JPH04263620A - ラップの自動継ぎ方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はラップの自動継ぎ方法と
装置に関する。より詳しくはコーマ機のラップ供給ロー
ラ上に載置されている小玉ラップのラップフリースを切
断し、その切断されたラップフリースの後端に、コーマ
準備機から搬送機を用いてコーマ機に供給される満管ラ
ップのラップフリースの先端を自動的に継ぎ合せる方法
と該方法を実施するのに好ましいラップの自動継ぎ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】満管ラップが形成されるコーマ準備機か
らコーマ機への満管ラップの搬送は古くから台車を用い
て作業員によって行われていた。しかし省力化の要請に
伴い、各種の自動化装置が提案されている。例えば工場
内の天井近くにコーマ準備機とコーマ機群にかけてレー
ルを配置し、この上にラップ吊下げ装置を具備したラッ
プ搬送装置を走行させて満管ラップを搬送することが知
られている。たゞしこのラップ搬送装置ではコーマ準備
機で生産され、コーマ機のヘッドピッチに合せて配列し
た複数個（通常８個）の満管ラップをコーマ機の予備ラ
ップ載置台上に搬送し、空ボビンを返送するだけである
。

【０００３】したがってコーマ機の供給ローラ上の小玉
ラップと満管ラップの交換は作業員によって行われてい
た。すなわちコーマ機の供給ローラ上のラップフリース
が少なくなるとコーマ機を停止し、人手によって供給ロ
ーラ上の小玉ラップと機台上につながったラップフリー
スを切断した後小玉ラップを取り出し、後方の予備ラッ
プ載置台上の満管ラップを供給ローラ上に転動し、次い
で満管ラップのコーマフリースの先端を取り出して前記
切断した小玉ラップのラップフリースの後端に重ね合せ
て継ないでいた。このような人手による作業は重労働で
ある上に時間を要し、生産効率の低下の原因となってい
た。

【０００４】そこで前記問題点を解決するために小玉ラ
ップのラップフリースの切断と満管ラップのラップフリ
ースの継ぎ合せをラップの搬送と共に自動的に行う装置
が特開平１−２３６１４９号公報で提案されている。す
なわち図１１から図１３に示すように、特開平１−２３
６１４９号公報に開示された装置１０１　では、レール
１０２　上を走行する搬送機１０３　から下方に延びる
ラップ吊下げ装置１０４　と小玉ラップ除去装置１０５
　を有し、小玉ラップ除去装置１０５　には小玉ラップ
１０８　を吊下げるアーム機構１０９　と小玉ラップ１
０８　のラップフリースを切断する駆動ローラ１１０　
が設けられている。又装置１０１　には満管ラップ１０
７　からラップフリースの先端　１０７ａを取出すため
に空気を吹出させるエアーノズル１１１　が設けられて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記特開平１−２３６
１４９号公報に開示された装置１０１　は種々の問題点
を有する。 すなわち図１１に示すように装置１０１　にはエアーノ
ズル１１１　に空気を供給するブロー装置１１６　が設
けられており、そのために小玉ラップのラップフリース
を切断するための装置が複雑であるためにラップ自動継
ぎに関連する機構が大型且つ複雑になるという問題点を
有する。

【０００６】すなわちコーマ機は通常８ヘッドであり、
満管ラップ１０７からラップフリースの先端　１０７ａ
を取り出すためには、８ヘッド全部に対して空気を短時
間且つ大量に供給することが必要となり、そのために搭
載するブロー装置１１６　を相当に大型化しなければな
らない。そのようにブロー装置１１６　を大型にすると
搬送機１０３　およびレール１０２　をより高い強度に
することを必要とし、この事はコスト上で不利となる。 そこで特開平１−２３６１４９号公報に開示された装置
では図１１に示すように８ヘッドを２分割して４ヘッド
毎にエアーノズル１１１　から空気が吹出すような構造
を採用している。しかしこのような構造を用いると片方
の４ヘッドから他方の４ヘッドに対して空気の流れを切
換える装置を設けることが必要となり、又２段階での空
気吹出しは作業時間の増大をまねき好ましくない。

