JPH0424224B2 - - Google Patents

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JPH0424224B2
JPH0424224B2 JP58181528A JP18152883A JPH0424224B2 JP H0424224 B2 JPH0424224 B2 JP H0424224B2 JP 58181528 A JP58181528 A JP 58181528A JP 18152883 A JP18152883 A JP 18152883A JP H0424224 B2 JPH0424224 B2 JP H0424224B2
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sheet
water
decorative
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hydrophilic
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Kensuke Aoyama
Michio Naka
Mutsuo Shima
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、セメント、モルタル、各種左官材料
等の含水可塑性材料の表面に凹凸模様を付して化
粧材(本明細書で「化粧材」というときは、化粧
壁、化粧天井、化粧床など建築物の一部を構成す
るものを含むものとする。)を得るために用いる
化粧用シートならびにこれを用いる化粧材の製造
法に関する。
上記したような含水可塑性材料の表面に凹凸模
様を付与して化粧材を製造するためには、型枠、
型板、型ロール等の型を使用する方法が主として
使用されてきた。この型を用いる方法には、忠実
な模様状凹凸を付与することができる利点がある
が、使用する型は高価で作業性が悪く、又、複雑
な付帯装置と作業を要する場合が多いという欠点
がある。
本発明者らの属する研究グループは、既に任意
の凹凸模様を簡単に形成させるべく種々検討の結
果、各種樹脂シート等が、これに親和性を有する
液体と接触するときに伸長ないしは収縮変形、主
として伸長変形、する性質を利用し、このような
シートフイルムにたとえば印刷により液体の影響
を受けない区域あるいは受ける程度に差異を設け
た区域を設けて、該シートに伸縮変形を起す成分
を含む化粧材層と接触させると化粧材層に印刷に
対応した凹凸模様が与えられることを見出し、一
つの化粧材の製造法を開発している(特開昭52−
91061号公報)。すなわちその化粧材の製造法は、
未処理前の化粧層の上に該化粧層を構成する成分
によつて伸縮変形を受ける区域と伸縮変化を受け
ない区域および/または伸縮変形を受ける程度に
差異を有する区域を設けたシートを重ね合わせ、
次いで上記の化粧層を構成する成分に適した後処
理を施して、上記の各区域に対応して上記の化粧
層上に凹凸を形成させることを特徴とするもので
ある。この方法において、親水変形性シートを用
いることにより含水可塑性材料から表面凹凸模様
を有する化粧材が得られる。
しかしながら親水変形性シートを用いることに
より種々の問題点が生じる。たとえば梅雨時のよ
うに高温・高湿度下でシートを使用するときは、
単にシートを放置しておくだけでシートのカー
ル、膨潤、波打ち、しわなどの欠点が生じてしま
い、シートを含水可塑性材料塗工面に重ね合わせ
る上で困難が生じ、仕上がり状態で本来平滑にな
るべき区域にこれらの欠点が転移してしまい、凹
凸模様の視覚的明瞭性が乏しくなる。又、逆に親
水変形性の乏しいシートを使用するとこのような
欠点は緩和されるが凹凸模様を形成する能力自体
が低下してしまい好ましくない。一方、これとは
反対に湿気が少なく、気温の低い冬期においては
充分な凹凸模様形成能力のあるシートはもろくな
るので取り扱い中に破損の恐れが大きい。
本発明者等はシートの湿気に対する耐性と剛性
の改良を試みたが、これらを同時に満足し、しか
も凹凸模様形成能力を維持すると同時にシート製
