JPH0424995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、キヤビネツト上に載置されたり、あ
るいは、キヤビネツト内に収納された状態で使用
されるOA機器、電話機等のコード類挿通装置に
関するものである。

《従来の技術と問題点》 従来、上記装置はキヤビネツトの後板にコード
導入孔を形成し、コード導入孔から導かれたコー
ドと、キヤビネツト内の機器を接続するか、単に
外部から導いたコードとキヤビネツト上の機器を
接続するかしていた。

この為、前者の場合、キヤビネツト後板が見え
る場所にキヤビネツトを設置すると後板からでた
コードが露出する事、又、コード導入孔が見える
事等、美観上好ましくなく、キヤビネツトの設置
場所が限定される欠点があつた。

又、後者の場合、コードがキヤビネツト上から
垂れ下がるので、美観上問題があるだけでなく、
垂れ下がつたコードに足をひつかける等安全性の
面でも問題があつた。

《本考案の目的と構成》 本考案は、美観上も、安全性の面でもすぐれ、
しかも、キヤビネツトの外観に影響を与える事が
なく、又、キヤビネツトにもうけた抽斗が摺動す
る時も何ら影響を受けず、配線作業も簡単で、キ
ヤビネツトの設置場所も限定される事がない、キ
ヤビネツトにおけるコード類挿通装置を提供する
事を目的とし、その構成は、底板のコード導入孔
と水平方向の全幅にわたるコード挿通路と、上下
方向の配線空間と、配線空間を隠蔽する着脱自在
な複数個の配線カバーと、配線空間の上端部に近
接してコード導出部を有するものである。

《実施例》 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は本考案を具備したキヤビネツトの斜視
図を示し、１，１は左右の脚パネル、２は脚パネ
ル１，１の上端間に左右端部が連結された天板、
３，３は脚パネル１，１と連結された左右側板、
４は左右端部が左右側板３，３の上端と、上面が
天板２と連結された前框、後は左右端部が左右側
板３，３の下端と連結された底板、６（第１図等
に示す）は、上端が天板２の後端部裏面と、左右
端部が左右側板３，３の後端部と、下端部が底板
５の後端部と連結された後板、７，７は側板３，
３間に前後に摺動自在にとりつけられた抽斗であ
る。

脚パネル１は、周端部に、外面が開口するコー
ド挿通溝１２と、該コード挿通溝１２の開口を着
脱自在に閉塞する飾縁１１と、下端部内面に形成
された上記コード挿通溝１２に臨むコード受入口
１０と、飾縁１１の上面後端部に形成されたコー
ド取出部１３，１３を有している。

天板２は下面に複数個の天板補強材２１・・・
を有し、一方の脚パネル１の前記コード取出部１
３に近接してコード導出部２２が形成されてい
る。

コード導出部２２は実施例では天板の左側にコ
ンセント２３と、右側にコード挿通用キヤツプ部
２４を有しており、コンセント２３は、天板２の
上面に差込口を臨ませて、天板２の下面に適宜手
段でとりつけられ、下面がコンセントカバー２５
にて隠蔽されている。

すなわち、コンセントカバー２５は第８図に示
す如く、底片２５１、左右側片２５２，２５２、
取付突片２５３、載置段部２５４を有する後方突
片２５５からなり、左右側片２５２，２５２、取
付突片２５３、載置段部２５４を有する後方突片
２５５からなり、左右側片２５２，２５２の後端
部にコード通し孔２５６，２５６がもうけられ、
前記コンセント２３の下方で載置段部２５４が後
板６の上片６１の前端部に載置され、取付突片２
５３が、中央前側の天板補強材２１の下面にネジ
止めされてとりつけられ、コンセント２３の下方
を隠蔽する。

コード挿通用キヤツプ部２４は第９図に示す如
く、天板２に形成されたキヤツプ取付孔２６にと
りつけられる合成樹脂製の保持ケース２７と、該
保持ケース２７に着脱自在に保持される合成樹脂
製のメインキヤツプ２８より構成されている。

保持ケース２７は、鍔部２７１、周壁２７２、
周壁２７２の長手側に形成された係止突部２７
３・・・、保持突部２７４，２７４、メインキヤ
ツプ支持突片２７５，２７５、及び仮ストツパー
段部２７６等より構成されている。

