JPH04257394A - 非塗工印刷用紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サイズ性と印刷適性に
すぐれた非塗工印刷用紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、炭酸カルシウムの使用による白色
度や不透明度の改良、紙の保存性向上などを目的として
、印刷用紙を中性で製造する場合が増加してきている。 中性で紙を製造する際には、酸性雰囲気かつ硫酸バンド
の存在下で性能を発揮するロジンサイズ剤は使用できず
、代わりに中性サイズ剤が使用される。

【０００３】ここで中性サイズ剤としては、取扱いの容
易さ、あるいは少量の添加ですぐれたサイズ性の得られ
ることからアルキルケテンダイマー（以下ＡＫＤと略す
）の水性分散液やアルケニルコハク酸無水物（以下ＡＳ
Ａと略す）の水性分散液が多く使用されている。また、
カチオンポリマー型の中性サイズ剤ではＡＫＤやＡＳＡ
と同じ添加量では十分なサイズ性の紙が得られない。

【０００４】印刷用紙にサイズ剤としてＡＫＤあるいは
ＡＳＡを使用した場合、サイズ度を高くするためにサイ
ズ剤添加量を増すと紙の表面エネルギーが低下し、非塗
工印刷用紙に多色印刷した場合に二色および三色目のイ
ンキセット性が悪化する傾向にある。

【０００５】その結果、二色目以降では印刷機のブラン
ケット汚れが発生する。

【０００６】これに対する対策としては、ＡＫＤあるい
はＡＳＡ添加量の削減、他の中性サイズ剤の利用、表面
サイズ澱粉塗布量の増加などが試みられている。

【発明が解決しようとする課題】サイズ性とインキセッ
ト性のすぐれた非塗工印刷用紙を得るために適用できる
技術としては、前述のようなＡＫＤやＡＳＡ添加量の削
減、他の中性サイズ剤の適用、表面サイズ澱粉塗布量の
増加がある。

【０００７】しかし、ＡＫＤ添加量削減や他のサイズ剤
の使用では、インキセット性は良好なものの十分なサイ
ズ性の紙は得られず、表面サイズ澱粉付着量の増加では
、紙のカール性が悪化するなど、いずれにおいても十分
な品質の非塗工印刷用紙を得ることはできなかった。

【０００８】すなわち、本発明の目的はサイズ性と多色
印刷におけるインキセット性のすぐれた非塗工印刷用紙
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、主成分がスチレン・アクリル酸共重合物
である表面サイズ剤の利用を検討した結果、主成分がス
チレン・アクリル酸共重合物である表面サイズ剤の中で
もスチレン重量比が０．３０以上０．６０以下である表
面サイズ剤を酸化澱粉と共にサイズプレスまたはゲート
ロールコーター（以下ＧＲＣと略す）により紙表面に塗
布することで内添サイズ剤がインキセット性に及ぼす悪
影響をとくに低減させうることが判明した。

【００１０】ここで、スチレン重量比が０．６を越える
場合には表面自由エネルギーが減少するために、サイズ
性の改良は期待できるもののインキセット性の改良はあ
まり期待できない。

【００１１】さらに、共重合体中のスチレン含有比率が
重量比で０．３０以上０．６０以下の表面サイズ剤を紙
表面に０．０１ｇ／ｍ２以上０．１ｇ／ｍ２以下塗布し
た場合にはサイズ性とインキセット性改良効果がいっそ
う顕著なものになることを見出し本願発明を完成するに
至った。

【００１２】その理由としては、サイズ剤で被われた表
面を疎水基が小さく分子中に占める疎水基の割合が少な
い表面サイズ剤でカバーすることのより表面自由エネル
ギーが上昇し、インキ顔料および溶媒（乾性油等）の浸
透が速くなりインキセット性を改良することが考えられ
る。