造時の歩留まりを向上させることは困難であつ
た。
本発明は、上述した化粧材の製造法における問
題点を解消することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的で研究した結果、親
水変形性シートの含水可塑性材料と接触すべき面
に透水制御層を形成し、しかも、反対側には補強
用裏打シートを剥離可能に接着した化粧用シート
を用いることにより、上述の問題点に対する本質
的な改善が得られることが見出された。すなわ
ち、本発明の化粧用シートは、水により膨潤して
伸長変形を起す親水変形性シートの少なくとも一
の面の全面に透水制御層を設け且つ部分的に上記
吸水による伸長変形の程度の異なる区域を設けて
なり、少なくとも一の面の全面に補強用裏打シー
トが、剥離可能に接着してあることを特徴とする
ものである。
また、本発明の表面凹凸模様を有する化粧材の
製造法は、上記化粧用シートを用いて含水可塑性
材料から表面凹凸模様を有する化粧材を製造する
方法であり、より詳しくは下記の工程を含むこと
を特徴とするものである。
(1) 含水可塑性材料の硬化前の表面に、上記化粧
用シートをその透水制御層を設けた面が接する
ように密着させる工程、 (2) 前記化粧用シートを水により膨潤させその面
方向に亘つて区域的に異なる程度に伸長変形さ
せて、含水可塑性材料に対応する表面凹凸模様
を形成させる工程、 (3) 含水可塑性材料を、少なくとも自己形状保持
性を有する程度まで硬化させる工程、および (4) 前記化粧用シートを剥離する工程。
好ましくは、上記工程(2)において、前記化粧用
シートの含水可塑性材料と接する面と逆側の面に
追加の水が塗布される。これにより、可塑性材料
から過度に水を奪つてその可塑性を損うことな
く、化粧用シートに充分な変形を与えることがで
き、結果として、より深く且つ明瞭な凹凸模様を
与えることができる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。以下の記
載において、組成を表わす「%」および「部」は
特に断らない限り、重量基準とする。
第1図〜第6図は、それぞれ本発明の化粧用シ
ートの実施例の概念的積層構造を示す模式断面図
である。
第1図は本発明の化粧用シートAの典型的態様
を示し、親水変形性シート1の一の面の全面に透
水制御層2を設け、更にその上に模様状に非透水
性の印刷層3を設けてなり、他の面には補強用裏
打シート4が剥離可能に接着してある(接着につ
いては後述する)。これにより印刷層3を設けた
区域では、親水変形性シート1の吸水・膨潤によ
る変形性が抑えられる。第2図は印刷層3を親水
変形性シート1と透水制御層2との間に設けた例
であり、第3図は印刷層3を親水変形性シート1
の透水制御層2を設けた面と逆側の面に設けた例
である。模様形成効果ならびに印刷による化粧用
シート形成の観点からは第3図のものよりも第1
図若しくは第2図のものが好ましい。第4図は第
1図のものの親水変形性シート1と補強用裏打シ
ート4の間にも透水制御層を設けた例であり、こ
の他、図示しないが、第2図のものの親水変形性
シート1と補強用裏打シート4の間、第3図のも
のの親水変形性シート1と印刷層3の間、或いは
印刷層3と補強用裏打シート4の間に設けてもよ
い。なお、いずれの例においても、図における上
側の面を後述する含水可塑性材料と接触させるこ
とを予定している。
補強用裏打シート4は単層のシートでもよい
が、第5図に示すように接着層5及び裏打シート
6とから構成してもよい。或いは裏打シート6と
接着層5との接着力を向上させる意味で第6図に
示すようにプライマー層7を設けた構成としても
よい。
次に各部の材質について説明すると、親水変形
性シート1としては、ポリビニルアルコール(部
分けん化ポリ酢酸ビニル)あるいはセロハン、ニ
トロセルロース、アセチルセルロース、ニトロセ
ルロース等のセルロース誘導体の親水性樹脂のフ
イルムないしシートが用いられる。なかでも、ポ
リビニルアルコール、特に結晶化度10〜15%重合
度250〜350、けん化度75〜85%を有するポリビニ
