JPH0424958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ほし柿の生産工程において、皮むき
した柿を縄などに連続的に吊るす、ほし柿の吊下
げ装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、ほし柿を作る場合、そのまま食べる柿
の場合と異なり木から取る時に柿の下がつている
枝の両側にハサミを入れてヘタについている支木
をＴ字形に残して取つている。

これは、皮むきした後、縄に吊り下げる時、ヘ
タについたＴ字形の支木を縄に挟み込んで支持さ
せる係止部となるもので、縄に吊り下げて乾燥さ
せ、ほし柿が出来上がつて、梱包する時にはこの
支木は切取つている。

このように縄に吊るして乾燥するときにだけ必
要なＴ字形の支木は、木から取るとき１個づつ取
らなければならず手間がかかり、しかも皮むき作
業や、梱包には全く不要なものである。

また縄に吊るす場合、従来は皮むきした柿を１
個づつ手に持ち、ヘタに付けたＴ字形の支木を縄
に順次挟込んで行くため、手間がかかり作業性が
悪かつた。しかもＴ字形の長い支木が付いている
ため縄に吊下げて乾燥中に、風で揺れて、果肉が
縄に接触し商品価値が低下してしまう問題があつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、かかる点に鑑みなされたもので、支
木のない柿でも縄に接合できる方法を見い出した
ことにより、縄などの紐状体に、皮むきした柿を
接合して吊し、生産性を向上させると共に、商品
価値を高めることができるほし柿の吊下げ装置を
提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、紐状体を係止する係止突起を所望の
間隔で突設したチエーンを、左右間隔をおいて並
行に配置したチエーンコンベアと、このチエーン
コンベアの左右チエーン間に配置され、皮むきし
た柿を並列に支持する円孔を設けた複数の支持台
を無端状に連結した支持コンベアと、この支持コ
ンベアとチエーンコンベアの走行速度を同期させ
る同期機構と、瞬間接着剤を入れた噴射器とから
成り、前記支持台の円孔に皮むきされた柿のヘタ
側を上方にして支持し、このヘタ側と前記チエー
ンコンベアの左右係止突起間に水平に張設した紐
状体とを、手に持つた前記噴射器から瞬間接着剤
を噴射して点接合するようにしたことを特徴とす
るものである。

（作用） 本考案の装置では、チエーンコンベアの左右の
チエーンに突設した係止突起に紐状体を水平に張
設しておき、このチエーンコンベアの間に配置さ
れて回転する支持コンベアの支持台の円孔に、皮
むきした柿のヘタ側を上方に向けて手で１個ずつ
載せ、この柿のヘタ側と、この上方に水平に張設
した紐状体とを手に持つた噴射器から瞬間接着剤
を噴射して瞬間的に接着させ、この後、支持台に
支持させたまま紐状体と同期させて柿を走行させ
て完全に接合した後、支持台を反転させて柿を紐
状体に支持して吊るすようにしたものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図乃至第４図を参
照して詳細に説明する。

図において１はチエーンコンベア、２はチエー
ンコンベアの間に配置され、これよりやや短く形
成された支持コンベアである。

前記チエーンコンベア１は、左右間隔をおいて
配置したチエーン３，３が駆動軸４に取付けたス
プロケツト５，５と従動軸６に取付けたスプロケ
ツト５，５とに巻回されて矢印方向に回転するよ
うになつている。前記チエーン３，３の外周に
は、所望の間隔で円柱状の係止突起７…が突設さ
れている。

前記支持コンベア２は、左右のチエーン８，８
間に複数の支持台９…が、前記チエーンコンベア
１の係止突起７…の突設ピツチに対応して取付け
られている。支持台９は箱状に形成され、その下
端中央部がピンによりチエーン８，８に連結さ
れ、上面にはその長手方向に沿つて複数の円孔１
０が開口され、ここに皮むきされた柿１１をヘタ
１２側を上方にして載せるようになつている。

チエーンコンベア１の駆動軸４と、支持コンベ
ア２の駆動軸１３の軸端にはスプロケツト１４，
１４が設けられ、これらはチエーン１５を介して
連結され、両コンベア１，２の走行速度を同期さ
せるようになつている。

更にチエーンコンベア１の軸端に取付けたスプ
ロケツト１４はチエーン１５を介してモーター１
６に接続されている。

１７はチエーンコンベア１の先端側下方に設置
したシユーターで、チエーンコンベア１から外れ
た、縄１８に吊るした柿１１を受けるようになつ
ている。

また第４図に示すように、１９はピストル型の
噴射器１９で、この内部に瞬間接着剤２０が充填
され、噴射器１９を手に持つて柿１１のヘタ１２
と縄１８との接触部に噴射して点状に接着するよ
うになつている。

