JP2000043021A - 水硬性無機質成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性無機質成形体の製造方法

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JP2000043021A
JP2000043021A JP21674398A JP21674398A JP2000043021A JP 2000043021 A JP2000043021 A JP 2000043021A JP 21674398 A JP21674398 A JP 21674398A JP 21674398 A JP21674398 A JP 21674398A JP 2000043021 A JP2000043021 A JP 2000043021A
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hydraulic
curing
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thermoplastic resin
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Takao Kimura
隆夫 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に素地でしかも板状で使用する水硬性材料
混合物成形体を工業的に製造する方法を提供すると同時
に、長期耐久性に劣る塗装工程を無くし、表面の退色や
白色シミのない、自然な風合いを醸し出す渋い枯れた感
じの外観を有する成形体を、安価に製造し供給するこ
と。 【解決手段】 水硬性材料、骨材、および水を混合して
得られた組成物を、抄造法または押出成形法により賦形
してなる未硬化の成形体の表面に、熱可塑性樹脂フィル
ムを積層した後、養生することを特徴とする水硬性無機
質成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外壁材、屋根材、
内装材、塀、布基礎等の主に素地でしかも板状で使用さ
れる建築資材に用いられる水硬性材料混合物成形体を連
続または継続し工業的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント等の水硬性材料は、各種材料と
水を加えて混合・成形し養生すると、水硬反応が進行す
る過程で、水酸化カルシウムを放出しながら硬化し強度
を上げる。しかしながら、硬化の際に発生する余剰の水
酸化カルシウムやセメントに含有されるナトリウム、カ
リウム等が、成形体の表面にエフロレッセンスとよばれ
る白色物質を生成する。このことを、セメントの白華現
象と言う。
【0003】エフロレッセンスは、成形体の美観を損な
うばかりか、建築用外壁材、屋根材等で行う表面塗装の
塗膜密着性や塗装耐久性を低下させる。また、水硬性材
料混合物に着色剤を添加することによって、塗装せずに
素地で住宅用外壁材、屋根材等に供しようすると、性能
上は何ら問題が無いにも拘わらず、エフロレッセンスが
意匠性の基本である色調を極端に乱すため低級な外観と
なり、特に美観を重視する日本の建築物に対しては、実
用に供することが困難であり市場で受け入れられなかっ
た。
【0004】従来、製造過程で発生したエフロレッセン
スは、高速水で洗浄する、研磨材・研磨機等により削り
落とす等の方法で除去するが、それでも発生したエフロ
レッセンスが原因で起こる色調の乱れを完全に取り去る
ことは非常に困難である。更に、エフロレッセンスを除
去する工程がコストを上昇させ、製品の生産性を低下さ
せる要因になる。従来、エフロレッセンスの発生を防止
するために、非晶質シリカを水硬性材料組成物に添加す
る方法(特開昭55−75957号公報)、成形体に二
酸化炭素処理を施す方法(特開昭53−59714号公
報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水硬性材料組成物に非
晶質シリカを配合しただけではエフロレッセンスを十分
に防止することができない。また、二酸化炭素処理を施
す方法では、白斑を防止することはできるが、表面に厚
く緻密な炭酸カルシウムの層を生成させるため、特に着
色剤を配合した成形体の場合に生じる、全体の色が退色
したように見えるエフロレッセンスまでは防止すること
ができない。本発明は、掛かる現状の認識に立って、水
硬性材料混合物の工業的な製造過程で発生するエフロレ
ッセンスを防止する方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような問
題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、一次養生の
際に、未硬化の成形体表面に熱可塑性樹脂フィルムを積
層して、水硬性材料混合物の白華現象を助長する水分、
空気、炭酸ガス等を遮断し養生することによって、エフ
ロレッセンスを効果的に防止することができるのみなら