ルアルコールのフイルムが好ましく用いられる。
フイルム原料としてのポリビニルアルコール(以
下「PVA」と略称する)にはエチレングリコー
ル、グリセリン等のグリコール類等の可塑剤;そ
の他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、デキストリン、スタ
ーチ等のデンプン類、ポリアクリル酸メチルエス
テル等のアクリル酸エステル類等の添加剤;オク
チルアルコール等の高級アルコール類、シリコー
ン系消泡剤;イソブチルアルコール、n−ブチル
アルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノ
ール、ビリジン、フエノール、ロダン化カルシウ
ム、ロダン化ナトリウム等の粘度安定剤を必要に
応じて添加して水溶液とし、加熱金属ドラム、ロ
ール、ベルトなどの可動性キヤステイング面を用
いてキヤステイング方式により製膜し、乾燥後、
たとえば35〜45℃で熱処理を施すことにより
PVAフイルムを得ることができる。キヤステイ
ング面は必要に応じて所望の艶消し状態にしてお
くことができる。また製膜は、Tダイあるいはロ
ールコーターを用いて行うこともできる。
親水変形性シート1の厚さは10μm〜2mm特に
20〜40μm程度の範囲が適当である。
透水制御層2は、一般に、親水変形性シート1
の構成材料より疎水性の樹脂の層により形成され
るものであり、より好ましくは、透水性を調節
(一般に増大)するための無機質充填剤を配合す
る。樹脂としては、たとえば、ポリウレタン樹
脂、ニトロセルロース、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体樹脂などが必要に応じて組合せて使
用される。特にアクリルボリオールあるいはポリ
エステルポリオールとイソシアネート硬化剤との
組合せからなるポリウレタン樹脂が最も好ましく
用いられる。このようなポリウレタン樹脂は、特
にPVAフイルムと組合せて使用するときに該フ
イルムとの密着性が優れる。
透水制御層2に配合する無機質充填剤としては
酸化チタン、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、
などが用いられ、たとえば平均粒径が1〜15μm
程度のものを、樹脂100部に対して0.1〜20部程度
配合することが好ましい。
透水制御層2には、水の透過を適度に抑制する
性質が要求されることはもちろんであるが、その
他の要求特性として、親水変形性シート1が変形
して凹凸模様を形成する効果を阻害してはなら
ず、そのため、柔軟性、適度の透水性ならびにシ
ートの剥離に際して硬化した化粧材料に移行しな
い程度に親水変形性シート1に対する密着性が優
れることを要求される。このような観点から、そ
の厚さないし塗布量は厳密に制御されることが望
ましい。塗布量としては、一般に0.5〜10g/m2
(乾燥)程度が好ましく、ポリウレタン樹脂を用
いる場合、特に1.0〜2.5g/m2の範囲が好まし
い。
また透水制御層2の厚さは、透水性の制御とい
う観点では、透湿度(JIS Z0208)が親水変形シ
ート1単独時の値の10〜40%程度低下させる程度
の厚さとすることが好ましく、また操作性の観点
では、透水制御層2を介して化粧用シートAを水
あるいは含水可塑性材料と密着させたときの、密
着から親水変形性シートの膨潤による変形開始が
起るまでの時間が5〜30分、特に10〜15分の範囲
とすることが好ましい。なお、透湿度(JIS
Z0208)は、一定面積の試料フイルムを介して、
片側を温度40℃、相対湿度90%の空気雰囲気とし
て、他方側を塩化カルシウム(吸湿剤)によつて
乾燥した空気雰囲気とした場合に、単位面積の試
料フイルムを通して単位時間内に透過する水分量
として定義されるものであり、たとえば親水変形
性シートがPVAフイルムの場合、それ単独では
600〜800(g/m2・24hr.)であるのに対して、本
発明に従い透水制御層を形成すると、400〜500
g/m2・24hr程度となる。
上記したような透水制御層2は、上記樹脂およ
