JPH04258171A - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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JPH04258171A
JPH04258171A JP3019746A JP1974691A JPH04258171A JP H04258171 A JPH04258171 A JP H04258171A JP 3019746 A JP3019746 A JP 3019746A JP 1974691 A JP1974691 A JP 1974691A JP H04258171 A JPH04258171 A JP H04258171A
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oxide
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高木 一正
Shinichiro Saito
斎藤 真一郎
Tokumi Fukazawa
深沢 徳海
Yoshinobu Taruya
良信 樽谷
Masahiko Hiratani
正彦 平谷
Juichi Nishino
西野 壽一
Mitsuo Suga
三雄 須賀
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチング動作を行
う超電導素子及びその製造方法に係り、特に酸化物超電
導体を用いた超電導素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界効果型の超電導三端子素子はジョセ
フソン接合素子と比較して、入出力分離が十分であり、
電圧信号でスイッチングが行え、かつ直流電源によって
駆動できるという特徴を有している。このような電界効
果型の超電導三端子素子の例としては、液体ヘリウム温
度で動作するNb系超電導材料とSiやInAsの電界
効果を用いたものがフィジカル  レビュー  レター
ズ  54巻  2449頁、1985年(Physi
cal  Review  Letters,Vol.
54,p.2449,1985)に記載されている。こ
の素子は、図1に示すように、半導体基板11上に超電
導薄膜からなるソース電極12及びドレイン電極13を
配置し、この間にゲート電極14を設けた構造を有する
。なお15は絶縁膜である。超電導電流はソース電極1
2から超電導近接効果によって半導体基板中にしみだし
、半導体基板11中を通ってドレイン電極13に流れる
。この超電導電流はゲート電極14に印加する電圧によ
って制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電界効果型
超電導三端子素子を超電導転移温度が高い酸化物超電導
体で作製すると動作温度が高くできる他、超電導転移温
度が高いことに基づく高速動作が期待できる。しかし、
このような素子を実現しようとした場合、次に述べるよ
うな問題があった。
【0004】酸化物超電導体の薄膜を形成した際、超電
導特性の劣化を防止し、半導体層とのコンタクト抵抗を
下げるには、SiやInAs等の材料よりも酸化物の方
が半導体材料として望ましい。これはSiの表面にSi
Ox等の酸化物絶縁層が形成されたり、Siや化合物半
導体との間の反応により酸化物超電導体の特性が劣化す
るためである。酸化物半導体層、特に超電導体と同様に
銅を含む酸化物を酸化物超電導体層として用いると、こ
のような反応を抑制する効果が大きい。
【0005】しかしながら、酸化物半導体は、電子もし
くは正孔移動度は低く、0.01m2/V・sのオーダ
ーである。このように移動度の低い酸化物半導体を用い
た場合、コヒーレンス長は短くなり、液体窒素温度にお
いて動作を行った場合は、さらに短くなる。そのため、
チャネル長は従来の金属系超電導体を用いた素子に比べ
てさらに短くする必要がある。しかし、最新のパターン
形成技術をもってしても0.1μm以下のパターンの形
成、さらにはその中へのゲートの形成は極めて困難であ
る。
【0006】本発明の第1の目的は、極微細パターンを
形成することなく製造することができ、容易に所望の超
電導電流を制御することのできる超電導素子を提供する
ことにある。