ず、より発色が高められることを発見し本発明に至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、水硬性材料、骨材、お
よび水を混合して得られた組成物を賦形してなる未硬化
の成形体の表面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層した
後、養生することを特徴とする水硬性無機質成形体の製
造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明に用いる水硬性材料としては、セメント、石
膏等の水硬性を有する無機材料が挙げられ、セメントが
好ましく用いられる。セメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、低熱セメン
ト、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナ
セメントおよび低収縮セメントなどが挙げられる。
【0008】本発明に用いる骨材としては、粗骨材、細
骨材、軽量粗骨材、軽量細骨材、軽量骨材などがあげら
れ、具体的には砂、石、シラスバルーン、パーライト、
発泡体などが挙げられる。好ましくは、平均粒径4μm
〜5mmの骨材が用いられる。骨材の配合量は、水硬性
材料100重量部に対して、通常1〜200重量部、好
ましくは80〜120重量部である。
【0009】水の配合量は、水硬性材料100重量部に
対して、通常30〜200重量部、好ましくは50〜1
00重量部である。また、本発明の水硬性材料、骨材お
よび水を混合して得られた組成物には、珪酸質原料、石
灰質原料、補強繊維、増粘剤、着色剤、成形助剤等を含
んでいてもよい。
【0010】珪酸質原料としては、非晶質、結晶質のい
ずれでも良く、具体的には5〜12号の珪砂、珪藻土、
珪石、石英、珪石を含んだ鉱物、粘土鉱物、砂利、砕
石、活性白土などの天然品が挙げられる。またシリコン
ダストなどの工業副産物でもよい。珪酸質材料を配合す
るとセメント成形体の機械的強度や耐久性を向上するこ
とができるので、好ましく用いられる。珪酸質原料の配
合量は、水硬性材料100重量部に対して、通常20〜
150重量部である。
【0011】石灰質原料としては、生石灰、消石灰など
が挙げられる。石灰質原料の配合量は、水硬性材料10
0重量部に対して、通常0〜50重量部である。補強繊
維としては、パルプなどの天然繊維、ガラス繊維、炭素
繊維などの無機繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊
維などの公知の繊維状物質を用いることができる。これ
らは単独、もしくは2種以上混合しても良い。補強繊維
を配合することにより、得られる成形体の機械的強度を
向上させることができる。補強繊維の配合量は、水硬性
材料100重量部に対して、通常0.5〜20重量部で
ある。
【0012】増粘剤としては、一般に水溶性高分子とい
われる、25℃の水に対する溶解度が通常0.5g/1
00ml以上の高分子が用いられ、具体的には、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体やポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が
挙げられる。粘性付与、流動調節作用の点でセルロース
誘導体、特に、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ま
しく用いられる。増粘剤の配合量は、水硬性材料100
重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ましくは
1〜4量部である。水溶性高分子を配合することによ
り、暗く、深みのある発色をもたらすことができるので
ある。
【0013】着色剤としては、有機系、無機系いずれの
着色剤も使用しうるが、オートクレーブ養生を行う場合
や建築資材としての耐熱性、耐候性、環境汚染性を考慮
すると、顔料などの無機系着色剤が好ましい。着色剤の
配合量は、水硬性材料100重量部に対して、通常0.
1〜20重量部である。成形助剤としては、撥水剤、減
水剤、改質剤、凝結剤、凝結遅延剤、接着改良剤、各種
有機系または無機系のリサイクル材等の助剤が挙げられ
る。
【0014】水硬性材料、骨材および水を混合して得ら
れる未硬化の組成物は、次いで所定の形状に賦形され、
未硬化の成形体とする。賦形の方法は、抄造法、押出成
形法、型枠に流し込む方法など公知の成形方法を用いる
ことができる。水硬性材料混合物の成形形状としては、
通常板状に賦形し、エンボスロールにより凹凸模様付け
を行う方法、凹凸模様の型枠をプレス等により押付け模
様付けを行う方法などがある。例えば、割石などを模し
た凹凸模様を転写し意匠性を向上させた板状の成形体と
する。
【0015】本発明の特徴は、このようにして得られた
未硬化の成形体を、水硬性材料などを硬化させるために
行う養生を行う前に、未硬化の成形体の表面に熱可塑性
樹脂シートを積層することにある。未硬化の成形体表面