び必要に応じて加える無機質充填剤を更に必要に
応じて使用する溶媒とともに混合して、溶液型、
硬化型透のインキとし、これを、グラビアコート
法、ロールコート法、その他の方法で親水変形性
シート1の一面の全面に塗布することにより得ら
れる。上記インキには、上記した樹脂および無機
質充填剤以外にも、安定剤、硬化剤、離型剤、撥
水剤その他の添加剤を必要に応じて添加すること
ができる。
印刷層3は、その非透水性と剛性により、親水
変形性シート1の吸水膨潤による伸長変形を抑制
するためにインクないしは塗料を親水変形性シー
ト1あるいは、透水制御層2上に部分的に付与す
ることにより形成される。形成方式としては公知
の方法例えば、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸
版印刷方式、スクリーン印刷方式等の如き印刷方
法、はけ塗り、へら塗り、吹付け塗り等の如き塗
布方法、その他、手、筆等による描画方法等が用
いられ、かかる方法で行えば、文字、図形、記
号、絵柄等の任意の区域を設けることができる。
印刷層3の形成に用いられるインキないし塗料
組成物としては、上述した透水制御層2を形成す
る樹脂と同様な疎水性樹脂からなるビヒクルを主
成分とし、これに必要に応じて、例えば可塑剤、
安定剤、硬化剤、乾燥剤、界面活性剤、離型剤、
撥水剤、湿潤剤、防湿剤、柔軟剤、染料、顔料等
の着色剤、充填剤、その他種々の添加剤の1種ま
たはそれ以上を添加し、硬化型組成物、溶液型組
成物、エマルジヨン型組成物またはゾル型組成物
としたものが用いられる。
印刷層3の塗布量は、上述した親水変形シート
1に対して所望の変形抑制効果を与えるに必要な
量であり、使用する樹脂の種類によつても異なる
が、一般に0.5〜4.0g/m2(乾燥)程度が好まし
い。
なお、親水変形性シート1の水による膨潤を通
しての伸長変形性を区域的に異ならせるために
は、上記した印刷層の形成に代えて、あるいはこ
れに加えて電離性放射線あるいは紫外線等の照
射、部分的加熱、酸あるいはアルカリ処理等によ
り部分的に架橋度、重合度、水和度等の特性を異
ならせる方法を採用することもできる。
また、本発明の化粧用シートが比較的広面積で
あり、壁、床等の建築物の一部に模様付けを行う
場合のように広面積の模様付けを行う場合には、
全面に微細な貫通孔を設けておくと、硬化前にお
いて可塑性の表面に気泡を抱き込むことなく密着
させることができ好ましい。かかる貫通孔を化粧
用シートに設ける方法としては公知の方法が使用
でき、ロールの全面に針を植えてなる針ロールを
使用し針ロールと対接するゴムロールとの間を通
す方法、平板の表面に均一に針を植えた型を用い
型の上下動とフイルムまたはシートの間欠送りに
より行なう方法、或いは上記の針ロール、針を植
えた型の針を加熱しておきシートを部分的に溶融
する方法、シートを溶かしうる溶剤を点状に設け
た後シート加温し点状に溶解する方法等を用いる
ことができるが、これら以外の方法でもよい。な
お、これら貫通孔の形成は、透水制御層2の形成
後であれば、印刷層3等の形成による伸長変形度
の異なる区域の形成前に行つてもよいが、たとえ
ば針により貫通孔を設ける場合には、貫通孔の周
囲の平滑性が低下し、印刷層3の形成が困難とな
る。したがつて貫通孔の形成は、第1図〜第4図
に示すような化粧用シートの形成後に行うことが
好ましい。上記の貫通孔の直径は0.2〜0.4mm程
度、貫通孔を設ける密度は5000〜80000個/m3
度が好ましい。
裏打シート6としては普通セロフアン、防湿セ
ロフアンなどのセロフアン、各種プラスチツクの
フイルム、例えば、ポリエチレン、ポルプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボ
ネート等のフイルム、或いは、クラフト紙、純白
ロール紙、上質紙、アート紙、グラシン紙等の紙
類、アルミ箔等の金属箔、各種合成紙、不織布、
及び以上の各材料の複合シートを使用することが
でき、裏打シート6の厚みとしては通常、0.005
〜1mm程度である。
