JPH04264726A - 酸化物誘電体薄膜作成方法 - Google Patents
酸化物誘電体薄膜作成方法Info
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- JPH04264726A JPH04264726A JP3024853A JP2485391A JPH04264726A JP H04264726 A JPH04264726 A JP H04264726A JP 3024853 A JP3024853 A JP 3024853A JP 2485391 A JP2485391 A JP 2485391A JP H04264726 A JPH04264726 A JP H04264726A
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Landscapes
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物誘電体薄膜作成
方法に係り、特に、スパッタ法を使用して酸化物薄膜を
形成する方法に関するものである。
方法に係り、特に、スパッタ法を使用して酸化物薄膜を
形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、硝子やセラミックなどの基板
上に、酸化物誘電体の薄膜を作り、エッチングと酸化技
術によって誘電体、抵抗体、及びコンデンサを形成する
薄膜回路製造技術が知られている。このような薄膜回路
を製造する際における酸化物誘電体の薄膜作成方法とし
ては、従来、蒸着法やスパッタ法などが採用されている
。
上に、酸化物誘電体の薄膜を作り、エッチングと酸化技
術によって誘電体、抵抗体、及びコンデンサを形成する
薄膜回路製造技術が知られている。このような薄膜回路
を製造する際における酸化物誘電体の薄膜作成方法とし
ては、従来、蒸着法やスパッタ法などが採用されている
。
【0003】このような薄膜作成方法のうち、スパッタ
法について簡単に説明する。すなわち、スパッタ法にお
いては、まず、薄膜にする材料をターゲットとし、グロ
ー放電で生じた正イオンをこのターゲットに衝突させる
。すると、陰極(ターゲット)から2次電子、2次イオ
ン、粒子(ターゲットの物質)などが放出される。この
陰極から飛び出した粒子が基板上で凝縮して薄膜を形成
する。
法について簡単に説明する。すなわち、スパッタ法にお
いては、まず、薄膜にする材料をターゲットとし、グロ
ー放電で生じた正イオンをこのターゲットに衝突させる
。すると、陰極(ターゲット)から2次電子、2次イオ
ン、粒子(ターゲットの物質)などが放出される。この
陰極から飛び出した粒子が基板上で凝縮して薄膜を形成
する。
【0004】以上のようなスパッタ法は、薄膜にする材
料をターゲットとすることにより、真空蒸着し難い高融
点材料や合金などでも薄膜化できる点で優れている。特
に、高速マグネトロンスパッタ法は、従来のスパッタ法
に比べて格段に高い生産性を実現できるため、電子ビー
ム蒸着法に代わる方法として、半導体製造プロセスへの
導入が進められている。
料をターゲットとすることにより、真空蒸着し難い高融
点材料や合金などでも薄膜化できる点で優れている。特
に、高速マグネトロンスパッタ法は、従来のスパッタ法
に比べて格段に高い生産性を実現できるため、電子ビー
ム蒸着法に代わる方法として、半導体製造プロセスへの
導入が進められている。
【0005】一方、近年、エレクトロルミネセンス素子
への応用を目的として、ITOコート硝子基板上に絶縁
物薄膜を作成することが試みられている。特に、五酸化
タンタルは、誘電率が大きく、エレクトロルミネセンス
素子に適した材料として期待されている。
への応用を目的として、ITOコート硝子基板上に絶縁
物薄膜を作成することが試みられている。特に、五酸化
タンタルは、誘電率が大きく、エレクトロルミネセンス
素子に適した材料として期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような五酸化タンタルを初めとする各種の絶縁物薄膜を
、スパッタ法によってITOコート硝子基板の上に作成
した場合には、ITO膜が黒くなる黒化現象を生じてし
まう欠点があった。この場合、黒化現象の発生メカニズ
ムは、次のように理解されている。
ような五酸化タンタルを初めとする各種の絶縁物薄膜を
、スパッタ法によってITOコート硝子基板の上に作成
した場合には、ITO膜が黒くなる黒化現象を生じてし
まう欠点があった。この場合、黒化現象の発生メカニズ
ムは、次のように理解されている。
【0007】すなわち、五酸化タンタルと酸化インジウ
ムの生成自由エネルギーを比較すると、五酸化タンタル
の方がかなり低い。このため、ITO膜の上に,低級の
酸化物が形成されると、この酸化物は、ITOの酸素を
