JPH0424298B2 - - Google Patents
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- JPH0424298B2 JPH0424298B2 JP14935785A JP14935785A JPH0424298B2 JP H0424298 B2 JPH0424298 B2 JP H0424298B2 JP 14935785 A JP14935785 A JP 14935785A JP 14935785 A JP14935785 A JP 14935785A JP H0424298 B2 JPH0424298 B2 JP H0424298B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/089—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
- C03C3/091—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
- C03C3/093—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium containing zinc or zirconium
Description
[産業上の利用分野]
この発明はイオン交換法によつて屈折率勾配を
有するガラス体を製造するのに好適なガラス組成
物に関する。 [従来の技術] ガラス体に屈折率勾配を形成させる方法の一つ
として、イオン交換法が知られている。この方法
はガラスの屈折率を高める効果が大きいLi+、
Cs+、Tl+などの一価の陽イオン(以下、Aイオ
ンという)を含有するガラス体と、Aイオンより
も屈折率に寄与する力が小さいNa+、K+などの
一価のアルカル金属イオン(以下、Bイオンとい
う)を含有する溶融塩を使用し、この溶融塩中に
上記のガラス体を浸漬してA、B両イオンを相互
に交換させる方法であつて、例えばロツド状ガラ
ス体をこの方法で処理すれば、ロツドの中心軸に
関して対称に、ほぼ式(1)で示される屈折率勾配を
ロツド状ガラス体に形成させることができる。 n(r)2=np 2(1−g2r2) (1) ここで、n(r):中心軸から半径方向に距離r
だけ離れた地点での屈折率 np:中心軸上の屈折率 g:屈折率分布定数 また、ロツド状ガラス体の代わりに、スラブ状
ガラス体や球状ガラス体を選んだ場合には、上記
のイオン交換法によつてスラブ状ガラス体には中
心面対称の、球状ガラス体には中心点対称の屈折
率勾配をそれぞれ形成させることができる。 ところで、イオン交換法で使用されるガラス体
をAイオンの種類別に整理すると、特公昭47−
816号、同47−822号、同57−188431号の各公報な
どに記載されたTl含有ガラスと、特公昭47−816
号公報などに記載されたCs含有ガラスと、特開
昭58−125632号公報などに記載されたLi含有ガラ
スに大別される。Tl含有ガラスはイオン交換法
によつて形成される屈折率勾配が大きく、式(2)で
表わされる開口数(N.A.)も0.6程度と高くする
ことができるので、集光性に優れたレンズを製造
できる利点がある。しかし、Tl+は毒性が強いた
め、その取扱いに難点がある。 N.A.=npgrp (2) ここで、np:ロツド中心軸上の屈折率 rp:ロツド半径 g:屈折率分布定数 一方、Cs含有ガラスはCs+が無害である長所が
あるもの、得られるレンズの開口数が0.1〜0.2程
度と小さいばかりでなく、Cs+の拡散速度が遅い
ため、例えば1mmφのロツド状レンズを製造する
に際しては200時間程度のイオン交換処理を必要
とする欠点があり、しかもCs原料は高価である
ので、経済的不利も免れない。 これに対してLi含有ガラスはLi+の拡散速度が
速く、Tl+やCs+の場合に比べ短時間のイオン交
換処理でレンズを製造することができ、またLi原
料はTl原料やCs原料より安価である点でも有利
である。ところが、Li含有ガラスから得られるレ
ンズは、一般に屈折率勾配が小さく、開口数も
0.2以下と小さい欠点があつた。然るに特開昭58
−120539号公報には、SiO2−Li2O系ガラスに
