JPH04249533A - 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法

Info

Publication number
JPH04249533A
JPH04249533A JP41886790A JP41886790A JPH04249533A JP H04249533 A JPH04249533 A JP H04249533A JP 41886790 A JP41886790 A JP 41886790A JP 41886790 A JP41886790 A JP 41886790A JP H04249533 A JPH04249533 A JP H04249533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic
aromatic polyamide
amic acid
network structure
dimensional network
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP41886790A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhisa Nagata
康久 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Rayon Co Ltd filed Critical Toho Rayon Co Ltd
Priority to JP41886790A priority Critical patent/JPH04249533A/ja
Publication of JPH04249533A publication Critical patent/JPH04249533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三次元網目構造よりな
り、有機溶媒中で高分子ゲルを形成する新規な芳香族ポ
リアミドアミド酸の三次元網目構造体、及び、このもの
を脱水・閉環反応して得られた耐熱性・機械的性質に優
れた芳香族ポリアミドイミドの三次元網目構造体、並び
に、前記それぞれの三次元網目構造体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術及び問題点】芳香族ポリアミドイミドは、耐
熱性、機械的性質共に優れた高分子材料であり、広く工
業材料として使用されてきた。芳香族ポリアミドイミド
の重合は、芳香族トリカルボン酸とジアミンとの重縮合
反応によって、固相又は溶液中で調製されるのが一般的
である。特に、トリカルボン酸無水物のアシルハライド
誘導体と芳香族ジアミンをモノマーとして、有機溶媒中
で溶液重合させ、芳香族ポリアミドアミド酸を前駆体と
して脱水・閉環反応により芳香族ポリアミドイミドを得
る方法が、その調製法の容易さから広く用いられており
、特開昭47−8093号公報、特公昭63−5118
3号公報、特開昭63−225630号公報等に示され
る通りである。しかしながら、芳香族ポリアミドイミド
及びその前駆体である芳香族ポリアミドアミド酸に関し
、多価アミンのような特定のモノマー成分を一成分とし
て使用し、有機溶媒中で重合反応させ、溶液中でポリマ
ーの分子鎖が三次元的に結合し、自重により形状が崩れ
ないような自己支持性のあるゲルを与えるような有機溶
媒を含む芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル、及び
、それを前駆体として調製された芳香族ポリアミドイミ
ドの成形体に関する報告は、殆んどなされていなかった
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、芳香族トリカルボン酸
無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジアミン及び多
価アミンを主成分としたモノマー類を有機溶媒中で反応
させることにより、新規な芳香族ポリアミドアミド酸の
高分子ゲルを形成させ、物質分離作用、刺激−応答作用
等のある多機能の芳香族ポリアミドアミド酸の三次元網
目構造体(高分子ゲル)、及び、これを前駆体として耐
熱性及び機械的性質に優れた芳香族ポリアミドイミドの
三次元網目構造体(成形体)を提供すること、並びに、
前記それぞれの三次元構造体の製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【発明の構成及び作用】本発明は、下記の通りである。
【請求項1】      下記[A][B][C]成分
を有機溶媒中で重合反応させて得た芳香族ポリアミドア
ミド酸の三次元網目構造体。 [A]下式で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物の
アシルハライド誘導体の単独又は二種以上の組み合わせ
【化1】 (式中、Aは三価の芳香族基、Xはハロゲン原子を表わ
す) [B]下式で表わされる芳香族ジアミンの単独又は二種
以上の組み合わせ
【化2】 (式中、Bは二価の芳香族基を表わす)[C]ひとつの
分子構造中に三個以上のアミン基及び/又はアンモニウ
ム塩基を有する多価アミンの単独又は二種以上の組み合
わせ
【請求項2】    [A]/[B]/[C]成分のモ
ル比が、100/(50〜100)/(1〜25)であ
る請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次元網
目構造体。
【請求項3】    [A][B][C]成分を主成分
としたモノマー類を有機溶媒中で重合反応させて得られ
た芳香族ポリアミドアミド酸溶液を0〜80℃に保つこ
とで芳香族ポリアミドアミド酸の架橋反応を溶液中で進
め芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルとし、次いで
有機溶媒を除去することによる請求項1記載の芳香族ポ
リアミドアミド酸の三次元網目構造体の製造方法。
【請求項4】    [A][B][C]成分を主成分
とした請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次
元網目構造体を50〜400℃の温度で少なくとも10
秒以上処理し、脱水・閉環反応させることにより得られ
た芳香族ポリアミドイミドの三次元網目構造体。
【請求項5】    [A][B][C]成分を主成分
とした請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次
元網目構造体を50〜400℃の温度で少なくとも10
秒以上処理し、脱水・閉環反応させることによる請求項
4記載の芳香族ポリアミドイミドの三次元網目構造体の
製造方法。 この有機溶媒を含む芳香族ポリアミドアミド酸の三次元
網目構造体(高分子ゲル)は、有機溶媒中で2〜50倍
の体積膨潤度[(膨潤後の体積)/(膨潤前の溶媒を含
まない固形の体積)]を示すものであり、多量の有機溶
媒を含んでも流動を起こさず、形状を保持できるような
自己支持性のある高分子ゲルを与えるものである。また
、本発明の芳香族ポリアミドアミド酸の三次元網目構造
体は、有機溶媒の出入りにより可逆的に収縮・膨潤する
能力を有する三次元網目構造体である。ここでの三次元
網目構造体とは、主に[A]成分と[B]成分とからな
る芳香族ポリアミドアミド酸の鎖状高分子を[C]成分
である多価アミンが架橋点として働き連結させ、ポリマ
ーの三次元網目構造を形成したものである。本発明では
、[A][B][C]成分である芳香族トリカルボン酸
無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジアミン及び多
価アミンを重合反応させることにより、最初は有機溶媒
に均一に溶解した芳香族ポリアミドアミド酸溶液が得ら
れる。しかし、この芳香族ポリアミドアミド酸溶液の状
態は中間体的なものであり、重合場に残存する未反応の
官能基による架橋反応が有機溶媒中で徐々に進行するこ
とにより、芳香族ポリアミドアミド酸成分の三次元網目
構造が形成されゲル化を起こし、最終的には有機溶媒を
含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルが得られ
る。有機溶媒を含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高分
子ゲル及びこれを前駆体として脱水・閉環反応により得
られた芳香族ポリアミドイミドの成形体は、以下のよう
な手順に従って調製することができる。
【0005】(1)有機溶媒中で、芳香族トリカルボン
酸無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジアミン及び
多価アミンを混合し、重合反応させることにより、有機
溶媒に均一に溶解した芳香族ポリアミトアミド酸溶液を
得る。 (2)芳香族ポリアミドアミド酸溶液がゲル化を起こす
前に賦形のために、特定の形状を持つ型に上記溶液を流
し込むか、又は、フィルム状にする場合は、基材上に流
延させる。 (3)上記溶液を0〜100℃の間の温度条件で静置し
、芳香族ポリアミドアミド酸の未反応の官能基による架
橋反応を有機溶媒中で進行させることで三次元網目構造
を形成させ、有機溶媒を含んだ芳香族ポリアミドアミド
酸の高分子ゲルを得る。 (4)芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルから、含
まれる有機溶媒を除去し、フィルム等の成形体を得た後
、脱水・閉環反応を行わせ、芳香族ポリアミドイミドの
成形体を得る。 以下、調製方法の詳細を述べることにする。まず最初に
、有機溶媒中で芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハ
ライド誘導体、芳香族ジアミン及び多価アミンを混合し
、重合反応させることにより、有機溶媒に均一に溶解し
た芳香族ポリアミドアミド酸溶液を調製する。芳香族ト
リカルボン酸無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジ
アミン及び多価アミンの重合反応において、この反応は
窒素ガスのような不活性雰囲気下、芳香族ジアミンと多
価アミンを有機溶媒中に溶解させた溶液中に攪拌させな
がら芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハライド誘導
体を加えるのが一般的である。
【0006】芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハラ
イド誘導体[A]は、一般に下式で表わされる。
【化1】 (式中、Aは三価の芳香族基、Xはハロゲン原子を表わ
す) 式中、Aで表わされる三価の芳香族には、下記に示すよ
うな構造のものが具体例として挙げられる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 (但し、Pは−O−,−CO−,−CH2−,−SO2
−又は−S−を表わす) これらは、単独又は二種以上の混合物で用いることがで
きる。芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハライド誘
導体と反応させる芳香族ジアミン[B]の代表例として
は、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン
、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド
、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、2
,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ベンジ
ジン、3,3′−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミ
ノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジア
ミノピリジン、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)ェニル]エーテル、2−2′−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2′−ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′
−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフロロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、2,
6−ジアミノナフタレン及びこれらの誘導体等が挙げら
れる。これらは、単独又は二種以上の混合物で用いるこ
とができる。
【0008】多価アミン[C]とは、ひとつの分子構造
中に三個以上のアミン基及び/又はアンモニウム塩基を
有する化合物を示す。多価アミンの代表としては、3,
3′,4,4′,−テトラアミノジフェニルエーテル、
3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルメタン、
3,3′,4,4′−テトラアミノベンゾフェノン、3
,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルスルホン、
3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル、1,2
,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3′,4−トリ
アミノジフェニルエーテル、3,3′,4−トリアミノ
ジフェニルメタン、3,3′,4−トリアミノベンゾフ
ェノン、3,3′,4−トリアミノジフェニルスルホン
、3,3′,4−トリアミノビフェニル、1,2,4−
トリアミノベンゼン及びこれらの化合物の官能基を第四
アンモニウム塩の形に変えた化合物類、例えば3,3′
,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩等が挙
げられる。第四アンモニウム塩としては塩酸塩の他に、
P−トルエンスルホン酸塩、ピクリン酸塩等の形で用い
ることもできる。これらの化合物の中には、多価アミン
の官能基の全てが第四アンモニウム塩の形でないものも
含まれる。また、上記物質の中には水和物として存在し
ているものもあり、これらの多価アミン類は単独又二種
以上の混合物で用いることができる。脂肪族類の多価ア
ミンを使用することも可能である。この中でも、多価ア
ミンの第四アンミニウム塩類、例えば3,3′,4,4
′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩等を用いるのが
、中間体的な溶液の状態から三次元網目構造の高分子ゲ
ルに至るまでの時間が比較的長くとれ、均質で良好な成
形体を得る上で好ましい。これらの芳香族トリカルボン
酸無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジアミン及び
多価アミン成分は、それぞれ単独又は二種以上の混合物
で用いられるため、得られる芳香族ポリアミドアミド酸
及びそれを脱水・閉環反応させた芳香族ポリアミドイミ
ドは共重合体のものを含む。また、特定の成分から成る
芳香族ポリアミドアミド酸と、この芳香族ポリアミドア
ミド酸の構成成分の少なくとも一種類が異なる芳香族ポ
リアミドアミド酸を混合した芳香族ポリアミドアミド酸
の混合物、及び、それを脱水・閉環反応させた芳香族ポ
リアミドイミドの混合物も含まれる。芳香族トリカルボ
ン酸無水物のアシルハライド誘導体、芳香族ジアミン及
び多価アミンを主成分とした芳香族ポリアミドアミド酸
の重合において用いられる有機溶媒は、重合反応に対し
て不活性であると同時に、使用するモノマー類及び反応
により生成されたオリゴマーを含む高分子量物を溶解又
は膨潤させる能力のあるもので、代表的なものとして、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルメトキシアセト
アミド、ヘキサメチルホスホアミド、ピリジン、ジメチ
ルスルホン、テトラメチレンスルホン、スルホラン、フ
ェノール、キシレノール等のフェノール類や、ベンゼン
、トルエン、キシレン、ベンゾニトリル、ジオキサン、
シクロヘキサン、クロロホルム、1,2ジクロロエタン
等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。 これらの溶媒は、単独又は二種以上混合して使用される
。芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハライド誘導体
は、芳香族ジアミン及び多価アミンを主成分とした芳香
族ポリアミドアミド酸の重合は、有機溶媒中、−20〜
80℃の温度条件下、特に好ましくは0〜30℃の温度
範囲で反応させる。反応時間は5時間以内、好ましくは
2時間以内である。反応温度が−20℃より低い場合は
、取扱性や反応方法の難しさに加え、温度が低過ぎるた