奪い、ITOを還元してしまう。この結果、金属のイン
ジウムが析出するため、ITO膜の光透過率は減少する
。このような黒化現象、すなわち、透光性の低下は、エ
レクトロルミネセンス素子のような高い透光性が要求さ
れる素子において、大きな問題となっていた。
ムの生成自由エネルギーを比較すると、五酸化タンタル
の方がかなり低い。このため、ITO膜の上に,低級の
酸化物が形成されると、この酸化物は、ITOの酸素を
奪い、ITOを還元してしまう。この結果、金属のイン
ジウムが析出するため、ITO膜の光透過率は減少する
。このような黒化現象、すなわち、透光性の低下は、エ
レクトロルミネセンス素子のような高い透光性が要求さ
れる素子において、大きな問題となっていた。
【0008】本発明は、上記のような従来技術の課題を
解決するために提案されたものであり、その目的は、I
TOコート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させること
なく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜
を形成することが可能であり、エレクトロルミネセンス
素子などの高い透光性が要求される素子への応用に最適
であるような、優れた酸化物誘電体薄膜作成方法を提供
することである。
解決するために提案されたものであり、その目的は、I
TOコート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させること
なく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜
を形成することが可能であり、エレクトロルミネセンス
素子などの高い透光性が要求される素子への応用に最適
であるような、優れた酸化物誘電体薄膜作成方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の酸化物
誘電体薄膜作成方法は、酸素もしくは酸素と他のガスと
の混合ガスをスパッタガスとし、このガス中でプリスパ
ッタを行い、その後ベース圧まで引き、再度所定のガス
を導入してスパッタ成膜することを特徴としている。
誘電体薄膜作成方法は、酸素もしくは酸素と他のガスと
の混合ガスをスパッタガスとし、このガス中でプリスパ
ッタを行い、その後ベース圧まで引き、再度所定のガス
を導入してスパッタ成膜することを特徴としている。
【0010】請求項2に記載の酸化物誘電体薄膜作成方
法は、請求項1に記載の方法において、プリスパッタ時
の混合ガス中の酸素分圧が25%以上であることを特徴
としている。
法は、請求項1に記載の方法において、プリスパッタ時
の混合ガス中の酸素分圧が25%以上であることを特徴
としている。
【0011】請求項3に記載の酸化物誘電体薄膜作成方
法は、酸素もしくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパ
ッタガスとし、このスパッダガスを充填してなるチャン
バー内のCOガス分圧をモニターし、COガス分圧が2
×10−7torr以下であるような条件の下で、IT
Oコートガラス基板上にスパッタ成膜することを特徴と
している。
法は、酸素もしくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパ
ッタガスとし、このスパッダガスを充填してなるチャン
バー内のCOガス分圧をモニターし、COガス分圧が2
×10−7torr以下であるような条件の下で、IT
Oコートガラス基板上にスパッタ成膜することを特徴と
している。
【0012】請求項4に記載の酸化物誘電体薄膜作成方
法は、酸素もしくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパ
ッタガスとし、このガス中でプリスパッタを60分以上
行い、その後、この混合ガス中でスパッタ成膜すること
を特徴としている。
法は、酸素もしくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパ
ッタガスとし、このガス中でプリスパッタを60分以上
行い、その後、この混合ガス中でスパッタ成膜すること
を特徴としている。
【0013】
【作用】以上のような構成を有する本発明によれば、I
TOコート硝子基板上に、ITO膜を黒化させることな
く、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を
作成することができる。
TOコート硝子基板上に、ITO膜を黒化させることな
く、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を
作成することができる。
【0014】すなわち、本発明の方法によれば、酸素も
しくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパッタガスとし
て、このスパッタガス中でプリスパッタを行うと共に、
スパッタ用の酸素導入によって増えたCOガスを、ベー
ス圧への真空引き、プリスパッタの酸素分圧の調整、ま
たは、プリスパッタ時間の長時間化によって十分に減少
させることができる。そして、このようにCOガスを十
分に減少させた状態で、スパッタ成膜を行うことにより
、ITOコート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させる
ことなく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体
薄膜を形成することが可能である。
しくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパッタガスとし
て、このスパッタガス中でプリスパッタを行うと共に、
スパッタ用の酸素導入によって増えたCOガスを、ベー
ス圧への真空引き、プリスパッタの酸素分圧の調整、ま
たは、プリスパッタ時間の長時間化によって十分に減少
させることができる。そして、このようにCOガスを十
分に減少させた状態で、スパッタ成膜を行うことにより
、ITOコート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させる
ことなく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体
薄膜を形成することが可能である。
【0015】具体的には、請求項3に記載の方法のよう
に、成膜時のCOガス分圧を、2×10−7torr以
下とすることにより、ITOコート硝子基板の上に、I
TO膜を黒化させることなく、透明な(高い透光性を有
する)酸化物誘電体薄膜を形成することが可能である。
に、成膜時のCOガス分圧を、2×10−7torr以
下とすることにより、ITOコート硝子基板の上に、I
TO膜を黒化させることなく、透明な(高い透光性を有
する)酸化物誘電体薄膜を形成することが可能である。
【0016】なお、このように、COガスを減少させる
ことによって、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘
電体薄膜を作成できるのは、次の理由による。すなわち
、ITO膜の黒化は、前記の通り、ITO膜が還元され
、ITO膜中のインジウムが析出することにより生ずる
ため、このようなITO膜の還元を助成する因子となり
得るチャンバー11内の残留COガスは、ITO膜を黒
化する因子であると考えられる。従って、チャンバー1
1内のCOガス分圧を、所定の圧力以下として、酸化物
誘電体薄膜を作成することにより、ITO膜を黒化させ
ることなく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電
体薄膜を作成することができるものと考えられる。
ことによって、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘
電体薄膜を作成できるのは、次の理由による。すなわち
、ITO膜の黒化は、前記の通り、ITO膜が還元され
、ITO膜中のインジウムが析出することにより生ずる
ため、このようなITO膜の還元を助成する因子となり
得るチャンバー11内の残留COガスは、ITO膜を黒
化する因子であると考えられる。従って、チャンバー1
1内のCOガス分圧を、所定の圧力以下として、酸化物
誘電体薄膜を作成することにより、ITO膜を黒化させ
ることなく、透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電
体薄膜を作成することができるものと考えられる。
【0017】
【実施例】以上説明したような、本発明による酸化物誘
電体薄膜作成方法の複数の実施例を、図面を参照して具
体的に説明する。なお、以下に述べる各実施例の方法は
、基本的に、図1に示すような、rfマグネトロンスパ
ッリング法を使用して、硝子基板1にコーティングされ
たITO膜2の上に、酸化物誘電体薄膜として五酸化タ
ンタル薄膜3を作成するものである。
電体薄膜作成方法の複数の実施例を、図面を参照して具
体的に説明する。なお、以下に述べる各実施例の方法は
、基本的に、図1に示すような、rfマグネトロンスパ
ッリング法を使用して、硝子基板1にコーティングされ
たITO膜2の上に、酸化物誘電体薄膜として五酸化タ
ンタル薄膜3を作成するものである。
【0018】図2のフローチャートは、請求項1及び2
に記載の方法に従う第1実施例を示す図である。この図
2に示すように、まず、成膜前の準備として、反応室を
ベース圧力にし(ステップ1)、続いて、アルゴン雰囲
気中でプリスパッタを5分間行う(ステップ2)。なお