裏打シート6をプラスチツクのフイルムを単独
で使用して補強用裏打シート4とするときはこれ
らのプラスチツクを用いて適宜な塗布方式により
形成すればよく、塗布方式としてはロールコーテ
イング、グラビアロールコーテイング、ワイヤー
バーコーテイング、ドクターブレードコーテイン
グ、リバースロールコーテイング、デイツプコー
テイング、エアーナイフコーテイング、或いはエ
クストルージヤンコーテイングが利用しうる。
裏打シート6を接着層5を介して接着する(第
5図に相当)際に用いる接着剤としては適宜なも
のを使用することができ、剥離の際には裏打シー
ト6側に接着し、親水変形性シート1側には残ら
ず、従つて接着層5と親水変形性シート1との界
面で剥離するよう選択するとよい。接着剤として
はポリエチレン、ポリプロプレン、エチレン〜ア
クリル酸共重合体を金属架橋させたもの(例えば
サーリンA)、及びその他のエチレン共重合体の
いずれかをエクストルージヨンコートしたものも
使用することができ、このエクストルージヨンコ
ート法によれば比較的高速で接着層を押し出しつ
つラミネートができる。
接着層5と裏打シート6の接着力を向上させ、
親水変形性シート1と接着層5の界面で確実に剥
離するために用いるプライマー層7としては、例
えば、テトラアルキルチタネート重合物、ポリエ
チレンイミン、イミン化合物などの公知のプライ
マーを用いるとよい。
次に本発明の化粧材の製造法について説明す
る。
まず第7図に示すように適当な基材8に、含水
可塑性材料9を塗工する。
基材8としては、種々のものが使え、例えば、
木材、合板、パーテイクルボード等の木質板、薄
手ないし厚手の紙、化粧紙、段ボール等の各種の
紙類、各種の織布ないし不織布類、鋼板、ステン
レス鋼板、アルミニウム板、銅板等の各種の金属
板、各種のプラスチツク板ないしフイルム、ハー
ドボード等の各種繊維質板、石膏ポード類、パル
プセメント板、ロツクウール板、木毛セメント
板、木片セメント板等の各種の有機高分子化合と
無機物質との複合体基材、石綿スレート板、ケイ
酸カルシウム板、GPC板、その他各種の無機質
板、コンクリートによる建築物のコンクリート面
等を使用することができる。これらは必要な場
合、前処理、接着剤等が施される。
適用すべき含水可塑性材料9としては、ポルト
ランドセメントなどの水硬性セメントおよび半水
石膏等の水硬性結合材、ドロマイト、消石灰、各
種粘土等のその他の無機質粘結性結合材を結合材
とし、必要に応じて充填剤、骨材、顔料或いは染
料等の着色剤、可塑剤、安定剤、硬化促進剤ある
いは遅延剤、水和剤、乳化剤、増粘剤、発泡剤、
天然ないし合成樹脂類、等の添加剤を加えて水と
ともに混和して可塑性とした組成物が用いられ
る。これら含水可塑性材料自体は、セメントコン
クリート組成物、モルタル組成物、左官用組成物
等にして、主として建築用途に広く用いられてい
るものである。左官用組成物としては合成樹脂エ
マルジヨンに無機質骨材を添加したものも使用し
うる。これら含水可塑性材料9の基材8への塗工
には、型枠を用いての流し込み、かけ流し、こて
塗り等のこの種材料について慣用されている方法
がそのまま用いられる。
次いで、第8図に示すように、上記した第1図
ないし第4図に示した化粧用シートの一を、その
透水制御層2を設けた面(第1図ないし第4図に
おける上面)が、可塑性材料9と接するように、
可塑性材料9と密着させる。なお、第8図および
以下の図において、化粧用シートAの詳細構造は
省略し、シートAの膨潤により容易に変形の起る
区域を参照数字12で、また印刷層3の形成によ
り変形が抑制された区域を参照数字13で表わす
ものとする。
この化粧用シートAの適用に際しては、できる
だけ可塑材料9との間に空気を巻き込まないよ
う、その一方の端辺から順次密着させて行くこと
が望ましい。また化粧用シートAが貫通孔を有す
る場合には、少量の気泡であれば適用後に、こて
押えなどする過程で気泡を貫通孔から除いて、シ
ートAと可塑材料9との密着を改善することがで
きる。
次にシートAから補強用裏打シート4を剥離す
る。補強用裏打シートが裏打シート単独からなる
