JPH04318142A - アルミニウムブレージングシート - Google Patents
アルミニウムブレージングシートInfo
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
いられるアルミニウムブレージングシートに関するもの
であり、更に詳しくは熱交換器の冷媒通路を形成するパ
イプ等の材料として用いられるアルミニウムブレージン
グシートに関するものである。
カーエアコン、インタークーラー、オイルクーラー等種
々あるが、例えばラジエーターとしては図1に示すよう
な構造のものが用いられている。図1において1はチュ
ーブ、2はフィン、3はヘッダー、4はタンクである。 チューブ1、フィン2およびヘッダー3にはアルミ材料
が用いられており、タンク4は樹脂製のものが多く用い
られている。チューブ1とフィン2とヘッダー3は弗化
物系のフラックスを使用するろう付による接合によって
一体化され、これに樹脂製タンクが機械的接合(かしめ
加工)により取り付けられて、ラジエーターが製造され
る。チューブ材としてはAl−Mn系合金である300
3合金を芯材とし芯材のフィン側(大気側)の面にAl
−Si系合金である4343合金、4045合金などの
ろう材をクラッドし、他の面(冷媒側)にAl−Zn系
合金、Al−Zn−Mg系合金などの犠牲陽極材をクラ
ッドした3層構造のアルミニウムブレージングシートを
電縫加工およびロール成形加工により偏平管としたもの
を用いている。その板厚は0.3〜0.4mmである。 フィン材としては3003合金にZnを添加して犠牲陽
極作用を持たせた材料を使用しており、その肉厚は0.
08〜0.11mmである。またヘッダー材としてはチ
ューブ材と同様に3003合金の芯材の大気側にろう材
をクラッドし、冷媒側に犠牲陽極材をクラッドしたアル
ミニウムブレージングシートが使用されており、その肉
厚は1〜2mmである。
求が強まり、それに対応するために自動車熱交換器の軽
量化も迫られている。そのため各部材の薄肉化が検討さ
れており、アルミニウムブレージングシートも薄肉化の
ために芯材にAl−Mn−Cu系合金、Al−Si−M
g系合金、Al−Si−Mg−Mn系合金など従来のA
l−Mn系合金に比較してより高強度で高耐食性の合金
を採用することが進められている。
ラックスを使用するろう付においては、前記のようなM
gを含有する合金を芯材とするアルミニウムブレージン
グシートはろう付性が不安定である。例えばチューブ材
として用いるブレージングシートでは芯材に0.3wt
%以上のMgを添加すると、ろう付中にMgが芯材から
ろう材中に拡散して行きろう付時に塗布したフラックス
中のFとMgが反応し、チューブ材表面にMgF化合物
を形成し、チューブ材とフィンとのろう付性を著しく劣
化させる。またヘッダーとチューブの接合部においても
同様のろう付不良が起こる場合がある。チューブやフィ
ンなどの板厚が薄い場合には、Mgは前記のようにろう
付不良の原因となるばかりではなく、ろう付中に材料中
から材料表面に拡散して芯材中のMg量が著しく低下す
ることにより、ろう付後の強度の低下をひき起こす。
ジエーターチューブ材として用いるアルミニウムブレー
ジングシートにおいて、芯材からろう材中へのMgの拡
散によるろう付性の低下を防止し、なおかつ、ろう付後
に高強度を有するアルミニウムブレージングシートを開
発したものであり、請求項1記載の発明は、芯材の片面
にAl−Si系合金のろう材を、他の面にAl−Zn系
合金、またはAl−Zn−Mg系合金等の犠牲陽極材を
クラッドしたアルミニウムブレージングシートにおいて
、芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側をMn0.5
〜1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt%、Si0.
3〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲
陽極材側をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1
.0wt%、Cu0.3〜1.0wt%、Mn0.5〜
1.5wt%を含有し、残部Alと不可避的不純物とか
らなるAl合金としたことを特徴とするアルミニウムブ
レージングシートであり、請求項2記載の発明は、芯材
の片面にAl−Si系合金のろう材を、他の面にAl−
Zn系合金、またはAl−Zn−Mg系合金等の犠牲陽
極材をクラッドしたアルミニウムブレージングシートに
おいて、芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側をMn
0.5〜1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt%、S
i0.3〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有
し、さらに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、
Tiのうちの1種または2種以上を含有し、残部Alと
不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽極材側
をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.0wt
%、Cu0.3〜1.0wt%、Mn0.5〜1.5w
t%を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるA
l合金としたことを特徴とするアルミニウムブレージン
グシートであり、請求項3記載の発明は、芯材の片面に
Al−Si系合金のろう材を、他の面にAl−Zn系合
金、またはAl−Zn−Mg系合金等の犠牲陽極材をク
ラッドしたアルミニウムブレージングシートにおいて、
芯材を二層構造とし、該芯材のろう材側をMn0.5〜
1.5wt%、Cu0.2〜1.0wt%、Si0.3
〜1.0wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、残部
Alと不可避的不純物とからなるAl合金とし、犠牲陽
極材側をSi0.3〜1.0wt%、Mg0.2〜1.