め反応自身が十分に進まない場合があり、好ましくない
。反応温度が80℃を超える場合は、ゲル化に至るまで
の反応が早すぎて、不均質な三次元網目構造の高分子ゲ
ルを与える場合がある。従って、反応温度は、−20〜
80℃の温度条件下、特に好ましくは0〜30℃の温度
範囲で反応させる。この際、重合反応を促進させるため
、触媒としてトリメチルアミン、トリエチルアミンのよ
うな脂肪族第三アミン類、ピリジン、キノリンのような
有機塩基、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのよ
うな有機オキシド化合物を、芳香族トリカルボン酸無水
物アシルハライド誘導体の酸クロリド基1当量に対して
0.9〜2モル添加することも可能である。
【0009】一般に、芳香族トリカルボン酸無水物のア
シルハライド誘導体と芳香族ジアミンから芳香族ポリア
ミドアミド酸を合成する場合、分子量を上げるために、
両成分を可能な限り等モルで反応させることが好ましい
。本発明でも、芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル
の架橋点間分子量と架橋度を最適化するため、芳香族ト
リカルボン酸無水物のアシルハライド誘導体[A]/芳
香族ジアミン[B]/多価アミン[C]のモル比を、1
00/(50〜100)/(1〜25)の範囲内にとど
め、且つ、[A]成分の反応基の当量と[B]及び[C
]成分の反応基の当量の比[([A])成分の反応基の
当量)/([B]成分の反応基の当量+[C]成分の反
応基の当量)]を0.90〜1.10の範囲内(±10
%以内)に合わせることが、自己支持性のある芳香族ポ
リアミドアミド酸の高分子ゲルを得る上で好ましい。こ
の範囲を外れた組成でモノマーを配合し反応させた場合
、芳香族ポリアミドアミド酸の重合度が上がらず、結果
的に、得られる芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル
の性質、例えばゲルの引張り強さや弾性率等の機械的性
質等も低いものとなる。反応させる[A]/[C]のモ
ル比は、100/(1〜25)であることが好ましく、
特に好ましくは、100/(2〜15)の範囲であるが
、用いるモノマーの種類により、その好適な組成範囲が
若干ずれる場合もある。多価アミン[C]は、芳香族ポ
リアミドアミド酸の高分子ゲルの架橋点として働き、そ
の配合比により芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル
中に存在する網目濃度(架橋密度)を変化させる。多価
アミン[C]の配合モル数が、[A]成分100モルに
対し1モルより小さいと溶液中での芳香族ポリアミドア
ミド酸成分の架橋点が少なくなり、三次元網目構造が不
完全になり、自己支持性のある高分子ゲルとなりにくく
、性質の改善効果が小さい。[C]成分の配合モル数が
25モルより大きいと、三次元網目構造の架橋点の増加
と架橋点間分子量の低下を招き、芳香族ポリアミドアミ
ド酸の高分子ゲルの体積膨潤度を低下させ、脆性的な高
分子ゲルとなる傾向が出てくる。従って、[C]成分の
配合モル数は、[A]成分100モルに対し1〜25モ
ルの範囲内がよい。
【0010】このようにして得られた芳香族ポリアミド
アミド酸溶液は、前述のように、芳香族ポリアミドアミ
ド酸の高分子ゲルに至るまでの中間体的なものであり、
0〜100℃の間の温度条件で芳香族ポリアミドアミド
酸溶液を静置することにより重合場に残存する未反応の
官能基による架橋反応が有機溶媒中で徐々に進行するこ
とにより、芳香族ポリアミドアミド酸成分の三次元網目
構造が形成されゲル化を起こし、最終的には、有機溶媒
を含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルを与え
るものである。芳香族ポリアミドアミド酸溶液は高分子
ゲルが生成される前に、特定の形状を持った型に流し込
むか、基材上に流延させゲル化に至らしめる等の方法に
より、特定の形状に賦形された芳香族ポリアミドアミド
酸の高分子ゲルが得られる。有機溶媒を含んだ芳香族ポ
リアミドアミド酸の高分子ゲルより、有機溶媒を除去す
ることにより、フィルム等の成形体が得られる。脱溶媒
は、常圧又は真空下で溶媒を蒸発させるか、有機溶媒の
溶媒置換等の方法により行わせることができる。芳香族
ポリアミドアミド酸の高分子ゲルより、有機溶媒を蒸発
させ除去するためには、常圧又は真空下で20℃以上の
温度で処理することが好ましい。使用した有機溶媒の沸
点より高い温度で急激に脱溶媒を行わせると、急激な溶
媒の蒸発による成形体の発泡等の不都合が起こり好まし
くない場合がある。脱溶媒により、芳香族ポリアミドア
ミド酸中に含まれる溶媒の含有率を50重量%以下、好
ましくは40重量%以下に調整した後、基材上より離脱
させ、芳香族ポリアミドアミド酸の成形体が得られる。 溶媒を含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルを
、芳香族ポリアミドアミド酸の貧溶媒を凝固浴とした浴
中に浸漬せしめ、高分子ゲル中に残存する有機溶媒の溶
媒置換を行わせ、続いて、脱溶媒させることにより、芳
香族ポリアミドアミド酸の成形体を得ることもできる。 この場合、凝固浴としては、水、メタノールやエタノー
ル等のアルコール類、アセトン等のようなケトン類、エ
ーテル類、エステル類などの単独又は混合系が挙げられ
る。少量であれば、N,N−ジメチルアセトアミド等の
アミド系溶媒、1,2−ジクロロエタンのような塩素系
溶媒等を凝固液の中に含ませてもよいが、芳香族ポリア
ミドアミド酸を溶解又は膨潤させて、その形状を著しく
損ねるような凝固液は使用できない。芳香族ポリアミド
アミド酸の脱水・閉環反応により、芳香族ポリアミドイ