ときは裏打シートのみを、接着層やプライマー層
を有するときはこれらの層と共に剥離する。
次いで、上記の密着状態を保持することによ
り、第9図に示すように、可塑性材料9からの給
水によりシートAの易変形区域12がしわ状に変
形し(12aとする)、それに応じ可塑性材料9
の対応部分にしわ状の凹凸が形成される。この
際、前述したように、可塑性材料9のみからの給
水によつては、特に壁塗りのように大面積の場
合、水分量が全面に亘つて均一でない場合には、
シートAの全面に亘つて均一な伸長変形が起らな
いことがある。また可塑性材料9のみからの給水
では、シートAによる吸水により材料9の可塑性
が奪われる場合がある。このため本発明の好まし
い態様においては、第9図に併せて示すように、
シートAの可塑性材料9と接触する面の逆側の面
に追加の水10を塗布してシートAの区域12に
おける変形を促進する。シートAにおいて可塑性
材料9と接触する面側に設けた透水制御層(第1
図〜第4図)の存在は、可塑性材料9から水が過
度に奪われることなく、シートAの変形が主とし
て追加水10により起される望ましい状態を可能
とするものである。これにより、上述した透水制
御層2を有さない化粧用シートを用い且つ追加水
10の適用を行わない場合に比べて、製品化粧材
に均一かつ、より明瞭な凹凸模様が付与される。
追加水10の適用量は、特に制限されないが、
シートAの全面が濡れ、且つ浮き水あるいは水の
流れ落ちが起らない程度であることが好ましい。
このような追加水の適用時においては、材料9は
可塑性を有し且つ比較的軟らかい化粧用シートA
で覆われているに過ぎない。したがつて追加水1
0の適用法としては、シートAに力を殆んどおよ
ぼさないものであることが好ましく、特にスプレ
ーコート法が望ましい。
次いで、第9図の状態で保持して、含水可塑性
材料9が少なくとも表面形状を維持できる程度ま
で硬化させる。この硬化は、結合材がポルトラン
ドセメント、石膏等である場合には水和硬化であ
り、粘土、ドロマイト等の場合には主として水分
の蒸発による。この保持状態において必要に応じ
てこて、ロール、あるいは平板等によりシートA
を可塑性材料9へと押圧することもできる。
材料9の硬化後(9aで示す)、化粧用シート
Aを剥離し、更に必要に応じて後硬化を行うこと
により第10図に示すような化粧材を得ることが
できる。後硬化は、たとえば自然放置あるいは赤
外線照射等による加熱などが挙げられる。
なお本発明の方法において含水可塑性材料に着
色しておいてもよく、また、模様状凹凸を付与し
た後に着色してもよく、また、谷汚しと呼ばれる
凹部に着色する方法や、凸部を着色する方法をと
つてもよく、また、以上のような方法を適宜組み
合わせることもできる。このような方法により凹
凸模様に加えて、着色されたあるいは着色模様を
有する化粧材が得られる。
而して本発明によつて得られる製品は極めてユ
ニークで立体感の豊富なものであり、壁、天井等
の内装材および外装材等の建材、各種化粧板、看
板、包装関係等種々の分野に適用でき用途も極め
て広いものである。
上述したように本発明によれば、本発明者らの
開発した親水変形性シートに印刷模様等の非透水
部を形成した化粧用シートを用いて含水可塑性材
料から独特の凹凸模様を有する無機質化粧材を得
ることのできる方法(特開昭52−91061号、同55
−51524号各公報)において、化粧用シートとし
て、更に透水制御層を設けたものを用いることに
より、シートの保存性、工程の各種合理化等の利
点が得られるだけでなく、凹凸模様の深さあるい
は明瞭性においても本質的な改善が得られる。
更に、本発明においては化粧用シートは裏打シ
ートにより補強されているので、このような構造
をとることにより、化粧用シート製造時に原反シ
ートである親水変形性シートがカール、変形等に
より扱いにくいことがなく、従つて、従来の方法
においては化粧用シートを巻取状態では取り扱え
ても枚葉状態では取り扱いにくかつたのに対し、
本発明によれば裏打シートで補強した原反を枚葉
状態に断裁し、枚葉方式の印刷方式に適用するこ
とも可能である。このように枚葉方式の印刷方式