TiO2、Gd2O3、La2O3及びY2O3から選ばれた成
分を配合したガラス組成物を、その屈伏点から転
移点までの温度でイオン交換させることにより、
屈折率勾配を増大させ、開口数が0.4程度のレン
ズを製造する技術が提案されている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記の特開昭58−120539号公報に記載されたガ
ラスは、溶融中及びイオン交換中に失透しやす
く、ガラスの安定性の点で必ずしも満足できな
い。 この発明は、SiO2−LiO2系ガラスに適当量の
Nb2O5及びSrOを配合することにより、溶融中及
びイオン交換処理中に失透を起すことがなく、し
かも比較的短時間のイオン交換処理で開口数0.2
〜0.4程度のレンズを製造することができるガラ
ス組成物を提供する。 [問題点を解決するための手段] この発明のガラス組成物は、モル%で、 SiO2 40〜65 B2O3 0〜8 Li2O 10〜40 Na2O 0〜15 Li2O+Na2O 15〜45 SrO 2〜20 MgO 0〜10 BaO 0〜10 SrO+MgO+BaO 5〜30 Nb2O5 3〜20 Al2O3 0〜5 La2O3 0〜5 TiO2 0〜5 ZrO2 0〜5 Al2O3+La2O3+TiO2+ZrO2 0〜10 K2O 0〜3 Rb2O 0〜2 Cs2O 0〜2 ZnO 0〜5 PbO 0〜5 Y2O3 0〜2 Ta2O5 0〜3 WO3 0〜2 As2O3 0〜1 Sb2O3 0〜1 からなる組成を有することを特徴とするもので、
以下、各成分の量的限定理由を述べれば、次の通
りである。 SiO2はガラス形成酸化物であり、含有量40%
未満ではガラスが不安定で失透が起りやすくな
る。また65%を越えると、溶融温度を1500℃以上
にしなければならないだけでなく、ガラス融液の
粘性が増大して均質化しにくく、また溶解中に
Li+などが揮発し易くなり、脈理などの欠陥も生
じやすい。従つてSiO2含有量は40〜65%、好ま
しくは45〜55%とすべきである。 B2O3もSiO2と同様、ガラス形成酸化物である
が、SiO2とは逆にガラスの溶解温度を下げる働
きがある。しかし、8%を越えると、ガラスが失
透し易くなる。また、B2O3はイオン交換により
得られるレンズの開口数を小さくする傾向があ
る。好ましくは0〜5%である。 Li2Oはガラスに高屈折率をもたらし、かつイ
オン交換法によりガラス内に屈折率勾配を形成す
る成分であり、その含有量が多いほど得られるレ
ンズの開口数が高くなるので好ましいが、40%を
越えると失透が起り易く、溶解中のLi成分の揮発
も激しくなり、そのうえガラスの化学的耐久性が
悪くなる。また10%未満では得られるレンズの開
口数が0.2を下廻り実用的でない。好ましくは15
〜35%である。 Na2Oは、レンズの開口数やガラスの失透性の
改良に特別な効果を発揮しないが、溶解温度を下
げる働きを有する。しかし、Na2O単味の含有量
が15%を越えたり、Li2O+Na2O量が45%を越え
ると、化学的耐久性が低下する。好ましくは、
Na2O量は0〜10%であり、Li2O+Na2O量は15
〜40%である。 SrOは、Li2Oの屈折率を高める働きを損なうこ
となく、ガラスの化学的耐久性や耐失透性を向上
させる点で最も優れた成分である。含有量2%未
満では、この効果が小さくなり、また20%を越え
ると溶解温度が1450℃以上と高くなる。好ましく
は5〜15%である。 MgOとBaOはSrOより効果は劣るが、SrOと
同様にガラスの化学的耐久性や耐失透性を向上さ
せる働きを有する。これらを単独で10%以下もし
くはSrO+MgO+BaO量で30%以下、SrOと共
存させることにより、SrO単味の場合より優れた
効果が得られ得る場合がある。好ましくはMgO
量及びBaO量はそれぞれ0〜5%であり、SrO+
MgO+BaO量は8〜25%である。 Nb2O5はガラスの耐失透性を保つたままLi2O
と共存してイオン交換法により得られるレンズの
開口数を高くする働きがあり、含有量が多い方が
開口数の点から好ましいが、溶解性を考慮する
と、含有量の上限は20%となる。また3%未満の
含有量では、開口数に寄与する効果が小さくレン
ズの実用域からはずれる。好ましくは5〜15%で
