JPH04265124A - 脱硝方法 - Google Patents

脱硝方法

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JPH04265124A
JPH04265124A JP3047418A JP4741891A JPH04265124A JP H04265124 A JPH04265124 A JP H04265124A JP 3047418 A JP3047418 A JP 3047418A JP 4741891 A JP4741891 A JP 4741891A JP H04265124 A JPH04265124 A JP H04265124A
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阪本 徳男
Nobuhito Aida
合田 暢人
Hiroaki Rikimaru
力丸 浩昭
Tsutomu Okochi
大河内 勉
Jiro Yoshida
次郎 吉田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンモニアを用いて窒素
酸化物(NOX)を還元する脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃焼排ガス等の各種ガスに含
まれる窒素酸化物を処理するために、アンモニアを還元
剤として用いる乾式脱硝方法が広く利用されている。こ
の技術では通例触媒を内蔵した反応器に処理すべきガス
(以下処理ガスと称す)を導き、処理ガス中に含まれる
窒素酸化物の量に応じてアンモニアを供給し、両者を反
応させる。このとき、アンモニアの供給量が不足すると
未処理の窒素酸化物が多くなってしまい、アンモニアが
多すぎるとアンモニアが系外に排出されてしまうので、
窒素酸化物量に応じてアンモニアの供給量を的確に制御
することが重要である。
【0003】これまで通例採られてきたアンモニア供給
量制御方法は、反応器入口の処理ガスの流量および窒素
酸化物濃度から窒素酸化物量を求め、これを還元するの
に化学量論的に必要とされる量以下のアンモニアを供給
するという方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、処理ガ
ス中の窒素酸化物濃度が速くかつ大きく変動し、また窒
素酸化物の組成比(NO/NO2)も変動するような場
合には、従来のアンモニア供給量制御では対処できず、
窒素酸化物あるいはアンモニアが規定量以上に排出され
てしまうという問題があった。これは主に分析計器の精
度、応答時間の遅れに起因し、また窒素酸化物の組成比
を正確に知ることが困難なこと、コスト上、反応器出口
側におけるガス流量、アンモニア濃度が測定されていな
いこと等の要素にもよる。
【0005】ところで粒状触媒等はアンモニア吸着容量
が大きく、触媒層がバッファータンクとして働き、多少
の窒素酸化物量等の変動を吸収するという作用がある。 これを利用した技術の一例として、特公昭57−432
94号公報には、アンモニアの吸着機能を内在する脱硝
反応槽にアンモニアを断続的に供給し、脱硝反応槽内に
アンモニアの吸着能力量の最大値以内のアンモニア量を
常に保持させるようにアンモニアの注入量を制御すると
いう方法が開示されている。
【0006】しかしこのような技術では、反応槽内に大
幅に過剰なアンモニアが存在するおそれがあり、出口N
OX濃度が常に0付近となる反面、出口アンモニア濃度
が高くなる懸念が大きい。また入口NOX濃度が大きく
速く変動する場合は制御が困難になるおそれがある。具
体的には、入口NOX濃度が非常に低くなった場合には
未反応アンモニア濃度が高くなり、入口NOX濃度が非
常に高くなった場合出口NOX濃度が上がりアンモニア
の注入頻度が増え、ついには脱硝未達となる。また、こ
の技術においてはNH3の一回の注入時間および注入量
が制御に極めて大きく影響するのでこれらの値を実際に
決めるのが難しい。
【0007】さらに最近の傾向としてハニカム状の触媒
等コンパクトな触媒が採用されつつあるが、このような
触媒は同材質の粒状触媒に比べ同体積当りのアンモニア
吸着能が低く、上記緩衝作用だけに頼る制御は困難であ
り、従って上記の類の技術を適用することはできない。
【0008】本発明の目的は、前述の問題点を解決し、
脱硝プロセスにおける大きく速い変動にも的確に対処で
き、またアンモニア吸着能の比較的低い触媒にも対応で
き、窒素酸化物の排出を防ぐと共に、かつ未反応アンモ
ニアの流出を極めて低くすることのできる脱硝方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒素酸化物含
有ガスを反応器に供給し、該ガス中の窒素酸化物をアン
モニアで還元する脱硝方法において、所定の脱硝率を与
えるような反応器出口窒素酸化物濃度の計算値を算出し
、反応器出口窒素酸化物濃度の測定値が該計算値以下の
場合は、反応器に供給される窒素酸化物を還元するのに
必要なアンモニアの化学量論的流量から一定流量を差し
引いた流量のアンモニアを反応器に供給し、反応器出口
窒素酸化物濃度の測定値が該計算値を超えたときにはそ
の時点から一定時間のあいだ前記化学量論的流量に前記
一定流量を加えた流量のアンモニアを反応器に供給する
脱硝方法である。
【0010】まず本発明におけるNH3供給について概
説する。図1は、簡単のため反応器入口NOX濃度が直
線的に増加する場合を例にして、本発明におけるNH3
供給について模式的に示したグラフである。同図aのよ
うに変化する入口NOX濃度に対応して、同図cにおい
て破線で表されるNH3理論量(脱硝反応に化学量論的
に必要となる NH3供給流量、すなわちアンモニアの
化学量論的流量)が決まる。本発明では、ベースとして
、この理論量から一定の値Δ(一定流量)を差し引いた
流量のNH3を供給する(この運転モードを「不足運転
」と称する)。 さて出口NOX濃度がある値(所定の脱硝率を与える濃
度、同図b破線で示される)を超えた時、理論量に上記
一定の値Δを加えた流量のNH3を供給する(この運転
モードを「過剰運転」と称す)。過剰運転を行う一定時
間TとΔとは装置の特性(特に触媒の吸着能)を鑑みて
予め設定される値である。同図cに示されるように本発
明では不足運転と過剰運転が繰り返され、過剰運転時に
はNH3が脱硝触媒に吸着して反応器内に貯えられ(同
図cでSaの部分)、不足運転時には貯えられたNH3
が消費される(同図cでSbの部分)。
【0011】上記の各値についてさらに詳述する。本発
明者らによる検討の結果、上記のような不足/過剰サイ
クル運転を行う場合、有効吸着容量(サイクル時に有効
に吸着できる量)vは、脱硝率の下限η(図1bにおけ
るピーク時の脱硝率、すなわちアンモニアを過剰に供給
し始める時点での脱硝率)により次式のように表される
ことがわかった。
【0012】 v=V−aη                   
                         