【０００７】又エアーノズル１１１　の吹出し方向が満
管ラップ１０７　のラップフリースの先端　１０７ａに
向いているため、ラップフリースの先端　１０７ａが吹
飛ばされてコーマ機のコーミングテーブル上のコーミン
グされたフリース上に落下してフリースの品質の低下を
招いたり、機械の駆動部品に付着して故障の原因となっ
たり、更に作業環境を悪化させるという問題点を有する
。

【０００８】又小玉ラップ１０８　とフィードローラ１
１４（図１３）　の間につながるラップフリースの切断
は、小玉ラップ除去装置１０５　のアーム機構１０９　
によって保持した小玉ラップ１０８　をコーミングテー
ブル側に移動させることによって行っているので、ラッ
プフリースの切断される範囲が広くなり、その結果満管
ラップ１０７　のラップフリースの先端に多く重ねるこ
とが必要となり、得られたコーマスライバのゲレン不同
を発生する。

【０００９】又小玉ラップ１０８　から切断されてフィ
ードローラ１１４　につながるラップフリースの後端　
１０８ａとラップガイド１１２　の間に満管ラップ１０
７　のラップフリースの先端　１０７ａを入れてラップ
継ぎを行うために、フィードローラ１１４　がクッショ
ンプレート１１５　上面に対して（すなわちラップフリ
ースに対して）上下に配置されたダブルローラ式を用い
ることが必要である。すなわちフィードローラ１１４　
がクッションプレート１１５　上だけに設けられた型式
のコーマ機もあるが、このような型式のコーマ機では、
ラップを継いでも満管ラップ１０７　のラップフリース
の先端　１０７ａがフィードローラ１１４　で上方から
水平方向に曲げられるために、ラップガイド１１２　と
の摩擦抵抗にも起因してフィードローラ１１４　の手前
で詰ることがあるからである。

【００１０】又前述のように満管ラップ１０７　のラッ
プフリースの先端　１０７ａを吹いて取出すために先端
　１０７ａのラップフリースは乱れ、コーミングした時
に良繊維が落綿となることが多いと共に、コーミングテ
ーブル側に倒れているラップフリースの先端　１０８ａ
（小玉ラップ１０８　から切断されてフィードローラ１
１４　につながるラップフリースの先端）と共に決めら
れた幅の中に収めるためにはラップガイド１１２　の幅
を規制するガイド部材１１３　を高くする必要がある。 しかも継がれる前のラップフリースの先端　１０８ａは
コーミングテーブル側にたおれたまゝであるのであり、
この状態でコーマ機が始動されると、クッションプレー
ト１１５　の前後運動と共にラップフリースの先端　１
０８ａが揺動されて飛散し、このことによってもコーマ
スライバの品質の低下、機械の故障、環境の悪化を生ず
るという問題点を有する。

【００１１】なおこの装置では満管ラップ１０７　を搬
送して一対の供給ローラ１０６　上に載置する迄の間で
満管ラップ１０７　のラップフリースの先端　１０７ａ
は拘束されていないので搬送中にラップフリースの先端
　１０７ａが満管ラップ１０７　から分離して落下する
恐れがある。

【００１２】本発明は従来公知のコーマ機におけるラッ
プ継ぎ方法及びその装置の有する問題点を解消して、相
対的に簡単な構造の装置によって確実にラップ継ぎを実
施できると共に得られたコーマスライバを良品質に維持
することができるラップの自動継ぎ方法と該方法を実施
するための好ましい装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明によるコーマ機の
ラップ供給ローラ上に載置されている小玉ラップのラッ
プフリースを切断し、その切断されたラップフリースの
後端に、コーマ準備機から搬送機を用いてコーマ機に供
給される満管ラップのラップフリースの先端を自動的に
継ぎ合せる方法は、前記小玉ラップをラップ供給ローラ
に向けて押圧し、ラップ供給ローラ側もしくはフィード
ローラ側の一方及び／又は双方を駆動することによって
小玉ラップのフリースに張力を与えてラップ供給ローラ
とフィードローラ間で切断し、次いで小玉ラップをラッ
プ供給ローラより移動させ、一方満管ラップを搬送機か
ら一対のラップ供給ローラ上に移動すると共に該ラップ
フリースの先端を吸引して満管ラップから離し、次いで
前記切断されたラップフリースの後端に継ぎ合されるよ
うに移動することを特徴とするラップの自動継ぎ方法に
よって達成される。

