JP2671608B2 - インライン型電子銃構体 - Google Patents

インライン型電子銃構体

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JP2671608B2
JP2671608B2 JP3003057A JP305791A JP2671608B2 JP 2671608 B2 JP2671608 B2 JP 2671608B2 JP 3003057 A JP3003057 A JP 3003057A JP 305791 A JP305791 A JP 305791A JP 2671608 B2 JP2671608 B2 JP 2671608B2
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一晃 内記
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NEC Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インライン型電子銃構
体に関し、特にカラー陰極線管のコンバージェンス特性
を改善出来るインライン型電子銃構体に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は一般に広く用いられているセルフ
・コンバージェンス方式のインライン型電子銃を用いた
カラー陰極線管の縦断面図である。
【0003】図3に示す様に、インライン型電子銃1か
ら放射された同一平面内にある外側及び中央の三電子ビ
ームBS,BC,BSは高真空に保たれた硝子外囲器2
の漏斗状部に配設された偏向ヨーク5により水平,垂直
に偏向され、硝子外囲器2の頂面にあり内面に三色に発
光する複数の蛍光体画素が被着された蛍光面4上にこれ
と対設されたシャドウマスク3を通して走査画面を形成
する。
【0004】セルフ・コンバージェンスを実現するため
偏向ヨーク5の水平,垂直偏向磁界分布を各々糸巻型,
樽型状とし、更に、図4に示す様に、インライン型電子
銃1の電子ビーム出口先端に取り付けられる筒側部12
を持った有底円筒状の遮蔽磁極10の底面13の外側電
子ビーム透孔11S部及び両外側透孔11Sの中心を結
ぶ垂直二等分線上で中央電子ビーム透孔11Cに関して
対称位置には各々高透磁率磁性材から成る環状磁気遮蔽
素子14,磁気増強素子15を配設して三本の電子ビー
ムBS,BC,BSを蛍光面4上全域で重ね合わせて走
査画面を得る様にしている。以下、環状磁気遮蔽素子1
4,磁気増強素子15を磁界制御素子と総称する。
【0005】静補正装置7は、画面中央に於ける製造誤
差等に基づく三電子ビームの集中誤差や色純度を補正す
る4,6及び2極に着磁された環状体から成り、陰極線
管ネック部外に装着される補正装置である。
【0006】一般に、磁界制御素子がない場合は、蛍光
面4上の走査画面は水平偏向磁界が糸巻き型,垂直偏向
磁界が樽型歪みの磁界分布であるため両外側電子ビーム
BSの走査画面は一致するが、中央電子ビームBCは両
外側電子ビームBSより弱い磁界中を通過し、その偏向
感度が両外側電子ビームBSより低くなり、中央電子ビ
ームBCの形成する走査画面は水平,垂直方向共両外側
電子ビームBSのそれより小さくなる、所謂、コマ収差
による集中誤差が生じる。
【0007】この集中誤差を補正するために、図4に示
す様に、環状磁気遮蔽素子14は両外側電子ビームBS
の通路上の水平,垂直磁界5H,5Vを側路させて弱
め、中央電子ビームBCの通路上には垂直磁界5Vを集
中させて強め、一方、磁気増強素子15は中央電子ビー
ムBCの通路上に水平偏向磁界5Hを集中させて増強す
る作用を行わせている。その結果、三本の電子ビームB
S,BC,BSは、蛍光面4上全域で重ね合わせられて
集中誤差のない走査画面を得ることが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】カラー陰極線管は、通
常のTV用途以外に各種情報表示装置として高解像度特
性を持たせてディスプレイ管として使用される。特に、
最近では表示品質をより高品位化し、高密度表示を行う
ため水平偏向周波数を通常のTV用で用いられている1
5.75KHzから64KHz、或いは、それ以上に高
周波化させた高速偏向走査が行われるようになってい
る。この場合、図6に示す様に、TV用周波数では無視
出来た中央電子ビームBCと両外側電子ビームBSの蛍
光面4左右端に於ける走査画面6の非対称の集中ずれで
ある非対称ミスコンバージェンスHCR,HCLが顕著
