JPH04254285A - 砕氷船 - Google Patents
砕氷船Info
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- JPH04254285A JPH04254285A JP3526591A JP3526591A JPH04254285A JP H04254285 A JPH04254285 A JP H04254285A JP 3526591 A JP3526591 A JP 3526591A JP 3526591 A JP3526591 A JP 3526591A JP H04254285 A JPH04254285 A JP H04254285A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は砕氷能力そして氷海航行
性能の向上を図ることのできる砕氷船に関するものであ
る。
性能の向上を図ることのできる砕氷船に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】優れた砕氷船としての条件は、■砕氷に
必要な動力が小さいこと、■砕氷した氷を航路外へ排除
できること、■氷海における旋回・変針、前・後進など
の運動性能がよいことが挙げられているが、これは氷海
での条件であり、さらには他の船舶と同様に通常の航行
において、■平水中においても抵抗が小さく、推進性能
が良いこと、■波浪中においても動揺が小さく、波の衝
撃圧力を受けにくいこと、そして■船体形状が簡潔で一
貫性があり強固な構造を経済的に実現できることが十分
に配慮されなければならない。
必要な動力が小さいこと、■砕氷した氷を航路外へ排除
できること、■氷海における旋回・変針、前・後進など
の運動性能がよいことが挙げられているが、これは氷海
での条件であり、さらには他の船舶と同様に通常の航行
において、■平水中においても抵抗が小さく、推進性能
が良いこと、■波浪中においても動揺が小さく、波の衝
撃圧力を受けにくいこと、そして■船体形状が簡潔で一
貫性があり強固な構造を経済的に実現できることが十分
に配慮されなければならない。
【0003】従来、砕氷船としては、伝統的船型、そし
て近年開発されたスプーンバウ・リーマ付き船型、ティ
ッセン・ワース船型の三種が広く知られている。
て近年開発されたスプーンバウ・リーマ付き船型、ティ
ッセン・ワース船型の三種が広く知られている。
【0004】1970年代以前に建造された砕氷船の殆
ど全て、およびそれ以後に建造された砕氷船の大半は、
図8及び図9に示す第一の種類としての伝統的船型を用
いている。この船型の基本的特徴は図9に見られるよう
なV型の肋骨線形状を有する傾斜船首及び凸レンズ状の
水線形状で構成される丸みを帯びた船体である。
ど全て、およびそれ以後に建造された砕氷船の大半は、
図8及び図9に示す第一の種類としての伝統的船型を用
いている。この船型の基本的特徴は図9に見られるよう
なV型の肋骨線形状を有する傾斜船首及び凸レンズ状の
水線形状で構成される丸みを帯びた船体である。
【0005】図12,図13は、1970年代後半にカ
ナダで建造された第二の種類としてのスプーンバウ・リ
ーマ付き船型(SR船型)であり、船首部船底がスプー
ン状に形成され、肩の部分がリーマと呼ばれ、船体の幅
よりも大きく張り出しており、リーマの縁の部分で曲げ
による砕氷をおこなって幅広い航路を開くことができる
。リーマの部分よりも後方での主船体は概ね箱状であり
、鉛直で前後に直線的な舷側を有する。
ナダで建造された第二の種類としてのスプーンバウ・リ
ーマ付き船型(SR船型)であり、船首部船底がスプー
ン状に形成され、肩の部分がリーマと呼ばれ、船体の幅
よりも大きく張り出しており、リーマの縁の部分で曲げ
による砕氷をおこなって幅広い航路を開くことができる
。リーマの部分よりも後方での主船体は概ね箱状であり
、鉛直で前後に直線的な舷側を有する。
【0006】図14,図15は、1980年代後半にド
イツで開発され、米国特許第4506617号に詳しい
記載のあるティッセン・ワース船型(TW船型)である
。本船型はやや凹んだ船底をもつ箱船状の船首の舷側に
設けたカッターで氷板を剪断しつつ、船首を氷に乗り上