ある。 Al2O3、La2O3、TiO3及びZrO2は、Li2Oおよ
びNb2O5と共存して開口数を低下させることなく
ガラスの耐失透性や化学的耐久性を向上させる働
きがある。しかし、それぞれ単味の含有量が5%
を、そして、Al2O3+La2O3+TiO2+ZrO2量が10
%を越えると、逆に耐失透性や化学的耐久性が損
われ、かつ溶解性も悪化する。好ましくは、それ
ぞれ単味の量が0〜3%で、しかもAl2O3+
La2O3+TiO3+ZrO2の合量が0〜5%である。 このほか、本発明のガラス組成物にはガラスの
諸特性に悪影響を与えない下記の範囲において、
ガラスを安定化する次のような各成分を含有させ
ることができる。 K2O;0〜3%、Rb2O;0〜2%、Cs2O;0
〜2%、ZnO;0〜5%、PbO;0〜5%、
Y2O3;0〜2%、Ta2O5;0〜3%、WO3;0
〜2%、As2O3;0〜1%、Sb2O3;0〜1% [実施例] モル%で、SiO245%、B2O35%、Li2O30%、
SrO8%、Nb2O510%、La2O32%の組成になるガ
ラス原料を、1300℃に加熱し、溶解中2時間攪拌
を行つて、計6時間溶解させた後、鋳型に流し込
んでキヤストし、次いで電気炉内で470℃で2時
間保持した後、炉内で室温まで放冷してガラスブ
ロツクを得た。このガラスブロツクから10mmφ×
20mm長程度の丸棒を切出して加工した後、2mmφ
のロツドに線引き加工した。得られたロツドを
490℃の硝酸ナトリウム溶解塩中に69時間浸漬し
てイオン交換処理を行なつた。処理後、このロツ
ドから軸方向に垂直に厚さ200μm程度の薄片を
切り出し、干渉顕微鏡を用いてNa:D線で測定
した屈折率分布を図面の実線で示す。この屈折率
分布曲線は、点線で示した理想分布曲線(前掲の
式(1)から求められる)と半径方向85%付近まで良
く一致していた。このように、屈折率分布定数g
=0.21(mm-1)の良好なロツドレンズが得られた。 上記と同様にして1250〜1400℃の温度で溶解作
製した他のロツドレンズのガラス組成と、イオン
交換処理条件及びレンズ性能をまとめて第1表及
び第2表に示す。なお、全ての実施例でロツドの
直径は2mmφとし、イオン交換処理はNaNO3溶
解塩を用いた。
有するガラス体を製造するのに好適なガラス組成
物に関する。 [従来の技術] ガラス体に屈折率勾配を形成させる方法の一つ
として、イオン交換法が知られている。この方法
はガラスの屈折率を高める効果が大きいLi+、
Cs+、Tl+などの一価の陽イオン(以下、Aイオ
ンという)を含有するガラス体と、Aイオンより
も屈折率に寄与する力が小さいNa+、K+などの
一価のアルカル金属イオン(以下、Bイオンとい
う)を含有する溶融塩を使用し、この溶融塩中に
上記のガラス体を浸漬してA、B両イオンを相互
に交換させる方法であつて、例えばロツド状ガラ
ス体をこの方法で処理すれば、ロツドの中心軸に
関して対称に、ほぼ式(1)で示される屈折率勾配を
ロツド状ガラス体に形成させることができる。 n(r)2=np 2(1−g2r2) (1) ここで、n(r):中心軸から半径方向に距離r
だけ離れた地点での屈折率 np:中心軸上の屈折率 g:屈折率分布定数 また、ロツド状ガラス体の代わりに、スラブ状
ガラス体や球状ガラス体を選んだ場合には、上記
のイオン交換法によつてスラブ状ガラス体には中
心面対称の、球状ガラス体には中心点対称の屈折
率勾配をそれぞれ形成させることができる。 ところで、イオン交換法で使用されるガラス体
をAイオンの種類別に整理すると、特公昭47−
816号、同47−822号、同57−188431号の各公報な
どに記載されたTl含有ガラスと、特公昭47−816
号公報などに記載されたCs含有ガラスと、特開
昭58−125632号公報などに記載されたLi含有ガラ
スに大別される。Tl含有ガラスはイオン交換法
によつて形成される屈折率勾配が大きく、式(2)で
表わされる開口数(N.A.)も0.6程度と高くする
ことができるので、集光性に優れたレンズを製造
できる利点がある。しかし、Tl+は毒性が強いた
め、その取扱いに難点がある。 N.A.=npgrp (2) ここで、np:ロツド中心軸上の屈折率 rp:ロツド半径 g:屈折率分布定数 一方、Cs含有ガラスはCs+が無害である長所が
