JPH04256774A - ミシンの適正送り量検出装置 - Google Patents

ミシンの適正送り量検出装置

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JPH04256774A
JPH04256774A JP1796391A JP1796391A JPH04256774A JP H04256774 A JPH04256774 A JP H04256774A JP 1796391 A JP1796391 A JP 1796391A JP 1796391 A JP1796391 A JP 1796391A JP H04256774 A JPH04256774 A JP H04256774A
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JP
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JP1796391A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Takeuchi
浩和 竹内
Etsuzo Nomura
悦造 野村
Koichi Akaha
浩一 赤羽
Hirosumi Itou
伊藤 弘純
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一対の加工布を重ね合わ
せた状態で移送する際に一対の加工布をずらさない適正
送り量を検出するミシンの適正送り量検出装置に関する
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のミシンの適正送り量検出
装置としては、特公昭60−10749号公報記載のも
のがある。この検出装置は次のようにして適正送り量を
検出する。まず、加工布の移送手段である送り歯圧や押
え圧力を所定値に設定して、適当な送り量を仮決定する
。そして、一対の重ね合わせた加工布の前端を揃え、仮
決定した送り量で加工布の前端から後端まで1回目の試
縫をする。そして、後端で発生した生地のずれ量を測定
する。次に送り歯圧や押え圧力を変更して、送り量を1
回目の試縫とは異なる値に仮決定する。この後、一対の
重ね合わせた加工布の前端を揃え、仮決定した送り量で
加工布の前端から後端まで2回目の試縫をする。そして
、後端で発生した生地のずれ量を測定する。こうして2
回の試縫で測定したずれ量を比較することにより、ずれ
量の変化量が略零となり加工布がずれない適正送り量を
別途計算して求める。求めた適正送り量は柄合わせ縫製
等に使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置は試縫を2回行なわなければならないという問題
がある。この問題に対しては、例えば1回の試縫期間中
に異なる上送り量で加工布を試縫することが考えられる
が、これでは上記従来装置のごとく各上送り量のずれ量
を加工布の後端にて測定することができなくなる。かと
いって、加工布の中間で発生したずれ量を正確に測定す
ることは容易でない。しかも、加工布は織物や編物であ
り、柄と柄との間隔が一定でない柄間隔誤差(目印間隔
誤差)がある。したがって、加工布の中間で各上送り量
でのずれ量を実測しても、柄間隔誤差を含むから、適正
送り量の正確な検出ができない。
【0004】本発明のミシンの適正送り量検出装置は、
上記課題を解決し、1回の試縫期間のうちに適正送り量
を高い精度で検出できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明のミシン
の適正送り量検出装置は、図1に例示するように、所定
間隔毎に目印を有する一対の加工布を重ね合わせた状態
でそれぞれ別個の移送手段により所定送り量で移送して
1回の試縫期間のうちに前記一対の加工布がずれない適
正送り量を検出するミシンの適正送り量検出装置であっ
て、前記一対の加工布の各々に対して、送り方向に相前
後する複数箇所で同時に前記目印の位置検出を行なう目
印位置検出手段と、該複数箇所で検出された前記目印の
位置情報に基づき、前記複数箇所における前記一対の加
工布の目印のずれ量を演算する目印ずれ量演算手段と、
該演算された複数箇所における目印ずれ量に基づいて、
前記目印の間隔の誤差を演算する目印間隔誤差演算手段
と、該演算された目印間隔誤差により前記目印ずれ量を
補正して真の目印ずれ量を演算する真の目印ずれ量演算
手段と、1回の試縫期間のうちに前記移送手段による前
記一対の加工布の移送にかかる相対的な送り量を変化さ
せる相対送り量変化手段と、該相対送り量変化手段が相
対的な送り量を変化させることにより発生した前記真の
ずれ量の変化量を検出するずれ変化量検出手段と、前記
相対送り量変化手段が変化させた相対的な送り量と前記
ずれ変化量検出手段が検出した真のずれ量の変化量との
関係から前記真のずれ量の変化量を略零にする適正送り
量を演算する適正送り量演算手段とを備えることを特徴
とする。
【0006】上記構成のミシンの適正送り量検出装置に
おいては、一対の加工布の各々に対し、目印位置検出手
段が送り方向に相前後する複数箇所で同時に加工布の目
印の位置検出を行なう。こうして複数箇所で検出された
目印の位置情報に基づいて、目印ずれ量演算手段が、複
数箇所における一対の加工布の目印のずれ量を演算する
。演算した目印のずれ量は柄等の目印の視点からみて各
加工布の相対的な位置関係をほぼ示すと言える。次に、
演算された複数箇所における目印ずれ量に基づいて、目
印の間隔の誤差を目印間隔誤差演算手段が演算する。目
印間隔誤差が複数箇所での目印ずれ量の大きさに相違を
与えるのであるから、目印ずれ量に基づいて目印間隔誤
差が演算される。真の目印ずれ量演算手段は、演算され
た目印間隔誤差により目印ずれ量を補正して真の目印ず