げて砕氷する。この結果、切り取られた長方形の氷片は
図16ないし図19に示されるように船体に沿って一旦
沈められた後、二つに割れ、左右の船型に浮上する。
イツで開発され、米国特許第4506617号に詳しい
記載のあるティッセン・ワース船型(TW船型)である
。本船型はやや凹んだ船底をもつ箱船状の船首の舷側に
設けたカッターで氷板を剪断しつつ、船首を氷に乗り上
げて砕氷する。この結果、切り取られた長方形の氷片は
図16ないし図19に示されるように船体に沿って一旦
沈められた後、二つに割れ、左右の船型に浮上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
船型にあっては、そのいづれもが、或る条件については
優れているが、他については満足していないという状況
にある。
船型にあっては、そのいづれもが、或る条件については
優れているが、他については満足していないという状況
にある。
【0008】先ず、第一の種類として挙げた伝統的船型
は、上記の■,■そして■の条件については比較的満足
すべき水準を達成しているが、それ以外の条件について
は不十分である。この船型は図10に示すように氷板を
鱗状に割りながら前進するが、船の肩の部分では水線付
近の肋骨線が鉛直に近い角度で立っているので氷板が素
直に曲げ破壊を生ぜず圧縮破壊するため、多大の破壊エ
ネルギーを要し、かつ摩擦によって抵抗が増加する。さ
らに船首で割れて沈められた氷片は図11に示すように
肋骨線にそって並び安定的釣り合い状態となるので、浮
上の際に船体から側方へ離れにくい。これらの氷片の多
くは船尾に達し、航路に浮上するが、同時にプロペラに
流入してプロペラを損傷したり、推進効率の低下をもた
らすので頗る有害である。図10には船後の航路の状態
をも示してあるが、航路には沢山の氷片が浮き、航路の
縁はギザギザである。このため砕氷船の作った航路を商
船が辿るとき、円滑な航行ができない。さらにこの船型
は太って丸みを帯びているため、波浪のある海上では動
揺が大きくかつ減衰しにくいので極めて乗り心地が悪い
。
は、上記の■,■そして■の条件については比較的満足
すべき水準を達成しているが、それ以外の条件について
は不十分である。この船型は図10に示すように氷板を
鱗状に割りながら前進するが、船の肩の部分では水線付
近の肋骨線が鉛直に近い角度で立っているので氷板が素
直に曲げ破壊を生ぜず圧縮破壊するため、多大の破壊エ
ネルギーを要し、かつ摩擦によって抵抗が増加する。さ
らに船首で割れて沈められた氷片は図11に示すように
肋骨線にそって並び安定的釣り合い状態となるので、浮
上の際に船体から側方へ離れにくい。これらの氷片の多
くは船尾に達し、航路に浮上するが、同時にプロペラに
流入してプロペラを損傷したり、推進効率の低下をもた
らすので頗る有害である。図10には船後の航路の状態
をも示してあるが、航路には沢山の氷片が浮き、航路の
縁はギザギザである。このため砕氷船の作った航路を商
船が辿るとき、円滑な航行ができない。さらにこの船型
は太って丸みを帯びているため、波浪のある海上では動
揺が大きくかつ減衰しにくいので極めて乗り心地が悪い
。
【0009】次に、第二の種類のスプーンバウ・リーマ
付き船型にあっては、この形状の採用によって肩から船
体中央にかけての氷の圧縮破壊がなくなり摩擦による抵
抗も減少し、船体構造も簡素化できた。また、リーマの
働きにより旋回性能も向上した。しかし反面、後進の際
リーマが氷につかえて動きが妨げられること、平水中で
の抵抗が増加すること、そして伝統船型に比べて改善さ
れたとは言え依然として航路に氷片が相当量残ることな
どの欠点を残している。
付き船型にあっては、この形状の採用によって肩から船
体中央にかけての氷の圧縮破壊がなくなり摩擦による抵
抗も減少し、船体構造も簡素化できた。また、リーマの
働きにより旋回性能も向上した。しかし反面、後進の際
リーマが氷につかえて動きが妨げられること、平水中で
の抵抗が増加すること、そして伝統船型に比べて改善さ
れたとは言え依然として航路に氷片が相当量残ることな
どの欠点を残している。
【0010】さらに、第三の種類としてのティッセン・
ワース船型による砕氷方法は合理的であり、既述の条件