あるもの、得られるレンズの開口数が0.1〜0.2程
度と小さいばかりでなく、Cs+の拡散速度が遅い
ため、例えば1mmφのロツド状レンズを製造する
に際しては200時間程度のイオン交換処理を必要
とする欠点があり、しかもCs原料は高価である
ので、経済的不利も免れない。 これに対してLi含有ガラスはLi+の拡散速度が
速く、Tl+やCs+の場合に比べ短時間のイオン交
換処理でレンズを製造することができ、またLi原
料はTl原料やCs原料より安価である点でも有利
である。ところが、Li含有ガラスから得られるレ
ンズは、一般に屈折率勾配が小さく、開口数も
0.2以下と小さい欠点があつた。然るに特開昭58
−120539号公報には、SiO2−Li2O系ガラスに
TiO2、Gd2O3、La2O3及びY2O3から選ばれた成
分を配合したガラス組成物を、その屈伏点から転
移点までの温度でイオン交換させることにより、
屈折率勾配を増大させ、開口数が0.4程度のレン
ズを製造する技術が提案されている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記の特開昭58−120539号公報に記載されたガ
ラスは、溶融中及びイオン交換中に失透しやす
く、ガラスの安定性の点で必ずしも満足できな
い。 この発明は、SiO2−LiO2系ガラスに適当量の
Nb2O5及びSrOを配合することにより、溶融中及
びイオン交換処理中に失透を起すことがなく、し
かも比較的短時間のイオン交換処理で開口数0.2
〜0.4程度のレンズを製造することができるガラ
ス組成物を提供する。 [問題点を解決するための手段] この発明のガラス組成物は、モル%で、 SiO2 40〜65 B2O3 0〜8 Li2O 10〜40 Na2O 0〜15 Li2O+Na2O 15〜45 SrO 2〜20 MgO 0〜10 BaO 0〜10 SrO+MgO+BaO 5〜30 Nb2O5 3〜20 Al2O3 0〜5 La2O3 0〜5 TiO2 0〜5 ZrO2 0〜5 Al2O3+La2O3+TiO2+ZrO2 0〜10 K2O 0〜3 Rb2O 0〜2 Cs2O 0〜2 ZnO 0〜5 PbO 0〜5 Y2O3 0〜2 Ta2O5 0〜3 WO3 0〜2 As2O3 0〜1 Sb2O3 0〜1 からなる組成を有することを特徴とするもので、
以下、各成分の量的限定理由を述べれば、次の通
りである。 SiO2はガラス形成酸化物であり、含有量40%
未満ではガラスが不安定で失透が起りやすくな
る。また65%を越えると、溶融温度を1500℃以上
にしなければならないだけでなく、ガラス融液の
粘性が増大して均質化しにくく、また溶解中に
Li+などが揮発し易くなり、脈理などの欠陥も生
じやすい。従つてSiO2含有量は40〜65%、好ま
しくは45〜55%とすべきである。 B2O3もSiO2と同様、ガラス形成酸化物である
が、SiO2とは逆にガラスの溶解温度を下げる働
きがある。しかし、8%を越えると、ガラスが失
透し易くなる。また、B2O3はイオン交換により
得られるレンズの開口数を小さくする傾向があ
る。好ましくは0〜5%である。 Li2Oはガラスに高屈折率をもたらし、かつイ
オン交換法によりガラス内に屈折率勾配を形成す
る成分であり、その含有量が多いほど得られるレ
ンズの開口数が高くなるので好ましいが、40%を
越えると失透が起り易く、溶解中のLi成分の揮発
も激しくなり、そのうえガラスの化学的耐久性が
悪くなる。また10%未満では得られるレンズの開
口数が0.2を下廻り実用的でない。好ましくは15
〜35%である。 Na2Oは、レンズの開口数やガラスの失透性の
改良に特別な効果を発揮しないが、溶解温度を下
げる働きを有する。しかし、Na2O単味の含有量
が15%を越えたり、Li2O+Na2O量が45%を越え
ると、化学的耐久性が低下する。好ましくは、
Na2O量は0〜10%であり、Li2O+Na2O量は15
〜40%である。 SrOは、Li2Oの屈折率を高める働きを損なうこ
となく、ガラスの化学的耐久性や耐失透性を向上
させる点で最も優れた成分である。含有量2%未
満では、この効果が小さくなり、また20%を越え
ると溶解温度が1450℃以上と高くなる。好ましく