、この処理は、本発明の方法に従うところの本質的な処
理、すなわち、本質的に黒化現象を防ぐための処理では
なく、単に、ターゲットであるタンタル表面をきれいに
するために行う処理である。
に記載の方法に従う第1実施例を示す図である。この図
2に示すように、まず、成膜前の準備として、反応室を
ベース圧力にし(ステップ1)、続いて、アルゴン雰囲
気中でプリスパッタを5分間行う(ステップ2)。なお
、この処理は、本発明の方法に従うところの本質的な処
理、すなわち、本質的に黒化現象を防ぐための処理では
なく、単に、ターゲットであるタンタル表面をきれいに
するために行う処理である。
【0019】次に、本発明の方法に従う黒化現象を防ぐ
ための処理を行う。すなわち、まず、アルゴンと酸素と
を、酸素分圧を25%以上として混合してなる混合ガス
雰囲気中で、プリスパッタを20分間行う(ステップ3
)。続いて、再び反応室(チャンバー)のガスをベース
圧力まで引く(ステップ4)。この後、再びアルゴン雰
囲気中でプリスパッタを5分間行う(ステップ5)。 なお、この処理も、前記のステップ2の処理と同様に、
単に、ターゲットであるタンタル表面をきれいにするた
めに行う処理である。最後に、アルゴンと酸素との混合
雰囲気中で、反応性スパッタリングにより成膜を行い(
ステップ6)、図1に示すように、ITO膜2上に、五
酸化タンタル薄膜3を作成する.実際に、以上のような
構成を有する第1実施例の方法によって五酸化タンタル
薄膜3を作成したところ、ITO膜2を黒化させること
なく、透明な(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄
膜3を得ることができた。なお、チャンバーのベーキン
グ処理を行った場合も、行わなかった場合も、結果は同
様であった。従って、この第1実施例の方法は、特に、
エレクトロルミネセンス素子などの高い透光性が要求さ
れる素子への応用に最適である。
ための処理を行う。すなわち、まず、アルゴンと酸素と
を、酸素分圧を25%以上として混合してなる混合ガス
雰囲気中で、プリスパッタを20分間行う(ステップ3
)。続いて、再び反応室(チャンバー)のガスをベース
圧力まで引く(ステップ4)。この後、再びアルゴン雰
囲気中でプリスパッタを5分間行う(ステップ5)。 なお、この処理も、前記のステップ2の処理と同様に、
単に、ターゲットであるタンタル表面をきれいにするた
めに行う処理である。最後に、アルゴンと酸素との混合
雰囲気中で、反応性スパッタリングにより成膜を行い(
ステップ6)、図1に示すように、ITO膜2上に、五
酸化タンタル薄膜3を作成する.実際に、以上のような
構成を有する第1実施例の方法によって五酸化タンタル
薄膜3を作成したところ、ITO膜2を黒化させること
なく、透明な(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄
膜3を得ることができた。なお、チャンバーのベーキン
グ処理を行った場合も、行わなかった場合も、結果は同
様であった。従って、この第1実施例の方法は、特に、
エレクトロルミネセンス素子などの高い透光性が要求さ
れる素子への応用に最適である。
【0020】なお、第1実施例によって以上のような効
果が得られるのは、次の理由による。すなわち、ITO
膜を黒化させる因子となるCOガスは、前述した通り、
スパッタ用の酸素導入によって増加するが、第1実施例
においては、この増加したCOガスを、20分間のプリ
スパッタ(ステップ3)及びベース圧力までのガス引き
(ステップ4)によって、十分に減少させることができ
る。従って、このように、COガスを十分に減少させた
状態で、成膜を行う(ステップ6)ことにより、透明な
(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄膜を得ること
ができるものである。
果が得られるのは、次の理由による。すなわち、ITO
膜を黒化させる因子となるCOガスは、前述した通り、
スパッタ用の酸素導入によって増加するが、第1実施例
においては、この増加したCOガスを、20分間のプリ
スパッタ(ステップ3)及びベース圧力までのガス引き
(ステップ4)によって、十分に減少させることができ
る。従って、このように、COガスを十分に減少させた
状態で、成膜を行う(ステップ6)ことにより、透明な
(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄膜を得ること
ができるものである。
【0021】また、第1実施例において、ステップ3の
プリスパッタに使用する本発明に従う混合ガスの組成と
しては、酸素分圧を25%以上としたが、望ましくは、
40%以上とすることがより効果的である。さらに、第
1実施例の方法は、五酸化タンタル薄膜の作成に限定さ
れるものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成
する場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(
高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成できる。
プリスパッタに使用する本発明に従う混合ガスの組成と
しては、酸素分圧を25%以上としたが、望ましくは、
40%以上とすることがより効果的である。さらに、第
1実施例の方法は、五酸化タンタル薄膜の作成に限定さ
れるものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成
する場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(
高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成できる。
【0022】一方、従来の酸化物誘電体薄膜作成方法に
より、不透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合と、
前記第1実施例の方法により、透明な五酸化タンタル薄
膜を作成した場合とにおける、膜作成時のチャンバー内
の残留ガスを四重極型質量分析計(QMS)で測定した
ところ、図3(従来例)及び図4(第1実施例)に示す
ような結果が得られた。
より、不透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合と、
前記第1実施例の方法により、透明な五酸化タンタル薄
膜を作成した場合とにおける、膜作成時のチャンバー内
の残留ガスを四重極型質量分析計(QMS)で測定した
ところ、図3(従来例)及び図4(第1実施例)に示す
ような結果が得られた。
【0023】この2つのグラフを比較すると、m/eの
中で、28(COガス)に大きな変化が見られる。すな
わち、ITO膜の黒化を生じない第1実施例の手順では
、ITO膜の黒化を生じた従来例の手順に比べて、チャ
ンバー内におけるCOガスの残留ガス分圧は、2×10
−7torr以下と非常に小さくなっている。従って、
COガス分圧が、2×10−7torr以下であるよう
な条件の下で、スパッタ成膜を行うことにより、透明な
酸化物誘電体薄膜を作成することができるものと考えら
れる。
中で、28(COガス)に大きな変化が見られる。すな
わち、ITO膜の黒化を生じない第1実施例の手順では
、ITO膜の黒化を生じた従来例の手順に比べて、チャ
ンバー内におけるCOガスの残留ガス分圧は、2×10
−7torr以下と非常に小さくなっている。従って、
COガス分圧が、2×10−7torr以下であるよう
な条件の下で、スパッタ成膜を行うことにより、透明な
酸化物誘電体薄膜を作成することができるものと考えら
れる。
【0024】請求項3に記載の方法は、以上のような測
定データに基づくものであり、図5は、請求項3に記載
の方法に使用する酸化物誘電体薄膜作成装置の一例を示
す図である。この図5に示すように、チャンバー11に
は、モニター手段として、四重極型質量分析計(QMS
)12が、ゲートバルブ13を介して接続されている。 この四重極型質量分析計12には、さらに、差動排気シ
ステム(Differential Pumping
System)14が接続されている。また、図中
15は容量圧力計、D.P.は油拡散ポンプ(Diff
usion Pump)、R.P.は油回転ポンプ(
Rotary Pump)である。
定データに基づくものであり、図5は、請求項3に記載
の方法に使用する酸化物誘電体薄膜作成装置の一例を示
す図である。この図5に示すように、チャンバー11に
は、モニター手段として、四重極型質量分析計(QMS
)12が、ゲートバルブ13を介して接続されている。 この四重極型質量分析計12には、さらに、差動排気シ
ステム(Differential Pumping
System)14が接続されている。また、図中
15は容量圧力計、D.P.は油拡散ポンプ(Diff
usion Pump)、R.P.は油回転ポンプ(
Rotary Pump)である。
【0025】この図3に示す装置を使用して、図1に示
すようなITOコート硝子基板1のITO膜2上に、五
酸化タンタル薄膜3を作成する際には、チャンバー11
内にアルゴンと酸素とを導入し、四重極型質量分析計(
QMS)12によってチャンバー11内のCOガス分圧
をモニターし、このCOガス分圧が、2×10−7to
rr以下となった時点で、成膜を行う。
すようなITOコート硝子基板1のITO膜2上に、五
酸化タンタル薄膜3を作成する際には、チャンバー11
内にアルゴンと酸素とを導入し、四重極型質量分析計(
QMS)12によってチャンバー11内のCOガス分圧