■と■は高い水準で満たされている。しかし、この船首
の形状から容易に推定されるように、波浪の影響を受け
やすく、船体の動揺は大きく不規則となり、正面からの
波を受けるとき激しい衝撃を伴いがちである。凹んだ船
首部の船底は氷の圧力をそのまま受けるため、一様な氷
板を連続的に砕氷しているときは問題無いが、堅い氷塊
が浮遊する流氷海域ではここに損傷を受けることが多く
、これを避けるために外板や肋骨の厚さを増す必要があ
る。
ワース船型による砕氷方法は合理的であり、既述の条件
■と■は高い水準で満たされている。しかし、この船首
の形状から容易に推定されるように、波浪の影響を受け
やすく、船体の動揺は大きく不規則となり、正面からの
波を受けるとき激しい衝撃を伴いがちである。凹んだ船
首部の船底は氷の圧力をそのまま受けるため、一様な氷
板を連続的に砕氷しているときは問題無いが、堅い氷塊
が浮遊する流氷海域ではここに損傷を受けることが多く
、これを避けるために外板や肋骨の厚さを増す必要があ
る。
【0011】本発明は、以上の従来の船型が有していた
問題を解決し、既述の条件の■〜■のいづれをも満足す
る砕氷船を提供することを目的としている。
問題を解決し、既述の条件の■〜■のいづれをも満足す
る砕氷船を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、前後方向に対し直角な面での船底形状が略V字状
の船首をもつ砕氷船において、互いにほぼ平行な鉛直外
面部を両舷側に有し、該鉛直外面部に氷縁切断体を設け
、該氷縁切断体は、上記前後方向に対して直角な面での
断面が縦長な略直方形をなし、上記鉛直外面部に対して
平行な面での断面の底部が下方に突出するような前部傾
斜底面と後部傾斜底面とを有して略三角形をなしており
、該両傾斜底面の外側面寄り稜線部には下方に突出し前
後に延びるエッジ部が設けられていることによって達成
される。
的は、前後方向に対し直角な面での船底形状が略V字状
の船首をもつ砕氷船において、互いにほぼ平行な鉛直外
面部を両舷側に有し、該鉛直外面部に氷縁切断体を設け
、該氷縁切断体は、上記前後方向に対して直角な面での
断面が縦長な略直方形をなし、上記鉛直外面部に対して
平行な面での断面の底部が下方に突出するような前部傾
斜底面と後部傾斜底面とを有して略三角形をなしており
、該両傾斜底面の外側面寄り稜線部には下方に突出し前
後に延びるエッジ部が設けられていることによって達成
される。
【0013】
【作用】かかる本発明にあっては、船首先端部分が氷板
に乗り上げて該氷板を曲げ破壊させると共に、氷縁切断
体部分では前部傾斜底面の進行方向圧力によって剪断と
曲げの作用によって進行方向に氷縁を凹凸の殆どない直
線状に鋭く切断して氷片を形成して行く。
に乗り上げて該氷板を曲げ破壊させると共に、氷縁切断
体部分では前部傾斜底面の進行方向圧力によって剪断と
曲げの作用によって進行方向に氷縁を凹凸の殆どない直
線状に鋭く切断して氷片を形成して行く。
【0014】かかる氷片は船首船底の傾斜面によって押
し沈められるが、その際氷片は側方では氷縁切断体のエ
ッジ部により拘束されるので、側方に拡がることなくそ
のまま沈下し続ける。
し沈められるが、その際氷片は側方では氷縁切断体のエ
ッジ部により拘束されるので、側方に拡がることなくそ
のまま沈下し続ける。
【0015】氷片群は氷縁切断体の最下点を通過、すな
わち前部傾斜面から後部傾斜面の領域に移行すると、エ
ッジ部による拘束はなくなるので、浮力の作用によって
船底勾配に沿って舷側方向に移動し、船体左右の氷板の
下に浮上し滞留する。また、氷縁切断体の進行方向後部
側では低圧部が生ずるために、上述の氷片浮上に伴う側
方への移動はさらに促進される。かくして、氷縁切断体
により後方では、舷側と氷縁との間には、少なくとも上
記氷縁切断体の厚みの分だけ氷板が存在しない海水部分
(開水面)が形成される。
わち前部傾斜面から後部傾斜面の領域に移行すると、エ
ッジ部による拘束はなくなるので、浮力の作用によって
船底勾配に沿って舷側方向に移動し、船体左右の氷板の
下に浮上し滞留する。また、氷縁切断体の進行方向後部
側では低圧部が生ずるために、上述の氷片浮上に伴う側
方への移動はさらに促進される。かくして、氷縁切断体
