JPH04253594A - アルミニウムブレージングシート - Google Patents
アルミニウムブレージングシートInfo
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
いられるアルミニウムブレージングシートに関するもの
であり、更に詳しくは熱交換器の冷媒通路を形成するパ
イプ等の材料として用いられるアルミニウムブレージン
グシートに関するものである。
カーエアコン、インタークーラー、オイルクーラー等種
々あるが、例えばラジエーターとしては図1に示すよう
な構造のものが用いられている。図1において1はチュ
ーブ、2はフィン、3はヘッダー、4はタンクである。 チューブ1、フィン2およびヘッダー3にはアルミ材料
が用いられており、タンク4は樹脂製のものが多く用い
られている。チューブ1とフィン2とヘッダー3は弗化
物系のフラックスを使用するろう付による接合によって
一体化され、これに樹脂製タンクが機械的接合(かしめ
加工)により取り付けられて、ラジエーターが製造され
る。チューブ材としてはAl−Mn系合金である300
3合金を芯材とし芯材のフィン側(大気側)の面にAl
−Si系合金である4343合金、4045合金などの
ろう材をクラッドし、他の面(冷媒側)にAl−Zn系
合金、Al−Zn−Mg系合金などの犠牲陽極材をクラ
ッドした3層構造のアルミニウムブレージングシートを
電縫加工およびロール成形加工により偏平管としたもの
を用いている。その板厚は0.3〜0.4mmである。 フィン材としては3003合金にZnを添加して犠牲陽
極作用を持たせた材料を使用しており、その肉厚は0.
08〜0.11mmである。またヘッダー材としてはチ
ューブ材と同様に3003合金の芯材の大気側にろう材
をクラッドし、冷媒側に犠牲陽極材をクラッドしたアル
ミニウムブレージングシートが使用されており、その肉
厚は1〜2mmである。
求が強まり、それに対応するために自動車熱交換器の軽
量化も迫られている。そのため各部材の薄肉化が検討さ
れており、アルミニウムブレージングシートも薄肉化の
ために芯材にAl−Mn−Cu系合金、Al−Si−M
g系合金、Al−Si−Mg−Mn系合金など従来のA
l−Mn系合金に比較してより高強度で高耐食性の合金
を採用することが進められている。
ラックスを使用するろう付においては、前記のようなM
gを含有する合金を芯材とするアルミニウムブレージン
グシートはろう付性が不安定である。例えばチューブ材
として用いるブレージングシートでは芯材に0.3wt
%以上のMgを添加すると、ろう付中にMgが芯材から
ろう材中に拡散して行きろう付時に塗布したフラックス
中のFとMgが反応し、チューブ材表面にMgF化合物
を形成し、チューブ材とフィンとのろう付性を著しく劣
化させる。またヘッダーとチューブの接合部においても
同様のろう付不良が起こる場合がある。チューブやフィ
ンなどの板厚が薄い場合には、Mgは前記のようにろう
付不良の原因となるばかりではなく、ろう付中に材料中
から材料表面に拡散して芯材中のMg量が著しく低下す
ることにより、ろう付後の強度の低下をひき起こす。ま
た芯材にCuを添加すると芯材の電位が貴となり、耐孔
食性が向上するが、600℃におけるろう付加熱中にブ
レージングシートの犠牲陽極材側に拡散し、犠牲陽極材
であるAl−Zn合金の電位を貴にして、犠牲陽極作用
を低下させる場合がある。
ジエーターチューブ材として用いるアルミニウムブレー
ジングシートにおいて、芯材からろう材中へのMgの拡
散によるろう付性の低下や、芯材から犠牲陽極材側への
Cuの拡散による犠牲陽極作用の低下を防止し、なおか
つ、ろう付後に高強度を有するアルミニウムブレージン
グシートを開発したものであり、請求項1記載の発明は
、芯材の片面にAl−Si系合金のろう材を、他の面に
Al−Zn系合金、またはAl−Zn−Mg系合金等の
犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウムブレージングシ
ートにおいて、芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側
をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt
%、Mg0.2wt%以下を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi
0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、C
u0.3wt%未満、Mn0.5〜1.5wt%を含有
し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし
たことを特徴とするアルミニウムブレージングシートで
あり、請求項2記載の発明は、芯材の片面にAl−Si
系合金のろう材を、他の面にAl−Zn系合金、または
Al−Zn−Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドした
アルミニウムブレージングシートにおいて、芯材を二層
構造とし、該芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt
%、Cu0.2〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下
を含有し、さらに各々0.05〜0.3wt%のCr、
Zr、Tiのうちの1種または2種以上を含有し、残部
Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽
極材側をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.