【0007】本発明の第2の目的は、そのような超電導
素子の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、(1
)酸化物超電導体からなるソース電極及びドレイン電極
、該ソース電極とドレイン電極の間に介在し、かつそれ
らに接して設けられた半導体膜、該半導体膜の表面上に
絶縁膜を介して設けられたゲート電極を有する超電導素
子において、上記半導体膜は、上記酸化物超電導体と類
似な結晶構造を有する酸化物半導体からなり、超電導相
と半導体相の混合体であることを特徴とする超電導素子
、(2)上記1記載の超電導素子において、上記酸化物
半導体は、LnnBamCu3Oy(ただしLnはLa
、Nd、Ce、Sm及びEuからなる群から選ばれた少
なくとも一種の元素、nは1.3から1.5の範囲の値
、mは1.7から1.5の範囲の値で、かつnとmとの
合計の値は3、yは6.8から7.2の範囲の値である
)で表される材料であることを特徴とする超電導素子、
(3)上記1記載の超電導素子において、上記酸化物半
導体は、(LnPr)nBamCu3Oy(ただしLn
はLa、Nd、Ce、Sm、Eu及びYからなる群から
選ばれた少なくとも一種の元素であり、LnとPrとの
比は4:6から3:7の範囲であり、nは1.3から1
.5の範囲の値、mは1.7から1.5の範囲の値で、
かつnとmとの合計の値は3、yは6.8から7.2の
範囲の値である)で表される材料であることを特徴とす
る超電導素子、(4)酸化物超電導体からなるソース電
極及びドレイン電極、該ソース電極とドレイン電極の間
に介在し、かつそれらに接して設けられた半導体膜、該
半導体膜の表面上に絶縁膜を介して設けられたゲート電
極を有する超電導素子において、上記半導体膜は、上記
酸化物超電導体と類似な結晶構造を有する酸化物半導体
からなり、かつ、Ln′nBamCu3Oy(ただしL
n′はNd、Ce、Sm及びEuからなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素、nは1.3から1.5の範囲
の値、mは1.7から1.5の範囲の値で、かつnとm
との合計の値は3、yは6.8から7.2の範囲の値で
ある)で表される材料であることを特徴とする超電導素
子、(5)酸化物超電導体からなるソース電極及びドレ
イン電極、該ソース電極とドレイン電極の間に介在し、
かつそれらに接して設けられた半導体膜、該半導体膜の
表面上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極を有する
超電導素子において、上記半導体膜は、上記酸化物超電
導体と類似な結晶構造を有する酸化物半導体からなり、
かつ、(LnPr)nBamCu3Oy(ただしLnは
La、Nd、Ce、Sm、Eu及びYからなる群から選
ばれた少なくとも一種の元素であり、LnとPrとの比
は4:6から3:7の範囲であり、nは1.3から1.
5の範囲の値、mは1.7から1.5の範囲の値で、か
つnとmとの合計の値は3、yは6.8から7.2の範
囲の値である)で表される材料であることを特徴とする
超電導素子によって達成される。
【0009】上記第2の目的は、(6)LnnBamC
u3Oy(ただしLnはLa、Nd、Ce、Sm及びE
uからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、nは
1.3から1.5の範囲の値、mは1.7から1.5の
範囲の値で、かつnとmとの合計の値は3、yは6.8
から7.2の範囲の値である)で表される材料からなる
酸化物半導体膜を、基板上に、500℃から700℃の
範囲の温度で気相成長させる工程、該酸化物半導体膜上
に、それと類似な結晶構造を有する酸化物超電導体から
なるソース電極、ドレイン電極を形成する工程、少なく
とも該ソース電極、ドレイン電極間の酸化物半導体膜上
に、絶縁膜を形成する工程及び該絶縁膜上にゲート電極
を形成する工程を有し、酸化物半導体膜が超電導相と半
導体相の混合体である超電導素子の製造することを特徴
とする超電導素子の製造方法、(7)(LnPr)nB
amCu3Oy(ただしLnはLa、Nd、Ce、Sm
、Eu及びYからなる群から選ばれた少なくとも一種の
元素であり、LnとPrとの比は4:6から3:7の範
囲であり、nは1.3から1.5の範囲の値、mは1.