により後方では、舷側と氷縁との間には、少なくとも上
記氷縁切断体の厚みの分だけ氷板が存在しない海水部分
(開水面)が形成される。
【0016】
【実施例】以下、添付図面の図1〜図8にもとづき本発
明の実施例を説明する。
明の実施例を説明する。
【0017】図1は本実施例の砕氷船の船首側からみた
肋骨線形状をも示す正面図、図2は側面図、図3は水線
形状をも示す底面図である。
肋骨線形状をも示す正面図、図2は側面図、図3は水線
形状をも示す底面図である。
【0018】本実施例の船首部分は図1からも判かるよ
うに、船底が前後方向に対して直角な面での断面形状、
すなわち肋骨線形状が略V字状をなしている。このV字
状はその傾斜には特に限定はない。また、直線状でも、
湾曲していてもよい。また、船首1の前後方向での傾き
は、計画喫水線に対して15〜30度の範囲であって概
ね直線状をなすのが好ましい。船首の水線1Aの形状は
外に凸な弧状をなし、計画喫水線の付近ならびにその下
方計画喫水の50%程度の深さまでほぼ相似な形状を保
っているのがよい。
うに、船底が前後方向に対して直角な面での断面形状、
すなわち肋骨線形状が略V字状をなしている。このV字
状はその傾斜には特に限定はない。また、直線状でも、
湾曲していてもよい。また、船首1の前後方向での傾き
は、計画喫水線に対して15〜30度の範囲であって概
ね直線状をなすのが好ましい。船首の水線1Aの形状は
外に凸な弧状をなし、計画喫水線の付近ならびにその下
方計画喫水の50%程度の深さまでほぼ相似な形状を保
っているのがよい。
【0019】上記船首より後部はその舷側に鉛直外面部
2,2が形成されている。この二つの鉛直外面部2,2
はほぼ平行面をなしているが、多少の傾きをもたせる場
合には、後方に向け両者が近接するようになっているの
がよい。
2,2が形成されている。この二つの鉛直外面部2,2
はほぼ平行面をなしているが、多少の傾きをもたせる場
合には、後方に向け両者が近接するようになっているの
がよい。
【0020】上記二つの鉛直外面部2,2には氷縁切断
体3,3が左右対称に設けられている。該氷縁切断体3
は箱状をなしており、その外形は、前後方向からみた場
合に(図1参照)縦長の直方形をなし、側方からみた場
合に(図2参照)下方に突出した略三角形をなしている
。上記氷縁切断体3の前部傾斜面4と後部傾斜面5の外
側面寄りの稜線部にはエッジ部6が設けられている。 該エッジ部6は上記前部傾斜面4と後部傾斜面の全範囲
にわたって設けられている必要はなく、少なくとも航行
時の水面下に設けられていればよい。また、上記エッジ
部6は下方に向け突出している。なお、エッジ部は上記
氷縁切断体と一体であってもまた別体として形成されて
氷縁切断体に取りつけられるようにしてもよい。
体3,3が左右対称に設けられている。該氷縁切断体3
は箱状をなしており、その外形は、前後方向からみた場
合に(図1参照)縦長の直方形をなし、側方からみた場
合に(図2参照)下方に突出した略三角形をなしている
。上記氷縁切断体3の前部傾斜面4と後部傾斜面5の外
側面寄りの稜線部にはエッジ部6が設けられている。 該エッジ部6は上記前部傾斜面4と後部傾斜面の全範囲
にわたって設けられている必要はなく、少なくとも航行
時の水面下に設けられていればよい。また、上記エッジ
部6は下方に向け突出している。なお、エッジ部は上記
氷縁切断体と一体であってもまた別体として形成されて
氷縁切断体に取りつけられるようにしてもよい。
【0021】次に、かかる本実施例の砕氷船における砕
氷作用について説明する。
氷作用について説明する。
【0022】図4に示すように、船首1の先端から肩(
氷縁切断体3の前端)にかけては船首1により鉛直荷重
を氷板に及ぼすことにより、曲げ破壊を発生させ魚鱗状
の砕氷片を形成するが、氷縁切断体3の前部傾斜面4で
は氷縁切断体3の前進による剪断作用と曲げ破壊の協働
作用によって、進行方向に沿う直線状な氷縁をもつ氷片
を形成する。この協働作用はわずかなエネルギーしか必
要としない。
氷縁切断体3の前端)にかけては船首1により鉛直荷重
を氷板に及ぼすことにより、曲げ破壊を発生させ魚鱗状
の砕氷片を形成するが、氷縁切断体3の前部傾斜面4で