ミドを得る方法としては、一般のポリアミドイミド樹脂
の調製で用いられている方法と同様の方法で行うことが
できる。芳香族ポリアミドイミドを得る場合は、芳香族
ポリアミドアミド酸を50〜400℃の温度で少なくと
も10秒以上処理する。この際一旦50〜400℃で処
理して後、更に処理温度を高め、150〜400℃の多
段の分けて処理することもできる。フィルムの場合は、
一対の両端を固定枠、チャック又はピンガイド等で固定
させて処理すると、寸法安定性や機械的特性に優れたフ
ィルム等の成形物が得られやすい。化学的処理による芳
香族ポリアミドアミド酸の脱水・閉環反応においては、
アミン類を触媒として、酸無水物を脱水剤として用いる
のが効果的である。酸無水物の例としては、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族酸無水物、無
水安息香酸などの芳香族酸無水物がある。これらは、単
独又は二種以上の混合物として用いることができる。
【0011】化学的脱水反応において添加する酸無水物
の量は、芳香族ポリアミドアミド酸に存在するカルボキ
シル基1当量に対して1〜5当量、好ましくは1〜3当
量である。また、アミド酸基の部分的な脱水・閉環反応
によるアミドイミド化でもよい場合は、芳香族ポリアミ
ドアミド酸に存在するカルボキシル基1当量に対して酸
無水物の添加量を1当量以下にしてもよい。触媒として
のアミン類の例は、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチ
ルアニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、
γ−ピコリン、イソキノリン、ルチジン等の第3級アミ
ンの中から選ばれる少なくとも一種のアミン類である。 また、酢酸コバルト、酢酸ニッケル等のカルボン酸金属
塩も使用できる。触媒の量は、芳香族ポリアミドアミド
酸に存在するカルボキシル基1当量に対して0.01〜
1.5当量、好ましくは0.2〜1当量である。予め芳
香族ポリアミドアミド酸のゲルを形成させる以前に、上
記の脱水剤などを含ませておき、成形体を形成させた後
に化学的処理による脱水・閉環反応を行わせてもよい。 以上のようにして、芳香族ポリアミドアミド酸の高分子
ゲルよりフイルム等の成形体、更には、芳香族ポリアミ
ドアミド酸成分の脱水・閉環反応により芳香族ポリアミ
ドイミドの成形体を調製することができる。芳香族ホリ
アミドアミド酸に、第三成分を複合させる場合は、第三
成分を有機溶媒に溶解又は分散させた状態で、本発明の
特定モノマーより構成された芳香族ポリアミドアミド酸
溶液に加えられ、複合化が行われる。更には、この芳香
族ポリアミドアミド酸/第三成分の複合体を脱水・閉環
反応させた芳香族ポリアミドイミド/第三成分の複合体
を調製することもできる。
【0012】第三成分として、例えば、低分子有機化合
物、無機物質、金属化合物、高分子化合物等を含ませる
場合には、予め有機溶媒中に第三成分を含ませた溶液中
で芳香族トリカルボン酸無水物のアシルハライド誘導体
、芳香族ドアミン及び多価アミン成分の重合反応を行わ
せるか、又は、重合反応により得られた有機溶媒に均一
に溶解した芳香族ポリアミドアミド酸溶液に、第三成分
を添加する等の方法により、第三成分との複合化を行わ
せる。このような芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲ
ル及び高分子ゲルを経由して作られた成形体に関する調
製方法は、これまで例がなく新規なものであり、得られ
た芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル、又は、この
高分子ゲルから溶媒を除去させて得られた成形体、更に
は、脱水・閉環反応によって得られた芳香族ポリアミド
イミドは、多価アミンを架橋点として三次元網目構造を
形成している特異な高分子構造体である。本発明で得ら
れた有機溶媒を含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高分
子ゲルにおいて、芳香族ポリアミドアミド酸は多価アミ
ンを架橋点として、主に共有結合、イオン結合及び水素
結合的な三次元網目構造を形成するものであり、多量の
有機溶媒を含んでも自己支持性の高分子ゲルを与えるも
のである。このような調製方法により得られた芳香族ポ
リアミドアミド酸の高分子ゲルは、有機溶媒中で2〜5
0倍の体積膨潤度を示す新しい構造の高分子ゲルであり
、溶媒の出入りにより可逆的に収縮・膨潤を繰り返す構
造体である。芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルの
体積膨潤度は、芳香族ポリアミドアミド酸を形成するモ
ノマー成分の種類や配合比による架橋密度の変化、高分
子ゲル中に含まれる有機溶媒の種類により2〜50倍の
範囲内で変化し、架橋密度をコントロールすることによ
り、一定の体積膨潤度を持つ芳香族ポリアミドアミド酸
の高分子ゲルを調製することも可能である。本発明で得
られた有機溶媒を含んだ芳香族ポリアミドアミド酸の高
分子ゲルにおいて、溶媒の出入りによる収縮・膨潤する
現象は可逆的であるため、この力学エネルギーを利用し
て、化学センサー、スイッチ、アクチュエーターに有用
である。また、高分子ゲルの三次元網目構造の架橋密度
を変化させたものは、物質分離能が付与され、分離膜、
分離用担体等に用いられる。また、芳香族ポリアミドア
ミド酸の高分子ゲルを経由して、脱溶媒の後に脱水・閉
環反応によって得られた芳香族ポリアミドイミドの成形
体は、耐熱性と成形性を兼備した有用なものであり、各
種成形材料、特殊フィルム、特殊繊維の原料として使用
できる。調製方法によっては多孔性の材料を成形品とし
