JPH039661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、主として、ソーセージの製造工場
に於て、腸またはこれに代わる包装材に肉類を詰
め込み、これを次の薫製工程に運ぶのに使用され
る供給装置に関する。

［従来の技術ならびにその問題点］ 従来、ソーセージ製造工場に於ては、水平に保
持された引掛棒に、紐状に長く連続する肉詰包装
材を、一本ずつ人手で台車に運び、台車で一箇所
に集め、集合場所からコンベアで薫製工程に移送
していた。この為、移送工程が多労働で多くの人
手を要し、しかも、紐状のソーセージが引っ掛け
られた長い引掛棒を手で持つてソーセージが滑り
落ちないように水平状のまま移送するので極めて
重労働でもあり、さらに何回も人手に触るので非
衛生的である等多くの欠点がある。

本考案者は、従来の欠点を除去することを目的
に第６図と第７図とに示す装置を開発した（実願
昭61−068116号，実公平１−22474号公報）。

このソーセージの移送装置は、肉類が詰められ
た所要の長さの筒状包装材を、水平に保持された
引掛棒に引っ掛けて移送する為に使用される。こ
の移送装置は、引掛棒２を水平面内で回転する回
転手段３と、回転手段３で送られてきた引掛棒２
を受けて次の工程に移送する降下手段５と、降下
手段５で送られてきた引掛棒２を移送するコンベ
ア４とからなる。

この装置は、回転手段３の受部材６と回転押７
との間に一端が挿通されて、水平状に保持された
引掛棒２に、スタツフアー等で、肉類が詰められ
た長い腸詰包装材１を掛ける。所定量の腸詰包装
材が掛けられると、回転押７が回転し、引掛棒２
は受部材６の落下〓間まで送られてここで載台１
０の上に落下される。引掛棒２が落下して載せら
れると載台１０は、降下部材１２によって降下さ
れる。この時、ふたつの載台１０は、引掛棒２を
水平のまま降下させるように一緒に降下する。載
台１０が降下すると、引掛棒２はコンベア４の上
に載せられ、コンベア４によって次の工程に移送
される。

このソーセージの移送装置は、腸詰包装材１を
引掛棒２に引っ掛けるだけで、引掛棒２が水平の
姿勢での次の工程に移送され、しかも、引掛棒２
が能率よく、しかも腸詰包装材１が滑り落ちない
状態で次の工程に移送できて、この工程に要した
作業者を減少して省力化出来る。

しかしながら、この装置は、スタツフアーでも
って引掛棒にソーセージを引っかけるのに人手を
要し、しかも、ソーセージが掛けられた引掛棒を
回転手段に移すのに更に人手を要し、この工程を
無人化できない欠点があった。

［この考案の目的］ この考案は、更にこの点を省力化することを目
的に開発されたもので、この考案の重要な目的
は、ソーセージを引掛棒に引っかけ、更に、これ
をコンベアで移送する工程で無人化できるソーセ
ージの供給装置を提供するにある。

また、この考案の他の重要な目的は、簡単な機
構でソーセージが引掛棒に引っかけられ、ソーセ
ージが引っかけられた引掛棒が簡単な機構でコン
ベアに移送できるソーセージの供給装置を提供す
るにある。

［従来の問題点を解決する為の手段］ この考案のソーセージの供給装置は、肉類が詰
められた筒状包装材を掛ける時に、引掛棒を水平
ないしほぼ水平に保持する竿受と、この竿受に保
持された引掛棒の端に、筒状包装材を巻き付け状
態で掛ける引掛手段と、この引掛手段で引掛棒の
端に次々と掛けられる筒状包装材を軸方向に引き
離して所定の間隔に広げる分散手段と、竿受に保
持されて、筒状包装材が所定の間隔に広げられて
掛けられた引掛棒を次の工程に移送する移送手段
とを備えている。

分散手段は、竿受に保持される引掛棒と平行に
張設されて、引掛棒の軸方向に移動される駆動線
材と、この駆動線材に、所定の間隔だけ離され
て、垂直面内で傾動自在に連結されており、かつ
先端の引掛部が引掛棒に延長されて引掛棒に掛け
られた筒状包装材を引掛棒に沿って移動させる複
数の引離アームとこの引離アームの他端に連結さ
れて、引離アームを垂直面内で傾動して、引離ア
ーム先端の引掛部を引掛棒に接近分離さける傾動
部材とを備えている。

引掛手段が引掛棒の端に筒状包装材をループ状
にかけ、端に掛けられた筒状包装材が、引掛棒に
接触または接近されて引掛棒に沿って移動する引
離アームの引掛部で、軸方向にずらされて所定の
間隔に広げられ、引掛棒に所定長さの筒状包装材
が掛けられた状態で、傾動部材が、引離アームを
傾動させて先端の引掛部を引掛棒から離し、この
状態で引掛棒が移動手段に移送されるように構成
されている。