7から1.5の範囲の値で、かつnとmとの合計の値は
3、yは6.8から7.2の範囲の値である)で表され
る材料からなる酸化物半導体膜を、基板上に、500℃
から700℃の範囲の温度で気相成長させる工程、該酸
化物半導体膜上に、それと類似な結晶構造を有する酸化
物超電導体からなるソース電極、ドレイン電極を形成す
る工程、少なくとも該ソース電極、ドレイン電極間の酸
化物半導体膜上に、絶縁膜を形成する工程及び該絶縁膜
上にゲート電極を形成する工程を有することを特徴とす
る超電導素子の製造方法、(8)上記6又は7記載の超
電導素子の製造方法において、上記気相成長させる工程
の後に、上記酸化物半導体膜を500℃から700℃の
範囲の温度で酸素雰囲気で熱処理する工程を有すること
を特徴とする超電導素子の製造方法によって達成される
【0010】上記本発明は、次に述べる新たな発見に基
づいてなされたものである。図2に示すように、基板2
1上に超電導薄膜下部電極22、酸化物半導体層23を
形成し、その上に連続して超電導薄膜上部電極24を設
けた構造の電気特性を調べた。超電導薄膜上部、下部電
極にYBa2Cu3O7−δを用い、酸化物半導体層に
、YBa2CuO7−δと類似の結晶構造を有し、希土
類及びアルカリ土類の原子位置に相当する金属元素の濃
度が異なる酸化物を選択した。
【0011】LmBa2Cu3O7−δ(LmはPr以
外の希土類元素を表す)は、LmとBaの比が1.3対
1.7以上にYが増えると、電気特性は半導体的になる
。例えばNd1.5Ba1.5Cu3Oy(6.8≦y
≦7.2)のキャリア濃度は50Kで2×1027/m
3、移動度は0.6×10−4m2/V・sであった。 この値からバンドゥーザーの理論式で求められるコヒー
レンス長は〜2nmになる。半導体もしくは常伝導体の
中間層を挾んで、上下超電導電極間に近接効果を利用し
て電流を流すには、中間層の膜厚をコヒーレンス長の1
0倍程度に留めるのが一般的である。しかしながら、N
d1.5Ba1.5Cu3Oyを酸化物半導体層23に
用いた場合、膜厚が1μmの場合にもその上下に形成し
たYBa2Cu3O7−δ超電導電極間に超伝導電流が
流れることを見出した。このような現象は、Lmで表さ
れる希土類元素の原子位置を一部(60%以上)Prで
置換した場合にも生じることが確認された。
【0012】
【作用】本発明者が新しく見出した現象について以下説
明する。プラセオジム(Pr)以外の希土類元素(例え
ばNd)及びアルカリ土類元素(Ba)を含む半導体は
通常上記の元素比が1対2の構造をとる。この比を1対
2からずらした場合にも、X線解析からは単一相である
と示されるが、原子オーダーでは希土類元素及びアルカ
リ土類元素の分布に不均一が生じる。特に薄膜形成時及
びその後のプロセス温度が高くなった場合には、組成の
揺らぎが生じ、自然超格子のような構造となる。これは
組成比率が1対2及び2対1の相の方がエネルギー的に
安定なためである。組成の揺らぎが生じた場合、図3に
示すように、微視的には超電導転移温度が場所的に揺ら
いだ超電導体31と半導体32が混ざった状態となる。 このような材料の両端に超電導電極を設けた場合、超電
導近接効果による超電導性のしみだす距離が伸び、平均
的キャリア濃度、移動度から求まる値よりも長い距離を
超電導が流れる。
【0013】希土類元素の原子位置を一部(60%以上
)Prで置換した場合、Prの多い半導体部分と希土類
元素の多い超電導体の部分からなり、上記と同様の効果
が生じる。
【0014】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0015】実施例1 図4に本発明の超電導素子の一実施例の作製工程を示す
