JPH04249040A - インライン型電子銃構体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インライン型電子銃構
体に関し、特にカラー陰極線管のコンバージェンス特性
を改善出来るインライン型電子銃構体に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は一般に広く用いられているセルフ
・コンバージェンス方式のインライン型電子銃を用いた
カラー陰極線管の縦断面図である。

【０００３】図３に示す様に、インライン型電子銃１か
ら放射された同一平面内にある外側及び中央の三電子ビ
ームＢＳ，ＢＣ，ＢＳは高真空に保たれた硝子外囲器２
の漏斗状部に配設された偏向ヨーク５により水平，垂直
に偏向され、硝子外囲器２の頂面にあり内面に三色に発
光する複数の蛍光体画素が被着された蛍光面４上にこれ
と対設されたシャドウマスク３を通して走査画面を形成
する。

【０００４】セルフ・コンバージェンスを実現するため
偏向ヨーク５の水平，垂直偏向磁界分布を各々糸巻型，
樽型状とし、更に、図４に示す様に、インライン型電子
銃１の電子ビーム出口先端に取り付けられる筒側部１２
を持った有底円筒状の遮蔽磁極１０の底面１３の外側電
子ビーム開孔１１Ｓ部及び両外側開孔１１Ｓの中心を結
ぶ垂直二等分線上で中央電子ビーム開孔１１Ｃに関して
対称位置には各々高透磁率磁性材から成る環状磁気遮蔽
素子１４，磁気増強素子１５を配設して三本の電子ビー
ムＢＳ，ＢＣ，ＢＳを蛍光面４上全域で重ね合わせて走
査画面を得る様にしている。以下、環状磁気遮蔽素子１
４，磁気増強素子１５を磁界制御素子と総称する。

【０００５】静補正装置７は画面中央に於ける製造誤差
等に基づく三本の電子ビームの集中誤差や色純度を補正
する４，６及び２極に着磁された環状体から成り、陰極
線管ネック部外に装着される補正装置である。

【０００６】一般に、磁界制御素子がない場合は、蛍光
面４上の走査画面は水平偏向磁界が糸巻き型，垂直偏向
磁界が樽型歪みの磁界分布であるため両外側電子ビーム
ＢＳの走査画面は一致するが、中央電子ビームＢＣは両
外側電子ビームＢＳより弱い磁界中を通過し、その偏向
感度が両外側電子ビームＢＳより低くなり、中央電子ビ
ームＢＣの形成する走査画面は水平，垂直方向共両外側
電子ビームのそれより小さくなる、所謂、コマ収差によ
る集中誤差が生じる。

【０００７】この集中誤差を補正するために、図４に示
す様に、環状磁気遮蔽素子１４は両外側電子ビームＢＳ
の通路上の水平，垂直磁界５Ｈ，５Ｖを側路させて弱め
、中央電子ビームＢＣの通路上には垂直磁界５Ｖを集中
させて強め、一方、磁気増強素子１５は、中央電子ビー
ムＢＣの通路上に水平偏向磁界５Ｈを集中させて増強す
る作用を行わせている。その結果、三本の電子ビームは
蛍光面４上全域で重ね合わせられて集中誤差のない走査
画面を得ることが出来る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】カラー陰極線管で集中
誤差のない走査画面を得るには、前述の磁界制御素子が
必要なだけでなく、夫々所定の位置に正しく設置する必
要がある。この目的のため出願人は実公昭５５−９１６
３号で有底円筒状遮蔽磁極底面に穿設された両外側開孔
部周囲に第７図に示す様に、円筒状突縁部１１ＳＢを一
体に形成し、これに一対の環状磁気遮蔽素子１４の内環
部を嵌合させることで環状磁気遮蔽素子１４の位置を容
易に、且つ一意的に精密に決定する構成を開示した。

【０００９】一方、カラー陰極線管は、通常のＴＶ用途
以外に各種情報表示装置として高解像度特性を持たせて
ディスプレイ管としても使用されている。特に、最近で
は表示品質をより高品位化し、高密度表示を行うため水
平偏向周波数を通常のＴＶ用で用いられている。１５．
７５ＫＨｚから６４ＫＨｚ、或いは、それ以上に高周波
化させた高速偏向が行われるようになっている。

【００１０】然しながら、前記の構成を用いた場合図６
に示す様に、通常のＴＶ用周波数では無視出来る量であ
った中央電子ビームＢＣと両外側電子ビームＢＳの蛍光
面４左右端に於ける走査画面６の非対称な集中ずれであ
る非対称ミスコンバージェンス量ＨＣＲ，ＨＣＬが顕著
な量となって来る。