をモニターし、このCOガス分圧が、2×10−7to
rr以下となった時点で、成膜を行う。
【0026】実際に、このような方法(第2実施例)に
より、前記第1実施例と同様に、ITO膜2上に、五酸
化タンタル薄膜3を作成したところ、ITO膜2を黒化
させることなく、透明な(高い透光性を有する)五酸化
タンタル薄膜3を得ることができた。
より、前記第1実施例と同様に、ITO膜2上に、五酸
化タンタル薄膜3を作成したところ、ITO膜2を黒化
させることなく、透明な(高い透光性を有する)五酸化
タンタル薄膜3を得ることができた。
【0027】なお、この第2実施例の方法は、前記第1
実施例と同様、五酸化タンタル薄膜の作成に限定される
ものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成する
場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(高い
透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成できる。
実施例と同様、五酸化タンタル薄膜の作成に限定される
ものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成する
場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(高い
透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成できる。
【0028】図6のフローチャートは、請求項4に記載
の方法に従う第3実施例を示す図である。この図6に示
すように、成膜前の準備に相当する2つのステップ(ス
テップ1及びステップ2)の処理は、前記第1実施例と
全く同様である。そして、第3実施例では、ステップ2
に続いて、黒化現象を防ぐための処理として、アルゴン
と酸素とを混合してなる混合ガス雰囲気中で、プリスパ
ッタを100分間行う(ステップ7)。この後は、再び
前記第1実施例と同様に、アルゴンと酸素との混合雰囲
気中で、反応性スパッタリングにより成膜を行い(ステ
ップ6)、図1に示すように、ITO膜2上に、五酸化
タンタル薄膜3を作成する。
の方法に従う第3実施例を示す図である。この図6に示
すように、成膜前の準備に相当する2つのステップ(ス
テップ1及びステップ2)の処理は、前記第1実施例と
全く同様である。そして、第3実施例では、ステップ2
に続いて、黒化現象を防ぐための処理として、アルゴン
と酸素とを混合してなる混合ガス雰囲気中で、プリスパ
ッタを100分間行う(ステップ7)。この後は、再び
前記第1実施例と同様に、アルゴンと酸素との混合雰囲
気中で、反応性スパッタリングにより成膜を行い(ステ
ップ6)、図1に示すように、ITO膜2上に、五酸化
タンタル薄膜3を作成する。
【0029】実際に、以上のような構成を有する第3実
施例の方法によって五酸化タンタル薄膜3を作成したと
ころ、前記第1、第2実施例と同様に、ITO膜2を黒
化させることなく、透明な五酸化タンタル薄膜3を得る
ことができた。
施例の方法によって五酸化タンタル薄膜3を作成したと
ころ、前記第1、第2実施例と同様に、ITO膜2を黒
化させることなく、透明な五酸化タンタル薄膜3を得る
ことができた。
【0030】なお、第3実施例によって以上のような効
果が得られるのは、次の理由による。すなわち、ITO
膜を黒化させる因子となるCOガスは、前述した通り、
スパッタ用の酸素導入によって増加するが、第3実施例
においては、この増加したCOガスを、100分間のプ
リスパッタ(ステップ7)によって、十分に減少させる
ことができる。従って、このようにCOガスを十分に減
少させた状態で、成膜を行う(ステップ6)ことにより
、透明な(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄膜を
得ることができるものである。
果が得られるのは、次の理由による。すなわち、ITO
膜を黒化させる因子となるCOガスは、前述した通り、
スパッタ用の酸素導入によって増加するが、第3実施例
においては、この増加したCOガスを、100分間のプ
リスパッタ(ステップ7)によって、十分に減少させる
ことができる。従って、このようにCOガスを十分に減
少させた状態で、成膜を行う(ステップ6)ことにより
、透明な(高い透光性を有する)五酸化タンタル薄膜を
得ることができるものである。
【0031】また、図7は、第3実施例により透明な五
酸化タンタル薄膜を作成した場合における、膜作成時の
チャンバー内の残留ガスを、四重極型質量分析計(QM
S)で測定した結果を示している。この図7のグラフに
おいて、m/e=28(COガス)の残留ガス分圧は、
図5に示した第1実施例の結果と同様に、2×10−7