。無歪、鏡面に研磨した面方位(110)のチタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)単結晶基板40の上に、
Nd1.5Ba1.5Cu3Oy(6.8≦y≦7.2
)からなる膜厚0.7μmの半導体薄膜41をマグネト
ロンスパッタリング法でエピタキシャル成長させた。基
板温度は成膜時700℃に保った。(図4(a))。
【0016】同じ成膜条件でマスク蒸着法により、バー
状のYBa2Cu3O7−δ(0<δ≦0.4)からな
る膜厚0.2μmの超電導体薄膜42を形成した。この
超電導体薄膜の大きさは縦0.1mm、横5mmとした
(図4(b))。
【0017】電子線用レジストを全面に塗布した後、電
子線描画装置で超電導体薄膜42の中央上に、縦の辺に
平行に線幅0.1μmの線状のパターンを描き、この部
分を除去した。反応性イオンビームエッチング法で、レ
ジストパターンをマスクとして、超電導体薄膜の露出し
た部分をエッチングし、溝状のパターン43を形成して
超電導体薄膜でソース電極、ドレイン電極を構成した(
図4(c))。
【0018】この溝状のパターン43上に,0.3μm
厚のSrTiO3薄膜44をスパッタリング法で形成し
、ゲート絶縁膜とした。ついで、金を全面に蒸着し、不
要部分を除去してゲート電極45、引き出し電極46、
47を形成して超電導三端子素子を作製した(図4(d
))。
【0019】ソース、ドレイン電極間の電流−電圧特性
のゲート電圧依存性を液体ヘリウム温度及び液体窒素温
度で測定した。得られた結果を図5に示した。ゲート電
極への電圧印加によってソース、ドレイン電極間には超
電導電流が流れ、その大きさがゲート電圧で制御できる
ことが認められた。
【0020】実施例2 実施例1と同様の超電導三端子素子を、溝状のパターン
43の幅を0.3μm又は0.5μmとして作成した。 その結果、測定したソース、ドレイン電極間の電流−電
圧特性のゲート電圧依存性は液体窒素温度で、超電導電
流の大きな減少が見られたが、液体ヘリウム温度ではゲ
ート電極への電圧印加で超電導電流が流れることが認め
られた。
【0021】また、溝状のパターン43の幅を1μmと
して素子作成した結果、液体窒素温度では、200mV
の電圧をゲート電極へ印加しても超電導電流は流れなか
ったが、液体ヘリウム温度ではゲート電極への電圧印加
で超電導電流が流れることが認められた。チャネル長、
温度及びゲート電圧による制御性の関係を、実施例1の
結果と共に表1にまとめた。表1において、○は超電導
電流が十分大きく、素子として作動可能なもの、△は超
電導電流が小さく、素子として作動困難なもの、×は超
電導電流が検出できないものをそれぞれ示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 実施例1と同様の超電導三端子素子を、半導体薄膜の材
料をNd1.3Ba1.7  Cu3Oy(6.8≦y
≦7.2)に変更して形成した。この場合、ソース、ド
レイン電極間の電流−電圧特性のゲート電圧依存性が液
体ヘリウム温度で少なくなるものの、超電導電流が流れ
、溝状のパターン43の幅を0.3μmとしても、ゲー
ト電極への電圧印加で超電導電流が流れることが認めら
れた。
【0024】実施例4 実施例1と同様の超電導三端子素子を、半導体薄膜の材
料をLa1.5Ba1.5  Cu3Oy(6.8≦y
≦7.2)に変更して形成した。この場合のチャネル長
、温度及びゲート電圧の関係はNd1.5Ba1.5C