に熱可塑性樹脂フィルムを積層することにより、白華現
象を助長する水分、空気、炭酸ガス等と成形体との接触
を遮断し、養生中に白華現象が起きることが防止できる
のである。
【0016】具体的には常温または加温加湿で数時間か
ら数日間放置し養生硬化することにより、水硬性材料混
合物のハンドリング性・機械的強度・耐水性・耐凍結融
解性・耐久性が現出する。この水硬性材料混合物の養生
に先立ち、養生することを特徴とする水硬性材料混合物
成形体の製造方法である。本発明で用いる熱可塑性樹脂
フィルムは、厚さが、通常5μm〜3mm、好ましくは
10〜100μmのフィルムである。熱可塑性樹脂フィ
ルムの材料は、柔軟性があり、未硬化の水硬性材料混合
物に密着するものであればよく、剥離することを考慮す
ると、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニール、エチレン・ビニル共重合体(EVA)、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)な
どのポリエステル等が用いられる。成形体の表面に凹凸
模様を有する場合、フィルムの追随性を上げるため厚さ
が5〜20μm程度の柔軟なフィルム、例えばポリエチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの厚さ
5〜15μmの食品包装用フィルム等を用いることが好
ましい。
【0017】熱可塑性樹脂フィルムを積層する際、成形
体との密着性、保持性を維持するため、未硬化の成形体
と接着または粘着する材料を中間に設けるのが好まし
い。このような、未硬化の成形体と接着または粘着する
材料としては、水溶性の接着剤、水溶性の粘着剤などが
挙げられ、具体的には、ポリビニルアルコール、イソブ
テン−無水マレイン酸共重合、ポリビニルピロリドン、
アクリル酸、アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合
体、酢酸ビニル系エマルジョン、ポリアクリルアミド、
アラビアゴム、デキストリン、ポリエチレンオキサイ
ド、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、でんぷん等を単独
または併用し、固化防止剤、グリセリン、グリコール
類、ホウ酸、ホウ砂、などを添加した接着剤、粘着剤な
どが挙げられる。これらの未硬化の成形体と接着または
粘着する材料は、通常、予め、積層フィルム表面に、前
記材料をラミネート、ロールコートなどの方法によりコ
ーティング処理することにより得られたフィルムを用い
るのが好ましい。また、場合により、前記材料を未硬化
の成形体表面に塗布した後、フィルムを積層してもよ
い。
【0018】熱可塑性樹脂フィルムは、通常、未硬化の
成形体を硬化して得られた水硬性無機質成形体の表とな
る面に積層される。熱可塑性樹脂フィルムを未硬化の成
形体に積重する方法は、特に制限されないが、具体的に
は、連続または継続して成形される抄造法、押出成形法
においては、成形体がローラーコンベアー、ベルトコン
ベアー等を移動する最中に、ロール巻きしたフィルムを
巻出しながら積層する方法が挙げられる。
【0019】熱可塑性樹脂フィルムと未硬化の成形体表
面とのあいだに空気を巻き込んだ場合は、そのままでも
よいが、熱可塑性樹脂フィルムの上から、ロールなどで
再圧着し脱気することが好ましい。表面に凹凸模様を有
する成形体の場合は、ゴム、植毛等を施した柔らかいロ
ール、刷毛等を用いて脱気しながら積層することが好ま
しい。
【0020】このようにして得られた、熱可塑性樹脂フ
ィルムを積層した未硬化の成形体は、次いで、養生す
る。養生は、通常、常温または加温加湿、好ましくは、
50〜80℃、湿度80〜95%、常圧の条件下で通常
5〜10時間放置することにより行われる。以下、この
ような条件での養生を「一次養生」と言う。一次養生
後、必要に応じて、高温・加圧下でのオートクレーブ養
生を行う。オートクレーブ養生を行う場合は、熱可塑性
樹脂フィルムとして、テフロンフィルムなどの高温・加
圧条件下でも耐えるフィルムを用いた場合を除き、熱可
塑性樹脂フィルムは、剥離した後にオートクレーブ養生
を行う。オートクレーブ養生は、通常130〜180
℃、3〜10atmの条件下で通常3〜10時間処理す
ることにより行われる。
【0021】一次養生後、オートクレーブ養生を行わな
い場合は、熱可塑性樹脂フィルムはそのまま保護フィル
ムを兼ねることができる。また、この場合は、切削等の
二次加工を施してから製品とする場合に於いても、熱可
塑性樹脂フィルムを密着したまま加工することができ、
搬入、切削、移動、搬出時に良く起こる傷等から製品を
保護することに役立ち、外観表面の意匠性保持に寄与す
る。
【0022】このように、熱可塑性樹脂フィルムを未硬
化の水硬性材料混合物の成形体表面に積重することによ
り、水硬性材料混合物の白華現象を助長する水分、空
気、炭酸ガス等を遮断しながら、常温または加温加湿で
養生することによって、水硬性材料混合物の成形体は硬