torr以下と非常に小さくなっている。従って、第3
実施例の方法により、チャンバー内の残留COガスを十
分に減少できるため、透明な(高い透光性を有する)酸
化物誘電体薄膜を作成することができるものと考えられ
る。
酸化タンタル薄膜を作成した場合における、膜作成時の
チャンバー内の残留ガスを、四重極型質量分析計(QM
S)で測定した結果を示している。この図7のグラフに
おいて、m/e=28(COガス)の残留ガス分圧は、
図5に示した第1実施例の結果と同様に、2×10−7
torr以下と非常に小さくなっている。従って、第3
実施例の方法により、チャンバー内の残留COガスを十
分に減少できるため、透明な(高い透光性を有する)酸
化物誘電体薄膜を作成することができるものと考えられ
る。
【0032】なお、第3実施例においては、混合ガス雰
囲気中で、100分間のプリスパッタを行ったが、プリ
スパッタを行う時間は、これより短くすることも可能で
あり、請求項4に記載の通り、少なくとも60分間以上
行うことにより、十分に残留COガスを減少させられる
ことが検証されている。また、このように長時間のプリ
スパッタを行う場合には、混合ガスにおける酸素分圧を
20%程度と低くしても、十分な効果が得られることが
検証されている。
囲気中で、100分間のプリスパッタを行ったが、プリ
スパッタを行う時間は、これより短くすることも可能で
あり、請求項4に記載の通り、少なくとも60分間以上
行うことにより、十分に残留COガスを減少させられる
ことが検証されている。また、このように長時間のプリ
スパッタを行う場合には、混合ガスにおける酸素分圧を
20%程度と低くしても、十分な効果が得られることが
検証されている。
【0033】さらに、第3実施例の方法は、前記第1、
第2実施例と同様、五酸化タンタル薄膜の作成に限定さ
れるものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成
する場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(
高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を作成できる。
第2実施例と同様、五酸化タンタル薄膜の作成に限定さ
れるものではなく、他の種類の酸化物誘電体薄膜を作成
する場合にも同様に適用可能であり、同様に、透明な(
高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を作成できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、酸素も
しくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパッタガスとし
てプリスパッタを行い、且つ、酸素導入によって増えた
COガスを、ベース圧へのガス引き、プリスパッタの酸
素分圧の調整、または、プリスパッタ時間の長時間化に
よって十分に低減した後でスパッタ成膜を行うものであ
る。そして、このような本発明の方法により、ITOコ
ート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させることなく、
透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成
することが可能である。従って、本発明は、エレクトロ
ルミネセンス素子などの高い透光性が要求される素子へ
の応用に最適である。
しくは酸素と他のガスとの混合ガスをスパッタガスとし
てプリスパッタを行い、且つ、酸素導入によって増えた
COガスを、ベース圧へのガス引き、プリスパッタの酸
素分圧の調整、または、プリスパッタ時間の長時間化に
よって十分に低減した後でスパッタ成膜を行うものであ
る。そして、このような本発明の方法により、ITOコ
ート硝子基板の上に、ITO膜を黒化させることなく、
透明な(高い透光性を有する)酸化物誘電体薄膜を形成
することが可能である。従って、本発明は、エレクトロ
ルミネセンス素子などの高い透光性が要求される素子へ
の応用に最適である。
【図1】本発明の酸化物誘電体薄膜作成方法によって作
成された五酸化タンタル薄膜を示す断面図。
成された五酸化タンタル薄膜を示す断面図。
【図2】本発明の酸化物誘電体薄膜作成方法の第1実施
例を示すフローチャート。
例を示すフローチャート。
【図3】従来の酸化物誘電体薄膜作成方法により、不透
明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合における、膜作
成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を示すグラフ
。
明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合における、膜作