【００１４】前記コーマ準備機からコーマ機への移動に
際して、満管ラップのラップフリースの先端付近を満管
ラップに向けて押えると好ましく、又前記ラップ供給ロ
ーラと前記フィードローラ間にラップガイドを設け、満
管ラップのラップフリースの先端と、切断されたラップ
フリースの後端との継ぎ合せが前記ラップガイド上で行
われるとより好ましい。

【００１５】前記本発明のラップの自動継ぎ方法を実施
するための好ましい装置は、コーマ準備機とコーマ機と
の間に架設された走行レール上を移動可能な搬送機と、
該搬送機に設けた少くとも１個のラップ吊下げ装置と、
前記搬送機に直接又は前記ラップ吊下げ装置を介して配
置されて吸引源に連結されているラップフリース吸引装
置と、前記搬送機に設けられてコーマ機のラップ供給ロ
ーラから小玉ラップを除去する少くとも１個の小玉ラッ
プ除去装置と、前記搬送機に直接又は前記小玉ラップ除
去装置を介して配置された小玉ラップ押付装置から成る
ことを特徴とする。

【００１６】前記ラップフリース吸引装置がその吸引装
置の吸引口を満管ラップに押付ける機構を具備すると好
ましく、又コーマ機のニューマ装置を吸引源として用い
るように構成すると好ましい。さらに前記吸引装置が前
記ラップ吊下げ装置に揺動可能に支承され、該ラップ吊
下げ装置に吸引装置揺動機構を設けると好ましい。

【００１７】

【作用】本発明のラップの自動継ぎ方法では小玉ラップ
をラップ供給ローラ上に押付けた状態でフィードローラ
側とラップ供給ローラ側との間の駆動を切り離してフィ
ードローラ側を止めたままラップ供給ローラ側を逆転す
るか、もしくはラップ供給ローラ側を止めたままフィー
ドローラ側を正転すなわち正常運転することによってラ
ップ供給ローラとフィードローラ間で小玉ラップのラッ
プフリースの切断を行う。その結果切断される箇所を狭
い範囲内で且つラップフリースの幅方向で揃えて切断で
きる。その上で小玉ラップをラップ供給ローラより外し
て、代りに満管ラップをラップ供給ローラに向けて移動
する。その際に満管ラップのラップフリースの先端を吸
引によって離す。吸引によって離して保持するために吸
引口が塞がり必要とする吸引空気を少くできると共にラ
ップフリースの先端を確実に保持できる。次に満管ラッ
プのラップフリースの先端が切断されたラップフリース
の後端に継ぎ合されるように、満管ラップのラップフリ
ースの先端を移動する。前記継ぎ合せ中又は継ぎ合せが
完了後にラップフリースの先端の吸引が解除される。

【００１８】

【実施例】以下本発明のラップの自動継ぎ方法を実施す
るための好ましい装置の一例を示す添付図面を参照して
本発明を詳述する。図１に本発明のラップの自動継ぎ装
置の側面図を示す。図１に示す自動継ぎ装置１はコーマ
準備機とコーマ機との間に架設された走行レール２上に
複数のローラ１４を介して移動可能に載置された搬送機
３と、搬送機３に連結されて満管ラップ７を吊下げて移
動すると共に満管ラップ７のラップフリースの先端を吸
引する満管ラップ移動装置４と、搬送機３に連結されて
小玉ラップ８（図２参照）を除去する小玉ラップ除去装
置５から成る。前記レール２は図１１に示すレール１０
２　に対応し、搬送機３は図１１に示す搬送機１０３　
に対応する。

【００１９】満管ラップ移動装置４は図５により詳細に
示すようにコーマ機４０の長手方向に平行に延び且つス
チールベルト又はチエイン３４によって搬送機３に昇降
可能に連結されたハウジング３３を有し、ハウジング３
３からは満管ラップ７を保持する一対のアーム３２が下
方に延びる。ハウジング３３の左端には可撓性パイプ３
７を介して吸引管３５が連結され、吸引管３５の先端に
は吸引ノズル６が設けられる。その一端が軸３８に枢着
されたパイプホルダ３６の他端が吸引管３５の上部を把
持し、したがってパイプホルダ３６を軸３８を中心とし
て垂直面内で揺動させることにより吸引ノズル６を両頭
矢印Ａで示す方向で満管ラップ７に対して近接離間させ
ることができる。