［作用効果］ この考案のソーセージの供給装置は、引掛手段
で引掛棒の端に掛けられた筒状包装材が、引掛棒
に沿って移動する引離アームの引掛部でもって一
定の間隔に広げられる。所定長の筒状包装材が、
引掛棒に一定の間隔に広げられた状態で、傾動部
材が引離アームを傾動させて、引掛部を引掛棒か
ら離す。この状態で、引掛棒は移送の邪魔をする
部材が除去されて、移送部材に運ばれて次の工程
に移送される。

この為、筒状包装材が所定の間隔に広げられて
自動的に引掛棒に掛けられ、その後、移送手段に
送られるので、引掛棒に筒状包装材を掛ける工程
と、この引掛棒を次の処理場所に移送する工程が
無人化でき、しかも、引離アーム傾動部材で傾動
して筒状包装材の引き離し状態と、引掛棒の取出
状態に変更出来るため、簡単な構造で引掛棒にか
けられた筒状包装材が所定の間隔に広げられ、し
かも、筒状包装材が掛けられた引掛棒が次の工程
に搬送できる特長が実現出来る。

［好ましい実施例］ 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。但し、以下に示す実施例は、この考案の
技術思想を具体化する為の装置を例示するもので
あって、この考案の装置は、構成部品の材質、形
状、構造、配置を下記の構造に特定するものでな
い。

この考案の装置は、実用新案登録請求の範囲に
記載の範囲に於て、種々の変更が加えられる。

更に、この明細書は、実用新案登録請求の範囲
が理解し易いように、実施例に示される部材に対
応する番号を、実用新案登録請求の範囲に示され
る部材に付記している。ただ、実用新案登録請求
の範囲に記述される部材を、実施例に示す部材に
特定するものでは決してない。

第１図ないし第４図に示すソーセージの移送装
置は、調味料が加えられて練り上げた肉類を詰め
た所要の長さの筒状包装材、例えば、腸詰包装材
１を、水平に保持されれた引掛棒２に引っ掛け、
この引掛棒２を水平の姿勢で次の薫製工程等に移
送する。

第１図ないし第３図に示すソーセージの供給装
置は、肉類が詰められた腸詰包装材を掛ける時
に、引掛棒２を水平ないしほぼ水平に保持する竿
受９と、この竿受９に保持された引掛棒２の端
に、腸詰包装材を巻き付け状態で掛ける引掛手段
１３と、この引掛手段１３で引掛棒２の端に次々
と掛けられる腸詰包装材１を軸方向に引き離して
所定の間隔に広げる分散手段１４と、竿受９に保
持されて、腸詰包装材１が所定の間隔に広げらて
掛けられた引掛棒２を次の工程する移送手段とを
備えている。

竿受９は、相対向する面に、引掛棒２の両端が
挿入できる凹窪が設けられて全体の形状がカツプ
状に形成されている二つの受具１５を備える。第
１図に於て右の受具１５は固定されており、左の
受具１５は軸方向に移動自在な狭着シリンダー１
６のロツド先端に固定されている。

更に、第１図の竿受９は、引掛棒２の両端を下
面で支持する２本の上下シリンダー１７を備えて
いる。上下シリンダー１７は垂直に固定され、ロ
ツドの上端に溝型の受台１８が固定されている。
上昇位置にある受台１８には、第３図に示す供給
歯車１９でもって引掛棒２が１本づつ供給され
る。従って、供給歯車１９は、引掛棒２が排出さ
れた後、１本の引掛棒２を送り出す角度回動され
る。

腸詰包装材１の引掛手段１３は、右の受具１５
の周囲を回転する供給アーム２０を備えている。
供給アーム２０は、全体が筒状で、それ自体が駆
動手段で回転されて、先端から腸詰包装材１を送
り出しながら、引掛棒２の周囲を回転して腸詰包
装材１を引掛棒２に掛ける。供給アームが腸詰包
装材１を引掛棒２に掛ける、腸詰包装材１ターン
の全長は、供給アーム２０の回転円周長と、分散
手段１４とで調整できる。

供給アーム２０には、供給輪２１から腸詰包装
材１が供給される。

供給アーム２０は、所定長さの腸詰包装材１を
引掛棒２に掛けた後、先端が降下する位置で停止
する。この状態で、腸詰包装材１は供給アーム２
０の出口でカツター（図示せず）で切断される。

引掛棒２の一端に掛けられれた腸詰包装材１の
分散手段１４は、竿受９に保持される引掛棒２と
平行に張設されている駆動線材２２と、この駆動
線材２２に、所定の間隔だけ離されて、垂直面内
で傾動自在に連結されており、かつ先端の引掛部
が引掛棒２に延長されて引掛棒に掛けられた腸詰
包装材１を引掛棒２に沿って移動される複数の引
離アーム２３と、この引離アーム２３の他端に連
結されて、引離アーム２３を垂直面内で傾動し
て、引離アーム２３先端の引掛部を引掛棒２に接
近分離させる傾動部材２４とを備えている。