て作製することもでき、物質分離作用のある機能性高分
子材料となる。更に、芳香族ポリアミドイミドを調製後
、高温処理により成形体の性質を改良し、通電性等のよ
うな電気的性質等を付与させ、導電性フィルム、電極材
等にも応用できる。
【0013】
【実施例及び比較例】
【実施例1】300mlの四つ口セパラブルフラスコ中
に、3.331g(0.0168モル)の精製した4,
4′−ジアミノジフェニルメタン(略称:4,4′−D
DM)と0.6336g(0.0016モル)の3,3
′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・二
水和物(略称:TABT)を採取し、50gの蒸留され
たN−メチル−2−ピロリドン(略称:NMP)を加え
、攪拌し溶解させて溶液を得た。窒素雰囲気の下、外部
水槽の温度を0℃にコントロールし、上記溶液を攪拌し
ながら4.212g(0.02モル)の精製した4−(
クロロホルミル)無水フタル酸(略称:CPA)を固形
のまま、溶液の温度が上らないように注意しながら徐々
に添加し、全て加え終った後、攪拌を続け均一な芳香族
ポリアミドアミド酸溶液を調製した。この芳香族ポリア
ミドアミド酸溶液をガラス板上に流延した。溶液の塗布
量は、スペーサーによりコントロールし、約0.4mm
の厚さになるようにした。しばらく静置すると、流延さ
れた芳香族ポリアミドアミド酸溶液がゲル化を起こし、
芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル(高分子ゲルフ
ィルム)が得られた。この芳香族ポリアミドアミド酸高
分子ゲルは、自重による形状変化を起こさず、自己支持
性のものであった。この芳香族ポリアミドアミド酸の高
分子ゲルを50℃で真空乾燥させ、高分子ゲルの中の溶
媒を飛散させた後、フィルム状の形でガラス板より離脱
させた。このフィルムを、NMP溶媒中に浸漬させたと
ころ、フィルムが膨潤し体積膨潤度は9.5倍を示した
。更に、50℃で真空乾燥させ、高分子ゲルの中の溶媒
を飛散させると、元のフィルム状の形状に戻り、溶媒の
出入りにより収縮・膨潤を繰り返すことが確認された。 このフィルムを150℃で2時間、200℃で2時間、
300℃で1時間処理し、フィルムの赤外線吸収スペク
トルを測定した。1780cm−1、1720cm−1
にイミド基の特性吸収帯が観測され、このフィルムが芳
香族ポリアミドイミドであることが確認された。このフ
ィルムについて熱機械分析(TMA)を行ったところ、
280℃にポリマーの二次転移に対応する熱膨張曲線の
変化が観測され、450℃以上で分解によるフィルムの
収縮が認められた。フィルムに関し、引張り強さは15
.0kgf/mm2、弾性率は350kgf/mm2で
あった。
【0014】
【比較例1】([A]成分不使用)300mlの四つ口
セパラブルフラスコ中に、3.966g(0.02モル
)の精製した4,4′−ジアミノジフェニルメタンを採
取し、50gの蒸留されたN−メチル−2−ピロリドン
(略称:NMP)を加え、攪拌し溶解させて溶液を得た
。窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を0℃にコントロー
ルし、上記溶液を攪拌しながら4.212g(0.02
モル)の精製した4−(クロロホルミル)無水フタル酸
を固形のまま、溶液の温度が上らないように注意しなが
ら徐々に添加し、全て加え終った後、攪拌を続け均一な
芳香族ポリアミドアミド酸溶液を調製した。実施例1と
同様に、芳香族ポリアミドアミド酸溶液をガラス板上に
流延させ静置させたが、室温で5時間放置しても溶液は
高分子ゲルを形成せず、この溶液は自重により流動した
。また、この芳香族ポリアミドアミド酸溶液から、実施
例1と同様に溶媒の除去と熱処理を行って芳香族ポリア
ミドイミドのフィルムを調製した。得られたフィルムは
、実施例1と同様の熱膨張挙動を示したが、フィルムに
関し、引張り強さは7.0kgf/mm2、弾性率は3
70kgf/mm2であり、実施例1に比し脆性的なフ
ィルムであった。
【0015】
【実施例2】300mlの四つ口セパラブルフラスコ中
に、0.973g(0.009モル)の精製したパラフ
ェニレンジアミンと1.882g(0.0094ル)の
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(略称:4,4
′−DPE)及び0.3168g(0.0008モル)
の3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩
酸塩・二水和物(略称:TABT)を採取し、50gの
蒸留されたN−メチル−2−ピロリドン(略称:NMP
)を加え、攪拌し溶解させて溶液を得た。窒素雰囲気の
下、外部水槽の温度を−5℃にコントロールし、上記溶
液を攪拌しながら4.212g(0.02モル)の精製
した4−(クロロホルミル)無水フタル酸(略称:CP
A)を固形のまま、溶液の温度が上らないように注意し
ながら徐々に添加し、全て加え終った後、攪拌を続け均
一な芳香族ポリアミドアミド酸溶液を調製した。実施例
1と同様に、この芳香族ポリアミドアミド酸溶液をガラ
ス板上に流延し静置したところ、溶液がゲル化を起こし
、芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル(高分子ゲル
フィルム)が得られた。このものは、自重による形状変
化を起こさず、自己支持性のものであった。この芳香族
ポリアミドアミド酸高分子ゲルを50℃で真空乾燥させ
、高分子ゲルの中の溶媒を飛散させた後、フィルム状の
形でガラス板より離脱させた。このフィルムを、N,N
−ジメチルアセトアミド(略称:DMAc)溶媒中に浸
漬させたところ、フィルムが膨潤し体積膨潤度は17.