れ量を演算する。したがって、真の目印ずれ量は目印間
隔誤差の影響を排除した、柄等の目印の視点からみて各
加工布の真の相対的な位置関係を示す量となる。
【0007】以上のようにして真の目印ずれ量が演算さ
れるのであるが、相対送り量変化手段は、1回の試縫期
間のうちに移送手段による一対の加工布の相対的な送り
量を変化させる。相対的な送り量を変化させることによ
り真のずれ量が変化する。この真のずれ量の変化量をず
れ変化量検出手段が検出する。そして、相対送り量変化
手段が変化させた相対的な送り量と、ずれ変化量検出手
段が検出した真のずれ量の変化量との関係から、真のず
れ量の変化量を略零にする適正送り量を適正送り量演算
手段が演算する。この結果、1回の試縫期間のうちに適
正送り量が目印間隔誤差の影響を排除した高い精度で検
出される。
【0008】
【実施例】以下、本発明のミシンの適正送り量検出装置
を柄合わせミシンに適用した一実施例を図面を参照して
説明する。図2に柄検出装置の柄検出部、図3にその投
光部および受光部、図4に電子制御装置、図5に柄合わ
せミシンの機械的構造を示す。この柄合わせミシンは後
述する電子制御装置160(図4)によって制御され、
柄検出部113(図2)や投光部133、受光部135
(図3)を使用して検出したデータに基づき、機械的構
造(図5)を制御する。
【0009】始めに、機械的構造(図5)の概略を説明
する。図示するように、ミシン1は大きく分けて、アー
ム部5とベッド部10とから構成される。アーム部5に
は、ミシンモータ190(図5には図示せず)の回転動
力がベルト13、プーリ15を介して伝達される主軸1
7が設けられている。この主軸17には偏心カム18が
固定されており、その偏心カム18にクランクロッド1
9が回動可能に取り付けられている。一方、アーム部5
に回動可能に支持された作動軸20には連結アームが固
定されており、その連結アームの自由端部は前記クラン
クロッド19に回動可能に連結されている。したがって
、主軸17の回転に同期して、作動軸20は所定角度往
復回動し、連結リンク23を上下に駆動する。連結リン
ク23には支軸25を中心に揺動するアーム27が回動
可能に連結されており、アーム27はその揺動運動によ
り、上移送手段である上送り歯30を上下に駆動する。
【0010】また、クランクロッド32,偏心カム33
,リンク47を介して主軸17に連結された作動軸35
は、主軸17の回転に従って所定角度往復回動し、連結
レバー37,39を前後に揺動する。この連結レバー3
9には、支軸25を中心に揺動するアーム44が連結さ
れており、このアーム44の揺動運動により上送り歯3
0は前後に駆動される。したがって、上送り歯30は主
軸17の回転に同期した作動軸20,作動軸35の揺動
運動によって、上昇→前進→下降→後進の4運動送りを
行なう。
【0011】上送り歯30の前後方向の移動量、つまり
上送り量は作動軸35の揺動量で決まる。作動軸35に
連結されたリンク47は回動軸50の一方の端部に嵌合
固定された上送り量調節部体48に連結されており、上
送り量調節部体48はリンク47の傾きを変えて作動軸
35の揺動量を変更する。前述したクランクロッド32
,偏心カム33,リンク47,上送り量調節部体48お
よび回動軸50から上送り量調節器51が構成される。 また回動軸50の他方の端部には回動レバー61が固定
されている。この回動レバー61は回動軸50を中心と
した二腕形状のものであり、その一方の腕部は駆動軸5
8に取り付けられた係止部59に当接している。係止部
59が取り付けられた駆動軸58は、ステップモータ5
5の出力軸56に連結されている。したがって、ステッ
プモータ55の回動量の制御により、係止部59,回動
レバー61を介して回動軸50の回動角を制御して上送
り量の調節がなされる。
【0012】一方、ベッド部10には、下移送手段であ
る下送り歯65を前記上送り歯30と同様に4運動送り
させるための水平送り軸67,上下送り軸69が設けら
れている。上下送り軸69はクランクロッド75を介し
て主軸17に嵌合固定された偏心カム76に連結されて
おり、主軸17の回転にしたがって所定量往復回動し、
下送り歯65に上下の動きを付与する。水平送り軸67
は、周知の下送り量調節器78,クランクロッド81を
介して主軸17に嵌合固定された偏心カム82に連結さ
れており、主軸17の回転にしたがって所定量往復回動
し、下送り歯65に前後の動きを付与する。下送り量調
節器78は、主軸17の動きを水平送り軸67の揺動運
動に変換するものであり、水平送り軸67の揺動量を変
更し得るように構成されている。また、ミシンフレーム
外部には手動送り量調節部材84が設けられており、手
動送り量調節部材84を回して軸方向の位置を可変する
ことによりその先端部が当接するV字形の溝が形成され
た送り量設定器85の傾きが調節される。送り量設定器
85はリンク91を介して下送り量調節器78に連結さ
れており、その傾きが変更されると下送り量調節器78
により送り量の調節がなされる。従って、手動送り量調
整部材84を回すことにより下送り量が変更できる。さ
らに送り量設定器85にはポテンショメータ86が作動
連結されており、下送り量に応じた信号がポテンショメ
ータ86から出力される。
【0013】また、図6に示すように、主軸17に連結
され上下往復動される周知の針棒の下端には縫い針64
が取り付けられており、その縫い針64の下方のベッド
部10内には、主軸17と同期して回転される下軸92
に取り付けられた糸輪捕捉器94が配設されている。上
記の縫い針64と糸輪捕捉器94とにより重ね合わされ
た2枚の加工布を縫合する縫目形成機構が構成される。
【0014】以上示した機構により上送り歯30と下送
り歯65とが、主軸17の回転に同期した4運動送りを
行なう縫目形成部(図6参照)では、布押え足89の下