駆動線材２２は、引離アーム２３を引掛棒２に
沿って移動させる強度を有する全ての線材、例え
ば、チエーン等が使用べき、これが引掛棒２に沿
って移動されるようにふたつのスプロケツトに掛
けられている。スプロケツトは、モーター（図示
せず）に連結されて回転駆動される。

モーターが駆動線材２２を移動する速度は、腸
詰包装材１が１ターン掛けられる時間に、１本の
引離アーム２３が引掛部を通過する速度に調整さ
れる。

引離アーム２３は、第４図に示すように、駆動
線材２２であるチエーンローラーの連結板の両端
が上方に折曲された取付板２２に、それ自体を貫
通する軸２６を介して連結されている。この状態
で連結された引離アーム２３は、チエーンに直交
する垂直面内で回動自在であるが、水平面内での
回動は制限される。この為、この構造で駆動線材
２２に連結された引離アーム２３は、平行に並べ
られた状態で、先端が引掛棒２に沿って移動す
る。この引離アーム２３は、これが引掛棒２に沿
って移動することによって、先端の引掛部が、引
掛棒に掛けられた腸詰包装材１を引き離すよう
に、引掛部がフツク状に形成されている。この引
掛部は、引掛棒の下面に接触または接近して移動
するときに、腸詰包装材１を引掛棒に沿って広げ
る。

この引離アーム２３、腸詰包装材１が引掛棒２
の一端に掛けられる時に、腸詰包装材１を広げ、
決められた長さの腸詰包装材１が引掛棒２に掛け
られた後、引掛棒２を竿受９から取り出す為に降
下させる時には、引掛棒２の移送の邪魔にならな
いように、傾動部材２４で垂直方向に傾動され
る。

第２図に示す傾動部材２４は、駆動線材２２に
平行で、引離アーム２３の引掛部とは反対側に位
置して配設されたガイドレール２７と、このガイ
ドレール２７を上下動させるシリンダー２８とを
備えている。

ガイドレール２７は、腸詰包装材１を引掛棒２
に沿って広げる時には降下位置にあり、引掛棒を
取り出す時には、上昇位置にある。ガイドレール
２７の両端は、引離アーム２３の端部がスムーズ
に案内できるように、両端に向かって上り勾配に
傾斜している。引離アーム２３は、それ自体の自
重で先端の引掛部が降下する方向に回動して、後
端がガイドレール２７の下面に接触するように、
重心よりも後端が駆動線材に取り付けられてい
る。自重で傾動する引離アーム２３は、ガイドレ
ール２７から離れると、垂直に近い姿勢に傾斜す
る。従って、ガイドレール２７は、この姿勢で傾
斜する引離アーム２３の後端がスームズに案内で
きるように、引離アーム２３の侵入側端部が上り
勾配に傾斜している。

このガイドレール２７に沿って移動する引離ア
ーム２３が、腸詰包装材１を広げる。従って、ガ
イドレール２７の全長と配設位置とは、引掛棒２
の腸詰包装材１の引掛部分に等しく、またこれと
平行に設けられる。

ガイドレール２２は、ガイドレールを上下に平
行移動させる全ての機構で上下できる。第２図の
ガイドレール２７は、シリンダー２８のロツド下
端に連結されている。

移送手段は、上下シリンダー１７で送られてき
た引掛棒２を移送するコンベア２９を備えてい
る。

上下シリンダー１７上端の受台１８は、上面
に、引掛棒２が滑らず載せられる載面を有し、載
面は、上昇位置に於て、竿受９で保持されている
引掛棒２の両端が載せられる位置に配設されてい
る。この受台１８は、引掛棒２を両端２箇所で受
け止めて、水平の姿勢で降下して、コンベア２９
上に運ぶ。

従って、ふたつの上下シリンダー１７は、２つ
の受台１８を一緒に降下させる。２本の上下シリ
ンダー１７のストロークは、降下位置で引掛棒２
をコンベア２９に載せることが出来るように、受
台の上面が、引掛棒２の受け取り位置から、コン
ベア２９の上面よりも低くなるように決定され
る。

第５図に示すように、ひとつのコンベア２９に
複数の引掛手段１３と、分散手段１４とを連結す
る場合、上下シリンダー１７の受台１８は、コン
ベア２９で移送される引掛棒２の移送を邪魔しな
いように、引掛棒２の通路外に配設される。但
し、図示しないが、コンベアにひとつの引掛手段
１３と分散手段１４とが連結される場合、受台１
８の配設位置は、前工程から送られて来る引掛棒
に制限されない。

