JPH04260890A - 凸型水平隔壁付き貨油流出防止型タンカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、タンカーに関し、特に
船体の損傷時に貨油の流出を防止できるようにしたタン
カーに関する。

【０００２】

【従来の技術】船体の座礁等による損傷時に、貨油の流
出を防止できるようにするためには、船底部を二重構造
にするよりも水平隔壁で上部貨油タンクと下部貨油タン
クとに仕切る方がすぐれているとされ、この水平隔壁付
きタンカーの開発が進められている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に水平隔壁をそなえたタンカーでは、その水平隔壁上の
上部貨油タンクにおける貨油の重量を支えるため、上記
水平隔壁の両側部における支持構造が、曲げモーメント
等に耐えるため重構造になるという問題点がある。

【０００４】本発明は、このような問題点の解決をはか
ろうとするもので、船内貨油タンクを上部貨油タンクと
下部貨油タンクとに仕切るほぼ水平の隔壁を、その横断
面において上方へ凸型に形成することにより、同隔壁の
両側部の支持構造を軽量化できるようにした、凸型水平
隔壁付き貨油流出防止型タンカーを提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の凸型水平隔壁付き貨油流出防止型タンカー
は、船幅方向の中央に設けられた貨油タンクと、同貨油
タンクから船側外方への貨油流出を防止すべく同貨油タ
ンクの両側にそれぞれ設けられた二重船側構造とをそな
え、上記貨油タンクを上部貨油タンクと下部貨油タンク
とに分割するようにほぼ水平に配置された水平隔壁が設
けられて、同水平隔壁が船体横断面において上方へ凸型
の断面を有するように形成されたことを特徴としている
。

【０００６】

【作用】上述の本発明の凸型水平隔壁付き貨油流出防止
型タンカーでは、上部貨油タンクに積載された貨油の荷
重が、上方へ凸型の水平隔壁に作用するとき、その一部
は上記隔壁に沿うように同隔壁内に働く圧縮力としての
膜力となるため、同隔壁の両側部における曲げモーメン
トが減少し、これに伴い上記隔壁の両側部における支持
構造の負担が軽くなる。

【０００７】そして、船底部の損傷に際しては、上記水
平隔壁を適切に配置しておくことにより、貨油の流出を
防止する作用が行なわれる。

【０００８】また、船側部の損傷に際しては、二重船側
構造により船幅の中央部の貨油タンクが防護されている
ので、貨油の流出を防止する作用が行なわれる。

【０００９】

【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明すると、図１は本発明の第１実施例としての凸型水平
隔壁付き貨油流出防止型タンカーを示す船体横断面図で
あり、図２は本発明の第２実施例としての凸型水平隔壁
付き貨油流出防止型タンカーを示す船体横断面図である
。

【００１０】まず本発明の第１実施例について説明する
と、図１に示すように、船幅方向の中央部に設けられた
貨油タンクを下部貨油タンク１と上部貨油タンク２とに
分割するようにほぼ水平に配置された水平隔壁３が設け
られ、また各貨油タンク１，２から船側外方への貨油流
出を防止しうるように、同貨油タンク１，２の両側に、
それぞれバラストタンクまたは空所を有する二重船側構
造４が設けられている。

【００１１】また、下部貨油タンク１および上部貨油タ
ンク２は、いずれも船体中心線に沿う中央縦隔壁で左右
に分割されている。このようにして、水平隔壁３も左右
の部分に分割され、同隔壁３の左右の部分は、船体横断
面において、それぞれの中央で折れた山形に、すなわち
上方へ凸型の断面を有するように形成されている。そし
て、水平隔壁３の船底８からの平均的な高さ方向の位置
は、貨油タンクに貨油を積載して運航する際の最も浅い
吃水ｄの状態において、船底８から水平隔壁３まで貨油
を積載した場合に、船底８に作用する貨油の圧力と同船
底８に作用する海水の圧力とが等しくなる位置よりも下
方で、同位置の近傍に設定されている。

【００１２】なお、図中における符号５は下部貨油タン
ク１に連通する通気管を示し、６はイナートガスハッチ
、７はイナートガス兼通気主管、９は船側を示している
。

【００１３】上述の構成により、上部貨油タンク２に積
載された貨油の荷重が、上方へ凸型の水平隔壁３に作用
するとき、その一部は水平隔壁３に沿うように同隔壁３
内に働く圧縮力としての膜力となるため、同隔壁３の両
側部の二重船側構造４への取付部における曲げモーメン
トが減少し、これに伴い水平隔壁３の両側部における支
持構造の負担が軽くなる。したがって水平隔壁３に関連
した船体構造の軽量化が可能になる。