0倍を示した。更に、このフィルム高分子ゲルをベンゼ
ンに浸漬させると体積膨潤度は1.5倍に減少し、続い
て、DMAc溶媒に再度浸漬させたところ、フィルムが
膨潤し体積膨潤度は17.0倍に戻った。このように、
上記フィルムは溶媒の出入りにより収縮・膨潤を繰り返
すことが確認された。実施例1と同様に熱処理を行い、
芳香族ポリアミドイミドフィルムの特性を評価した。フ
ィルムのTMA測定より、320℃に二次転移に対応す
る熱膨張曲線の変化が観測された。フィルムに関し、引
張り強さは13.5kgf/mm2、弾性率は380k
gf/mm2であった。
【0016】
【実施例3】300mlの四つ口セパラブルフラスコ中
に、2.462g(0.0123モル)の精製した4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルと0.396g(0
.001モル)の3,3′,4,4′−テトラアミノビ
フェニル・四塩酸塩・二水和物を採取し、40gの蒸留
されたN,N−ジメチルアセトアミドを加え、攪拌し溶
解させて溶液を得た。窒素雰囲気の下、外部水槽の温度
を0℃にコントロールし、上記溶液を攪拌しながら2.
948g(0.014モル)の精製した4−(クロロホ
ルミル)無水フタル酸を固形のまま、溶液の温度が上ら
ないように注意しながら徐々に添加した。別の300m
lの四つ口セパラブルフラスコ中に、今度は1.462
g(0.005モル)の精製した1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン(略称:TPE−Q)と0.
1188g(0.0003モル)の3,3′,4,4′
−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物を採取
し、30gの蒸留されたN−メチル−2−ピロリドンを
加え、攪拌し溶解させて溶液を得た。同様に、窒素雰囲
気の下、外部水槽の温度を0℃にコントロールし、上記
溶液を攪拌しながら1.264g(0.006モル)の
精製した4−(クロロホルミル)無水フタル酸を固形の
まま、溶液の温度が上らないように注意しながら徐々に
添加した。この二種の反応液を、温度を0℃にコントロ
ールしたまま、混合、攪拌し、均一な芳香族ポリアミド
アミド酸溶液を調製した。実施例1と同様に、この芳香
族ポリアミドアミド酸の溶液をガラス板上に流延し静置
したところ、溶液がゲル化を起こし、複合された芳香族
ポリアミドアミド酸の高分子ゲル(高分子ゲルフィルム
)が得られた。このものは、自重による形状変化を起こ
さず、自己支持性のものであった。この芳香族ポリアミ
ドアミド酸を30℃で真空乾燥させ、高分子ゲルの中の
溶媒を飛散させた後、フィルム状の形でガラス板より離
脱させた。このフィルムをジメチルホルムアミド(DM
F)溶媒中に浸漬させたところ、フィルムが膨潤し体積
膨潤度は15.0倍を示した。実施例1と同様に熱処理
を行い、得られた芳香族ポリアミドイミドフィルムの熱
的及び機械的性質を評価した。TMA測定では、260
℃に二次転移に対応する熱膨張曲線の変化が観測された
。フィルムに関し、引張り強さは12.5kgf/mm
2、弾性率は290kgkgf/mm2であった。
【0017】
【実施例4】300mlの四つ口セパラブルフラスコ中
に、1.001g(0.005モル)の精製した3,4
′−ジアミノジフェニルエーテル(略称:3,4′−D
PE)と1.062g(0.005モル)の0−トルイ
ジンを採取し、20gの蒸留されたN−メチル−2−ピ
ロリドを加え、攪拌し溶解させて溶液を得た。窒素雰囲
気の下、外部水槽の温度を−5℃にコントロールし、上
記溶液を攪拌しながら2.106g(0.01モル)の
精製した4−(クロロホルミル)無水フタル酸を固形の
まま、溶液の温度が上らないように注意しながら徐々に
添加し、全て加え終わった後、攪拌を続け均一な芳香族
ポリアミドアミド酸溶液を調製した。別の300mlの
四つ口セパラブルフラスコ中に、1.682g(0.0
084モル)の精製した4,4′−ジアミノジフェニル
エーテルと0.3168g(0.0008モル)の3,
3′,4,4’−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・
二水和物を採取し、30gの蒸留されたN−ジメチルア
セトアミドを加え、攪拌し溶解させて溶液を得た。 窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を−5℃にコントロー
ルし、上記溶液を攪拌しながら2.106g(0.01
モル)の精製した4−(クロロホルミル)無水フタル酸
を固形のまま、溶液の温度が上らないように注意しなが
ら徐々に添加した。この二種の反応液を、温度を−5℃
コントロールしたまま、混合、攪拌し、均一な芳香族ポ
リアミドアミド酸溶液を調製した。後は、実施例3と同
様な方法で芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲル及び
フィルムの調製を行い、特性を調べた。TMA測定では
、275℃に二次転移に対応する熱膨脹曲線の変化が観
測された。フィルムに関し、引張り強さは11.5kg
f/mm2、弾性率は320kgf/mm2であった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】      下記[A][B][C]成分
    を有機溶媒中で重合反応させて得た芳香族ポリアミドア
    ミド酸の三次元網目構造体。 [A]下式で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物の
    アシルハライド誘導体の単独又は二種以上の組み合わせ
    【化1】 (式中、Aは三価の芳香族基、Xはハロゲン原子を表わ
    す) [B]下式で表わされる芳香族ジアミンの単独又は二種
    以上の組み合わせ 【化2】 (式中、Bは二価の芳香族基を表わす)[C]ひとつの
    分子構造中に三個以上のアミン基及び/又はアンモニウ
    ム塩基を有する多価アミンの単独又は二種以上の組み合
    わせ
  2. 【請求項2】    [A]/[B]/[C]成分のモ
    ル比が、100/(50〜100)/(1〜25)であ
    る請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次元網
    目構造体。
  3. 【請求項3】    [A][B][C]成分を主成分
    としたモノマー類を有機溶媒中で重合反応させて得られ