コンベア２９は腸詰包装材１をぶら下げた状態
で引掛棒２を移送出来るように、引掛棒２の両端
を２箇所で受けて移送する２列のベルトコンベア
からなる。

第５図に示すソーセージの移送装置は、１台の
コンベア２９に３台の引掛手段１３と、分散手段
１４とが設けられており、コンベア２９は連続運
動されて、上に載せられた引掛棒２を移送する。
この場合、前工程ですでにコンベア上に引掛棒が
載せられた上に、更に次の工程で引掛棒を供給し
ないように、コンベア２９の動きと、上下シリン
ダー１７の動きとは、互いに同期して、即ち、前
工程で引掛棒２が載せられていないコンベア２９
の部分に引掛棒２を供給するように、回転手段３
と降下手段５とが運転される。

前記の如く構成されたソーセージの供給装置
は、引掛手段１３が引掛棒２の端に腸詰包装材１
をループ状にかけ、端に掛けられた腸詰包装材１
が、引掛棒２に接触または接近されて引掛棒に沿
って移動する引離アーム２３の引掛部で軸方向に
ずらされて所定の間隔に広げられ、引掛棒２に所
定長さの腸詰包装材が掛けられた状態で、傾動部
材２４が、引離アーム２３を傾動させて先端の引
掛部を引掛棒２から離し、この状態で引掛棒が移
動手段であるコンベアに移送される。

ところで、本明細書に於て、ソーセージは特に
広義に解釈するものとし、細長い箇状の可撓性包
装材に肉類を詰め込み、細長く連結する状態で薫
製される全てのもの、例えばウインナー等も含む
ものとする。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す慨略斜視
図、第２図は第１図に示す傾動部材の一例を示す
斜視図、第３図は引掛棒を竿受に供給する機構の
例を示す断面図、第４図は駆動線材に引離アーム
を連結する一例を示す断面図、第５図はコンベア
に複数の引掛手段と分散手段が設けられている供
給装置の平面図、第６図および第７図は従来の供
給装置の斜視図および断面図である。 １……腸詰包装材、２……引掛棒、３……回転
手段、４……コンベア、５……降下手段、６……
受部材、７……回転押、８……回転軸、９……竿
受、１０……載台、１２……降下部材、１３……
引掛手段、１４……分散手段、１５……受具、１
６……狭着シリンダー、１７……上下シリンダ
ー、１８……受台、１９……供給歯車、２０……
供給アーム、２１……供給輪、２２……駆動線
材、２３……引離アーム、２４……傾動部材、２
５……取付軸、２６……軸、２７……ガイドレー
ル、２８……シリンダー、２９……コンベア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 引掛棒２を水平ないしほぼ水平に保持する竿
   受９と、この竿受９に保持された引掛棒２の端
   に、肉類が詰められた筒状包装材を巻き付け状
   態で引っかける引掛手段１３と、この引掛手段
   で引掛棒に巻き付けられた筒状包装材を軸方向
   に引き離して所定の間隔に調整する分散手段１
   ４と、前記竿受９で保持された引掛棒２を次の
   工程に移送する移送手段とを備えており、前記
   分散手段１４は、竿受９に保持される引掛棒２
   と平行に張設されて、引掛棒２の軸方向に移動
   される駆動線材２２と、この駆動線材２２に、
   所定の間隔だけ離されて、垂直面内で傾動自在
   に連結されており、かつ先端の引掛部が引掛棒
   に延長されて引掛棒２に掛けられた筒状包装材
   を引掛棒２に沿って移動させる複数の引離アー
   ム２３と、この引離アーム２３の他端に連結さ
   れて、引離アーム２３を垂直面内で傾動して、
   引離アーム２３先端の引掛部を引掛棒に接近分
   離させる傾動部材２４とを備えており、前記引
   掛手段１３が引掛棒２の端に筒状包装材をルー
   プ状にかけ、端に掛けられた筒状包装材が、引
   掛棒２に接触または接近されて引掛棒２に沿っ
   て移動する引離アーム２３の引掛部で、軸方向
   にずらされて所定の間隔に広げられ、引掛棒２
   に所定長さの筒状包装材が掛けられた状態で、
   傾動部材２４が、引離アーム２３を傾動させて
   先端の引掛部を引掛棒から離し、この状態で引
   掛棒が移動手段に移送されるように構成されて
   なるソーセージの供給装置。 (2) 駆動線材２２がチエーンである実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のソーセージの供給装
   置。 (3) 傾動部材２４が、駆動線材２２に平行で、引
   離アームの引掛部とは反対側に位置して配設さ
   れたガイドレール２７と、このガイドレール２
   ７を上下動させるシリンダー２８とを備える実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のソーセージ
   の供給装置。