となって来る。
【0009】この原因は次の様に考えられる。即ち、電
子ビームは、蛍光面4側から見て、蛍光面4左端から右
端に水平偏向され、その水平偏向磁界5Hの方向は蛍光
面4側から見た図4の遮蔽磁極10の底面13内で下か
ら上に向い、高速の水平偏向磁界5Hが遮蔽磁極10の
筒側部12を貫通し、そこに渦電流を発生させる。更
に、この渦電流は、渦電流磁界を発生させ、これは、主
水平偏向磁界5Hと逆方向になり、その位相を遅らせる
ことになる。中央電子ビームBC通路と直交してインラ
イン配列方向に直交する遮蔽磁極10の筒側部12は、
両外側電子ビームBSのそれより水平偏向磁界5Hと鎖
交する実効面積が大きいため、主水平偏向磁界5Hに対
する渦電流磁界の作用は両外側電子ビームBSより中央
電子ビームBCの方により大きく作用する。
【0010】従って、中央電子ビームBCに対する水平
偏向磁界5Hは、両外側電子ビームBSより位相が遅
れ、両外側電子ビームBSの方が中央電子ビームBCよ
り余分に右側に微偏向される。殊に、水平偏向磁界5H
の時間微分値で発生する渦電流による遅相磁界は、偏向
の始端より終端、更には、その中間点、即ち、蛍光面4
の中央部を偏向する時の方が大きいため、図5に示す様
に、両外側電子ビームBSの走査画面6が中央電子ビー
ムBCより全体に右に片寄った非対称な集中ずれを生
じ、その上、ミスコンバージェンスHCは画面中央で最
大となる。この画面中央に於けるミスコンバージェンス
HCは静補正装置7で補正出来るため、結局、蛍光面4
上での走査画面6は、図6に示す様に、蛍光面4の左右
端で両外側電子ビームBSに対し、中央電子ビームBC
が非対称ミスコンバージェンスHCL,HCRを持つこ
とになり、非対称なコマ収差のミスコンバージェンスを
生じる。
【0011】実験によれば、例えば、20インチ90度
偏向のディスプレイ管では水平偏向周波数が64KHz
であると、非対称ミスコンバージェンスHCL,HCR
は、0.3〜0.7mmにもなり、そのミスコンバージ
ェンスは無視出来なくなり、色ずれが著しくその表示品
質を著しく劣化させることになる。
【0012】本発明の目的は、上述の欠点に鑑みてなさ
れたもので、セルフ・コンバージェンス方式インライン
型電子銃を用いたカラー陰極線管に於て、水平偏向周波
数によらず画面左右端で、非対称ミスコンバージェンス
が生じないようにしたインライン型電子銃構体を提供す
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインライン型電
子銃構体は、インライン型電子銃の電子ビーム射出側先
端に取付けられた非磁性材から成る有底円筒状遮蔽磁極
底面の両外側電子ビーム透孔部を含む周囲の面を開放端
側に向かって突出させ、頂部に電子ビーム透孔部を含み
前記底面に平行な面を形成させたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は、インライン型電子銃の電子ビーム射
出側先端に取付けられた非磁性材から成る有底円筒状遮
蔽磁極底面の両外側電子ビーム透過部を含む周囲の面を
突出形成させたことを特徴とする。
【0015】この様に構成することによって、偏向磁界
が両外側電子ビーム透孔部周囲の突出部を透過する際に
渦電流が誘起され、これにより偏向磁界の位相を遅らせ
てその位相を中央電子ビーム透孔部の遅相磁界に一致さ
せることが可能となる。従って、水平偏向周波数の高速
化にかかわらず、中央及び両外側電子ビームが形成する
走査画面のコマ収差による左右非対称なミスコンバージ
ェンスを完全に除去できて、インライン型電子銃を高密
度の映像情報を高品位に表示可能な電子銃構体とするこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施例を示す遮蔽磁
極の一部切欠き斜視図を示す。以下では説明の簡略化の
ため、従来と同一のものには前出と同一の符号をつけて
示す。
【0018】第1の実施例は、図1に示す様に、遮蔽磁
極20は従来と同様に非磁性材から形成された筒側部2
2,底面23を持った有底円筒状となっている。底面2
3には同一直線上に中央電子ビーム透孔21C,両外側
電子ビーム透孔21Sが穿設されていて、更に、両外側
電子ビーム透孔21S穿設部近傍の底面には透孔を中心
とした所定の直径と高さを持って円筒状に遮蔽磁極20
の開放端側に向って突出させた円筒状突出部25が形成
されている。
【0019】遮蔽磁極20の両外側電子ビーム透孔21
S部が突出しているため、水平偏向磁界がここを透過す