が適用できることにより、多数の模様の化粧用シ
ートを少量ずつ生産することもできる。又、本発
明においては化粧用シートを裏打ちすることによ
り親水変形性シートとしては本来の凹凸形成能力
のすぐれたものを用いても、従来技術におけるよ
うに高温多湿、低温低湿の状態における欠点が生
じることがない。
実施例 1 厚み30μmのポリビニルアルコール樹脂系フイ
ルム(日合フイルム(株)製、ハイセロンD103)と
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フ
イルム(東レ(株)製、ルミラー)とを厚み10μmの
ポリエチレン樹脂層を接着層とするエクストルー
ジヨンラミネート法により貼り合わせた。ただ
し、貼り合わせに先立ち、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂フイルムの接着面にはテトラアルキル
チタネート重合物からなるプライマー層を乾燥時
の塗布量が約0.1g/m2となるよう塗布した。こ
の貼り合わせによつて得られた積層フイルムのポ
リビニルアルコール樹脂系フイルム〜ポリエチレ
ン樹脂層間の接着強度は100g/cm程度であるの
で容易に剥離することができる。
次にアクリルポリオール及び当量のイソシアネ
ートの合計65部、酸化チタン(平均粒径1μm)
30部、および微粉シリカ5部を酢酸エチル:トル
エン=1:1の混合溶剤中に溶解及び分散して作
成したインキ(諸星インキ(株)製、モルタルプライ
マー)を用いて、上記の積層フイルムのポリビニ
ルアルコール樹脂系フイルム側の面に全面にベタ
印刷を行ない乾燥時の塗布量が2.0g/cm2となる
ようにして透水制御層とした。この透水制御層を
設ける以前のポリビニルアルコール樹脂系フイル
ム(前記)単独の透湿度は約670g/m2・24hrで
あるが、透水制御層(上記)を設けた後の透湿度
は約470g/m2・24hrとなつた(透湿度はいずれ
もJIS Z0208による)。
更に透水制御層の上に重ねてポリウレタン系樹
脂をベヒクルとするシルクスクリーンインキ(諸
星インキ(株)製、ARシルクインキ)を用いてシル
クスクリーン印刷によりリレーフ模様の凸部に相
当する部分のパターンを形成した。このときパタ
ーン部分のインキの乾燥時塗布量は15g/m2とし
た。
上記の印刷後、先端の直径約0.2mmの針を約5
mmのピツチで一面に植えた針ロールを用いて印刷
済の積層フイルムの全面に貫通孔を形成し、化粧
(凹凸形成)用シートとした。
一方、建築物のコンクリート躯体の外壁垂直面
に、まず、アクリル系エマルジヨンをプライマー
として用い、スポンジロールにより塗布し、30分
間乾燥させた。
乾燥後、 ( ( ( ( (ポルトランドセメント シリカ 水 100部 30部 50部 からなるモルタルを鏝を用いて厚みが3mmになる
ように平らに塗工した。
次いでモルタル塗工面に化粧用シートをその透
水制御層側が接するようにして重ね合わせ、その
後、重ね合わせの際に入り込んだ気泡を貫通孔を
利用して除去し、面出しを充分に行なつてから、
化粧用シートの裏打材であるポリエステル樹脂フ
イルムのみを剥離した。
剥離後、残つたフイルムの面に霧吹きを用いて
全面に均一に、しかし、流れ落ちない程度に水を
吹き付けた。吹き付けによりシルクスクリーン印
刷パターンのない部分のフイルムは膨潤してしわ
を形成し、パターン部は平担なまゝであり、これ
によりレリーフ調の模様が形成された。
以上において凹凸形成の作業は気温30℃、湿度
90%の環境(梅雨時)で行なつても全く支障がな
かつたが、比較のため、ポリエステル樹脂フイル
ムによる裏打ちを施さない化粧用シートを用い、
その他は同様にして行なつた場合には化粧用シー
ト自体の使用前の変形、しわが甚しく、凹凸形成
を行なつても、本来平担になるべき箇所にも凹凸
が生じ、シヤープなレリーフ調模様は得られなか
つた。
実施例 2 裏打材として厚み30μmのポリエチレンフイル
ムを用い、ただしポリビニルアルコール樹脂系フ
イルムの片面に直接にエクストルージヨンコーテ
イングして積層し、又、モルタルのかわりに石