に送り込まれた2枚の加工布87,88に送りが付与さ
れると共に、縫い針64と糸輪捕捉器94との協働によ
り本縫縫目が形成される。
【0015】また、図6に示すように、縫目形成部の加
工布送り方向(図中矢印A)手前(布送り込み側)には
、3枚の布ガイド板103,104,105が設けられ
ている。図2に示すように、布ガイド板105には布ガ
イド板103,104に形成された長孔を総て挿通する
ピン108,109が立設されており、ピン108,1
09は2枚の加工布87,88の端縁に当接して送り方
向に対する横方向のズレを規制する。
【0016】2枚の加工布87,88の間に配置される
ように、布ガイド板104には柄検出装置(目印位置検
出手段を構成)の検出部113が布送り方向に相前後す
る位置に埋設されている。ここで検出部113の位置を
、縫目形成位置に近いものから第1検出位置、第2検出
位置とする。この検出部113は、図7に拡大して示す
ように、断面直角二等辺三角形状の第1プリズム体11
6と、その第1プリズム体116に対して接合された平
面二等辺三角形状の第2プリズム体115とより構成さ
れたプリズム接合体を上下一対有している。
【0017】上記構成の検出部113が、第1検出位置
における上下加工布の柄検出用として、また第2検出位
置における上下加工布の柄検出用として設けられている
。各第1プリズム体116は、その長手方向が布送り方
向に対して直角に配置されている。そして、各第1プリ
ズム体116の直角二等辺三角形の斜面にはアルミニウ
ム蒸着により光路変更面116aが形成され、各第2プ
リズム体115の斜面には同じくアルミニウム蒸着によ
り光反射面115aが各々形成されている。なお、前記
上下一対のプリズム接合体の間(第2プリズム体115
の間)には、互いに検出光が干渉しないように薄膜状の
遮蔽体(図示せず)が設けられている。
【0018】一方、図3に示すように、ミシンフレーム
に付設された制御ボックス124内には、柄検出装置の
投光部133および受光部135が設けられている。そ
の投光部133には光源141およびレンズ138が配
設され、受光部135には第1検出位置上布用カラーセ
ンサ144a、第1検出位置下布用カラーセンサ144
b、第2検出位置上布用カラーセンサ148a、および
第2検出位置下布用カラーセンサ148bが配設されて
いる。
【0019】そして、検出部113と投光部133およ
び受光部135との間には、光ファイバ121が接続配
置されている。この光ファイバ121は多数の光ファイ
バの集合体として構成されており、図2および図3に示
すように、光ファイバ121の一端が、第1検出位置上
布投受光用ファイバ227a、第1検出位置下布投受光
用ファイバ227b、第2検出位置上布投受光用ファイ
バ227c、及び第2検出位置下布投受光用ファイバ2
27dに分けて各第2プリズム体115にそれぞれ対向
配置されるとともに、光ファイバ121の他端が投光用
ファイバ228a、第1検出位置上布受光用ファイバ2
28b、第1検出位置下布受光用ファイバ228c、第
2検出位置上布受光用ファイバ228d、および第2検
出位置下布受光用ファイバ228eに分かれてそれぞれ
レンズ138および各カラーセンサ144a,144b
,148a,148bに対向配置されている。
【0020】即ち、第1検出位置上布投受光用ファイバ
227a、第1検出位置下布投受光用ファイバ227b
、第2検出位置上布投受光用ファイバ227cおよび第
2検出位置下布投受光用ファイバ227d内には、図8
に示すように複数のファイバ本体Fa,Fbの一部が所
定の比率で収容され、その検出側端部が検出部113の
第2プリズム体115に近接して対向配置されている。 また、第1・第2検出位置上下各布用の投光用ファイバ
本体Faの投光側端部が光ファイバ121および投光用
ファイバ228aを介してレンズ138に対向配置され
、第1・第2検出位置上下各布用の受光用ファイバ本体
Fbの受光側端部が光ファイバ121および第1・第2
検出位置各布受光用ファイバ228b,228c,22
8d,228eを介して各カラーセンサ144a,14
4b,148a,148bにそれぞれ対向配置されてい
る。
【0021】尚、この実施例では、光源141、投光用
ファイバ228a、光ファイバ121、第1・第2検出
位置の上布および下布の投受光用ファイバ227a,2
27b,227c,227d、第1および第2のプリズ
ム体116,115等により投光手段が構成されている
。また、第1・第2検出位置上布用および下布用のカラ
ーセンサ144a,144b,148a,148b、第
1・第2検出位置上布および下布の受光用ファイバ22
8b,228c,228d,228e、光ファイバ12
1、第1・第2検出位置上布および下布の投受光用ファ
イバ227a,227b,227c,227d、第1お
よび第2のプリズム体116,115等により受光手段
が構成されている。
【0022】前記カラーセンサ144a,144b,1
48a,148bは、図9に示すように、入射窓に赤色
(R),青色(B),緑色(G)の光を高い感度で透過
する色フィルタが設けられた複数のフォトダイオードか
ら構成される。色フィルタは受光範囲が広がるように同
じ色相のものを離して配置されているので、受光用ファ
イバ228b,228c,228d,228eの端面か
らの光が多少ずれてカラーセンサ144a,144b,
148a,148bに投射されても各色相の光を効率良
く検出できる。
【0023】したがって、光源141から投射された白
色光は、投光用ファイバ228aを介して検出部113
先端のプリズム体115,116で反射されて上下の加
工布87,88に投射される。上下の加工布87,88
で反射された光は投射と同じ光路を逆に辿ってカラーセ
ンサ144a,144b,148a,148bで3原色