0wt%、Cu0.3〜1.0wt%、Mn0.5〜1
.5wt%を含有し、さらに各々0.05〜0.3wt
%のCr、Zr、Tiのうちの1種または2種以上を含
有し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合金と
したことを特徴とするアルミニウムブレージングシート
であり、請求項4記載の発明は、芯材の片面にAl−S
i系合金のろう材を、他の面にAl−Zn系合金、また
はAl−Zn−Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドし
たアルミニウムブレージングシートにおいて、芯材を二
層構造とし、該芯材のろう材側をMn0.5〜1.5w
t%、Cu0.2〜1.0wt%、Si0.3〜1.0
wt%、Mg0.2wt%以下を含有し、さらに各々0
.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiのうちの1種
または2種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物と
からなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1
.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、Cu0.3〜
1.0wt%、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、さ
らに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiの
うちの1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金としたことを特徴とするア
ルミニウムブレージングシートである。
側の芯材(以下A材という)にはMgの少ない材料を用
いて、ろう材中へのMgの拡散を少なくしてろう付性の
低下を防止し、犠牲陽極材側の芯材(以下B材という)
にはCu、Mgを含有する材料を用いて、強度と耐食性
を改善したものである。
由と添加量の限定理由について述べる。A材において、
Mnは強度と耐食性を向上させるために添加するもので
添加量を0.5〜1.5wt%(以下%と略記)とした
のは0.5%未満では効果がなく、1.5%を超えると
塑性加工性が低下するからである。Cuは強度と耐食性
を向上させるために添加するもので、添加量を0.2〜
1.0%としたのは0.2%未満では効果がなく1.0
%を超えると塑性加工性が低下するからである。Siは
MgとMg2 Siなる化合物を形成しろう付後の強度
向上に効果がある。0.3%未満では効果が小さく、1
.0%を超えると耐食性、塑性加工性が低下する。本発
明ではB材中のMgをA材中にろう付加熱時に拡散させ
て、A材中のSiとMg2 Siを形成させ強度向上に
させるものである。Mgは強度向上に効果があるが、0
.2%を超えて添加するとろう材側に拡散してろう付性
を低下させるので0.2%以下とする。Cr、Zr、T
iはいずれも強度向上に効果があるがそれぞれ0.05
%未満では効果がなく、0.3%を超えると巨大な化合
物を形成して塑性加工性を低下させる。Feは3003
合金の不純物程度の添加は良いが少ないほど耐食性は良
好となる。B材において、SiはMgとMg2 Siな
る化合物を形成して、ろう付後の強度向上に効果がある
。添加量を0.3〜1.0%と限定したのは0.3%未
満では効果がなく、1.0%を超えると耐食性が低下す
るからである。MgはSiとMg2 Siなる化合物を
形成し、ろう付後の強度向上に効果がある。添加量を0
.2〜1.0%と限定したのは0.2%未満では効果が
なく、1.0%を超えると耐食性が低下するからである
。 Cuは強度向上と耐食性向上に効果がある。添加量を0
.3〜1.0%と限定したのは0.3%未満では効果が
なく、1.0%を超えると塑性加工性が悪くなるからで
ある。Mnは強度と耐食性の向上に効果がある。0.5
%未満では効果がなく、1.5%を超えると塑性加工性
が低下する。Cr、Zr、Tiはいずれも強度向上に効
果があるが、それぞれ0.05%未満では効果がなく、
0.3%を超えると塑性加工性が低下する。Feは30
03合金の不純物程度の添加はよいが、少ないほど強度
耐食性は良好となる。
おいて、ろう材、犠牲陽極材のクラッド率は各々3〜1
5%程度が適当であり、芯材のA材とB材のクラッド比
率は特に限定する必要はないが、ろう付性、大気側の耐
食性を重視する場合にはA材の比率を高くし、強度を重
視する場合にはB材の比率を高くするのが良い。また、
B材にはCuが添加されているため、ろう付加熱時に犠
牲陽極材方向へCuが拡散し、犠牲陽極材の効果を減少
させるため、犠牲陽極材としては例えばZn1.5%、
Mg0.5%程度含んだ充分電位の卑な合金を使用する
のが良い。
極材側芯材15種および3003合金を金型鋳造により
鋳造して各々両面面削して20mm厚に仕上げた。ろう
材は4343合金を用い、犠牲陽極材はAl−1.5%
Zn−0.5%Mg合金をを用いいずれも芯材と同様に
鋳造し、面削後、熱間圧延により5mm厚とした。ろう
材、ろう材側芯材、犠牲陽極材側芯材、犠牲陽極材の4
枚をこの順に重ね合わせ、500℃にて熱間圧延により
4層のクラッド材とした。その後冷間圧延により0.3
5mm厚とし、330℃×2hrの中間焼鈍を入れて最
終的には0.25mm厚にまで冷間圧延し、H14材の
試料とした。これらの試料について、強度、ろう付性、
耐食性を以下の方法で測定した。 強度 600℃×10minのろう付加熱後
、100℃/minの冷却速度で冷却し、その後室温に
4日間放置した後引張強さを測定した。 ろう付性 0.1mm厚の3003合金のフィン材を
コルゲート加工したものと、本試料とを図2に示すよう
に組み合せてコアとし、これを3%の弗化物系フラック
ス水溶液中に浸漬してフラックスを塗布し、200℃で
乾燥後、不活性ガス中で600℃×3minのろう付加
熱を行い、フィンの接合率を測定した。 耐食性 大気側:上記ろう付加熱コアを使用し、犠牲陽極材側及
び端面をシールし、キャス300Hrの腐食試験を行い
、試料に発生する最大孔食深さを測定した。 冷媒側:強度測定用の試料と同様のろう付加熱を施した
後ろう材側及び端面をシールしてCl− 195ppm
、Fe3+30ppm、SO42+ 60ppm、Cu
2+1ppmを含む88℃の高温水中で8Hr、室温放
置16Hrのサイクル浸漬テストを3ヶ月間行い試料に