膏、石灰、水からなる石膏系プラスターを使用す
る以外は実施例1と同様に行なつた。作業環境は
気温5℃、湿度35%(冬期)であつたが支障はな
かつたが、比較のため、裏打ちを施さない化粧用
シートを用いたところ、化粧用シートが破れやす
かつた。
実施例 3 裏打材としてはOPPフイルム(厚み30μm)を
ドライラミネートして用い、又、モルタルのかわ
りに合成樹脂エマルジヨン(旭化成(株)製、ミユー
ルコートAと骨材(常陸砕石(株)製、ケイ砂5号/
そてつ黒5号=1/1)とを体積比で3:1に混
合して用い、その他は実施例1と同様に行なつ
た。作業環境は気温35℃、湿度80%(夏期)であ
つたが支障なく行なえた。この実施例ではレリー
フ模様の凹凸に加え、表面に砕石による微細な凹
凸をも有するものが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図はいずれも本発明の化粧用シー
トの実施例を示すための断面図、第7図〜第10
図はいずれも本発明の方法を示すための断面図で
ある。 1……親水変形性シート、2……透水制御層、
3……印刷層、4……補強用裏打シート、5……
接着層、6……裏打シート、8……基材、9……
可塑性材料、10……追加水、12……変形の起
る区域、13……変形が抑制された区域。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水により膨潤し伸長変形を起す親水変形性シ
    ートの少なくとも一の面の全面に透水制御層を設
    け且つ部分的に上記吸水による伸長変形の程度の
    異なる区域を設けてなり、少なくとも一の面の全
    面に補強用裏打シートが剥離可能に接着してある
    ことを特徴とする化粧用シート。 2 変形性シートの一の面の全面に透水制御層を
    設け、その上から実質的に非透水性の印刷層を部
    分的に設けてなる上記第1項の化粧用シート。 3 変形性シートの一の面に実質的に非透水性の
    印刷層を部分的に設け、その上から変形性シート
    の全面に透水制御層を設けてなる上記第1項の化
    粧用シート。 4 透水制御層が、その形成により親水変形性シ
    ートの透湿度(JIS Z0208)を10〜40%低下させ
    る程度の厚さで形成される上記第1項ないし第3
    項のいずれかの化粧シート。 5 全面に微細な貫通孔を設けてなる上記第1項
    または第4項のいずれかの化粧用シート。 6 親水変形性シートが、ポリビニルアルコー
    ル、セルロース誘導体から選ばれた親水性樹脂か
    らなる上記第1項ないし第5項のいずれかの化粧
    用シート。 7 透水制御層が、親水変形性シートの構成材料
    より疎水性の樹脂と無機質充填剤とを含む塗料の
    塗膜である上記第1項ないし第6項のいずれかの
    化粧用シート。 8 下記の工程を含むことを特徴とする表面凹凸
    模様を有する化粧材の製造法。 (1) 含水可塑性材料の硬化前の表面に、水により
    膨潤し伸長変形を起す親水変形性シートの少な
    くとも一の面に全面に透水制御層を設け且つ部
    分的に上記吸水による伸長変形の程度の異なる
    区域を設けてなり、少なくとも一の面の全面に
    補強用裏打シートが剥離可能に接着してある化
    粧用シートを、その透水制御層を設けた面が接
    するように密着させる工程、 (2) 前記化粧用シートを水により膨潤させその面
    方向に亘つて区域的に異なる程度に伸長変形さ
    せて、含水可塑性材料に対応する表面凹凸模様
    を形成させる工程、 (3) 含水可塑性材料を、少なくとも自己形状保持
    性を有する程度まで硬化させる工程、および (4) 前記化粧用シートを剥離する工程。 9 前記工程(2)において、前記化粧用シートの含
    水可塑性材料と接する面と逆側の面に追加の水を
    塗布する上記第8項の化粧材の製造法。
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