は氷縁切断体3の前進による剪断作用と曲げ破壊の協働
作用によって、進行方向に沿う直線状な氷縁をもつ氷片
を形成する。この協働作用はわずかなエネルギーしか必
要としない。
【0023】このようにしてできた氷片は図5に示され
るように船体の前進と共に船首の船底面に沿って押し沈
められるが、氷片群の側端は氷縁切断体3のエッジ部6
で拘束されるので、氷片群は一定の序列と位置関係を保
ったまま沈下を続ける。氷片群が氷縁切断体3の最下点
を越えたのちは、エッジ部6による拘束が無くなり、浮
力の作用により氷片群は船底勾配に沿って舷側方向に移
動し、やがて船体左右の氷板の下に浮上し滞留する。船
体が前進中であれば氷縁切断体の後部に低圧部が生ずる
ため船底部から船側に向かう水流が生じて、氷片の浮上
運動はさらに促進される。なお、氷縁切断には、氷との
滑走面とエッジ部に水の噴射を行う噴射口を備えれば氷
との摩擦を低減できる。
るように船体の前進と共に船首の船底面に沿って押し沈
められるが、氷片群の側端は氷縁切断体3のエッジ部6
で拘束されるので、氷片群は一定の序列と位置関係を保
ったまま沈下を続ける。氷片群が氷縁切断体3の最下点
を越えたのちは、エッジ部6による拘束が無くなり、浮
力の作用により氷片群は船底勾配に沿って舷側方向に移
動し、やがて船体左右の氷板の下に浮上し滞留する。船
体が前進中であれば氷縁切断体の後部に低圧部が生ずる
ため船底部から船側に向かう水流が生じて、氷片の浮上
運動はさらに促進される。なお、氷縁切断には、氷との
滑走面とエッジ部に水の噴射を行う噴射口を備えれば氷
との摩擦を低減できる。
【0024】このように、実施例の砕氷船が前進しつつ
砕氷をおこなうときには、■比較的小さな抵抗しか受け
ない、■直線状のきれいな氷縁を形成する、■航路に残
留する氷片が少ない、等砕氷船として望ましい効果を達
成できる。さらに、自身が開いた航路を後進する際に、
船側に浮氷や航路の氷縁が迫ってきた場合でも、氷縁切
断体の働きによってこれらを剪断し沈下させることがで
きるため、後進も容易である。
砕氷をおこなうときには、■比較的小さな抵抗しか受け
ない、■直線状のきれいな氷縁を形成する、■航路に残
留する氷片が少ない、等砕氷船として望ましい効果を達
成できる。さらに、自身が開いた航路を後進する際に、
船側に浮氷や航路の氷縁が迫ってきた場合でも、氷縁切
断体の働きによってこれらを剪断し沈下させることがで
きるため、後進も容易である。
【0025】さらに、氷縁切断体の働きによって氷中で
の旋回性能が向上させられるが、それは以下のような仕
組みによる。■氷縁と船体の間に開水面ができるので、
船尾をその分だけ横に振ることができ、同時に氷縁切断
体のエッジ部の作用により、新しい方向に進路を保持す
ることができる。■さらに、、旋回したい方向に船体を
横傾斜させることによって、図6に示すごとく、船首部
の左右に働く氷圧力の不均衡を生じさせ、旋回力として
利用できる。船体が旋回内側に向かって横傾斜すると、
喫水線の形は「傾斜無し」の場合(破線)から「傾斜あ
り」の場合に変化する。そして、旋回内側の船体表面は
一層傾斜を強め、反対側の船体表面は一層立ってくる。 この結果船体が氷から受ける力は、旋回内側が小さ目に
、外側が大き目となって、結局船首を旋回内側に向けよ
うとする。さらに、氷縁切断体のエッジ部は横傾斜によ
って、旋回方向に振られるとともに、内側のエッジ部が
より強く氷に食い込んで旋回をリードする。
の旋回性能が向上させられるが、それは以下のような仕
組みによる。■氷縁と船体の間に開水面ができるので、
船尾をその分だけ横に振ることができ、同時に氷縁切断
体のエッジ部の作用により、新しい方向に進路を保持す
ることができる。■さらに、、旋回したい方向に船体を
横傾斜させることによって、図6に示すごとく、船首部
の左右に働く氷圧力の不均衡を生じさせ、旋回力として
利用できる。船体が旋回内側に向かって横傾斜すると、
喫水線の形は「傾斜無し」の場合(破線)から「傾斜あ
り」の場合に変化する。そして、旋回内側の船体表面は
一層傾斜を強め、反対側の船体表面は一層立ってくる。 この結果船体が氷から受ける力は、旋回内側が小さ目に
、外側が大き目となって、結局船首を旋回内側に向けよ