【００１１】この原因は、次の様に考えられる。即ち、
電子ビームは、蛍光面４側から見て、蛍光面左端から右
端に水平偏向され、その水平偏向磁界５Ｈの方向は蛍光
面４側から見た図４及び図７の遮蔽磁極１０の底面１３
内で下から上に向い、高速交番磁界である水平偏向磁界
が遮蔽磁極１０の筒側部１２及び両外側開孔１１Ｓ部の
円筒状突縁部１１ＳＢを貫通し、磁界鎖交部に渦電流を
発生させる。更に、この渦電流は渦電流磁界を発生させ
、これは、主水平偏向磁界５Ｈの変化を妨げる方向、即
ち、逆方向となり、その位相を遅らせることになる。 遮蔽磁極１０の筒側部１２に発生する渦電流磁界が中央
及両外側電子ビームＢＣ，ＢＳに与える影響はほぼ等し
いと見做せるが、それらの電子ビーム開孔１１Ｃ，１１
Ｓ部に発生する渦電流磁界の影響は異る。即ち、両外側
電子ビーム開孔１１Ｓ部には円筒状突縁部１１ＳＢがあ
り、中央電子ビーム開孔１１Ｃ部には円筒状突縁がない
ため、水平偏向磁界と鎖交する面は、両外側電子ビーム
開孔１１Ｓ部の方が中央電子ビーム開孔１１Ｃ部より大
きく、このため、水平偏向磁界に対する渦電流磁界の作
用は、両外側電子ビームＢＳの方が中央電子ビームＢＣ
より大きく作用する。

【００１２】従って、両外側電子ビームＢＳに対する水
平偏向磁界は、中央電子ビームＢＣより位相が遅れ、中
央電子ビームＢＣの方が両外側電子ビームＢＳより余分
に右側に微偏向される。殊に、水平偏向磁界５Ｈの時間
微分値として発生する渦電流による遅相磁界は、偏向の
始端より終端、更には、その中間点、即ち、蛍光面４の
中央部を偏向する時の方が大きいため、図５に示す様に
、中央電子ビームＢＣの走査画面６が両外側電子ビーム
ＢＳより全体に右に片寄った非対称な集中ずれを生じ、
その上、ミスコンバージェンス量ＨＣは画面中央で最大
となる。この画面中央に於けるミスコンバージェンス量
ＨＣは静補正装置７で補正出来るため、結局、蛍光面４
上での走査画面６は図６に示す様に、蛍光面４の左右端
で両外側電子ビームＢＳが中央電子ビームＢＣに対し左
右非対称ミスコンバージェンス量ＨＣＬ，ＨＣＲを持つ
ことになり、非対称なコマ収差のミスコンバージェンス
を生じる。実験によれば、例えば、２０インチ９０度偏
向のカラーディスプレイ管では水平偏向周波数が６４Ｋ
Ｈｚであると、非対称ミスコンバージェンス量ＨＣＬ，
ＨＣＲは０．３〜０．７ｍｍにもなり、そのミスコンバ
ージェンス量は無視出来なくなり、色ずれが著しく、そ
の画像表示品質を著しく劣化されることになる。

【００１３】本発明の目的は、上述した欠点に鑑みてな
されたもので、セルフ・コンバージェンス方式インライ
ン型電子銃を用いたカラー陰極線管に於て、磁界制御素
子の位置決めを容易に、且つ一意的に精密に出来、しか
も、水平偏向周波数によらず画面左右端で非対称なミス
コンバージェンスが生じないように出来るインライン型
電子銃構体を提供するものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、電子ビーム射
出側先端に取付けられた非磁性金属材で形成された有底
円筒状遮蔽磁極を有するインライン型電子銃構体に於て
、前記有底円筒状遮蔽磁極の底面にインライン配列され
て穿設された３つの電子ビーム透過開孔のうちの両外側
電子ビーム開孔周囲に前記電子ビーム進行方向に突出し
た円筒状突縁を一体に形成するとともに、インライン配
列開孔方向と直交する側の前記円筒状突縁の一部を切除
したことを特徴とする。

【００１５】

【作用】インライン型電子銃の電子ビーム射出側先端に
取付けられた非磁性金属材から成る有底円筒状遮蔽磁極
の底面にインライン配列されて穿設された３つの開孔中
両外側電子ビーム開孔周囲に電子ビーム進行方向に突出
した円筒状突縁部を一体に形成するとともに、インライ
ン配列開孔方向と直交する側の円筒状突縁部の一部を切
除し、これに環状磁気遮蔽素子を嵌合固定することによ
って、環状磁気遮蔽素子の両外側電子ビーム開孔に対す
る位置を容易に、且つ一意的に精密に決定可能であり、
しかも水平偏向磁界が両外側電子ビーム開孔周囲の円筒
状突縁部を通過しても水平偏向磁界と鎖交する突縁部が
ないため、渦電流の発生を防止出来て、両外側電子ビー
ム開孔部での偏向磁界の位相が遅くれることはなくなり
、その位相を中央と両外側電子ビーム開孔部で一致させ
ることが可能となる。

【００１６】従って、水平偏向周波数の高速化の如何に
かかわらず、中央及び両外側電子ビームが形成する走査
画面のコマ収差による左右非対称なミスコンバージェン
スを完全に除去出来てインライン型電子銃を高密度の画
像情報を高品位に表示可能な電子銃構体とすることがで
きる。