生じた最大孔食深さを測定した。以上の測定結果を表3
,4に示す。
o.1〜19はろう付後の強度が18.5kgf /m
m2 以上と3003合金を芯材とした従来例No.3
0よりも高く、接合率は90%以上と優れ、耐食性も良
好である。 これに対し比較例No.20、21、23、24、25
、26、27は強度が低く、比較例No.22はろう付
性が劣り、いずれも問題がある。また芯材を単層とした
従来例No.28、29は前者は強度が低く、後者はろ
う付性が悪く、大気側の耐食性も悪い。さらに芯材が3
003合金単層である従来例No.31は強度が低い。
の強度が高く、大気側、冷媒側両面の耐食性が良好で、
かつろう付性も良いアルミニウムブレージングシートが
得られるもので熱交換器部材の薄肉化が可能となり、自
動車の軽量化に対して顕著な効果を奏するものである。
判定するためのろう付加熱コアを示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Si0.3〜1.0wt%、Mg0
.2wt%以下を含有し、残部Alと不可避的不純物と
からなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1
.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、Cu0.3〜
1.0wt%、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金としたこと
を特徴とするアルミニウムブレージングシート。 - 【請求項2】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Si0.3〜1.0wt%、Mg0
.2wt%以下を含有し、さらに各々0.05〜0.3
wt%のCr、Zr、Tiのうちの1種または2種以上
を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合
金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1.0wt%、M
g0.2〜1.0wt%、Cu0.3〜1.0wt%、
Mn0.5〜1.5wt%を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金としたことを特徴とするア
ルミニウムブレージングシート。 - 【請求項3】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Si0.3〜1.0wt%、Mg0
.2wt%以下を含有し、残部Alと不可避的不純物と
からなるAl合金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1
.0wt%、Mg0.2〜1.0wt%、Cu0.3〜
1.0wt%、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、さ
らに各々0.05〜0.3wt%のCr、Zr、Tiの
うちの1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避
的不純物とからなるAl合金としたことを特徴とするア
ルミニウムブレージングシート。 - 【請求項4】 芯材の片面にAl−Si系合金のろう
材を、他の面にAl−Zn系合金、またはAl−Zn−
Mg系合金等の犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム
ブレージングシートにおいて、芯材を二層構造とし、該
芯材のろう材側をMn0.5〜1.5wt%、Cu0.
2〜1.0wt%、Si0.3〜1.0wt%、Mg0
.2wt%以下を含有し、さらに各々0.05〜0.3
wt%のCr、Zr、Tiのうちの1種または2種以上
を含有し、残部Alと不可避的不純物とからなるAl合
金とし、犠牲陽極材側をSi0.3〜1.0wt%、M
g0.2〜1.0wt%、Cu0.3〜1.0wt%、
Mn0.5〜1.5wt%を含有し、さらに各々0.0
5〜0.3wt%のCr、Zr、Tiのうちの1種また
は2種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物とから
なるAl合金としたことを特徴とするアルミニウムブレ
ージングシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3112548A JP2813492B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | アルミニウムブレージングシート |
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JP3112548A JP2813492B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | アルミニウムブレージングシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04318142A true JPH04318142A (ja) | 1992-11-09 |
JP2813492B2 JP2813492B2 (ja) | 1998-10-22 |
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ID=14589417
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3112548A Expired - Fee Related JP2813492B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | アルミニウムブレージングシート |
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JP (1) | JP2813492B2 (ja) |
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- 1991-04-16 JP JP3112548A patent/JP2813492B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2813492B2 (ja) | 1998-10-22 |
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