うとする。さらに、氷縁切断体のエッジ部は横傾斜によ
って、旋回方向に振られるとともに、内側のエッジ部が
より強く氷に食い込んで旋回をリードする。
【0026】次に、氷のない海面における性能であるが
、まず平水中における抵抗に関しては、伝統的船型には
やや劣るが、SR船型、TW船型に対しては優れている
。しかし砕氷船としての任務からは平水中の性能の差は
さして重要ではない。波浪中における動揺は、SR船型
と同等でTW船型よりはすぐれる。伝統的船型は最も揺
れやすい。
、まず平水中における抵抗に関しては、伝統的船型には
やや劣るが、SR船型、TW船型に対しては優れている
。しかし砕氷船としての任務からは平水中の性能の差は
さして重要ではない。波浪中における動揺は、SR船型
と同等でTW船型よりはすぐれる。伝統的船型は最も揺
れやすい。
【0027】本発明の砕氷船は、船体構造・強度の面か
ら見ると、本船型は凸状の船首部を有し、外圧に抗する
に有利であり、極めて単純且つ一貫した形状であるので
、作りやすく強固な構造を経済的に実現できる。また、
その構造にあっては、氷縁切断体を船体に対して取外し
自在あるいは船体内に引込み自在とすることもできるし
、位置そして傾斜を変更自在にすることもできる。 さらには、両氷縁切断体内をバラストタンクとして両者
間で水の移送を行うようにしてもよい。
ら見ると、本船型は凸状の船首部を有し、外圧に抗する
に有利であり、極めて単純且つ一貫した形状であるので
、作りやすく強固な構造を経済的に実現できる。また、
その構造にあっては、氷縁切断体を船体に対して取外し
自在あるいは船体内に引込み自在とすることもできるし
、位置そして傾斜を変更自在にすることもできる。 さらには、両氷縁切断体内をバラストタンクとして両者
間で水の移送を行うようにしてもよい。
【0028】本発明を実施する場合、船首の傾斜角度、
水線形状、氷縁切断体の幅・深さ及び傾斜角ならびにエ
ッジ部の形状をいかに選択して組み合わせるかは、最終
的には模型実験等によって確認し決定することになる。 その理由は、なにが最適かは設計対象となる船の任務・
用途ならびにどのような氷況のもとで砕氷航行を行うか
によって決まるからである。したがって、ここでは定性
的に一般的な応用上の注意ならびに概念的な形状を示す
に留める。
水線形状、氷縁切断体の幅・深さ及び傾斜角ならびにエ
ッジ部の形状をいかに選択して組み合わせるかは、最終
的には模型実験等によって確認し決定することになる。 その理由は、なにが最適かは設計対象となる船の任務・
用途ならびにどのような氷況のもとで砕氷航行を行うか
によって決まるからである。したがって、ここでは定性
的に一般的な応用上の注意ならびに概念的な形状を示す
に留める。
【0029】船首傾斜角は、砕氷船のように大きな砕氷
力を必要とするときは小さな値を採るのがよいが、最小
でも15度程度とするのが賢明である。(あまりに小さ
いと船首部で必要な排水量を確保できなくなる。)氷縁
切断体の前部傾斜面の傾斜角度は船首傾斜角度と等しい
かこれよりやや小さ目とすべきである。これは25度を
越えてはならない。剪断作用はエッジ部を寝かせたとき
のほうが効果的である。
力を必要とするときは小さな値を採るのがよいが、最小
でも15度程度とするのが賢明である。(あまりに小さ
いと船首部で必要な排水量を確保できなくなる。)氷縁
切断体の前部傾斜面の傾斜角度は船首傾斜角度と等しい
かこれよりやや小さ目とすべきである。これは25度を
越えてはならない。剪断作用はエッジ部を寝かせたとき
のほうが効果的である。
【0030】砕氷を専一としない氷海商船や、冬期にの
み砕氷活動を行いその他の期間にはかなりの高速性を発
揮する必要のある巡視船などでは、船首傾斜角は30度
程度まで増加してもよい。また対象海域の氷が薄い場合
も同様である。このようにすると平水中、波浪中の性能
が向上する。
み砕氷活動を行いその他の期間にはかなりの高速性を発
揮する必要のある巡視船などでは、船首傾斜角は30度
程度まで増加してもよい。また対象海域の氷が薄い場合
も同様である。このようにすると平水中、波浪中の性能
が向上する。
【0031】氷縁切断体の大きさは、対象とする氷が厚
いほど大きくし、傾斜角度も緩くすべきである。切断体