          I          V:全N
H3吸着容量                   
                         
            a:係数
【0013】式Iは、脱硝率下限により有効に使える吸
着容量が異なることを意味する。本発明では、この知見
を基にして、脱硝率の下限を一定に制御する。脱硝率下
限一定を目標として制御を行うので、過剰運転に切り替
えるきっかけとなる出口NOX濃度(図1bの破線)は
入口濃度の関数となる。このような制御によりアンモニ
アの過剰供給時に吸着される有効吸着量は一定になる。
【0014】有効吸着量は予備試験から求めることがで
きる。この予備試験でも、化学量論的に必要なNH3流
量Bを境に±Δの過剰/不足運転をするが、Δとしては
ラフな仮定値を用いる(例えば化学量論的NH3流量の
50%程度に仮定する)。
【0015】予備試験の手順としては、図2に示すよう
に、一定流量のNOXを供給しておき、B+ΔのNH3
過剰供給を始める(t1)。出口NOX濃度は初期値(
ここでは200ppm)から低下していき、ある時点t
2で出口未反応アンモニア濃度がある設定値(ここでは
10ppm)を超える。 この状態では出口NOXはほぼ0となっている。ここで
B−ΔのNH3不足運転に切り替えると出口NOX濃度
は上昇していく。NOX濃度がある設定値(ここでは1
00ppm)になった時点t3で再び過剰運転に切り替
える。以降、出口未反応アンモニア濃度が上記設定値(
10ppm)で不足運転に切り替え、出口NOX濃度が
100ppmで過剰運転に切り替えるサイクルを繰り返
すと、図2のようなチャートを得る。t2〜t3間では
、t1〜t2間に触媒に吸着したNH3が消費されてお
り、ここでの消費量、すなわち面積S1に相当するNH
3量が、脱硝率の下限50%(200ppmに対する1
00ppm)のときの有効吸着量である。本発明者らの
検討の結果、有効吸着量はΔに対して鈍感であることが
わかっているのでΔの仮定はラフでよい。
【0016】式Iにおいて、Vは脱硝反応を行わずに単
に触媒にNH3を吸着させたときの飽和吸着量として求
められる。
【0017】aは触媒固有の値であり、脱硝率の下限η
を変化させて各ηに対する有効吸着量vを求める試験を
すれば式Iから求められる。
【0018】NH3理論量からのずれΔは、入口NOX
濃度の変化状況に応じて適宜決められる。例えばNO/
NO2の比及びNOX分析計の精度等の不確定要素によ
るNH3必要量の化学量論量からのずれが最大±15%
と想定される場合、Δは想定される最大NOX濃度の2
0%相当程度とすればよい。例えば最大NOX濃度が1
000ppmの設備であれば200ppm相当程度とす
る。
【0019】さて一定流量Δと一定時間Tの積は触媒に
吸着させるNH3量なので理想的には有効吸着量vをフ
ルに使ってNH3を吸着させることができ、従ってこの
とき次の関係が成り立つ。 TΔ=v                     
                         
