JPH04244448A - 車両用バンパー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用バンパー構造に係
り、詳しくは、軽衝突時におけるバンパー本体の変位吸
収機能を向上させて、周囲の車体構造を変形させないよ
うにした車両用バンパー構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車等の車両の前部または後部に車幅
方向に設けられるバンパーは、軽量化等の要請から、近
時は、これらを樹脂材で形成するようになっている。そ
して、バンパー本体と、その前面を被うように配置され
るバンパーフェイスと称される表皮材とで構成すること
が多い。このような場合、バンパー本体に充分な弾力性
と耐力を具備させ、その両側部に一体化させた座金等を
介して両側の車体フレームにボルトとナットの締結等に
より固定する一方、通常、図９に示すように、そのバン
パー本体１の下部に、バンパーフェイス２の下部をボル
ト３とナット４の締結等により固定し、その上端縁を、
板金製のブラケット５等を介してバンパー本体１の上部
に組み付けていた。このような組み付け構造では、その
バンパーフェイス２自体の剛性が比較的低いことから、
その上端縁の充分な取り付け剛性を確保する必要があり
、そのためには、かなりの数のブラケット５を適当な間
隔で配置しなければならなかった。そのため、部品点数
が多くなり、かつ組み付けに手間を要するという難点が
あった。このようなことから、例えば特開昭５９−２３
０８４７号公報にも記載されているように、ブロー成形
法により中空状に形成したバンパー本体の前部と上下両
面に、バンパーフェイスを直接被せるように一体化させ
たバンパー構造も提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、フロントバ
ンパーは、通常前凸状の緩やかな円弧状となっており、
いわゆる軽衝突時にも、その出っ張り部分に衝撃が作用
して車体の破損を招くことが多い。このような軽衝突時
における車体の破損をできるだけ少なくするためには、
バンパーの弾性限界内での変形が、そのすぐ上方に近接
して配置されているグリルやパネル、あるいはヘッドラ
ンプ等に影響を及ぼさないようにすることが望ましい。 つまり、バンパー本体やバンパーフェイスの変形によっ
て、周囲の車体構造に二次的な損傷を与えることのない
ような変位吸収機能がバンパー本体に付与されているこ
とが好ましい。しかるに、前述した従来例の後者のよう
に、バンパーフェイスをバンパー本体に直接被せて一体
化した場合には、軽衝突時においても、中空状に形成さ
れたバンパー本体の前部が強圧されると、バンパーフェ
イスとともに、容易に上下に拡がるように変形する。し
たがって、そのバンパーの上方への変形によって、それ
と近接して配置されているグリルやパネル等が下から突
き上げられ、容易に変形してしまうことがある。本発明
はこのような事情を考慮してなされ、部品点数が少なく
、かつ組み付け容易で、バンパーフェイスの充分な取付
剛性を得られ、しかも軽衝突時に周囲の車体構造に損傷
を与えることのないような変位吸収能力を有する車両用
バンパー構造を安価に提供することを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段を、例えば図１に示すように、以下の
如く構成している。 （１）樹脂製のバンパー本体１を、メイン部１２と、そ
の上方に間隔をおいてほぼ並行に設けられるフェイス取
付部１３とにより構成され、そのフェイス取付部１３の
前端を、上記メイン部１２の前端よりも後方に配置し、
上記バンパー本体１を被うバンパーフェイス２の上部が
、上記フェイス取付部１３に取り付けられている。 （２）上記のバンパー本体１を、中空のブロー成形品で
形成してもよい。 （３）上記のバンパー本体１に形成するフェイス取付部
１３を、その幅方向に広く延長してその両側でメイン部
１２と一体化させてもよい（図４参照）。