【００２０】図６に吸引ノズル６の正面図を示し、図７
にその断面図を示す、吸引ノズル６はブラケット４６を
介して吸引管３５に連結され、且つ満管ラップ７の幅に
ほぼ等しい長さを有するパイプ４７として形成され、そ
の長手軸方向に平行に吸引用スリット４８が設けられて
いる。吸引用スリット４８の位置は図７に示すように、
満管ラップ７に吸引ノズル６が当接した時に吸引用スリ
ット４８が満管ラップ７の表面に正しく向合うように定
める。

【００２１】吸引ノズル６から吸引される空気流はハウ
ジング３３を介して図５に示すように、コーマ機のニュ
ーマ装置４３に連結される。しかしハウジング３３は上
下方向に昇降するので、ハウジング３３が下降して満管
ラップ７のラップフリースの先端を吸引する時にハウジ
ング３３から延びる連結パイプ４５をニューマ装置４３
の間に接続するカップリング機構４４を設ける。すなわ
ち図８に示すようにカップリング機構４４は連結パイプ
４５の先端に設けたカップリング端部４５ａをニューマ
装置４６の受入れパイプ端部４６ａに着脱可能に構成す
る。図５において参照番号４１はコーマスライバのケン
スである。本発明の実施例では吸引ノズルの吸引源とし
て前述のようにニューマ装置を併用するので装置全体の
構造をより簡単にすることができる。

【００２２】次に図８および図９を参照して吸引ノズル
６の揺動機構を説明する。図８に図１に示した満管ラッ
プ移動装置４の上部の拡大正面図を示す。吸引管３５の
上部はパイプホルダ３６の一端に把持され、パイプホル
ダ３６の他端は軸３８に連結される、軸３８は揺動機構
５０を介してギャードモータ５１に連結されこのギャー
ドモータ５１を作動することによって軸３８が往復円運
動をし、したがって吸引ノズル６が揺動する。揺動機構
５０の拡大側面図を図９に示す。ギャードモータ５１の
軸５３にカム５２が固定され、このカム５２に接触する
ように配置されたカムフォロア５４が設けられる。アー
ム５６の一端がカムフォロア５４の軸５５に固定され、
他端が軸３８に固定されている。したがってギャードモ
ータ５１を回転することによって軸３８が往復円運動を
し、この往復円運動がパイプホルダ３６および吸引管３
５を介して吸引ノズル６に揺動運動を与える。

【００２３】満管ラップ７は一対のアーム３２によって
保持される。すなわちそれぞれのアーム３２の先端には
出没可能に爪４９が設けられ、この爪４９を満管ラップ
７のボビン３０の内側に挿入することによって満管ラッ
プ７が保持される。

【００２４】次に図１および図１０を参照して小玉ラッ
プ除去装置５を説明する。図１に示すように小玉ラップ
除去装置作動機構１７がスチールベルト又はチエイン１
６によって搬送機３に昇降可能に連結されている。図１
０に示すように小玉ラップ除去装置作動機構１７から２
本の中空アーム１８がボビン２９の長さよりやゝ広い間
隔で下向に延びている。中空アーム１８中に垂直ロッド
２０が設けられ、垂直ロッド２０の下端がピン２２を介
して中間ロッド２１の一端に連結され、中間ロッド２１
の他端が中空アーム１８に固定したブラケット２４に設
けたピン２３を介して爪１９の一端に連結される。した
がって小玉ラップ除去装置作動機構１７内に配置された
図示してない機構を介して垂直ロッド２０を上下動すれ
ば爪１９を小玉ラップ８のボビン２９の中に出し入れす
ることができる。