            II
【0020】しかし実際
には未反応アンモニア流出の心配があるので、安全率を
とり、次式を考える。 TΔ=(安全率)×v               
                         
      III
【0021】この安全率は理論上は
0を超え、1以下の値とすることができるが、安全率を
あまり低くとっても意味がなく、触媒の吸着能を無駄に
することになるので0.5以上の値とするのが好ましい
。実用上は0.7以上0.8以下程度にするのがさらに
好ましい。安全率を設定すればTは式IIIから求める
ことができる。
【0022】さて、このようにTおよびΔを決定した後
は図3に示した手順に従ってNH3供給の制御が行われ
る。
【0023】まず反応器入口NOX濃度の関数としてN
H3理論量および反応器出口NOX目標濃度(計算値、
SV)が算出される。
【0024】NH3理論量:B入口NOX濃度(測定値
)、入口処理ガス量(設計値、測定できる場合には測定
値でも可)およびNO/NO2比(通常仮定値、測定で
きる場合には測定値でも可)から化学量論的に必要とさ
れるNH3理論量を算出する。
【0025】出口NOX目標濃度:SV脱硝率下限ηを
一定にするように制御するので、この値は次式で与えら
れる。 SV=(入口NOX濃度)×(1−η)       
                         
   IV
【0026】次に、このSVと測定された出
口NOX濃度(PV)が比較される。 SV≧PVの場合:(NH3供給流量)=B−Δとされ
、不足運転が行われる。手順の最初に戻る。
【0027】SV<PVの場合:時間Tの間、(NH3
供給流量)=B+Δとされ、過剰運転が行われる。その
後不足運転に切り替えられ、手順の最初に戻る。時間T
を測るためにタイマーが用いられる。
【0028】NH3供給流量は一般的にはNH3流量調
節弁の開度に対応する信号として出力される。
【0029】本発明によれば、出口NOX濃度は常に0
付近にできる。しかも入口NOX濃度にかかわらずNH
3吸着量が一定に制御される(TΔは入口NOX濃度に
かかわらず一定)ため、未反応アンモニアは低く抑えら
れる。吸着量は多すぎると規定量以上のアンモニア流出
の方向に向かい、少なすぎると脱硝が不十分となるので
、吸着量を適切な範囲で一定に制御することは脱硝率と
未反応アンモニアを制御する上で重要である。
【0030】NH3吸着量が一定に制御されない場合、
例えば従来技術で説明したアンモニアを断続的に供給す
る方法の場合、吸着量が入口NOX濃度により変化して
しまい、その結果脱硝未達あるいは未反応アンモニアが
大きくなるおそれがある。
【0031】また本発明では過剰運転の時間Tが一定で
あるが、この点も制御を簡単にするという意味で利点の
一つといえる。
【0032】さらに本発明では有効吸着量を基にTΔ(
NH3吸着量)を設定しているので過剰運転時に触媒に
吸着したNH3は不足運転時にすべて消費され、消費し
きったところでまた過剰供給に替わるので一サイクルに
おける吸着量(TΔ)と消費量(T’Δ)とはほぼ等し
くなる。従ってTとT’はほぼ等しい状態で運転でき、
不足運転時間T’が極端に短くなって過剰運転が続けざ
まに行われるような状況(すなわち脱硝未達の危険性が
大であるような状況)に陥らずにすむ。
【0033】
【実施例】実施例1 本発明の一例を説明するために、図4に脱硝プロセスフ
ローを示した。ここでは簡単のため、説明に必要な機器
のみを示してある。