u3Oyを用いた場合(表1)と同じであった。
【0025】また、同様に半導体薄膜の材料をLn″1
.5Ba1.5Cu3Oy(Ln″はCe、Sm又はE
uなる元素を表す、6.8≦y≦7.2)に変更して、
チャネル長を0.1μm、0.5μmとして形成した超
電導三端子素子の温度及びゲート電圧による制御性の関
係を表2、表3にまとめた。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例5 実施例1に示した超電導三端子素子を、基板温度を60
0℃に下げて各膜を形成して作成した。この場合におい
ても薄膜形成直後に超電導薄膜は超電導特性を示した。 また、作製された素子におけるソース、ドレイン電極間
の電流−電圧特性は、超電導電流が減少する傾向を示し
た。これは膜形成時における基板温度が低下したため、
酸化物半導体層の組成揺らぎが少なく、超電導になる部
分が少なくなるためと考えられる。
【0029】また、膜形成時における基板温度を500
℃に下げたの場合には、薄膜形成直後に超電導薄膜は超
電導特性を示したが、ソース、ドレイン電極間の電流−
電圧特性は、超電導電流がさらに減少した。液体窒素温
度で、チャネル長が0.5μm以上の素子ではゲート電
圧300mVの時に液体窒素温度で超電導電流は流れな
かった。
【0030】一方、膜形成時における基板温度を750
℃に上げた場合には、半導体層と超電導体薄膜の界面で
の反応及び膜の平坦性の劣化が生じ、微細加工ができな
くなった他、超電導体薄膜の転移温度が低下した。
【0031】実施例6 実施例5における600℃の基板温度条件で形成した薄
膜を600℃、1時間、酸素中で熱処理し、素子を作製
した。この素子のソース、ドレイン電極間の電流−電圧
特性は表1に示したものと同じであった。
【0032】なお、同様の傾向は、実施例4及び下記に
示す実施例7、8、9に記載の他の材料についても認め
られた。
【0033】実施例7 実施例1と同様の超電導三端子素子を、半導体薄膜の材
料をY0.4Pr0.6Ba2Cu3Oy(6.8≦y
≦7.2)に変更して形成した。この場合にもソース、
ドレイン電極間にはゲート電圧の印加により超電導電流
は流れることが認められた。チャネル長、温度及びゲー
ト電圧による制御性の関係を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】なお、基板温度の影響はNd1.5Ba1
.5Cu3Oy半導体薄膜の場合と同様であった。
【0036】実施例8 半導体薄膜の材料をY0.3Pr0.7Ba2Cu3O
y(6.8≦y≦7.2)に変更した他は、実施例6と
同様にして超電導三端子素子を形成した。この場合にも
ソース、ドレイン電極間にはゲート電圧の印加により超
電導電流は流れることが認められたが、実施例7におけ
るY0.4Pr0.6Ba2Cu3Oyを用いた場合よ
りも超電導電流が減少する傾向を示した。
【0037】実施例9 半導体薄膜の材料をNd0.3Pr0.7Ba2Cu3
Oy(6.8≦y≦7.2)に変更した他は、実施例6
と同様にして超電導三端子素子を形成した。この場合に
も、ソース、ドレイン電極間にはゲート電圧の印加によ
り超電導電流が流れることが認められた。
【0038】なお、半導体薄膜の材料中のNdをLa、
Ce、Sm又はEuに変更して同様に超電導三端子素子
を形成した場合もほぼ同様の結果が得られた。
【0039】実施例10 実施例1と同様にして、基板に無歪、鏡面に研磨した面
方位(100)の酸化マグネシウム(MgO)単結晶基
板を用い、Y0.4Pr0.6Ba2Cu3Oy(6.