【００２５】本発明の装置では例えば小玉ラップ８を下
方に押圧し、またコーマ機本体と連動するフィードロー
ラ１１側の駆動列とラップ供給ローラ９側の駆動列との
間に設けたクラッチを切り離し、フィードローラ１１側
すなわちコーマ機本体を停止したまま別モータでラップ
供給ローラ９（図２参照）を正常の回転方向と逆の方向
に回転させることによって小玉ラップ８のフリースをラ
ップ供給ローラ９とフィードローラ（図２参照）の間で
切断することを特徴とする。前記小玉ラップ８を押圧す
る機構を図１０を参照して説明する、一対の中空アーム
１８の互いに対向する側面に押付けローラ１５を上下動
且つ回転可能に設ける。すなわち押付けローラ１５の軸
２５は一方がピン２５ｂによってブラケット２５ａに連
結され、軸２５はピン２５ｂを中心として揺動可能であ
る。また軸２５の中間にはピン２５ｃを介してロッド２
６が連結されている。一方前記ブラケット２５ａに摺動
可能なロッド２６を垂直に設け、ロッド２６の上端を軸
２７によって中空アーム１８の内側側面に固定する。ロ
ッド２６には圧縮スプリング２８が組み込まれている。 したがって中空アーム１８を下降させると押付けローラ
１５が小玉ラップ８の表面に接触し、さらに中空アーム
１８を下降させると押付けローラ１５に圧縮スプリング
２８の反撥力が働いて小玉ラップ８を押付けることにな
る。この時には小玉ラップ８は一対の供給ローラ９の上
に載置されており、したがって一対の供給ローラ９を逆
転させた場合に、一対の供給ローラ９と押付けローラ１
５で３点支持された小玉ラップ８は供給ローラ９上をス
リップすることなく、正常の供給方向と逆の方向に回転
し、その結果小玉ラップ８のフリースは確実に一対の供
給ローラ９とフィードローラ１１間で切断されることに
なる。

【００２６】次に本発明のラップの自動継ぎ装置の作動
を図１〜図４を参照して説明する。自動継ぎ装置１はコ
ーマ準備機（図示せず）から満管ラップ７を取出して図
１に示すように把持し、その上でコーマ機の上方位置に
搬送機３をレール２上を走行させることによって移動す
る。なお図１では満管ラップ７は１個だけ示されるが、
通常はコーマのコーミングステーションの数（通常８個
）だけの満管ラップ７を図１で示すのと同様な満管ラッ
プ移動機構４で把持する。なおこの時にはスチールベル
ト３４を搬送機３内に巻込むことにより満管ラップ移動
機構４を満管ラップ７と共にレール２近くの上方に持上
げておく。

【００２７】搬送機３はコーマ機に近づき、小玉ラップ
除去装置５が供給ローラ対９の上方に来た位置で搬送機
３が停止する。搬送機３と小玉ラップ除去装置作動機構
１７を連結するスチールベルト１６が搬送機３から繰出
されて作動機構１７および押付けローラ１５が下降する
。作動機構１７自体の重量が多いので下降に際して押付
けローラ１５を支える圧縮スプリング２８が圧縮され、
圧縮スプリング２８の反撥力によって小玉ラップ７は、
一対の供給ローラ９，９との間で把持される。またコー
マ機本体と連動するフィードローラ１１側の駆動列とラ
ップ供給ローラ９側の駆動列との間に設けたクラッチを
切り離し、フィードローラ側すなわちコーマ機本体を停
止したまま別モータで供給ローラ９，９を逆転、すなわ
ち時計方向に回転することによって小玉ラップ８は反時
計方向に回転する。 それによって図２に８ａ，８ｂで示すようにフィードロ
ーラ１１との間でフリースが切断され、小玉ラップ８に
つながるフリースの先端８ｂは小玉ラップ８に巻取られ
、フィードローラ１１とクッションプレート１３の間に
挟持された方のフリースの後端８ａはラップガイド１０
上に残る。次いで爪１９が小玉ラップ８のボビン２９の
中に挿入された後、スチールベルト１６を巻込むことに
よって小玉ラップ８は上方に持上げられる。