に分解されて受光される。カラーセンサ144a,14
4b,148a,148bの出力は同じく制御ボックス
124内に設けられた電子制御装置160に入力される
。上記検出部113、投光部133、受光部135、電
子制御装置160等から目印位置検出手段が構成されて
いる。
【0024】電子制御装置160は、図4に示すように
、周知のCPU163,ROM165,RAM168の
他、前述したカラーセンサ144a,144b,148
a,148bが接続されたA/Dコンバータ170、上
送り量を調節するステップモータ55を駆動する駆動回
路187および動力源であるミシンモータ190を駆動
する駆動回路193を備えて構成される。この他、電子
制御装置160には、プーリ15内に設けられ主軸17
の回転に同期して24[個/回転]のパルス信号を出力
する回転同期センサ174、同じくプーリ15内に設け
られ針下信号、針上信号を出力する針位置検出センサ1
76,178、下地の布送り量を検出する前述したポテ
ンショメータ86、足踏みペダル184に設けられ起動
・停止の信号を発生する発生回路186、柄ズレ量の算
出モード1,2,3のいずれかを選択する柄ズレ量算出
モード選択スイッチ185、および上下の加工布87,
88の柄に応じて設定される柄合わせ設定キー188な
どが接続される。ここで、柄ズレ量算出モード1,2,
3とは、それぞれ異なる手法のアルゴリズムで柄ズレ量
の算出を行なうモードである。
【0025】柄合わせ設定キー188は、図10に示す
ように操作パネル上の各種プッシュ式キーから構成され
る。この操作パネルには、文字,数字等が表示される液
晶表示部189、柄間隔の変更を指示する柄間隔変更キ
ー191および柄間隔の変更が指示されたとき柄間隔の
数字をインクリメント、デクリメントするインクリメン
トキー192、デクリメントキー193が設けられてい
る。柄ズレ量算出モード選択スイッチ185は柄合わせ
設定キー188と同じ操作パネル上にプッシュ式スイッ
チとして設けられる。柄ズレ量算出モード選択スイッチ
185の接点状態を変更することにより、ROM165
に記憶された明度演算サブルーチン(モード1)、色相
の強度変化演算サブルーチン(モード2)、色相の差分
演算サブルーチン(モード3)のいずれのルーチンを実
行するかが選択される。また、ROM165には後述す
る柄合わせ制御ルーチン(図11,12)のプログラム
が予め書き込まれている。さらに、RAM168には、
カラーセンサ144a,144b,148a,148b
によってサンプリングされる色信号データが順次ストア
される規定個数Cm分のメモリ領域が割り当てられてい
る。
【0026】以下に、この柄合わせミシンにかかる柄合
わせ機能、適正送り量検出機能について図11ないし図
16のフローチャートにしたがい説明する。図11,1
2は柄合わせ制御ルーチン、図13は柄ズレ量算出モー
ドの一つを実現する明度演算サブルーチン、図14は割
込処理ルーチン、図15は適正送り量検出ルーチン、図
16は柄間隔誤差を考慮してズレ量演算をする処理ルー
チンを示す。CPU163は、柄合わせ縫製中、上記柄
合わせ制御ルーチン(図11,12)を繰り返し実行し
、その実行中、サブルーチンとして明度演算サブルーチ
ン(図13)およびズレ量演算処理ルーチン(図16)
を行なう。また、所定タイミングで割込をかけて上記割
込処理ルーチン(図14)を実行する。そして、適正送
り量を検出するときは、上記柄合わせ制御ルーチン(図
11,12)に代えて、適正送り量検出処理ルーチン(
図15)を実行する。
【0027】ここで、柄合わせ設定キー188により設
定された値は電源バックアップにより保持されており、
起動初期には最前に使用した値が初期値となる。また、
初めて使用するとき、長時間使用しなかったときには、
規定長さLを20mmにセットすると共に、後述のよう
に規定長さLとポテンショメータ86により出力される
下送り量とから規定個数Cmを決定する。さらに、最前
とは異なる加工布を縫製する際、その加工布の柄に応じ
て使用者は、柄間隔変更キー191をオンしてからイン
クリメントキー192、デクリメントキー193を操作
することにより任意の規定長さLを設定するものとする
(通常、規定長さLは実際の柄間隔より若干長めに設定
される)。柄ズレ量算出モードスイッチ185のモード
値も同様に保持されており、柄ズレ量算出モードスイッ
チ185を押すことによりモード値はサイクリックに変
更される。
【0028】最初に、適正送り量の検出機能に先立ち、
柄合わせ制御について説明する。まず、割込処理ルーチ
ン(図14)から説明する。割込処理ルーチンは、回転
同期センサ174の同期信号の立ち下がりによって起動
される。回転同期センサ174は、図17に示すように
、主軸17が1回転する度に24個の同期信号を発生す
ることから、主軸17が15度回転する度に割込処理ル
ーチンが繰り返し実行される。
【0029】CPU163が割込処理ルーチンを起動す
ると、図14に示すように、まず、回転同期センサ17
4からの同期信号が送り作動範囲(図17中の範囲B)
内のものであるかどうか否かを判断し(S200)、送
り作動範囲内のものでないと判断したときは、何も実行
せずに「RET」に抜けて本ルーチンを一旦終了し、柄
合わせ制御ルーチン(図11,12)の実行に復帰する
。これに対して、回転同期センサ174からの同期信号
が送り作動範囲B内のものと判断したときには(S20
0)、カラーセンサ144a,144b,148a,1
48bからのアナログ信号をA/Dコンバータ170で
ディジタル信号に変換した12個の色信号(第1検出位
置と第2検出位置との双方における上加工布87の赤,
青,緑の色信号、下加工布88の赤,青,緑の色信号)
を1組の色信号データとしてRAM168に記憶し(ス
テップS203)、色信号データ個数Cの値を値1イン