の幅は設計氷厚の50〜100%が適当で、狭すぎると
氷縁の直線状切断が実現できないし、広すぎると平水中
・波浪中の性能が悪化する。
いほど大きくし、傾斜角度も緩くすべきである。切断体
の幅は設計氷厚の50〜100%が適当で、狭すぎると
氷縁の直線状切断が実現できないし、広すぎると平水中
・波浪中の性能が悪化する。
【0032】氷が厚いほど、積雪が深いほど、エッジ部
の大きさ・鋭さを増すべきである。
の大きさ・鋭さを増すべきである。
【0033】なお氷縁切断体は、主船体に対して、着脱
できるように、あるいは取り付け角度を変更できるよう
に、あるいはエッジ部の突出量を加減できるようにする
などの実施上の変更が考えられる。
できるように、あるいは取り付け角度を変更できるよう
に、あるいはエッジ部の突出量を加減できるようにする
などの実施上の変更が考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のごとく、氷縁切断体の剪
断作用を伴う砕氷を行うので砕氷時の抵抗が小さくなる
のに加え、舷側には開水面が形成されるので氷縁との接
触もなく航行時の抵抗も小さくなるという効果をもたら
す。さらには、上記開水面が形成されるため、そして船
体の横傾斜時のエッジ部での作用によって旋回性能をも
向上させることができる。
断作用を伴う砕氷を行うので砕氷時の抵抗が小さくなる
のに加え、舷側には開水面が形成されるので氷縁との接
触もなく航行時の抵抗も小さくなるという効果をもたら
す。さらには、上記開水面が形成されるため、そして船
体の横傾斜時のエッジ部での作用によって旋回性能をも
向上させることができる。
【図1】図1は本発明の実施例としての砕氷船の正面図
である。
である。
【図2】図2は図1の砕氷船の側面図である。
【図3】図3は図1の砕氷船の底面図である。
【図4】図4は図1の砕氷船の砕氷中の様子を示す平面
図である。
図である。
【図5】図5は図1の砕氷船の砕氷中の様子を示す正面
図である。
図である。
【図6】図6は図1の砕氷船の旋回時での砕氷中の様子
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図7】図7は図1の砕氷船の旋回時での砕氷中の様子
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図8】図8は第一の従来船の側面図である。
【図9】図9は第一の従来船の正面図である。
【図10】図10は第一の従来船の底面図である。
【図11】図11は第一の従来船の氷の浮上の様子を示
す肋骨線図である。
す肋骨線図である。
【図12】図12は第二の従来船の側面図である。
【図13】図13は第二の従来船の正面図である。
【図14】図14は第三の従来船の側面図である。
【図15】図15は第三の従来船の正面図である。
【図16】図16は第三の従来船の氷片の様子を示す正
面図である。
面図である。
【図17】図17は第三の従来船の氷片の様子を示す正
面図である。
面図である。
【図18】図18は第三の従来船の氷片の様子を示す正
面図である。
面図である。
【図19】図19は第三の従来船の氷片の様子を示す正
面図である。
面図である。
1 船首
2 鉛直外面部
3 氷縁切断体
4 前部傾斜底面
5 後部傾斜底面
6 エッジ部
Claims (6)
- 【請求項1】 前後方向に対し直角な面での船底形状
が略V字状の船首をもつ砕氷船において、互いにほぼ平
行な鉛直外面部を両舷側に有し、該鉛直外面部に氷縁切
断体を設け、該氷縁切断体は、上記前後方向に対して直
角な面での断面が縦長な略直方形をなし、上記鉛直外面
部に対して平行な面での断面の底部が下方に突出するよ
うな前部傾斜底面と後部傾斜底面とを有して略三角形を
なしており、該両傾斜底面の外側面寄り稜線部には下方
に突出し前後に延びるエッジ部が設けられていることを
特徴とする砕氷船。 - 【請求項2】 氷縁切断体は鉛直外面部に対して着脱
自在であることとする請求項1に記載の砕氷船。 - 【請求項3】 氷縁切断体は鉛直外面部での取付位置
及び水平面に対する角度が調整自在であることとする請
求項1に記載の砕氷船。 - 【請求項4】 氷縁切断体は船体へ引込み自在である