8≦y≦7.2)を薄膜をマグネトロンスパッタリング
法でエピタキシャル成長させ超電導三端子素子を形成し
た。基板温度は成膜時600℃に保ち、膜厚は0.7μ
mとした。この上に実施例1と同じ成膜条件でマスク蒸
着法によりバー状のYBa2Cu3O7−δ薄膜を形成
した。YBa2Cu3O7−δ薄膜の膜厚は0.2μm
、大きさは0.1mm×5mmであった。以下、実施例
1と同様の工程で素子を作製した。
【0040】得られた素子のソース、ドレイン電極間の
電流−電圧特性のゲート電圧依存性を液体ヘリウム温度
及び液体窒素温度でそれぞれ測定した。ソース、ドレイ
ン電極間にはゲートへの電圧印加で超電導電流が流れ、
その大きさがゲート電圧で制御できることが認められた
。しかし、超電導電流の大きさは、面方位(110)の
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)単結晶基板を
用いた場合の3分の1であった。これは(110)のチ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3)単結晶基板の場
合は、超電導薄膜のc軸が膜面内にあるのに対して、面
方位(100)酸化マグネシウム(MgO)単結晶基板
ではc軸が膜面に垂直になっており、結晶方位の影響が
表れたものと推定される。
【0041】なお、以上の実施例における酸化物超電導
体薄膜の形成は、スパッタリング法を用いたが、反応性
蒸着法、レーザーアブレーション、その他の成膜法を用
いてもよいことは言うまでもない。また、以上の実施例
で示した材料ばかりでなく、希土類元素の位置は他の希
土類元素及びイットリウム(Y)で置換できる他、バリ
ウム(Ba)は他のアルカリ土類元素で置換できること
も言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、チャネル層が半導体相
と超電導相の混合構造になるため現在の微細加工技術で
もって形成できる寸法の素子構造で、酸化物超電導体を
用いた超電導三端子素子を形成することができる。これ
により、従来、液体ヘリウム温度でしか使用できなかっ
た超電導三端子素子が、高温で使用することができるよ
うになった。また、酸化物半導体をチャネル層に使用し
たため、超電導電極と半導体チャネル層の間の反応がな
く、超電導電流の低下が少なく、利得の増加につながっ
た。
【0043】チャネル層が半導体相と超電導相の混合構
造にする方法としては、人工的に半導体相と超電導相を
積層する方法があるが、その場合、電流が流れる方向に
垂直に微細な積層構造を形成しなければならず、このよ
うな構造を製造することは困難である。これに対して本
発明では薄膜形成時を含むプロセス中での温度でもって
組成の揺らぎを調整できるため、従来の成膜法が適用で
きることも大きな特長である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電界効果型超電導三端子素子の構造を示
す断面模式図である。
【図2】本発明を説明するための薄膜構造を示す模式図
である。
【図3】希土類元素及びアルカリ土類元素の分布の不均
一と超電導性を説明するための模式図である。
【図4】本発明の超電導三端子素子の作製工程を示す工
程図である。
【図5】ソース電極、ドレイン電極間の電流−電圧特性
のゲート電圧依存性を示す図である。
【符号の説明】
11  半導体基板                
  12  ソース電極13  ドレイン電極    
            14  ゲート電極15  
絶縁膜                      
21  基板22  超電導薄膜下部電極      
    23  酸化物半導体層 24  超電導薄膜上部電極          31
  超電導体32  半導体            
          40  単結晶基板41  半導
体薄膜                  42  
超電導体薄膜 43  溝状のパターン              
44  SrTiO3薄膜 45  ゲート電極                
  46、47  引き出し電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導体からなるソース電極及びド
    レイン電極、該ソース電極とドレイン電極の間に介在し
    、かつそれらに接して設けられた半導体膜、該半導体膜
    の表面上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極を有す
    る超電導素子において、上記半導体膜は、上記酸化物超
    電導体と類似な結晶構造を有する酸化物半導体からなり
    、超電導相と半導体相の混合体であることを特徴とする
    超電導素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の超電導素子において、上記
    酸化物半導体は、LnnBamCu3Oy(ただしLn
    はLa、Nd、Ce、Sm及びEuからなる群から選ば
    れた少なくとも一種の元素、nは1.3から1.5の範
    囲の値、mは1.7から1.5の範囲の値で、かつnと