化する。このようにして得られた水硬性無機質成形体
は、エフロレッセンスによる白斑がなく、下記の色差の
測定方法により求められる色差が通常+10以下であ
る。また、エフロレッセンスによる白斑が発生した場
合、色差は、通常+15を超える。
【0023】<色差の測定方法>色差の測定には、測定
サンプル上に、測定面の他に基準面が必要である。基準
面は、測定サンプルの一部を切断して、その切断面を基
準面とした。色差は、色差計にて基準面と測定面の
* 、a* 、b* を測定し、式(1)よりΔEを算出
し、基準面と測定面のL* の値により、+、−いずれか
の符号を付すことにより得られる。
【0024】
【数1】 ΔE={(L0* −L1* 2 +(a0* −a1* 2 (b0* −b1* 2 1/2 式(1)
【0025】(式中、L0* 、a0* 、b0* は、測定
面のL* 、a* 、b* を、L1* 、a1* 、b1* は、
基準面のL* 、a* 、b* を表す。) 式(1)で得られた数値に、L0* >L1* の場合は−
の符号を付し、L0*≦L1* の場合は+の符号を付
す。式(1)で求められるΔEは、基準面と測定面の色
調の変化を表す。
【0026】エフロレッセンスは白色であるので、エフ
ロレッセンスが発生すると色が薄くなり、色合いが明る
くなる。それ故、測定面の明るさを示すL0* が、基準
面の明るさL1* より大きい場合を+、小さい場合を−
とした。−は、色合いが暗くなるということであり、エ
フロレッセンスが全く発生していないことを示す。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例
に限定されるものではない。 <実施例1>普通ポルトランドセメント(秩父小野田
製)100重量部に対し、珪石(「MS35」秩父工業
製)100重量部、ベンガル茶(酸化鉄)10重量部、
メチルセルロース2重量部、故紙パルプ4重量部をミキ
サーにて十分空練りした後、水65重量部を添加し、均
一になるまで充分に混合・混練した。得られた水硬性材
料混合物を口径80mmの真空押出機に投入し、板状の
ダイ(幅250mm、板厚11mm設定)より押出し、
幅255mm板厚12.5mmのボードを連続で成形し
た。
【0028】ダイ出口付近に於いて、連続して成形され
るボードの上面に、ポリビニルアルコールを主成分とす
る水溶性粘着剤をコートした30μm厚みの低密度ポリ
エチレンフィルムのロールより、フィルムを巻き出しな
がら重ね合わせ、砂岩割石模様のエンボスロールで模様
を転写しながら圧することにより、エアーを抜きながら
成形体上面にフィルムを積重し密着していった。また連
続して成形されるボードの下面からは、同様に100μ
m厚みの低密度ポリエチレンフィルムのロールより巻き
出したフィルムを下敷きとして追従させながらベルトコ
ンベアー上を搬送移動した。
【0029】連続した成形体は長さ1m毎に自動ナイフ
丸刃のカッターにより切断した。出来上がった成形体
は、上面に砂岩割石模様が転写され、尚かつ20μm厚
みの低密度ポリエチレンフィルムが密着されており、更
にフィルムにコートした粘着剤の効果により手でフィル
ムの端をめくるぐらいでは剥がれることはなかった。一
方下面のフィルムは、手でフィルムの端をめくると容易
に剥がすことができた。
【0030】次いで出来上がった成形体を温度60℃、
湿度95%の恒温・高湿オーブンに挿入し、10時間一
次養生を行った。一次養生後の成形体は、充分硬化した
状態で、脱板などのハドリング性は良好であった。一次
養生後の成形体は、上下面のフィルムを剥がした後、真
空乾燥機にて3時間乾燥を行った。次いで、成形体の表
面を3mm厚分切削し基準面とし、成形体の上下面を測
定面とし、色差計(日本電色工業(株)製「SZ−Σ9
0」)にてL* 、a* 、b* の測定を行い、色差を求め
た。
【0031】次いで色差測定後の成形体をオートクレー
ブ中で温度160℃、飽和水蒸気圧で6時間、水熱反応
(2次養生)を行った。2次養生後も1次養生後と同様
に色差を求めた。(2次養生後の色差を求める際の基準
面は、1次養生後に使用した基準面をそのまま2次養生
させた面を用いた。)結果をまとめて表1に示す。
【0032】1次養生後の測定面は、基準面と比べて深
い色合いであったが、2次養生後の測定面はやや白っぽ
くなった。但し、基準面もオートクレーブでの二次養生
により若干白っぽくなったため、色合いはほぼ同じ色
か、それより深い色合いであった。
【0033】<実施例2>白セメント(秩父小野田製)
100重量部に対し、珪石(「MS75」秩父工業製)
50重量部、活性白土(「シルトF」丸中白土製)50
重量部、白色顔料(酸化チタン)7重量部、黄色無機顔
料3重量部、メチルセルロース3重量部、故紙パルプ6
重量部をミキサーにて十分空練りした後、水70重量部
を添加し、均一になるまで充分に混合・混練した。得ら
れた水硬性材料混合物を口径200mmの真空押出機に
投入し、幅590mm、板厚40mm、長さ2.5mの
発泡ポリスチレンボードの全周に、設定板厚5mmで被
覆成形を行い、幅603mm、板厚54mmの成形体を