【０００５】

【作用】バンパー本体１のメイン部１２の上方に間隔を
おいてほぼ並行に設けられたフェイス取付部１３を高剛
性に形成して、バンパーフェイス２の上端縁を安定に支
持させ、充分な取付剛性を得ることができる。そして、
そのフェイス取付部１３の前端を、メイン部１２の前端
よりも後方に配置しているため、前方からの軽衝突時に
は、メイン部１２の前端でのみ一次衝撃を吸収し、その
メイン部１２の変位吸収機能により、フェイス取付部１
３を二次的に変形させないようにすることができる。つ
まり、フェイス取付部１３は、メイン部１２よりも後方
にあるため、直接衝撃を受けることはなく、衝撃を受け
たメイン部１２のみが弾性限度内で後退変形しても、そ
の上方に間隔をおいて形成されたフェイス取付部１３に
変形が及ぶことはない。したがって、そのフェイス取付
部１３に取り付けられているバンパーフェイス２の上方
への変形が回避され、それに近接して配置されているグ
リルやパネル、ヘッドランプ装置等の車体構造に損傷が
発生するのを防止することができる。このようなバンパ
ー本体１をブロー成形法により形成すると、部品点数が
少なく、衝撃吸収能力の高いものを安価に得ることがで
きる。そして、フェイス取付部１３に、バンパーフェイ
ス２を掛止させるための掛止構造やボルト孔等を容易に
形成できるため、バンパーフェイス２の組み付けが容易
となる。また、バンパー本体１に形成するフェイス取付
部１３を、車幅方向に広く延長してその両側部でメイン
部１２と一体化させると、つまり、メイン部１２と一体
化されたフェイス取付部１３の両側の間隔を広く設定す
ると、メイン部１２自体の軽衝突時における許容後退量
が大きくなり、変位吸収機能が向上して、フェイス取付
部１３の二次的な変形をより効果的に防止することがで
きる。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、樹脂製のバンパー本体
を、メイン部と、その上方に間隔をおいて設けられるフ
ェイス取付部とにより構成し、そのフェイス取付部の前
端を、上記メイン部の前端よりも後方に配置しているの
で、バンパーフェイスの充分な取付剛性を得ることがで
き、かつ、軽衝突時に周囲の車体構造に損傷を与えるこ
とのないような変位吸収能力をメイン部に付与すること
ができ、フェイス取付部は、直接または二次的に衝撃を
受けることはなく、そのバンパー本体に近接して配置さ
れているグリルやパネル等の車体構造に損傷が発生する
のを防止することができる。このようなバンパー本体を
ブロー成形により形成すると、部品点数が少なくなり、
かつバンパーフェイスの組み付けが容易となる。また、
そのフェイス取付部を、車幅方向に広く延ばしてその両
側部でメイン部と一体化させることにより、メイン部自
体の変位吸収能を向上させ、フェイス取付部の二次的な
変形をより効果的に防止することができる。

【０００７】

【実施例】以下に、本発明をその実施例に基づいて、詳
細に説明する。本例に示す車両用バンパー構造は、自動
車のフロントバンパーに採用される。そして、とくに軽
衝突時に、周囲に配置されているグリルやパネル等に損
傷を与えることのないよう、以下のように構成している
。図３に示すように、自動車９のフロントバンパー１０
は、やや前凸状の緩やかな円弧に形成され、その中央断
面を表す図１に示すように、バンパー本体１の前面をバ
ンパーフェイス２で被うようにして、これらを一体化さ
せた構成としている。そのバンパー本体１は、車幅方向
に延びてその両側を車体フレーム１１，１１（図２参照
）に固定されるメイン部１２と、その上方に間隔をおい
てほぼ並行に配置されるフェイス取付部１３とを有し、
そのフェイス取付部１３はその両側でバンパー本体１と
一体化されている。詳述すると、バンパー本体１はブロ
ー成形法により充分な弾力性と耐力を有するように形成
され、そのメイン部１２は断面が略コ字状で上下に二つ
の幅方向に形成された閉断面１５，１６を形成し、その
両側に車体フレーム１１へ取り付けるための座金１７（
図２参照）をインサート法により一体化させるとともに
、その上部に間隔を置いてフェイス取付部１３を一体的
に形成している。そのフェイス取付部１３はメイン部１
２とほぼ並行の幅方向の閉断面１９を有し、その上部後
端縁にバンパーフェイス２の上端縁を組み付けるための
庇状の掛止部２１を幅方向に形成している。そして、そ
の両側部２２，２２でメイン部１２と一体化され、その
前端はメイン部１２の前端よりも後方に位置している。 一方、バンパー本体１の下部には、断面が略コ字状のバ
ンパーフェイス２の下部をボルト３とナット４の締結等
により固定し、その上端縁に形成したチャンネル状の被
掛止部２３を、上述したフェイス取付部１３の掛止部２
１に掛止させ、組み付け作業を容易にしている。