0wt%、Cu0.3wt%未満、Mn0.5〜1.5
wt%を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなる
Al合金としたことを特徴とするアルミニウムブレージ
ングシートであり、請求項3記載の発明は、芯材の片面
にAl−Si系合金のろう材を、他の面にAl−Zn系
合金、またはAl−Zn−Mg系合金等の犠牲陽極材を
クラッドしたアルミニウムブレージングシートにおいて
、芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側をMn0.5
〜1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt%、Mg0.
2wt%以下を含有し、残部Alと不可避的不純物とか
らなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1.
0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、Cu0.3wt
%未満、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、さらに各
々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiのうちの
1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避的不純
物とからなるAl合金としたことを特徴とするアルミニ
ウムブレージングシートであり、請求項4記載の発明は
、芯材の片面にAl−Si系合金のろう材を、他の面に
Al−Zn系合金、またはAl−Zn−Mg系合金等の
犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウムブレージングシ
ートにおいて、芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側
をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt
%、Mg0.2wt%以下を含有し、さらに各々0.0
5〜0.3wt%のCr、Zr、Tiのうちの1種また
は2種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物とから
なるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1.0
wt%、Mg0.2〜1.0wt%、Cu0.3wt%
未満、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、さらに各々
0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiのうちの1
種または2種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物
とからなるAl合金としたことを特徴とするアルミニウ
ムブレージングシートである。
側の芯材(以下A材という)にはMgの少ない材料を用
いて、ろう材中へのMgの拡散を少なくしてろう付性の
低下を防止し、犠牲陽極材側の芯材(以下B材という)
にはCuの少ない材料を用いて、犠牲陽極材中へのCu
の拡散を少なくし、犠牲陽極材の犠牲陽極作用の低下を
防止したものである。
由と添加量の限定理由について述べる。A材において、
Mnは強度と耐食性を向上させるために添加するもので
添加量を0.5〜1.5wt%(以下%と略記)とした
のは0.5%未満では効果がなく、1.5%を超えると
塑性加工性が低下するからである。Cuは強度と耐食性
を向上させるために添加するもので、添加量を0.2〜
1.0%としたのは0.2%未満では効果がなく1.0
%を超えると塑性加工性が低下するからである。Mgは
強度向上に効果があるが、0.2%を超えて添加すると
ろう材側に拡散してろう付性を低下させるので0.2%
以下とする。Cr、Zr、Tiはいずれも強度向上に効
果があるがそれぞれ0.05%未満では効果がなく、0
.3%を超えると巨大な化合物を形成して塑性加工性を
低下させる。Fe、Siは3003合金の不純物程度の
添加は良いが少ないほど耐食性は良好となる。B材にお
いて、SiはMgとMg2 Siなる化合物を形成して
、ろう付後の強度向上に効果がある。添加量を0.3〜
1.0%と限定したのは0.3%未満では効果がなく、
1.0%を超えると耐食性が低下するからである。 MgはSiとMg2 Siなる化合物を形成し、ろう付
後の強度向上に効果がある。添加量を0.2〜1.0%
と限定したのは0.2%未満では効果がなく、1.0%
を超えると耐食性が低下するからである。Cuは強度向
上と耐食性向上に効果がある。しかし犠牲陽極材側に拡
散して犠牲陽極材の犠牲陽極効果を低下させるので0.
3%未満に限定する必要がある。Mnは強度と耐食性の
向上に効果がある。0.5%未満では効果がなく、1.