る時に円筒状突出部25の筒側部には渦電流が誘起さ
れ、ここに発生する渦電流磁界は、水平偏向磁界の変化
を妨げる方向が逆の磁界であり、両外側電子ビーム透孔
21S部を透過する磁界は、円筒状突出部25がない時
より位相が遅れる。従って、従来の遮蔽磁極では、中央
電子ビームBCに対する水平偏向磁界は両外側電子ビー
ムBSより位相が遅れていたが、本実施例によれば遮蔽
磁極20の円筒状突出部25の大きさを適切に選択する
ことによって両外側電子ビームBSに対する水平偏向磁
界の遅相化作用で位相遅れを補正でき、中央と両外側電
子ビームに対する水平偏向磁界の位相を一致させること
が可能となる。
【0020】このため、水平偏向磁界の周波数が高速化
されても中央と両外側電子ビームに対する水平偏向磁界
の位相を常に一致させることが可能であり、従来の画面
左右端に現われる左右非対称なミスコンバージェンスを
完全に除去出来る。
【0021】図2は本発明の第2の実施例を示す遮蔽磁
極の平面図である。
【0022】第1の実施例との相違は、図2に示す様
に、遮蔽磁極30の底面33の両外側電子ビーム透孔3
1Sの穿設された底面近傍が角柱状に突出させて角柱状
突出部35を形成していることであり、その作用効果は
前述の第1の実施例と同一である。
【0023】
【発明の効果】以上の様にこの発明によれば、遮蔽磁極
底面の両外側電子ビーム透孔部を含むその近傍の面を突
出形成させたことにより、水平偏向周波数の高速化にか
かわらず、中央及び両外側電子ビーム透孔部の偏向磁界
の位相を一致させることが可能となり、走査画面の左右
端に現われる左右非対称のミスコンバージェンスを完全
に除去できて、インライン型電子銃を高密度の映像情報
を色ずれなく高品位に表示可能な電子銃構体とすること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す遮蔽磁極の一部切
欠き斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す遮蔽磁極の平面図
である。
【図3】従来のインライン型電子銃を用いたカラー陰極
線管の一例の縦断面図である。
【図4】図3のカラー陰極線管の蛍光面側から見た遮蔽
磁極底面及びその水平,垂直偏向磁界に対する作用を示
す原理図である。
【図5】静集中補正が行われていないときの蛍光面上の
走査画面の正面図である。
【図6】静集中補正後の蛍光面の走査画面の正面図であ
る。
【符号の説明】
1 インライン型電子銃 2 硝子外囲器 3 シャドウマスク 4 蛍光面 5 偏向ヨーク 6 走査画面 7 静補正装置 10,20,30 遮蔽磁極 11C 中央電子ビーム透孔 11S 外側電子ビーム透孔 12,22,32 筒側部 13,23 33 底面 14 環状磁気遮蔽素子 15 磁気増強素子 5H 水平偏向磁界 5V 垂直偏向磁界 HC ミスコンバージェンス HCL,HCR 非対称ミスコンバージェンス 25 円筒状突出部 35 角柱状突出部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン型電子銃の電子ビーム射出側
    先端に取付けられた非磁性材から成る有底円筒状遮蔽磁
    極底面の両外側電子ビーム透孔部を含む周囲の面を開放
    端側に向かって突出させ、頂部に電子ビーム透孔部を含
    み前記底面に平行な面を形成させたことを特徴としたイ
    ンライン型電子銃構体。
JP3003057A 1991-01-16 1991-01-16 インライン型電子銃構体 Expired - Lifetime JP2671608B2 (ja)

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JP3003057A JP2671608B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 インライン型電子銃構体

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JPH04242052A JPH04242052A (ja) 1992-08-28
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03208238A (ja) * 1990-01-08 1991-09-11 Mitsubishi Electric Corp カラー受像管

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