得た。得られた成形品は、発泡ポリスチレンボードの全
周に白色の水硬性材料混合物で覆われた成形体である。
【0034】被覆ダイ出口付近に於いては、連続して成
形される水硬性材料混合物被覆ボードの上面に、実施例
1と同様の水溶性粘着剤をコートした80μm厚みのナ
イロンフィルムのロールより、フィルムを巻き出しなが
ら重ね合わせ、ゴムロールで圧しエアーを抜きながら成
形体上面にフィルムを積重し密着していった。一方、連
続して成形される水硬性材料混合物被覆ボードの下面か
らは、同様の水溶性粘着剤をコートした80μm厚みの
ナイロンフィルムのロールより巻き出したフィルムを下
敷きとして追従させながらローラーコンベアー上を搬送
移動した。
【0035】連続した成形体は、発泡ポリスチレンボー
ドの長さ2.5m毎にカッターにより切断し切り離し
た。出来上がった成形体は、鋼製トレーに乗せ、温度6
0℃の蒸気生焚きの養生室に挿入し、6時間一次養生を
行った。一次養生後の成形体は、充分硬化した状態で、
脱板などのハドリング性は良好であった。またフィルム
を積重していない側面は白色のエフロレッセンスが析出
していた。
【0036】次いで、フィルムを貼合せたままで成形体
の上面を自動ルータ加工機により、深さ4mmの馬踏目
地模様になる溝切削加工を行い、意匠性の高い化粧型枠
とした。更に、こうして出来上がった化粧型枠は、捨て
型枠として住宅布基礎に使用し、住宅基礎のコンクリー
トの流し込み・養生・脱型が終了した最後段階で初めて
フィルムを剥がし、エフロレッセンスの発生を目視にて
観測したが、エフロレッセンスは見られなかった。
【0037】<比較例1>実施例1に於いて、熱可塑性
樹脂フィルムを積重せずに成形した水硬性材料混合物の
成形体表面を測定面として色差の測定を行った。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、主に素地でしかも板状
で使用する水硬性材料混合物成形体を工業的に製造する
方法を提供すると同時に、長期耐久性に劣る塗装工程を
無くし、表面の退色や白色シミのない、自然な風合いを
醸し出す渋い枯れた感じの外観を有する成形体を、安価
に製造し供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の実施形態を示す概略図
【図2】実施例2の実施形態を示す平面及び側面の概略
【符号の説明】
1 真空成形機 2 板成形ダイ 3 水溶性粘着剤をコートした低密度ポリエチレンフ
ィルムロール 4 低密度ポリエチレンフィルムロール 5 砂岩割石模様のエンボスロール 6 水硬性材料混合物の板状成形体 7 ベルトコンべアー 8 真空成形機 9 被覆成形ダイ 10 ナイロンフィルム 11 ナイロンフィルム 12 ゴムロール 13 発泡ポリスチレンボード 14 水硬性材料混合物被覆ボード 15 ローラーコンベアー 16 ローラーコンベアー 17 水硬性材料混合物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性材料、骨材、および水を混合して
    得られた組成物を、抄造法または押出成形法により賦形
    してなる未硬化の成形体の表面に、熱可塑性樹脂フィル
    ムを積層した後、養生することを特徴とする水硬性無機
    質成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムを、未硬化の成形
    体に接着または粘着する材料を介して成形体に積層する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水硬性無機質成形体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムは、養生終了後に
    養生終了後に成形体から容易に剥離できるフィルムであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の水硬性無
    機質成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 水硬性材料、骨材、および水を混合して
    得られた組成物が、着色剤を含んでいることを特徴とす
    る請求項1ないし3いずれか1項に記載の水硬性無機質
    成形体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013530075A (ja) * 2010-07-14 2013-07-25 サドラー アイピー ピーティーワイ リミテッド セメント製品のパッケージング

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JP2013530075A (ja) * 2010-07-14 2013-07-25 サドラー アイピー ピーティーワイ リミテッド セメント製品のパッケージング

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