【００２８】次に搬送機３を移動して満管ラップ７が供
給ローラ９の上方に来た位置で搬送機３が停止する。な
お満管ラップ７の移動中には図２に示すように吸引ノズ
ル６を満管ラップ７の表面に押付けるように吸引パイプ
を図２で反時計方向に揺動しておくとよい。次に搬送機
３からスチールベルト３４を繰出してハウジング３３を
下降させて満管ラップ７をラップ供給ローラ９，９の上
に載置する（図３）。その時に吸引ノズルの空気供給源
は図５に示すようにカップリング機構４４を介してニュ
ーマ装置４２に連結される。この状態において吸引ノズ
ル６には吸引力が働き満管ラップのフリースの先端７ａ
が吸引ノズル６に吸着される。次に吸引管３５を時計方
向に揺動して図３に示す位置に移動し、その上で吸引ノ
ズル６に作用する吸引力を停めればフリースの先端７ａ
は自重によってラップガイド１０の上に落下し、先行す
るフリースの後端８ａに重ねられることになる。なお図
３の左側の供給ローラ９からラップガイド１０上に延び
るフリースの先端７ａの長さは良好なラップ継ぎを行う
ために適切に設定する必要があり、この数値はラップ準
備機から満管ラップ７をドッフィングする際のラップ切
断位置を適切に調整することにより定めることができる
。

【００２９】なお先行のフリースの後端８ａの上に満管
ラップ７から延びるフリースの先端７ａが重ねられる場
合にその継合せ部分を平滑にしておくことが得られるコ
ーマスライバの斑発生を防止する上で好ましい。そこで
図４に示すように、吸引ノズル６によって重ねられたフ
リースの先端７ａとフリースの後端８ａの上をなでると
より好ましい。

【００３０】最後に満管ラップ７を把持する爪４９が解
除され、満管ラップ移動装置４は上方に移動し、その後
小玉ラップ８を保持したまゝ搬送機３は小玉ラップ処理
装置へ移動する。このようにして小玉ラップ８と満管ラ
ップ７の自動交換とラップの自動継ぎの一連の作業が自
動的に行われる。

【００３１】

【発明の効果】本発明によるラップの自動継ぎ方法と装
置は下記のような特徴を有する。（１）吸引ノズル６の
吸引によってフリースの先端７ａを把持させ、吸引ノズ
ル６を移動することによってフリースの先端７ａを所定
位置に移動させる構造を採用しているので、ラップフリ
ースは全く飛散することがなく確実に所定の位置へフリ
ースの先端を誘導でき、又フリースの先端が乱れること
なくて良質なコーマスライバが得られる。又機械の故障
や環境悪化を生ずることがない。 （２）吸引ノズルで吸引する際に一部の吸引ノズルが対
応するフリースの先端を吸引すればその吸引ノズルは塞
がれ、その事は他の吸引ノズルの吸引力を増すことにな
る。この事によって吸引方法を採用することは従来のブ
ロー方法を採用するに比して装置を小型にすることがで
きることを意味する。

【００３２】（３）小玉ラップをラップ供給ローラに押
圧し、その上でラップ供給ローラとフィードローラ間で
小玉ラップのフリースに張力を与えて切断するので、小
玉ラップのフリースの切断範囲を狭くすることができる
。そのことはラップの重ね合せ長を短くして、紡出繊維
のゲレン不同を小さくし、良質な製品を得るのに役立つ
。 （４）先行するラップのフリースの後端の上へ満管ラッ
プのフリースの先端を重ねる構成を採用しているので、
フィードローラの型式はダブルローラ式でもシングルロ
ーラ式のどちらでもラップの自動継ぎに用いることがで
きる。

【００３３】（５）満管ラップの移動時にフリースの先
端を押えておくことができるので、移動中にフリースが
満管ラップから垂れ下がるのを防ぐことができる。 （６）本発明のラップ自動継ぎ装置では吸引管の揺動機
構等の少数の機構以外は内蔵していない。したがって装
置全体を小型化することができると共に、作動を簡単に
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のラップの自動継ぎ装置の一例を示す側
面図である。

【図２】小玉ラップを除去する作動を行う際の図１の装
置を示す側面図である。

【図３】満管ラップをラップ供給ローラ上に載置しラッ
プ自動継ぎ作動を行う際の図１の装置を示す側面図であ
る。

【図４】吸引ノズルが重ねられた２枚のフリースの端部
を押える状態を示す図１の装置の側面図である。

【図５】本発明の自動継ぎ装置によってコーマ機に満管
ラップを載置した状態を示す正面図である。

【図６】本発明の自動継ぎ装置に用いられる吸引ノズル
の構造を示す正面図である。

【図７】図６の線Ｉ−Ｉによる吸引ノズルの断面図であ
る。

【図８】図１に示した自動継ぎ装置の満管ラップ移動装
置の上部の拡大正面図である。

【図９】図８中に示す揺動機構の拡大図である。

【図１０】図１に示した自動継ぎ装置中の小玉ラップ除
去装置の構造を説明する一部切欠正面図である。

【図１１】従来公知のラップ自動交換継ぎ装置の一例を
示す正面図である。

【図１２】図１１のラップ自動交換継ぎ装置の主要部の
構成を示す側面図である。

【図１３】図１２に示す構造を有するラップ自動交換継
ぎ装置を用いてラップ継ぎを行う際の先行するフリース
の後端と満管ラップのフリースの先端の挙動を説明する
図である。