クリメントしてから(ステップS206)、「RETU
RN」に抜けて本ルーチンを一旦終了し、柄合わせ制御
ルーチン(図11,12)の実行に復帰する。この結果
、RAM168の所定の領域に色信号データが蓄積され
る。
【0030】つぎに、柄合わせ制御ルーチン(図11,
12)について説明する。柄合わせ制御ルーチンは適時
繰り返し実行される。まず、CPU163は柄合わせ制
御ルーチンを開始すると、柄間隔変更キー191の状態
を判断する(S220)。柄間隔変更キー191がオン
でないと判断した時は、規定長さLの変更を行なわずに
ステップS250の処理に進む。柄間隔変更キー191
がオンであると判断した時は(S220)、使用者によ
って設定された規定長さLを読み込み(S230)、規
定個数Cmの演算を行なう(S240)。規定個数Cm
は、規定長さLに相当する加工布87,88からの色信
号データの個数を表わす。例えば、規定長さLを30[
mm]、送り量を1[mm]に設定したとき、主軸1回
転当りにおける送り作動範囲内の同期信号の数が10[
パルス]であることから、10[パルス]×30[mm
]/1[mm]と演算することによって規定個数Cmは
300個と決定される。
【0031】続いて、RAM168に割り当てられた制
御回数Kおよび色信号データ個数Cを値0にクリアする
(S250,260)。この後、上下2枚の加工布87
,88がセットされペダル184が踏み込まれるのを待
ちつづけ(S270,280)、上下2枚の加工布87
,88がセットされペダル184が踏まれると、ミシン
モータ190を駆動して縫製作業(S290)を開始す
る。
【0032】縫製作業中は、ミシンモータ190の回転
に同期して既述した割込処理ルーチン(図14)が実行
され、RAM168の所定の領域に順次新しい色信号デ
ータが蓄積される。次に、制御回数Kが値0であるか否
かを判断し(S300)、制御回数が値0のときは、続
いて、色信号データ個数Cが規定個数Cmに達したか否
かを判断する(S310)。色信号データ個数Cが規定
個数Cmに達していないときはステップS270以降の
処理を繰り返して待ち続け、初めて規定個数Cmに達し
た場合、あるいはステップS300で制御回数nが値0
でないと判断した時つまり制御が既に開始されたときは
(S300)、図12に示すステップS320以降の柄
合わせ処理に移行する。
【0033】図12に示すように、ステップS320以
降の柄合わせ処理では、まず、使用者により柄ズレ量算
出モード選択スイッチ185がモード1,2,3のいず
れに選択されているかを判断し(S320)、選択され
たモードに応じて明度演算サブルーチン(S330)、
色相の強度変化サブルーチン(S400)、色相の差分
演算サブルーチン(S500)のいずれかを行ない柄ズ
レ量を算出する。以下に、一例として柄ズレ量算出モー
ドがモード1であって明度演算サブルーチン(S330
)を実行することにより、柄ズレ量を算出する過程を説
明する。なお、第1検出位置と第2検出位置とで柄検出
は同時に行なわれ、第1・第2検出位置での柄ズレ量の
算出過程は同一であるので、第1検出位置について説明
し、第2検出位置での柄ズレ量の算出の説明は省略する
【0034】明度演算サブルーチン(S330)を開始
すると、図13に示すように、まずRAM168の所定
領域に蓄積されている最新の色信号データから規定個数
Cm手前までの色信号データを読み込み、カラーセンサ
144aによって検出されたR,G,Bの色信号データ
を足し合わせて上加工布87の明度信号データとし、カ
ラーセンサ144bによって検出されたR,G,Bの色
信号データを同様に足し合わせて下加工布88の明度信
号データとする(S340)。
【0035】続いて、明度信号データの各1点の値に前
後各々21点の色信号データの値を加えて総和値を求め
、この総和値を値43で除算して1点の色信号データと
する平滑化処理(S350)を行なう。この平滑化処理
(S350)により、ノイズ等の影響が取り除かれる。 この様子を図18に示す。図18(A),(B)に示す
柄に応じて、図18(C),(D)に示すような平滑化
データが得られる。
【0036】次に、平滑化されたデータを微分する微分
化処理(S360)を行ない、微分演算によって平滑化
データの大きな変化を一層を際だたせるとともに緩やか
な変化をなだらかにする。この結果、図19(A),(
B)に示すように、縦柄によるなだらかなピークの影響
は打ち消される。
【0037】そして、柄ズレ量および柄ズレ方向を計算
し、制御回数Kに対応づけて記憶する(S370)。柄
ズレ量および柄ズレ方向は次のように計算される。即ち
、上記微分化されたデータにおいて、上下の加工布87
,88におけるピーク値差の大きさが等しくなるように
一方の微分化されたデータを所定倍率増幅し、さらに各
々の微分化されたデータの平均値が値0となるようにデ
ータの各点の値から平均値を差し引くいわゆるオフセッ
ト処理を実行した後、重ね合わせる。この結果を図20
に示す。重ならない部分の面積Eが最小となるように送
り量を相対的にずらす処理をすることで柄ズレの方向お
よび柄ズレ量が計算される。なお、同じ処理により、第
2検出位置での柄ズレ量および柄ズレ方向を算出し記憶
する。
【0038】こうして柄ズレ量の計算処理(S370)
を終了すると、メインルーチンである柄合わせ制御ルー
チン(図12)に戻り、次に、柄間隔誤差補正ルーチン
(S375)を実行する。柄間隔誤差補正ルーチン(S
375)では、柄間隔誤差を考慮してズレ量演算をする
処理ルーチン(図16)が実行される。このズレ量演算
処理ルーチン(図16)については後に詳述するが、そ
の実行により柄間隔誤差を演算し、柄間隔誤差から真の
柄ズレ量を算出する。
【0039】したがって、ステップS375の演算処理
ルーチンを実行して、真の柄ズレ量を求めると、真の柄