そして、メインキヤツプ２８は、第１切離し細
溝２８１に囲まれた第１サブキヤツプ２８２、第
１サブキヤツプ２８２内で、２つの第２切離し細
溝２８３，２８３にて囲まれた第２サブキヤツプ
２８４，２８４、前記保持突部２７４，２７４に
回転自在に係合する係合凹部２８５，２８５を有
する取付突部２８６、２８６と、前記仮ストツパ
ー段部２７６に当接する仮ストツパー突部２８７
が先端に形成された垂下突片２８８等より構成さ
れている。

そして、保持ケース２７は、キヤツプ取付孔２
６に嵌入して、キヤツプ取付孔２６の周端縁に係
止突部２７３・・・を係止してとりつけられる。

次に、保持ケース２７内を挿通するコードの太
さに応じて、第１サブキヤツプ２８２、あるい
は、第２サブキヤツプ２８４、２８４を、それぞ
れの切離し細溝２８１，２８３，２８３から切離
して、所定の切り欠きを形成した後、メインキヤ
ツプ２８の係合凹部２８５，２８５を保持突部２
７４、２７４に係合し、コードを上記切り欠きに
挿通させた状態でメインキヤツプ２８を、メイン
キヤツプ支持突片２７５，２７５、保持突部２７
４，２７４等にて保持する。

一方、メインキヤツプ２８を取り外す場合は、
メインキヤツプ２８の垂下突片２８８の上面を下
方に、やや強く押し込み、メインキヤツプ２８を
回転させて他方側を浮き上がらせ、これに指先を
ひつかける様にして取り外す。

側板３は、（左右側板３，３は対向した同形を
なしているので、一方の側板３についてのみ説明
する。）その内面に、前後方向に所定間隔を有し、
所定厚みの側板前後補強材３１，３２がとりつけ
られ、側板後補強材３２と、後板６間に上下方向
の配線空間３０が形成され、配線空間３０の下端
部に前記脚パネル１のコード受入口１０に対応し
て、コード取出孔３３がもうけられ、配線空間３
０の所定箇所には複数個の配線カバー８が着脱自
在にとりつけられている。

側板前後補強材３１，３２は内面側の、上下方
向に所定間隔を有して、抽斗７，７を前後に摺動
自在に支持するレール受け材７０・・・（第１図、
第５図仮想線で示す。）の取付孔７１・・・が形
成され、側板後補強材３２の後端部には配線カバ
ー８を着脱自在に取りつける為の内向き係止片３
２１が上下方向にわたつて形成されている。

配線カバー８は、その高さ寸法が、レール受け
材７０、７０間寸法L₁よりもやや小さく、その
厚み寸法はレール受け材７０と側板３の内面間寸
法L₂よりやや小さく形成され、前端の上下方向
に、前記側板後補強材３２の内向き係止片３２１
に係止される係止凹部８１を有し、後端部に配線
カバー８が回動した際、後板６に衝突しない様、
所定の角度をもつて側板３の前方向に折り曲げら
れた後突片８２を有し、コードの後方移動を防止
している。

８３は、コード挿通路５０、側板３のコード取
出孔３３に対応して形成された切り欠きである。

底板５は、後端上部に左右方向全幅にわたるコ
ード挿通路５０を有し、前端部下面に底板前補強
材５１がとりつけられ、後端部下面には底板後補
強材５２がもうけられている。

そして、底板後補強材５２と底板５の後端部の
水平方向所定数箇所には上下方向に連通するコー
ド導入孔５３・・・が複数個形成されている。

５４・・・は底板前後補強板５１，５２の左右
端部下面にもうけられたアジヤスターで、床面と
底板５間にコード通過用の所定間隙を形成してい
る。

コード挿通路５０は、前記側板３のコード取出
孔３３に対応した高さ位置で、底板５の後端部が
上向き略コ字形に折り曲げられた仕切板５０１
と、仕切板５０１の前端が上方に折り曲げられた
上向き仕切突片５０２と、後板６より上下２段に
構成されている。

そして、前記コード導入孔５３・・・に近接す
る箇所に、上向き突片５０２と、仕切板５０１の
一部が切り欠かれたコード導入用切り欠き５
５・・・がもうけられている。

９は断面略下向きＵ字形で、上向き仕切突片５
０２に外嵌する嵌合溝９１を有するコード隔離板
で、コード挿通路５０の約１／３程度の長さを有
し、下側のコード挿通路５０内のコードが底板５
上を移動するのを防止している。