【００１４】そして、船底８の損傷に際しては、水平隔
壁３を前述のごとく適切なレベルに配置しておくことに
より、下部貨油タンク１からの貨油の流出を防止するこ
とができる。

【００１５】また、船側部の損傷に際しては、二重船側
構造４により船幅の中央部の下部貨油タンク１および上
部貨油タンク２が防護されているので、貨油の流出を防
止することができる。

【００１６】図２に示す本発明の第２実施例の場合も、
前述の第１実施例と同様に、船幅方向の中央部に設けら
れた貨油タンクを下部貨油タンク１と上部貨油タンク２
とに分割するようにほぼ水平に配置された水平隔壁３が
設けられ、また各貨油タンク１，２から船側外方への貨
油流出を防止しうるように、同貨油タンク１，２の両側
に、それぞれバラストタンクまたは空所を有する二重船
側構造４が設けられている。

【００１７】この実施例では、水平隔壁３が船体横断面
において上方へ凸型に弯曲した断面を有するように形成
されている。

【００１８】そして、水平隔壁３の船底８からの平均的
な高さ方向の位置は、貨油タンクに貨油を積載して運航
する際の最も浅い吃水ｄの状態において、船底８から水
平隔壁３まで貨油を積載した場合に、船底８に作用する
貨油の圧力と同船底８に作用する海水の圧力とが等しく
なる位置よりも下方で、同位置の近傍に設定されている
。

【００１９】上述の構成により、この第２実施例の場合
も、前述の第１実施例と同様に、上部貨油タンク２に積
載された貨油の荷重が、上方へ凸型の水平隔壁３に作用
するとき、その一部は水平隔壁３に沿うように同隔壁３
内に働く圧縮力としての膜力となるため、同隔壁３の両
側部の二重船側構造４への取付部における曲げモーメン
トが減少し、これに伴い水平隔壁３の両側部における支
持構造の負担が軽くなる。したがって水平隔壁３に関連
した船体構造の軽量化が可能になる。

【００２０】また、船体の損傷時における貨油流出の防
止についても、第１実施例と同様の効果が得られる。

【００２１】

【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の凸型水
平隔壁付き貨油流出防止型タンカーによれば、次のよう
な効果ないし利点が得られる。 （１）　上部貨油タンクに積載された貨油の荷重が、上
方へ凸型の水平隔壁に作用するとき、その一部は上記隔
壁に沿うように同隔壁内に働く圧縮力としての膜力とな
るため、同隔壁の両側部における曲げモーメントが減少
し、これに伴い上記隔壁の両側部における支持構造の負
担が軽くなる。 （２）　上記（１）項により、上記水平隔壁に関連した
船体構造の軽量化が可能になる。 （３）　上記（１）項により、上記水平隔壁の支持構造
が簡素化されるので、下部貨油タンクの洗浄作業が容易
になる。 （４）　船底の損傷に際しては、水平隔壁を適切に配置
しておくことにより、下部貨油タンクからの貨油の流出
を防止することができ、また、船側部の損傷に際しては
、二重船側構造により下部貨油タンクおよび上部貨油タ
ンクが防護されているので、貨油の流出を防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例としての凸型水平隔壁付き
貨油流出防止型タンカーを示す船体横断面図である。

【図２】本発明の第２実施例としての凸型水平隔壁付き
貨油流出防止型タンカーを示す船体横断面図である。

【符号の説明】

１　　下部貨油タンク ２　　上部貨油タンク ３　　水平隔壁 ４　　二重船側構造 ５　　通気管 ６　　イナートガスハッチ ７　　イナートガス兼通気主管 ８　　船底 ９　　船側

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　船幅方向の中央に設けられた貨油タン
   クと、同貨油タンクから船側外方への貨油流出を防止す
   べく同貨油タンクの両側にそれぞれ設けられた二重船側
   構造とをそなえ、上記貨油タンクを上部貨油タンクと下
   部貨油タンクとに分割するようにほぼ水平に配置された
   水平隔壁が設けられて、同水平隔壁が船体横断面におい
   て上方へ凸型の断面を有するように形成されたことを特
   徴とする、凸型水平隔壁付き貨油流出防止型タンカー。