ズレ量に基づいて、ステップモータ55を駆動する上送
り量の調節処理(S380)を行なう。この後、制御回
数Kを値1インクリメントして(S390)、図11の
既述したステップS270に進む。
【0040】以下に、上記のズレ量演算処理ルーチンを
図16のフローチャートにしたがって説明する。CPU
163は当該ルーチン(図16)を開始すると、まず、
柄間隔誤差Δdnの算出処理(S800)を行なう。柄
間隔誤差Δdnは、ステップS330,S400,S5
00のいずれかの処理で検出された第1検出位置での柄
ズレ量d1nと、柄ズレ量d1nと同時に検出される第
2の検出位置での柄ズレ量d2nとの差として求められ
る。
【0041】次に、柄間隔誤差Δdnの絶対値が0.5
mmより大きいか否かを判断する(S810)。柄間隔
誤差Δdnの絶対値が0.5mm以下であると判断した
場合は、次に、柄間隔誤差補正をしていたか否かを判断
する(ステップS800)。柄間隔誤差補正をしていな
いと判断した場合、上下の加工布87,88に柄間隔誤
差が存在しないとして、「RETURN」に抜け本ルー
チンを一旦終了する。この後、CPU163はメインル
ーチンである柄合わせ制御ルーチン(図12)のステッ
プS380に進み、柄ズレ量d1nに応じてステップモ
ータ55を駆動し、上送り量の変更制御を行なう。そし
て、制御回数Kをインクリメントして(ステップS39
0)、既述したステップS270(図11)に戻る。な
お、上記柄間隔誤差補正については後述する。
【0042】一方、ステップS810において柄間隔誤
差Δdnの絶対値が0.5mmより大きいと判断した場
合、補正すべき柄間隔誤差Δdnが存在するとして、ス
テップS820以降の処理に進む。ステップS820に
おいては、次述する柄間隔誤差補正開始ポイントを算出
したか否かを判断する。算出していない場合には、補正
開始ポイントを算出する(S830)。柄間隔誤差補正
ポイントは、第1検出位置と針落ち間にある距離を考慮
して柄間隔誤差補正を行なうタイミング(遅延時間)を
決定する値である。補正開始ポイントの算出は第1・第
2検出位置の柄ズレ量演算時間、縫製速度、第1検出位
置と針落ち間との距離に基づいて行なわれる。なお、ス
テップS820において柄間隔誤差補正開始ポイントを
算出していると判断した場合は、ステップS830はス
キップする。
【0043】次に、柄間隔誤差補正開始ポイント(遅延
時間)に到達したか否かを判断する(S840)。開始
ポイントに到達するまでは、柄間隔誤差補正を行なうと
決定した加工布の部分が針落下点に到達していないので
あるから、本ルーチンを一旦終了する。
【0044】これに対して、柄間隔誤差補正開始ポイン
トに到達したと判断した場合(S840)、次に、補正
用柄間隔誤差Δdanを算出する(S850)。補正用
柄間隔誤差Δdanは、制御回数kに対応する柄間隔誤
差Δdnと、そのデータより過去2回分遡ったデータで
ある柄間隔誤差Δdn−2,Δdn−1との平均値を求
め、定数αを乗算して得られる。
【0045】次に、第1検出位置での柄ズレ量d1nよ
り上記補正用柄間隔誤差Δdanを減算し、減算した値
を真の柄ズレ量として第1検出位置での柄ズレ量d1n
にセットする(ステップS860)。そして、「RET
URN」に抜けて本ルーチンを一旦終了する。
【0046】以上のようにして柄間隔誤差Δdnの絶対
値が0.5mmより大きい場合は(S810)、真の柄
ズレ量d1nを算出する(S860)。この結果、柄ズ
レ量d1nに応じた上送り量の変更制御(図12:S3
80)が実行される。
【0047】こうして上送り量の変更制御(S380)
を繰り返していくと、柄間隔誤差Δdnが解消していく
。すると、前記ステップS810において柄間隔誤差Δ
dnの絶対値が0.5mm以下と判断するに至る。この
場合、次のステップS870において柄間隔誤差補正を
していたと判断し、続いて、柄間隔補佐補正終了ポイン
トを算出していたか否かを判断する(S880)。はじ
めは柄間隔誤差補正ポイントを算出していないから(S
880)、柄間隔誤差補正終了ポイントを算出する(S
890)。柄間隔誤差補正終了ポイントは、柄間隔誤差
補正開始ポイントと同様に第1検出位置と針落ち間との
距離を考慮するためのもので、柄間隔誤差補正を終了す
るタイミング(遅延時間)を決定する。柄間隔誤差補正
終了ポイントの算出は、第1・第2検出位置の柄ズレ量
演算時間、縫製速度、第1検出位置と針落ち間との距離
に基づいて行なわれる。尚、柄間隔誤差補正終了ポイン
トを算出していたと判断した場合(S880)は、上記
ステップS890の処理をスキップする。
【0048】次に、柄間隔誤差補正終了ポイント(遅延
時間)に到達したか否かを判断し(S900)、到達し
ていない場合は、柄間隔誤差補正を継続するとして、ス
テップS850に移行して、既述したように補正用柄間
隔誤差Δdanを算出すると共に(S850)、真の柄
ズレ量d1nを求める(S860)。したがって、柄間
隔誤差の補正をした真の柄ズレ量d1nを算出しながら
縫製作業が進む。
【0049】こうするうちにステップS900において
柄間隔誤差補正終了ポイントに到達したと判断すると、
柄間隔誤差が存在する部分についての柄合わせ縫製が終
了したとして、本ルーチンを終了し、既述したように柄
ズレ量d1nに応じて上送り量の変更制御(S380)
を実行する。
【0050】以上説明した処理をまとめると、一対の加
工布87,88の各々に対し、送り方向に相前後する第
1検出位置および第2検出位置で同時に加工布87,8
8の柄の位置を検出する。そして、2箇所で検出した柄
の位置情報に基づいて、柄ズレ量d1n,d2nを演算
する(S370)。演算した柄ズレ量d1n,d2nは
、柄という視点からみても各加工布87,88の相対的
な位置関係をほぼ示している。次に、柄ズレ量d1n,