【００１３】本発明における非塗工印刷用紙とは、アー
ト紙またはコート紙のような原紙表面上に７ｇ／ｍ２以
上の塗工層を設けた紙ではなく、サイズプレスにおける
澱粉の塗抹、もしくはゲートロールコーターによる顔料
とバインダーの塗抹等で７ｇ／ｍ２以下の軽塗抹を行な
ったのみで原紙表面が完全にカバーされていない印刷用
紙のことである。

【００１４】そして、本発明の非塗工印刷用紙は上質紙
同様の用途に使用される。

【００１５】本発明の原紙に使用されるパルプとしては
、ＮＢＫＰ、ＬＢＫＰ、ＮＢＳＰ、ＬＢＳＰ、ＧＰ、Ｔ
ＭＰ、ＤＩＰなどが挙げられる。使用にあたっては、そ
れらを数種類目的に応じた比率で混合して用いる。

【００１６】また、本発明で使用する主成分がスチレン
・アクリル共重合物である表面サイズ剤とは、例えば特
開昭５５−９９９０９号公報、特開昭５７−２４３６３
号公報などに記載されているようなスチレンおよびアク
リルの共重合物を主成分とする表面サイズ剤のことであ
る。

【００１７】表面サイズ剤の塗布量が０．０１ｇ／ｍ２
未満では十分なサイズ性とインキセット性の改良が得ら
れない。また０．１ｇ／ｍ２を超えて塗布してもインキ
セット性はそれ以上改良されず不経済である。

【００１８】本発明の非塗工印刷用紙には、通常抄紙で
使用する、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増
強剤などを必要に応じて含有するものである。

【００１９】本発明の表面サイズ剤は原紙表面にサイズ
プレスおよびＧＲＣで塗布することが可能であり、澱粉
あるいは顔料と混ぜて使用しても単独で使用しても差し
支えない。

【００２０】

【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない
。以下における部、％はすべて重量によるものである。 また、塗抹量を示す値は断わりのないかぎり乾燥後の重
量である。

【００２２】調製例１ 実施例に使用するスチレンモノマ−とアクリルモノマ−
の共重合により得られた表面サイズ剤の調成方法を示す
。

【００２３】攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた
４つ口フラスコにスチレン１６部とＮ，Ｎ−ジメチルア
ミノプロピルアクリルアミド３９部とトルエン５０部を
仕込み、ついで重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル３．３部を加え、反応温度９０℃にて４時間重合
反応を行なった。減圧下にトルエンを留去し重合物を水
酸化ナトリウムおよびアンモニア水で中和することによ
りスチレンの重量比が０．１５のスチレン・アクリル酸
共重合物を得た。

【００２４】調製例２〜５ 調製例１において、スチレンの仕込み量３９部、７５部
、１３８部および２６７部の４水準に変化させスチレン
の重量比を０．３０、０．４５、０．６０および０．７
５とする以外は同様にして反応を行ない各種表面サイズ
剤を得た。これらをそれぞれ調製例２、３、４および５
とする。

【００２５】実施例１ ＰＦＩミルでろ水度３８０ｍｌｃ．ｓ．ｆ．まで叩解し
たＬＢＫＰと４５０ｍｌｃ．ｓ．ｆ．まで叩解したＮＢ
ＫＰを重量比で７：３の割合に混合したパルプ１００部
に対して、軽質炭酸カルシウム（ＴＰ１２１、奥多摩工
業社製）を７部、アルキルケテンダイマーサイズ剤（サ
イズパインＫ９０３、荒川化学社製）をアルキルケテン
ダイマー分として０．１部、両性でんぷん（Ｃａｔｏ３
２１０、王子ナショナル社製）を０．８部添加し、坪量
６４ｇ／ｍ２の手すきシートを作製した。なお、シート
の乾燥条件は９０℃で５分間とした。

【００２６】その後、これらのシートにサイズプレスで
酸化澱粉と一緒に調製例１、２、３、４、あるいは５の
スチレン重量比が５水準に異なる表面サイズ剤を塗布量
が０．０５ｇ／ｍ２となるように塗抹し、ベック平滑度
が８０秒になるようにマシンカレンダー処理を行って非
塗工印刷用紙とした。