成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を示すグラフ
。
【図4】図2に示すような、本発明の第1実施例の方法
により、透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合にお
ける、膜作成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を
示すグラフ。
により、透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合にお
ける、膜作成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を
示すグラフ。
【図5】本発明の酸化物誘電体薄膜作成方法の第2実施
例において使用する酸化物誘電体薄膜作成装置の一例を
示す図。
例において使用する酸化物誘電体薄膜作成装置の一例を
示す図。
【図6】本発明の酸化物誘電体薄膜作成方法の第3実施
例を示すフローチャート。
例を示すフローチャート。
【図7】図6に示すような、本発明の第3実施例の方法
により、透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合にお
ける、膜作成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を
示すグラフ。
により、透明な五酸化タンタル薄膜を作成した場合にお
ける、膜作成時のチャンバー内の残留ガスの測定結果を
示すグラフ。
1 硝子基板
2 ITO膜
3 五酸化タンタル薄膜(酸化物誘電体薄膜)11
チャンバー 12 四重極型質量分析計(QMS)13 ゲート
バルブ 14 差動排気システム 15 容量圧力計
チャンバー 12 四重極型質量分析計(QMS)13 ゲート
バルブ 14 差動排気システム 15 容量圧力計
Claims (4)
- 【請求項1】 酸素もしくは酸素と他のガスとの混合
ガスをスパッタガスとして酸化物薄膜を作成する酸化物
誘電体薄膜作成方法において、上記ガス中でプリスパッ
タを行い、その後ベース圧まで引き、再度所定のガスを
導入してスパッタ成膜することを特徴とする酸化物誘電
体薄膜作成方法。 - 【請求項2】 上記プリスパッタ時の混合ガス中の酸
素分圧が25%以上であることを特徴とする請求項1記
載の酸化物誘電体薄膜作成方法。 - 【請求項3】 酸素もしくは酸素と他のガスとの混合
ガスをスパッタガスとして、チャンバー内で酸化物薄膜
を作成する酸化物誘電体薄膜作成方法において、上記チ
ャンバー内のCOガス分圧をモニターし、COガス分圧
が2×10−7 torr以下であるような条件の下
で、ITOコートガラス基板上にスパッタ成膜すること
を特徴とする酸化物誘電体薄膜作成方法。 - 【請求項4】 酸素もしくは酸素と他のガスとの混合
ガスをスパッタガスとして酸化物薄膜を作成する酸化物
誘電体薄膜作成方法において、上記ガス中でプリスパッ
タを60分以上行い、その後、上記ガス中でスパッタ成
膜することを特徴とする酸化物誘電体薄膜作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3024853A JPH04264726A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 酸化物誘電体薄膜作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3024853A JPH04264726A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 酸化物誘電体薄膜作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04264726A true JPH04264726A (ja) | 1992-09-21 |
Family
ID=12149773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3024853A Pending JPH04264726A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 酸化物誘電体薄膜作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04264726A (ja) |
-
1991
- 1991-02-19 JP JP3024853A patent/JPH04264726A/ja active Pending
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