は5〜15%である。 MgOとBaOはSrOより効果は劣るが、SrOと
同様にガラスの化学的耐久性や耐失透性を向上さ
せる働きを有する。これらを単独で10%以下もし
くはSrO+MgO+BaO量で30%以下、SrOと共
存させることにより、SrO単味の場合より優れた
効果が得られ得る場合がある。好ましくはMgO
量及びBaO量はそれぞれ0〜5%であり、SrO+
MgO+BaO量は8〜25%である。 Nb2O5はガラスの耐失透性を保つたままLi2O
と共存してイオン交換法により得られるレンズの
開口数を高くする働きがあり、含有量が多い方が
開口数の点から好ましいが、溶解性を考慮する
と、含有量の上限は20%となる。また3%未満の
含有量では、開口数に寄与する効果が小さくレン
ズの実用域からはずれる。好ましくは5〜15%で
ある。 Al2O3、La2O3、TiO3及びZrO2は、Li2Oおよ
びNb2O5と共存して開口数を低下させることなく
ガラスの耐失透性や化学的耐久性を向上させる働
きがある。しかし、それぞれ単味の含有量が5%
を、そして、Al2O3+La2O3+TiO2+ZrO2量が10
%を越えると、逆に耐失透性や化学的耐久性が損
われ、かつ溶解性も悪化する。好ましくは、それ
ぞれ単味の量が0〜3%で、しかもAl2O3+
La2O3+TiO3+ZrO2の合量が0〜5%である。 このほか、本発明のガラス組成物にはガラスの
諸特性に悪影響を与えない下記の範囲において、
ガラスを安定化する次のような各成分を含有させ
ることができる。 K2O;0〜3%、Rb2O;0〜2%、Cs2O;0
〜2%、ZnO;0〜5%、PbO;0〜5%、
Y2O3;0〜2%、Ta2O5;0〜3%、WO3;0
〜2%、As2O3;0〜1%、Sb2O3;0〜1% [実施例] モル%で、SiO245%、B2O35%、Li2O30%、
SrO8%、Nb2O510%、La2O32%の組成になるガ
ラス原料を、1300℃に加熱し、溶解中2時間攪拌
を行つて、計6時間溶解させた後、鋳型に流し込
んでキヤストし、次いで電気炉内で470℃で2時
間保持した後、炉内で室温まで放冷してガラスブ
ロツクを得た。このガラスブロツクから10mmφ×
20mm長程度の丸棒を切出して加工した後、2mmφ
のロツドに線引き加工した。得られたロツドを
490℃の硝酸ナトリウム溶解塩中に69時間浸漬し
てイオン交換処理を行なつた。処理後、このロツ
ドから軸方向に垂直に厚さ200μm程度の薄片を
切り出し、干渉顕微鏡を用いてNa:D線で測定
した屈折率分布を図面の実線で示す。この屈折率
分布曲線は、点線で示した理想分布曲線(前掲の
式(1)から求められる)と半径方向85%付近まで良
く一致していた。このように、屈折率分布定数g
=0.21(mm-1)の良好なロツドレンズが得られた。 上記と同様にして1250〜1400℃の温度で溶解作
製した他のロツドレンズのガラス組成と、イオン
交換処理条件及びレンズ性能をまとめて第1表及
び第2表に示す。なお、全ての実施例でロツドの
直径は2mmφとし、イオン交換処理はNaNO3溶
解塩を用いた。
【表】
【表】
【表】
【表】
[発明の効果]
この発明のガラス組成物を使用すれば、失透を
伴うことなくガラスが溶解でき、かつNa塩やK
塩などの溶解塩に浸漬してイオン交換処理を行つ
た場合、極めて短時間で開口数N.A.=0.2〜0.4
(ロツドレンズの場合)のレンズを製造すること
ができる。 さらにLi2O原料は無害であり、また安価であ
るので、製造上、その取扱いにおいて困難を生ず
ることがなく、本発明のガラス組成物は経済的に
も有利であるという優れた効果が得られる。
伴うことなくガラスが溶解でき、かつNa塩やK
塩などの溶解塩に浸漬してイオン交換処理を行つ
た場合、極めて短時間で開口数N.A.=0.2〜0.4
(ロツドレンズの場合)のレンズを製造すること
ができる。 さらにLi2O原料は無害であり、また安価であ
るので、製造上、その取扱いにおいて困難を生ず
ることがなく、本発明のガラス組成物は経済的に
も有利であるという優れた効果が得られる。
添付図面は本発明の実施例1で得た屈折率勾配
を有する径2mmφのロツド状ガラスの半径方向に
形成された屈折率分布曲線を示す。
を有する径2mmφのロツド状ガラスの半径方向に