【0034】処理ガス源1からの処理ガスはアンモニア
源2から供給されるアンモニアと混合されて反応器3へ
と導かれ、反応器内ではNOXが還元される。反応器出
口ガスは適宜処理されて排出される。反応温度や反応器
内の触媒の種類等脱硝プロセス自体は公知の技術を特に
制限なく適用できる。
【0035】さて、反応器入口NOX濃度がNOX分析
計4で測定され、反応器出口NOX濃度が分析計5で測
定され、その信号が制御部7に送られる。制御部7では
図3のフローチャートに従った制御が行われる。
【0036】本実施例では、NOX濃度が200〜17
00ppmである処理ガスを、反応器出口NOX濃度1
00ppm以下の範囲で脱硝する。従って脱硝率を0.
941(=1−100/1700)以上に保つよう制御
することになる。また処理ガス量は設計流量(1200
0Nm3/h)とし、触媒(ソリッドハニカムタイプ)
充填量は3.89m3とした。
【0037】この触媒について予備試験を行い、触媒層
の全NH3吸着容量V=8.91Nm3、係数a=5.
41Nm3の値を得た。従って、式Iから有効吸着容量
vを求めると、3.82Nm3を得る。
【0038】NOX濃度最大値1700ppmの20%
の変動要因をみてΔに相当する濃度を350(=170
0×0.2)ppmとする。 従ってΔ=12000Nm3/h×350×10ー6=
4.2Nm3/hを得る。
【0039】有効吸着量vの80%を使うものとし、T
=0.8×v/Δ=0.73h(44分)とする。
【0040】また脱硝温度は240℃とした。またNO
とNO2は等モルと仮定して、(NH3/NOXモル比
)=1.17と置き、NH3理論量を算出するのに用い
た。
【0041】結果として良好に脱硝を行うことができ、
未反応アンモニアの流出も抑えることが出来た。
【0042】
【発明の効果】本発明により、NO/NO2比、処理ガ
ス流量変動、NOX計分析精度等の不確定要素にかかわ
らず、排出NOX濃度を0付近に抑え、かつNH3の排
出も抑えることのできる脱硝方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるアンモニアの供給状況を模式的
に示すグラフである。
【図2】有効吸着量を求める予備試験を説明するため模
式的に表わしたグラフである。
【図3】本発明におけるアンモニア供給量制御手順のフ
ローチャートである。
【図4】本発明を適用できる脱硝プロセスのフローシー
トである。
【符号の説明】
1    処理ガス源 2    アンモニア源 3    反応器 4    NOX分析計 5    NOX分析計 7    制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  窒素酸化物含有ガスを反応器に供給し
    、該ガス中の窒素酸化物をアンモニアで還元する脱硝方
    法において、所定の脱硝率を与えるような反応器出口窒
    素酸化物濃度の計算値を算出し、反応器出口窒素酸化物
    濃度の測定値が該計算値以下の場合は、反応器に供給さ
    れる窒素酸化物を還元するのに必要なアンモニアの化学
    量論的流量から一定流量を差し引いた流量のアンモニア
    を反応器に供給し、反応器出口窒素酸化物濃度の測定値
    が該計算値を超えたときにはその時点から一定時間のあ
    いだ前記化学量論的流量に前記一定流量を加えた流量の
    アンモニアを反応器に供給する脱硝方法。
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