本考案は、以上の如く構成され、抽斗７，７が
抜き出された状態で底板５の下方に導かれた通信
線、信号線、電源線を所定のコード導入孔５
３・・・よりキヤビネツト内に導き、それぞれの
線の電力差が干渉しない様に、下側のコード挿通
路５０、及びコード導入用切り欠き５５・・・か
ら上側のコード挿通路５０に分離して導き、さら
に必要に応じて左右方向に分かれてコード挿通路
５０内をわたし、次に左右の配線空間３０の上部
より、コード挿通用キヤツプ部２４から天板２上
に導いたり、あるいは、コンセント２３と接続し
て天板２の上面に臨ませたり、さらには、側板３
のコード取出孔３３から脚パネル１のコード受入
口１０、及びコード挿通溝を挿通してコード取出
部１３からキヤビネツト上に導く。

次に、必要数のコード隔離板９を上向き仕切突
片５０２にとりつけてコード挿通路５０の下側の
コード移動を防止する。

次に、配線カバー８をレール受け材７０，７０
間に位置せしめ、第４図仮想線に示す様、係止凹
部８１を側板後補強材３２に係止した後、側板３
側に回動して、レール受け材７０と側板３間に位
置せしめて上方に移動し、この状態を維持しなが
ら、他の配線カバー８を上記と同様にして、所定
数を取付けた後、全体を下方にずらせる。

これによつて配線カバー８は第１図に示す箇所
に位置し、側板後補強材３２、レール受け材７０
によつて支持され、キヤビネツト内にたおれる事
なく、配線空間３０に配線されたコードを隠蔽す
ると共に、最上部の配線カバー８の上端と、キヤ
ビエツト上端間に取り外し用移動間隔100が形成
され、この部分から配線空間３０内のコードはコ
ード導出部２２に導かれる。

尚、実施例では、コード導出部２２を左側にコ
ンセント２３、及び右側にコード挿通用キヤツプ
部２４をもうけて構成しているが、その逆であつ
ても、又、両方ともコード挿通用キヤツプ部２４
であつてもよく、単なるコード挿通用の孔であつ
てもよい。

《効果》 本考案は以上の如く、底板にコード導入孔を形
成し、このコード導入孔に近接してコード挿通路
を左右方向全幅にわたつて形成し、コード挿通路
の両端部に近接して上下方向に配線空間を形成
し、この配線空間の少なくともいずれか一方の上
端部に近接してキヤビネツト上面にコード導出部
を形成しているので、床面から導かれたコードが
キヤビネツト内部に手軽に配線でき、又、強電線
と弱電線を左右方向に分離して配線し、天板上に
取り出す事ができるので、機器に悪影響を及ぼす
ことなく、さらに配線空間に配線カバーを着脱自
在にもうけ、コードを配線空間内に隠蔽している
ので、コードがキヤビネツト内部に垂れ下がつ
て、抽斗の摺動に悪影響を与えることもない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は本考案の
要部縦断面図、第２図は本考案を具備したキヤビ
ネツトの斜視図、第３図は脚パネルの要部分解斜
視図、第４図は脚パネルの飾縁の取付状態を示す
断面図、第５図は本考案の要部分解斜視図、第６
図は第１図のＡ−Ａ線拡大断面図、第７図は第１
図のＢ部拡大図、第８図はコンセントカバーの斜
視図、第９図はコード挿通用キヤツプ部の斜視図
である。 １……脚パネル、２……天板、２２……コード
導出部、３……側板、３０……配線空間、５……
底板、５０……コード挿通路、５３……コード導
入孔、８……配線カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板の後端部に形成されたコード導入孔と、該
   コード導入孔に近接して、水平方向全幅にわたつ
   て形成されたコード挿通路と、コード挿通路の両
   端部に近接し、キヤビネツトの側部内面後部の上
   下方向に形成された配線空間と、該配線空間を隠
   蔽する着脱自在な配線カバーと、前記配線空間の
   上端部に近接して、キヤビネツトの上面に形成さ
   れたコード導出部を有する事を特徴とするキヤビ
   ネツトにおけるコード類挿通装置。