次に上記装置を用いて柿１１を縄１８に吊るす
作業について説明する。

先ず、所定の長さの縄１８を用意し、この両端
を円形に結んでおく。この円形に結んだ縄１８の
端部をチエーンコンベア１の一方のチエーン３に
突設した係止突起７に手で掛け、他方のチエーン
３の係止突起７，７の外側に回して掛け、更に一
方のチエーン３にＵ字状に戻して係止突起７に縄
１８の他端側の円形の結び目を掛ける。

次に支持コンベア２の手前側の一つの支持台９
の円孔１０に、第３図に示すように皮むきした柿
１１のヘタ１２側を上にして手で１個ずつ載せて
一列に複数個並べる。

この後、第４図に示すように瞬間接着剤２０を
入れたピストル型の噴射器１９を手で持つて柿１
１のヘタ１２の中央部に瞬間接着剤２０を点状に
噴射して塗布し、この後、縄１８を上方から手で
押し付けて接着させる。なお、ヘタ１２に短い支
木が残つているときは、支木の先端に瞬間接着剤
２０を塗布すれば良い。

このようにして支持台９の上に一例に載置した
柿１１を縄１８に接着した後、モーター１６を回
転させると、チエーンコンベア１と支持コンベア
２が同期して同じ速度で進行し、次ぎの支持台９
が反転して来て上方に向いたときに停止させる。

この後、同様に支持台９の円孔１０に柿１１を
並べて瞬間接着剤２０で縄１８に１個ずつ接合
し、順次同様の作業を繰返して行く。

支持台９が、支持コンベア２上を移送されてく
る間に瞬間接着剤２０が硬化し、柿１１は完全に
接合される。支持台９が支持コンベア２の先端側
（第２図中右側）に移動すると、ここで反転して
するがこのとき完全に接合した柿１１は第１図に
示すように縄１８に接合され吊下げられた状態と
なる。

更にチエーンコンベア１が進行し、縄１８が先
端側にくると、チエーン３，３に突設した係止突
起７が次第に反転し、ここに掛けた縄１８の端部
が柿１１の重量によつて外れて落下し、下方に設
置したシユーター１７により排出される。

なお上記実施例では、縄１８に吊るした柿１１
を落下させる構造について示したが、別のチエー
ンコンベアに設けたフツクにより吊上げて次工程
のイオウくん蒸に自動的に搬送するようにしても
良い。

また縄１８をチエーンコンベア１の係止突起７
に掛ける方法としては、Ｕ字形に限らず、直線状
おるいは蛇行状など何れでも良い。

なお、この瞬間接着剤２０で縄１８に吊るす方
法は、本考案者の実験によると従来の如くＴ字形
の長い支木がないので、風による揺れが少なく乾
燥中に落下しにくい効果が認められた。また縄１
８と果肉との接触がないので変色を防止でき商品
価値を高めることができる。

また上記実施例では柿１１を吊るす紐状体とし
て縄１８を用いた場合について示したが、ナイロ
ンやビニールの紐やテープ、糸でもよく、この場
合余り細いと果肉に食い込む恐れがあるのでやや
太めのものが望ましい。

（考案の効果） 以上説明した如く本考案に係わるほし柿の吊下
げ装置によれば、支木のない柿でも縄に瞬間接着
剤で接合できる方法を見い出したことにより、縄
などの紐状体に皮むきした柿を連続的に接合して
吊して、生産性を向上させると共に、商品価値を
高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるほし柿の吊下
げ装置を示す側面図、第２図はその平面図、第３
図はその正面図、第４図は瞬間接着剤を柿のヘタ
に塗布している状態を示す側面図である。 １……チエーンコンベア、２……支持コンベ
ア、３……チエーン、４，１３……駆動軸、５，
１４……スプロケツト、６……従動軸、７……係
止突起、９……支持台、１０……円孔、１１……
柿、１２……ヘタ、１６……モーター、１７……
シユーター、１８……縄、１９……噴射器、２０
……瞬間接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紐状体を係止する係止突起を所望の間隔で突設
   したチエーンを、左右間隔をおいて並行に配置し
   たチエーンコンベアと、このチエーンコンベアの
   左右チエーン間に配置され、皮むきした柿を並列
   に支持する円孔を設けた複数の支持台を無端状に
   連結した支持コンベアと、この支持コンベアとチ
   エーンコンベアの走行速度を同期させる同期機構
   と、瞬間接着剤を入れた噴射器とから成り、前記
   支持台の円孔に皮むきされた柿のヘタ側を上方に
   して支持し、このヘタ側と前記チエーンコンベア
   の左右係止突起間に水平に張設した紐状体とを、
   手に持つた前記噴射器から瞬間接着剤を噴射して
   点接合するようにしたことを特徴とするほし柿の
   吊下げ装置。