー式倒伏堰操作装置を示
す側面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線による正面
図、第３図は第１図の一部拡大側面図、第４図は
駆動軸及び手動ハンドルの拡大平面図である。 １……機枠、２……バンドブレーキ、３……バ
ンド緊締弛緩用上向手動レバー、４……横腕、
４′……先端部、５……駆動軸、５′……一端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠に堰扉起伏動作用ワイヤロープの巻取ドラ
   ムを正逆回転自在に軸支し、同ドラムとその駆動
   軸とを減速装置を介して接続し、駆動軸に一方向
   クラツチを介してバンドブレーキを設け、同駆動
   軸の一端部に手動ハンドルの軸部を着脱自在に係
   合させるよう形成した倒伏堰開閉機において、機
   枠に上記バンドブレーキのバンド緊締弛緩用上向
   手動レバーを枢支し、同レバーに横腕を設け、上
   記レバーの正逆回動に伴う同腕の先端部の昇降に
   よつて上記駆動軸の一端面が開閉されるよう同腕
   を配設してなるワイヤー式倒伏堰操作装置。