【０００８】このようにバンパー本体１に組み付けられ
るバンパーフェイス２は、その上端縁の被掛止部２３あ
たりがグリル２５直下の位置に配置されるため、とくに
目につきやすいが、その被掛止部２３が、閉断面１９を
有して比較的に高剛性に形成されたフェイス取付部１３
に直接上載して庇状の掛止部２１に掛止されているため
、しっかりとした取付剛性を得ることができる。そして
、そのフェイス取付部１３の前端を、メイン部１２の前
端よりも後方に配置しているため、前方からの軽衝突時
には、そのメイン部１２の前端でのみ一次衝撃を吸収し
、そのメイン部１２の変位吸収機能により、フェイス取
付部１３を二次的に変形させないようにすることができ
る。つまり、フェイス取付部１３を、メイン部１２より
も後方に位置をずらせて配置したため、軽衝突では、そ
のフェイス取付部１３は直接衝撃を受けることはなく、
衝撃を受けたメイン部１２のみがその弾性限度内で後退
変形して、その上方に間隔をおいて形成されたフェイス
取付部１３に変形を及ばせないようにしている（図１中
の二点鎖線参照）。したがって、そのフェイス取付部１
３に取り付けられたバンパーフェイス２の上端縁が、従
来のように、上方へ変形するのが回避され、それに近接
して配置されているグリル２５やヘッドランプ装置２６
（図３参照）等の車体構造に損傷が発生するのを回避す
ることができる。なお、図１にて、１８はボンネットで
ある。上述したメイン部１２の変位吸収能力は、バンパ
ー本体１の上方に間隔を有して一体に設けるフェイス取
付部１３を、図４に示すように、車幅方向に延ばして比
較的に幅広に形成することにより、また、そのフェイス
取付部１３の前端を、メイン部１２の前端に対してより
後方に位置させ、軽衝突時におけるメイン部１２の許容
後退量をより大きく設定することにより、一層効果的に
向上されることになる。変位吸収機能を向上させれば、
前述したように、軽衝突時には、やや前凸状の緩やかな
円弧に形成されるフロントバンパー１０（図３参照）に
たとえ凹みが生じても、周囲のグリル２５やヘッドラン
プ装置２６等の車体構造にバンパー本体１やバンパーフ
ェイス２が二次的に衝突するのをより効果的に防止する
ことができる。なお、このように、フェイス取付部１３
を比較的に幅広に形成する場合には、その上部に形成す
る掛止部２１は、図示のように、三分割したものを間隔
をおいて配置してもよい。上述したようなバンパー本体
１は、ブロー成形法により比較的容易に一体に形成でき
るため、部品点数を少なく、かつ前述したように、バン
パーフェイス２の組み付けをも容易なものとして、その
弾力特性により、上述したような変位吸収能力の良好な
ものを安価に得ることができる。

【０００９】図５および図６は異なる実施例を示し、バ
ンパーフェイス２の被掛止部３３とフェイス取付部１３
の上部に形成する掛止部３１とを、ファスナー３２で掛
止固定するようにして、フェイス取付部１３を成形容易
な構造としている。なお、図６の３４はファスナー３２
を嵌挿させるための穿孔である。また、バンパーフェイ
ス２の被掛止部３３の前方には、グリル２５との間の適
当な隙間を形成するための突縁部３５（図５参照）をグ
リル２５に対応させて形成している。図７および図８は
別の実施例を示し、フェイス取付部１３の上部に設ける
掛止部４１として、チャンネル状に形成した板金部材を
採用し、インサート法によってフェイス取付部１３の上
部に３セットを間隔をおいて配置し、一体化させたもの
である。

【００１０】以上のように、本発明の車両用バンパー構
造によれば、樹脂製のバンパー本体を、メイン部とその
上方に間隔をおいてほぼ並行に形成されるフェイス取付
部とにより構成し、そのフェイス取付部を高剛性に形成
して、バンパーフェイスの取付剛性を良好なものとし、
かつ、その前端を上記メイン部の前端よりも後方に配置
することにより、軽衝突時におけるバンパー本体の変位
吸収機能を向上させ、周囲の車体構造に損傷を与えるこ
とのないようにすることができる。そして、ブロー成形
法等により、このようなバンパー本体を容易に一体に形
成して、部品点数を少なく、安価に提供することができ
る。また、バンパーフェイスの上部とフェイス取付部と
を、相互に掛止させるような構造を設けることが容易で
あるため、バンパーフェイスの組付性を良好なものとす
ることもできる。なお、実施例では、本発明をフロント
バンパーに適用したが、リヤバンパーに適用できること
はいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の車両用バンパー構造の一実施例に
おける要部断面で、図３のＡ−Ａ線矢視断面図。

【図２】　　フロントバンパーの分解組立斜視図。

【図３】　　自動車の前部斜視図。

【図４】　　幅広のフェイス取付部を具備したバンパー
本体の斜視図。

【図５】　　異なる実施例における要部断面図。

【図６】　　バンパー本体の斜視図。

【図７】　　別の実施例における要部断面図。

【図８】　　バンパー本体の斜視図。

【図９】　　従来のバンパー構造における要部断面図。

【符号の説明】

１…バンパー本体、２…バンパーフェイス、１２…メイ
ン部、１３…フェイス取付部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　樹脂製のバンパー本体が、メイン部と
   、その上方に間隔をおいてほぼ並行に設けられるフェイ
   ス取付部とからなり、そのフェイス取付部の前端が、上
   記メイン部の前端よりも後方に配置され、上記バンパー
   本体を被うバンパーフェイスの上部が上記フェイス取付
   部に取り付けられていることを特徴とする車両用バンパ
   ー構造。
2. 【請求項２】　　請求項１に記載のバンパー本体が、中
   空のブロー成形品であることを特徴とする車両用バンパ
   ー構造。
3. 【請求項３】　　請求項１に記載のフェイス取付部が、
   バンパー本体とほぼ並行に幅方向に広く延長され、その
   両側でメイン部と一体化されていることを特徴とする車
   両用バンパー構造。