5%を超えると塑性加工性が低下する。Cr、Zr、T
iはいずれも強度向上に効果があるが、それぞれ0.0
5%未満では効果がなく、0.3%を超えると塑性加工
性が低下する。Feは3003合金の不純物程度の添加
はよいが、少ないほど強度耐食性は良好となる。
おいて、ろう材、犠牲陽極材のクラッド率は各々3〜1
5%程度が適当であり、芯材のA材とB材のクラッド比
率は特に限定する必要はないが、ろう付性、大気側の耐
食性を重視する場合にはA材の比率を高くし、強度を重
視する場合にはB材の比率を高くするのが良い。
極材側芯材14種および3003合金を金型鋳造により
鋳造して各々両面面削して20mm厚に仕上げた。ろう
材は4343合金を用い、犠牲陽極材はAl−1%Zn
−0.5%Mg合金をを用いいずれも芯材と同様に鋳造
し、面削後、熱間圧延により5mm厚とした。ろう材、
ろう材側芯材、犠牲陽極材側芯材、犠牲陽極材の4枚を
この順に重ね合わせ、500℃にて熱間圧延により4層
のクラッド材とした。その後冷間圧延により0.35m
m厚とし、330℃×2hrの中間焼鈍を入れて最終的
には0.25mm厚にまで冷間圧延し、H14材の試料
とした。 これらの試料について、強度、ろう付性、耐食性を以下
の方法で測定した。 強度 600℃×10minのろう付加熱後
、100℃/minの冷却速度で冷却し、その後室温に
4日間放置した後引張強さを測定した。 ろう付性 0.1mm厚の3003合金のフィン材を
コルゲート加工したものと、本試料とを図2に示すよう
に組み合せてコアとし、これを3%の弗化物系フラック
ス水溶液中に浸漬してフラックスを塗布し、200℃で
乾燥後、不活性ガス中で600℃×3minのろう付加
熱を行い、フィンの接合率を測定した。 耐食性 大気側:上記ろう付加熱コアを使用し、犠牲陽極材側を
シールし、キャス300Hrの腐食試験を行い、試料に
発生する最大孔食深さを測定した。 冷媒側:強度測定用の試料と同様のろう付加熱を施した
後ろう材側及び端面をシールしてCl− 195ppm
、Fe3+30ppm、SO42+ 60ppm、Cu
2+1ppmを含む88℃の高温水中で8Hr、室温放
置16Hrのサイクル浸漬テストを3ヶ月間行い試料に
生じた最大孔食深さを測定した。以上の測定結果を表3
,4に示す。
o1〜20はろう付後の強度が17kgf/mm2 以
上と3003合金を芯材とした従来例No30よりも高
く、接合率は90%以上と優れ、耐食性も良好である。 これに対し比較例No21、22、24、25、26は
強度が低く、比較例No23はろう付性が劣り、比較例
No27は冷媒側の耐食性が若干劣り、いずれも問題が
ある。また芯材を単層とした従来例No28、29は前
者は強度が低く、後者はろう付性が悪く、大気側の耐食
性も悪い。さらに芯材が3003合金単層である従来例
No30は強度が低い。
の強度が高く、大気側、冷媒側両面の耐食性が良好で、
かつろう付性も良いアルミニウムブレージングシートが
得られるもので熱交換器部材の薄肉化が可能となり、自
動車の軽量化に対して顕著な効果を奏するものである。
判定するためのろう付加熱コアを示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲
陽極材側をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1
.0wt%、Cu0.3wt%未満、Mn0.5〜1.
5wt%を含有し、残部Alと不可避的不純物とからな
るAl合金としたことを特徴とするアルミニウムブレー
ジングシート。 - 【請求項2】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、さ
らに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiの
うちの1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi
0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、C
u0.3wt%未満、Mn0.5〜1.5wt%を含有
し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし
たことを特徴とするアルミニウムブレージングシート。 - 【請求項3】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲
陽極材側をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1
.0wt%、Cu0.3wt%未満、Mn0.5〜1.
5wt%を含有し、さらに各々0.05〜0.3wt%
のCr、Zr、Tiのうちの1種または2種以上を含有
し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし
たことを特徴とするアルミニウムブレージングシート。 - 【請求項4】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、さ
らに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiの
うちの1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi
0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、C
u0.3wt%未満、Mn0.5〜1.5wt%を含有
し、さらに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、
Tiのうちの1種または2種以上を含有し、残部Alと
不可避的不純物とからなるAl合金としたことを特徴と
するアルミニウムブレージングシート。
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JP2813484B2 JP2813484B2 (ja) | 1998-10-22 |
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ID=12361060
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