【００２７】これらの試料をスチレンの重量比が小さい
物から順に、試料１−１、試料１−２、試料１−３、試
料１−４および試料１−５とする。

【００２８】比較例１ 実施例１で、サイズプレスで酸化澱粉を塗抹しない、サ
イズプレスで酸化澱粉を塗抹するさいに表面サイズ剤を
添加しない、以外は実施例１と全て同一の方法で調製し
た２種類の試料を得た。

【００２９】これらの試料をそれぞれ試料２−１および
試料２−２とする。以上をまとめて結果を表１に示す。

【００３０】

【表１】

【００３１】インキセット性を評価するためにＲＩテス
ター（明製作所製）にて紅インキ（大日本インキ社製商
品名ニュープロアス−Ｇ）０．３グラムを混練した後に
試料に印刷する。

【００３２】印刷した部分の光学濃度（マクベス反射型
濃度計を使用）が約１．２の印刷部に、一時間経過した
のち、市販の１８ｍｍ幅粘着テープ（セロハンテープ、
ニチバン社製）を貼付け、手で剥離した後の印刷濃度を
測定した。

【００３３】インキセット性を評価するための指標とし
ては以下に示す印刷濃度比（以下ＯＤ比と略す）を用い
た。 ＯＤ比＝剥離後の印刷濃度／剥離前の印刷濃度

【００３
４】非塗工印刷用紙としては、ＯＤ比で０．８０以上の
インキセット性が必要とされている。

【００３５】また、サイズ度はＪＩＳＰ８１２２に準じ
てステキヒト法で測定した。非塗工印刷用紙においても
上質紙同様、坪量６４ｇ／ｍ２の場合、２０秒以上のサ
イズ性が必要とされている。

【００３６】表１から、共重合体中のスチレン含有比率
が重量比で０．３０以上０．６０以下の表面サイズ剤を
紙表面に塗抹することにより、インキセット性とサイズ
性のすぐれた非塗工印刷用紙の得られることが明かであ
る。

【００３７】実施例２ 実施例１と同一の方法で手抄した紙に、共重合体中のス
チレン重量比率が０．５の表面サイズ剤を使用し、サイ
ズプレスで塗布する量を０．００５、０．０１、０．０
５、０．１および０．１５ｇ／ｍ２の５水準の塗抹量に
変化させる以外は実施例１と同一の方法で試料を作製し
た。

【００３８】これらの試料の塗抹量の少ない物から順に
試料３−１、試料３−２、試料３−３、試料３ー４およ
び試料３−５とする。以上の結果をまとめて表２に示す
。

【００３９】

【表２】

【００４０】表２から明らかな様に０．０１ｇ／ｍ２未
満では十分なインキセット性改良効果が得られないこと
、及び０．１ｇ／ｍ２を超えて塗布してもインキセット
定着性はほとんど改良されない。

【００４１】

【発明の効果】　　　　　　　　　　　　　　　　　　
以上の実施例から、本発明の非塗工印刷用紙、すなわち
ＡＫＤあるいはＡＳＡを含有した紙の表面に主成分がス
チレン・アクリル酸共重合物である表面サイズ剤を塗布
した非塗工印刷用紙は、サイズ性とインキセット性のす
ぐれていることが明らかになった。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　填料として、炭酸カルシウムを含有し
   、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーあるいは
   アルケニルコハク酸無水物を含有した非塗工印刷用紙に
   於いて、表面に主成分がスチレン・アクリル酸共重合物
   である表面サイズ剤を塗布する事を特徴とする非塗工印
   刷用紙。
2. 【請求項２】　　スチレンモノマーとアクリルモノマー
   の共重合により得られる表面サイズ剤中のスチレンの重
   量比が０．３以上０．６以下である請求項１記載の非塗
   工印刷用紙。
3. 【請求項３】　　紙表面に塗布する表面サイズ剤の量が
   ０．０１ｇ／ｍ２以上０．１ｇ／ｍ２以下の範囲である
   請求項１又は２記載の非塗工印刷用紙。