【００１７】

【実施例】以下、図面を参照にして本発明の実施例を詳
細に説明する。

【００１８】図１は本発明の一実施例に基づく遮蔽磁極
の一部切欠き斜視図、図２は図１の遮蔽磁極を磁界制御
素子と共に用いた状態を示す側断面図である。

【００１９】尚、以下の説明では説明の簡略化のため、
従来と同一のものには前出と同一の符号をつけて示す。

【００２０】図１及び図２に示す様に、遮蔽磁極２０は
、従来と同様に、非磁性の金属材から形成された筒側部
２２，底面２３を持った有底円筒状となっている。底面
２３には同一直線上に中央電子ビーム開孔２１Ｃ，両外
側電子ビーム開孔２１Ｓが穿設されていて、両外側電子
ビーム開孔２１Ｓ周囲には電子ビーム進行方向に突出し
た円筒状突縁部２１ＳＢが一体に形成されている。更に
、両外側電子ビーム開孔２１Ｓの円筒状突縁部２１ＳＢ
のインライン配列開孔と直交する側の突縁の一部をほぼ
遮蔽磁極２０の底面２３の所から切除し、円弧状突縁２
１Ａをインライン配列開孔方向に形成する。環状磁気遮
蔽素子１４は内環部を円弧状突縁２１Ａに嵌合させれば
、その所定位置が決定出来てそれを遮蔽磁極２０の底面
２３に溶接等で固定すればよい。

【００２１】従って、上記した構成にしても、環状磁気
遮蔽素子１４は、円弧状突縁２１Ａによってその位置を
精密に規制可能で、しかも容易に、一意的にできる。同
時に、水平偏向磁界が両外側電子ビーム開孔２１Ｓ部を
通過しても、水平偏向磁界と鎖交する円筒状突縁部２１
ＳＢの一部が切除されているため、渦電流の発生は防止
出来て、そのために両外側電子ビーム開孔２１Ｓ部近傍
での偏向磁界の位相が中央電子ビーム開孔２１Ｃ部より
遅れることはなくなり、その位相を中央と両外側開孔部
で一致させることが可能となる。

【００２２】

【発明の効果】以上述べた様にこの発明によれば、遮蔽
磁極底面の両外側電子ビーム開孔部に形成された円筒状
突縁の水平偏向磁界通過部を局部的に切除したため、環
状磁気遮蔽素子の両外側電子ビーム開孔に対する位置を
精密に、しかも、容易且つ一意的に決定可能となる効果
がある。

【００２３】更に、水平偏向周波数の高周波化にかかわ
らず、中央と両外側電子ビーム開孔部の偏向磁界の位相
を一致させることが可能となり、走査画面の左右端に現
われる左右非対称なミスコンバージェンスの発生を完全
に除去できて、インライン型電子銃を高密度の映像情報
をミスコンバージェンスによる色ずれなく、高品位に表
示可能な電子銃構体とすることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に基づく遮蔽磁極の一部切欠
き斜視図である。

【図２】図１の遮蔽磁極を磁界制御素子と共に用いた状
態を示す側断面図である。

【図３】従来のインライン型電子銃を用いたカラー陰極
線管の縦断面図である。

【図４】蛍光面側から見た遮蔽磁極底面の電子ビーム用
開孔部とその近傍に配設された磁界制御素子及びその水
平，垂直偏向磁界に対する作用を示す原理図である。

【図５】静集中補正が行われていない時の蛍光面上の走
査画面の正面図である。

【図６】静集中補正後の蛍光面上の走査画面の正面図で
ある。

【図７】環状磁気遮蔽素子の位置決めが精密に出来る従
来の遮蔽磁極の側断面図である。

【符号の説明】

１　　　　インライン型電子銃 ２　　　　硝子外囲器 ３　　　　シャドウマスク ４　　　　蛍光面 ５　　　　偏向ヨーク ６　　　　走査画面 ７　　　　静補正装置 １０，２０　　　　遮蔽磁極 １１Ｃ　　　　中央電子ビーム開孔 １１Ｓ　　　　外側電子ビーム開孔 １２，２２　　　　筒側部 １３，２３　　　　底面 １４　　　　環状磁気遮蔽素子 １５　　　　磁気増強素子 ５Ｈ　　　　水平偏向磁界 ５Ｖ　　　　垂直偏向磁界 ＨＣ　　　　ミスコンバージェンス量 ＨＣＬ，ＨＣＲ　　　　非対称ミスコンバージェンス量
１１ＳＢ，２１ＳＢ　　　　円筒状突起部２１Ａ　　　
　円弧状突縁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　電子ビーム射出側先端に取付けられた
   非磁性金属材で形成された有底円筒状遮蔽磁極を有する
   インライン型電子銃構体に於て、前記有底円筒状遮蔽磁
   極の底面にインライン配列されて穿設された３つの電子
   ビーム透過開孔のうちの両外側電子ビーム開孔周囲に前
   記電子ビーム進行方向に突出した円筒状突縁を一体に形
   成するとともに、インライン配列開孔方向と直交する側
   の前記円筒状突縁の一部を切除したことを特徴としたイ
   ンライン型電子銃構体。