【符号の説明】

１…ラップの自動継ぎ装置 ２…レール ３…搬送機 ４…満管ラップ移動装置 ５…小玉ラップ除去装置 ６…吸引ノズル ７…満管ラップ ７ａ…満管ラップのフリースの先端 ８…小玉ラップ ８ａ…小玉ラップのフリースの後端 ９…ラップ供給ローラ １０…ラップガイド １１…フィードローラ １３…クッションプレート １５…押付けローラ １９，　４９…爪 ３２…アーム ３３…ハウジング ３５…吸引管 ３６…パイプホルダ ３７…可撓性パイプ ４２…ニューマ装置 ４４…カップリング機構

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　コーマ機のラップ供給ローラ上に載置
   されている小玉ラップのラップフリースを切断し、該切
   断されたラップフリースの後端に、コーマ準備機から搬
   送機を用いてコーマ機に供給される満管ラップのラップ
   フリースの先端を自動的に継ぎ合せる方法において、前
   記小玉ラップをラップ供給ローラに向けて押圧し、ラッ
   プ供給ローラ側もしくはフィードローラ側の一方および
   ／又は双方を駆動することによって前記小玉ラップのフ
   リースに張力を与えてラップ供給ローラとフィードロー
   ラ間で切断し、次いで小玉ラップをラップ供給ローラよ
   り移動させ、一方満管ラップを搬送機から一対のラップ
   供給ローラ上に移動すると共に該ラップフリースの先端
   を吸引して満管ラップから離し、次いで前記切断された
   ラップフリースの後端に継ぎ合されるように移動するこ
   とを特徴とするラップの自動継ぎ方法。
2. 【請求項２】　　前記コーマ準備機からコーマ機への移
   動に際して、満管ラップのラップフリースの先端付近を
   満管ラップに向けて押えることを特徴とする請求項１の
   自動継ぎ方法。
3. 【請求項３】　　前記ラップ供給ローラと前記フィード
   ローラ間にラップガイドを設け、満管ラップのラップフ
   リースの先端と、切断されたラップフリースの後端との
   継ぎ合せが前記ラップガイド上で行われる請求項１の自
   動継ぎ方法。
4. 【請求項４】　　コーマ準備機とコーマ機との間に架設
   された走行レール上を移動可能な搬送機と、該搬送機に
   設けた少くとも１個のラップ吊下げ装置と、前記搬送機
   に直接又は前記ラップ吊下げ装置を介して配置されて吸
   引源に連結されているラップフリース吸引装置と、前記
   搬送機に設けられてコーマ機のラップ供給ローラから小
   玉ラップを除去する少くとも１個の小玉ラップ除去装置
   と、前記搬送機に直接又は前記小玉ラップ除去装置を介
   して配置された小玉ラップ押付装置から成ることを特徴
   とするラップの自動継ぎ装置。
5. 【請求項５】　　前記ラップフリース吸引装置が該吸引
   装置の吸引口を満管ラップに押付ける機構を具備するこ
   とを特徴とする請求項４の自動継ぎ装置。
6. 【請求項６】　　前記吸引源がコーマ機のニューマ装置
   であることを特徴とする請求項４の自動継ぎ装置。
7. 【請求項７】　　前記吸引装置が前記ラップ吊下げ装置
   に揺動可能に支承され、該ラップ吊下げ装置に吸引装置
   揺動機構を設けることを特徴とする請求項４の自動継ぎ
   装置。
8. 【請求項８】　　前記搬送機に８個のラップ吊下げ装置
   が設けられ、対応してそれぞれ８個のラップフリース吸
   引装置、小玉ラップ除去装置及び小玉ラップ押付装置を
   具備することを特徴とする請求項４の自動継ぎ装置。