こととする請求項1に記載の砕氷船。 - 【請求項5】 両舷側における氷縁切断体は内部がバ
ラストタンクをなし、両者間で水の移送が可能となって
いることとする請求項1に記載の砕氷船。 - 【請求項6】 氷縁切断体は滑走面とエッジに水を噴
射する噴射口を備えていることとする請求項1に記載の
砕氷船。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3526591A JPH04254285A (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 砕氷船 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3526591A JPH04254285A (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 砕氷船 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04254285A true JPH04254285A (ja) | 1992-09-09 |
Family
ID=12436975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3526591A Pending JPH04254285A (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 砕氷船 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04254285A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009514723A (ja) * | 2005-11-08 | 2009-04-09 | モビマール オイ | 氷を破壊する方法、電動船艇、及び、その使用 |
RU2586100C1 (ru) * | 2015-04-06 | 2016-06-10 | Закрытое акционерное общество "Центральный ордена Трудового Красного Знамени научно-исследовательский и проектно-конструкторский институт морского флота" | Ледокольное судно |
JP2016540691A (ja) * | 2013-12-20 | 2016-12-28 | エーカー アークティック テクノロジー インコーポレイテッド | 砕氷船 |
JP2022014381A (ja) * | 2020-07-06 | 2022-01-19 | 協同商船株式会社 | 船舶 |
-
1991
- 1991-02-05 JP JP3526591A patent/JPH04254285A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009514723A (ja) * | 2005-11-08 | 2009-04-09 | モビマール オイ | 氷を破壊する方法、電動船艇、及び、その使用 |
JP2016540691A (ja) * | 2013-12-20 | 2016-12-28 | エーカー アークティック テクノロジー インコーポレイテッド | 砕氷船 |
RU2586100C1 (ru) * | 2015-04-06 | 2016-06-10 | Закрытое акционерное общество "Центральный ордена Трудового Красного Знамени научно-исследовательский и проектно-конструкторский институт морского флота" | Ледокольное судно |
JP2022014381A (ja) * | 2020-07-06 | 2022-01-19 | 協同商船株式会社 | 船舶 |
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