    mとの合計の値は3、yは6.8から7.2の範囲の値
    である)で表される材料であることを特徴とする超電導
    素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の超電導素子において、上記
    酸化物半導体は、(LnPr)n  BamCu3Oy
    (ただしLnはLa、Nd、Ce、Sm、Eu及びYか
    らなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、L
    nとPrとの比は4:6から3:7の範囲であり、nは
    1.3から1.5の範囲の値、mは1.7から1.5の
    範囲の値で、かつnとmとの合計の値は3、yは6.8
    から7.2の範囲の値である)で表される材料であるこ
    とを特徴とする超電導素子。
  4. 【請求項4】酸化物超電導体からなるソース電極及びド
    レイン電極、該ソース電極とドレイン電極の間に介在し
    、かつそれらに接して設けられた半導体膜、該半導体膜
    の表面上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極を有す
    る超電導素子において、上記半導体膜は、上記酸化物超
    電導体と類似な結晶構造を有する酸化物半導体からなり
    、かつ、Ln′nBamCu3Oy(ただしLn′はN
    d、Ce、Sm及びEuからなる群から選ばれた少なく
    とも一種の元素、nは1.3から1.5の範囲の値、m
    は1.7から1.5の範囲の値で、かつnとmとの合計
    の値は3、yは6.8から7.2の範囲の値である)で
    表される材料であることを特徴とする超電導素子。
  5. 【請求項5】酸化物超電導体からなるソース電極及びド
    レイン電極、該ソース電極とドレイン電極の間に介在し
    、かつそれらに接して設けられた半導体膜、該半導体膜
    の表面上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極を有す
    る超電導素子において、上記半導体膜は、上記酸化物超
    電導体と類似な結晶構造を有する酸化物半導体からなり
    、かつ、(LnPr)nBamCu3Oy(ただしLn
    はLa、Nd、Ce、Sm、Eu及びYからなる群から
    選ばれた少なくとも一種の元素であり、LnとPrとの
    比は4:6から3:7の範囲であり、nは1.3から1
    .5の範囲の値、mは1.7から1.5の範囲の値で、
    かつnとmとの合計の値は3、yは6.8から7.2の
    範囲の値である)で表される材料であることを特徴とす
    る超電導素子。
  6. 【請求項6】LnnBamCu3Oy(ただしLnはL
    a、Nd、Ce、Sm及びEuからなる群から選ばれた
    少なくとも一種の元素、nは1.3から1.5の範囲の
    値、mは1.7から1.5の範囲の値で、かつnとmと
    の合計の値は3、yは6.8から7.2の範囲の値であ
    る)で表される材料からなる酸化物半導体膜を、基板上
    に、500℃から700℃の範囲の温度で気相成長させ
    る工程、該酸化物半導体膜上に、それと類似な結晶構造
    を有する酸化物超電導体からなるソース電極、ドレイン
    電極を形成する工程、少なくとも該ソース電極、ドレイ
    ン電極間の酸化物半導体膜上に、絶縁膜を形成する工程
    及び該絶縁膜上にゲート電極を形成する工程を有し、酸
    化物半導体膜が超電導相と半導体相の混合体である超電
    導素子の製造することを特徴とする超電導素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】(LnPr)nBamCu3Oy(ただし
    LnはLa、Nd、Ce、Sm、Eu及びYからなる群
    から選ばれた少なくとも一種の元素であり、LnとPr
    との比は4:6から3:7の範囲であり、nは1.3か
    ら1.5の範囲の値、mは1.7から1.5の範囲の値
    で、かつnとmとの合計の値は3、yは6.8から7.
    2の範囲の値である)で表される材料からなる酸化物半
    導体膜を、基板上に、500℃から700℃の範囲の温
    度で気相成長させる工程、該酸化物半導体膜上に、それ
    と類似な結晶構造を有する酸化物超電導体からなるソー
    ス電極、ドレイン電極を形成する工程、少なくとも該ソ
    ース電極、ドレイン電極間の酸化物半導体膜上に、絶縁
    膜を形成する工程及び該絶縁膜上にゲート電極を形成す
    る工程を有することを特徴とする超電導素子の製造方法
  8. 【請求項8】請求項6又は7記載の超電導素子の製造方
    法において、上記気相成長させる工程の後に、上記酸化
    物半導体膜を500℃から700℃の範囲の温度で酸素
    雰囲気で熱処理する工程を有することを特徴とする超電
    導素子の製造方法。
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