形成された屈折率分布曲線を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 モル%で SiO2 40〜65 B2O3 0〜8 Li2O 10〜40 Na2O 0〜15 Li2O+Na2O 15〜45 SrO 2〜20 MgO 0〜10 BaO 0〜10 SrO+MgO+BaO 5〜30 Nb2O5 3〜20 Al2O3 0〜5 La2O3 0〜5 TiO2 0〜5 ZrO2 0〜5 Al2O3+La2O3+TiO2+ZrO2 0〜10 K2O 0〜3 Rb2O 0〜2 Cs2O 0〜2 ZnO 0〜5 PbO 0〜5 Y2O3 0〜2 Ta2O5 0〜3 WO3 0〜2 As2O3 0〜1 Sb2O3 0〜1 からなる組成を有することを特徴とし、イオン交
換法で屈折率勾配を有するガラス体を製造するの
に適したガラス組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14935785A JPS6212635A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 屈折率勾配を有するガラス体の製造に適したガラス組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14935785A JPS6212635A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 屈折率勾配を有するガラス体の製造に適したガラス組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6212635A JPS6212635A (ja) | 1987-01-21 |
JPH0424298B2 true JPH0424298B2 (ja) | 1992-04-24 |
Family
ID=15473358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14935785A Granted JPS6212635A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 屈折率勾配を有するガラス体の製造に適したガラス組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6212635A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4507135B2 (ja) * | 1998-09-11 | 2010-07-21 | Hoya株式会社 | ガラス組成物、それを用いた情報記録媒体用基板および情報記録媒体 |
JP4729750B2 (ja) * | 2000-03-29 | 2011-07-20 | 株式会社オハラ | 光学ガラス及び光学素子 |
JP4806157B2 (ja) * | 2000-08-15 | 2011-11-02 | 株式会社オハラ | 低蛍光性光学ガラス |
DE10309495B4 (de) * | 2003-02-25 | 2006-02-16 | Schott Ag | Aluminosilikatglas und dessen Verwendung |
JP4013913B2 (ja) | 2004-04-05 | 2007-11-28 | 日本板硝子株式会社 | 鉛フリーの屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物、屈折率分布型レンズ、屈折率分布型レンズの製造方法、光学製品及び光学機器 |
CN104926110B (zh) * | 2015-06-23 | 2019-04-16 | 成都光明光电股份有限公司 | 光学玻璃和光学元件 |
-
1985
- 1985-07-09 JP JP14935785A patent/JPS6212635A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6212635A (ja) | 1987-01-21 |
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