d2nに基づいて、柄間隔誤差Δdnを演算する(S8
00)。柄間隔誤差Δdnは柄ズレ量d1n,d2nの
大きさを違えるから、柄ズレ量d1n,d2nに基づい
て柄間隔誤差Δdnが演算できるのである。そして、演
算した柄間隔誤差Δdnの絶対値が0.5mmより大き
い場合、補正が必要であるとして、補正に適した補正用
柄間隔誤差Δdanを算出する(S850)。次に、補
正用柄間隔誤差Δdanにより真の柄ズレ量d1nを演
算する(S860)。真の柄ズレ量d1nは柄間隔誤差
Δdnの影響を排除した各加工布87,88の真の相対
的な位置関係を示している。この結果、柄間隔誤差Δd
nが大きい場合、柄間隔誤差Δdnの影響を排除した真
の柄ズレ量d1nに基づいて、柄間隔誤差を補正する柄
合わせ縫製が実行される。
【0051】なお、以上説明した構成において、CPU
163が実行する明度演算サブルーチン(図13)が目
印ずれ量演算手段を実現し、ズレ量の演算処理ルーチン
(図16)の主にステップS800,S850の処理が
目印間隔誤差演算手段を実現する。
【0052】次に、適正送り量の検出機能について説明
する。まず、適正送り量を求めようとする一対の生地を
重ね合わせてミシンにセットする。そして、例えば、図
示しない適正送り量検出スイッチの操作などを通して適
正送り量の検出機能の開始を指示する。
【0053】こうして適正送り量の検出機能の開始が指
示されると、CPU163は適正送り量検出処理ルーチ
ン(図15)を起動する。まず、図15に示すように、
適当に送り歯圧や押え圧力を設定して仮決定した上送り
量Aにてミシンを運転する処理を実行する(S600)
。続いて、柄間隔誤差を考慮してズレ量を演算する処理
(S610)を行なう。ここでは、前述したズレ量の演
算処理ルーチン(図16)を実行する。これにより既述
した処理を経て、第1検出位置における一対の加工布ど
うしの柄ズレであって、柄間隔誤差を補正した真の柄ズ
レ量d1nを演算する。次に、演算した真の柄ズレ量d
1nを変数dA1にセットする(S620)。
【0054】この後、10cm縫製するまで待ち(S6
30)、10cm縫製すると、再び柄間隔誤差を考慮し
てズレ量を演算する処理(S640)を行なう。つまり
、前述したズレ量の演算処理ルーチン(図16)を実行
して、10cm縫製後の第1検出位置における一対の加
工布どうしの柄ズレであって、柄間隔誤差を補正した真
の柄ズレ量d1nを演算する。
【0055】次に、ズレ量の変化量dwを演算する(S
650)。ズレの変化量dwは10cm縫製前のズレ量
dA1から、10cm縫製後のズレ量d1nを減算する
ことにより得られる。そして、算出したズレ量の変化量
dwを変数aにセットする(S660)。
【0056】これまでの処理の過程を図21に模式的に
示す。図21は上送り量とズレ量の変化量との関係をグ
ラフにしたものである。以上の処理により上送り量Aで
のズレ量の変化量aが得られる。
【0057】次に、送り歯圧や押え圧力の設定を変えて
、上送り量Aから上送り量Bに変更し、上送り量Bにて
ミシンを運転する処理を実行する(S670)。そして
、柄間隔誤差を考慮してズレ量を演算する処理(S68
0)を行なう。つまり、前述したズレ量の演算処理ルー
チン(図16)を実行する。これにより既述した処理を
経て、上送り量Bという条件での第1検出位置における
一対の加工布どうしの柄ズレであって、柄間隔誤差を補
正した真の柄ズレ量d1nを演算する。次に、演算した
柄ズレ量d1nを変数dB1にセットする(S690)
【0058】この後、所定距離(例えば10cm)縫製
するまで待ち(S700)、10cm縫製すると、再び
柄間隔誤差を考慮してズレ量を演算する処理(S710
)を行なう。そして、前述したズレ量の演算処理ルーチ
ン(図16)の実行により、上送り量Bという条件のも
とで、10cm縫製後の第1検出位置における一対の加
工布どうしの柄ズレであって、柄間隔誤差を補正した真
の柄ズレ量d1nを演算する。次に、ズレ量の変化量d
wを演算する(S720)。ズレの変化量dwは10c
m縫製前のズレ量dB1から、10cm縫製後のズレ量
d1nを減算することで得られる。そして、算出したズ
レの変化量dwを変数bにセットする(S730)。 以上の処理により、今度は図21において、上送り量B
でのズレ量の変化量bが得られる。
【0059】そして、最後に求めた上送り量Aでのズレ
量の変化量aと、上送り量Bでのスレ量の変化量bとを
下式 C=(B・a−A・b)/(a−b) に代入し、ズレ量の変化量dwを値零にする適正送り量
Cを求め(S740)、表示器に適正送り量Cを表示さ
せ、「END」に抜けて本ルーチンを終了する。つまり
、図21に示すように、上送り量Aでのズレ量変化量a
と上送り量Bでのズレ量変化量bとの2点を直線で結ん
だ線上にある、ズレ量変化量dwを値零にする適正上送
り量Cを求める。
【0060】以上説明したように、この柄合わせミシン
によれば、1回の試縫期間のうちに2種の上送り量A,
Bを設定し、2種の上送り量A,Bのもとで発生する真
の柄ズレ量の変化量dwを柄間隔誤差の影響を排除して
検出するから、1回の試縫期間のうちに、真の柄ズレ量
の変化量dwを値零にする精度の高い適正送り量Cを検
出できるという効果を奏する。
【0061】また、この適正送り量Cになるようにミシ
ンの上送り量を初期設定しておき、柄合わせを行えば、
より精度の高い柄合わせが可能となる利点がある。なお
、従来の柄合わせミシンでは上送り量を初期設定する際
に、作業者が経験に基づいてマニュアル設定していたの
で設定値がくるいやすかった。このため従来は設定値の
くるいにより縫い始めの柄ズレが発生しやすいという問
題点があるが、この問題点も上記柄合わせミシンは解消
し得る。
【0062】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、例
えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々なる
態様で実施しえることは勿論である。例えば、本実施例
では1つの加工布に対して2箇所(第1検出位置、第2
検出位置)で柄検出を行なうが、1つの加工布に対して
1つのCCDカラーセンサを準備し、その画像データを
送り方向に相前後する2つの検出領域に分割することで
、2箇所の柄ズレ量情報を同時に算出するようにしても
よい。また、柄ズレ量の算出について、本実施例では明
度演算サブルーチンにより行なう例を説明したが、加工
布の柄の種類に応じて他のモード2(色相の強度変化演
算サブルーチン),モード3(色相の差分演算サブルー
チン)により算出するようにしてもよい。実施例では上
送り量を下送り量に対して変更するがこの逆であっても
よい。加工布の結合は、縫い針による縫目形成機構の外
、リベット止め機構や接着剤を上下の加工布の間に供給
する接着機構がある。
【0063】また、本発明は加工布の柄を検出して柄合
わせ縫製を行なうミシンにのみ限定されるものではなく
、所定の目印が付けられた加工布の目印ずれ量及び目印
間隔誤差を検出して、相対送り量を検出する構成であれ
ばよい。目印としては、加工布上に予め所定間隔毎に織
り込まれた磁性体(この場合、検出手段としては、磁気
センサーが採用される)や、加工布87,88の縁部に
形成された波形縁等の切込がある。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のミシンの適
正送り量検出装置によれば、1回の試縫期間のうちに、
目印間隔誤差の影響を排除した精度の高い適正送り量を
検出できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を例示するブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例としての柄合わせミシンの柄
検出装置柄検出部の斜視図である。
【図3】柄検出装置の投光部および受光部の断面図であ
る。
【図4】電子制御装置のブロック図である。
【図5】柄合わせミシンの機械的構造を示す斜視図であ
る。
【図6】ミシンの縫目形成部及び柄検出部の断面図であ
る。
【図7】検出部を拡大して示す説明図である。
【図8】投受光用ファイバの端面構造を示す断面図であ
る。
【図9】カラーセンサの構成を示す説明図である。
【図10】操作パネルの外観を示す説明図である。
【図11】柄合わせ制御ルーチンの前半部分を示すフロ
ーチャートである。
【図12】柄合わせ制御ルーチンの後半部分を示すフロ
ーチャートである。
【図13】明度演算サブルーチンを示すフローチャート
である。
【図14】割込処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図15】適正送り量検出処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図16】ズレ量演算処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図17】同期信号と針上信号,針下信号との関係およ
び同期信号と送り量との変化を表すグラフである。
【図18】上下の加工布の柄データを平滑化した平滑化
データを示す説明図である。
【図19】平滑化データを微分した微分データを表すグ
ラフである。
【図20】柄ズレ量演算の様子を示すグラフである。
【図21】適正送り量検出の様子を示す説明図である。
【符号の説明】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  所定間隔毎に目印を有する一対の加工
    布を重ね合わせた状態でそれぞれ別個の移送手段により
    所定送り量で移送して1回の試縫期間のうちに前記一対
    の加工布がずれない適正送り量を検出するミシンの適正
    送り量検出装置であって、前記一対の加工布の各々に対
    して、送り方向に相前後する複数箇所で同時に前記目印
    の位置検出を行なう目印位置検出手段と、該複数箇所で
    検出された前記目印の位置情報に基づき、前記複数箇所
    における前記一対の加工布の目印のずれ量を演算する目
    印ずれ量演算手段と、該演算された複数箇所における目
    印ずれ量に基づいて、前記目印の間隔の誤差を演算する
    目印間隔誤差演算手段と、該演算された目印間隔誤差に
    より前記目印ずれ量を補正して真の目印ずれ量を演算す
    る真の目印ずれ量演算手段と、1回の試縫期間のうちに
    前記移送手段による前記一対の加工布の移送にかかる相
    対的な送り量を変化させる相対送り量変化手段と、該相
    対送り量変化手段が相対的な送り量を変化させることに
    より発生した前記真のずれ量の変化量を検出するずれ変
    化量検出手段と、前記相対送り量変化手段が変化させた
    相対的な送り量と前記ずれ変化量検出手段が検出した真
    のずれ量の変化量との関係から前記真のずれ量の変化量
    を略零にする適正送り量を演算する適正送り量演算手段
    とを備えることを特徴とするミシンの適正送り量検出装
    置。
JP1796391A 1991-02-08 1991-02-08 ミシンの適正送り量検出装置 Pending JPH04256774A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103374793A (zh) * 2012-04-19 2013-10-30 中国船舶重工集团公司第七一六研究所 毛毯绷缝自动导料装置

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