    た芳香族ポリアミドアミド酸溶液を0〜80℃に保つこ
    とで芳香族ポリアミドアミド酸の架橋反応を溶液中で進
    め芳香族ポリアミドアミド酸の高分子ゲルとし、次いで
    有機溶媒を除去することによる請求項1記載の芳香族ポ
    リアミドアミド酸の三次元網目構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】    [A][B][C]成分を主成分
    とした請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次
    元網目構造体を、脱水・閉環反応させることにより得ら
    れた芳香族ポリアミドイミドの三次元網目構造体。
  5. 【請求項5】    [A][B][C]成分を主成分
    とした請求項1記載の芳香族ポリアミドアミド酸の三次
    元網目構造体を50〜400℃の温度で少なくとも10
    秒以上処理し、脱水・閉環反応させることによる請求項
    4記載の芳香族ポリアミドイミドの三次元網目構造体の
    製造方法。
JP41886790A 1990-12-28 1990-12-28 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法 Pending JPH04249533A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41886790A JPH04249533A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41886790A JPH04249533A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04249533A true JPH04249533A (ja) 1992-09-04

Family

ID=18526623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP41886790A Pending JPH04249533A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04249533A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012530154A (ja) * 2009-06-11 2012-11-29 ケース ウエスタン リザーブ ユニバーシティ 低密度の疎水性物質、および、その製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012530154A (ja) * 2009-06-11 2012-11-29 ケース ウエスタン リザーブ ユニバーシティ 低密度の疎水性物質、および、その製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3152316B2 (ja) 炭素フィルム及びその製造方法
US10047207B2 (en) Microporous polyimide sponge and method for producing the same
JP2883196B2 (ja) 高性能ポリイミド成形体及びその製造方法
US5438105A (en) Polyamic acid composite, polyimide composite and processes for producing the same
WO1991004300A1 (en) Miscible blends of polybenzimidazoles and polyamide-imides having fluorine-containing linking groups
EP0454158B1 (en) Polyamic acid composite, polyimide composite and processes for producing the same
JPH04249533A (ja) 芳香族ポリアミドアミド酸等の三次元網目構造体及び その製造方法
JP2722008B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物及びその製造方法
JP2895113B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP2962784B2 (ja) ポリイミド硬化樹脂複合体及びその製法
JPH09227697A (ja) ゲルを経由した耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法
EP0418889B1 (en) Polyamic acid having three-dimensional network molecular structure, polyimide obtained therefrom and process for the preparation thereof
Kim et al. Synthesis of soluble anion-exchange copolyimides and nanofiltration membrane performances
JPH02269741A (ja) フッ素含有結合基を有するポリアミド―イミドポリマー
JP3075472B2 (ja) ポリイミド/エポキシ樹脂複合体及びその製法
Do et al. Synthesis of poly (propylene glycol)‐grafted polyimide precursors and preparation of nanoporous polyimides
JP2603927B2 (ja) 新規なポリイミド樹脂の製造方法
JP3023486B2 (ja) 機能性複合体及びその製造法
JP2678679B2 (ja) 可逆的収縮・膨潤体及びその製造方法
JPH0411656A (ja) ポリアミック酸複合体及びその製法
JPH04202430A (ja) 芳香族ポリアミドの三次元網目構造体及びその製造方法
JP2980017B2 (ja) ポリアミドイミド酸樹脂初期重合体
JP2709360B2 (ja) ポリイミド樹脂三次元網目構造を有する成形体及びその製造方法
JP3842105B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造法
JPS63175025A (ja) 新規なポリアミド酸組成物