JPH0451505B2 - - Google Patents

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JPH0451505B2
JPH0451505B2 JP59211966A JP21196684A JPH0451505B2 JP H0451505 B2 JPH0451505 B2 JP H0451505B2 JP 59211966 A JP59211966 A JP 59211966A JP 21196684 A JP21196684 A JP 21196684A JP H0451505 B2 JPH0451505 B2 JP H0451505B2
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JP
Japan
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film
cementitious
cement
roll
sheet
Prior art date
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Application number
JP59211966A
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English (en)
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JPS6191052A (ja
Inventor
Nobuhiro Kataoka
Hideaki Igarashi
Shuji Fujimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
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Priority to KR1019850006632A priority patent/KR860003179A/ko
Publication of JPS6191052A publication Critical patent/JPS6191052A/ja
Publication of JPH0451505B2 publication Critical patent/JPH0451505B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
    • C04B24/24Macromolecular compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、セメント質フイルムおよびその製造
方法に関するものである。
〔発明の背景〕
建築物の壁面には、装飾を目的としてあるいは
建築基材の保護を目的として薄いフイルム状の装
飾保護材を付設することが一般的である。装飾保
護材としては、通常、紙、布、木材、フイルム状
に成形された樹脂および金属の薄膜などが用いら
れている。
一般に、装飾保護材には、不燃性であること、
適度の硬度を有していること、熱伝導性が低いこ
と、比重が小さいこと、および錆などの腐食が発
生しないことなどの特性が要求される。このよう
な保護装飾材に要求される特性から勘案すると、
セメント硬化体は要求される特性を具備しており
装飾保護材用の素材としては好適なのであるが、
壁面に直接塗設する場合およびパネル状の成形体
を付設する場合以外は使用されていなかつた。し
かしながら、このような塗設あるいはパネル状成
形体の付設は、特殊な場合を除き装飾保護材とし
ての使用と言うよりはむしろ建築基材としての使
用であり、一般にはこのように塗設あるいは付設
された基材上に更に装飾保護材が付設される。
セメント質構造材で厚みが薄く、かつ高い曲げ
強度を有するボード状あるいは厚いシート状のも
のをセメント質水性混練物から成形する技術は特
開昭56−14465号公報に開示がある。この公報に
開示されているシートは、セメント、添加剤およ
び水を混練して、たとえばツインロールミルを用
いてシート状に成形し、硬化させたものである。
この方法により得られるシートは厚さは3mm程度
であり、非常に曲げ強度の高いシート状体あつ
て、実質的に可撓性を有していない。
〔発明の目的〕
本発明は、可撓性を有し、かつ引張強度が高い
セメント質フイルムおよびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
本発明は特に、建築物の壁面あるいは建築基材
などの保護被覆のための不燃性装飾保護材として
有用な可撓性を有し、かつ引張強度が高いセメン
ト質フイルムおよびその製造方法を提供すること
を目的とする。
〔発明の要旨〕
本発明は、セメント質硬化物が、その重量に対
して2〜10重量%の高分子化合物に分散されてな
るフイルムであつて、厚さが0.3mm以下、引張強
度が100Kgf/cm2以上である可撓性のセメント質
フイルムを提供する。
このようなセメント質フイルムは、未硬化セメ
ント質と、その重量に対して2〜10重量%の高分
子化合物とを含むシート状水性混練物を少なくと
も一回の圧延を行なつた後、該圧延されたシート
状水性混練物を硬化させる方法により製造するこ
とができる。
〔発明の効果〕
本発明のセメント質フイルムは可撓性を有し、
引張強度が高い薄いフイルム状であり、かつ燃え
にくいであるため、建築物の壁面あるいは建築基
材などの装飾保護材として非常に有用である。
さらに、本発明のセメント質フイルムの表面は
非常に平滑であり、その表面に印刷をすることも
可能である。従つて、本発明のセメント質フイル
ムに印刷加工を施したのち、たとえば建築物の基
材表面に通常の壁紙と同様の施工方法を利用して
貼り付けて建築物の装飾保護材とすることができ
る。
また、本発明のセメント質フイルムは、たとえ
ば金属の表面などに貼り付けて防食被覆層とする
こともできる。
〔発明の詳細な記述〕
本発明のセメント質フイルムは、基本的にはセ
メント質硬化物が高分子化合物に分散されてなる
フイルムである。ただし、本発明のセメント質フ
イルムは、セメント製品が脆性体であるとの常識
とは全く異り、基本的にはセメント質硬化体の薄
いフイルムであるにもかかわらず可撓性を有して
いる。すなわち、本発明のセメント質フイルム
は、たとえば曲率半径20mmの曲面に沿つて湾曲さ
せることができる程度の可撓性を有している。な
お、本発明においては、セメント質硬化物が完全
に高分子化合物中に分散状態で存在していること
を要するものではなく、セメント質硬化物の一部
が高分子化合物中に分散状態で存在しているもの
をも含むものであり、さらには、両者の分散状態
が逆転しているものであつても良い。
このようなセメント質フイルムの可撓性は、セ
メント質硬化物が高分子化合物に分散されてなる
フイルムの厚さを0.3mm以下とすることにより発
現するものである。特にフイルムの厚さが0.2mm
以下であるフイルムは充分な可撓性を示す。
さらに本発明のセメント質フイルムは、上記の
ように0.3mm以下と非常に薄いにもかかわらず、
一般には100Kgf/cm2以上、通常は150Kgf/cm2
上、好ましくは300Kgf/cm2以上の引張強度を有
している。
このようなセメント質フイルムは、高分子化合
物と未硬化セメント質とを含むシート状水性混練
物を少なくとも一回の圧延を行なつた後、該圧延
されたシート状水性混練物を硬化させる方法によ
り製造することができる。
本発明のセメント質フイルムを得るために使用
するセメントに特に制限はなく、通常使用されて
いるセメントを使用することができる。使用する
ことができるセメントの例としては、ポルトラン
ドセメント(例、普通ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセ
メント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩
ポルトランドセメント、白色セメント)、混合セ
メント(例、シリカセメント、高炉セメント、フ
ライアツシユセメント)、特殊セメント(例、超
高速セメント、アルミナセメント)および硫酸カ
ルシウム半水和物セメント(例、半水セツコウセ
メント)を挙げることができる。セメントは、一
般に市販されているものをそのまま使用すること
ができるが、市販されているセメントを更に粒度
調整を行なつて使用することが好ましい。一般に
粒度調整は、篩などを使用して、たとえば10μm
以上の粒子を除去するなどの方法により行なわれ
る。このように粒度調整を行なつて、大きい粒子
をある程度除去することにより得られるフイルム
の引張強度が増大し好ましい。
本発明のセメント質フイルムを得るために使用
する高分子化合物は、セメントの混練性を向上さ
せることを目的として、また、セメント質水性混
練物の成形性を向上させることを目的として添加
される。さらに、高分子化合物は、得られたセメ
ント質フイルムの可撓性の付与にも作用している
ものと推察される。
使用する高分子化合物に特に制限はない。使用
する高分子化合物の例としては、水溶性高分子化
合物(例、ポリビニルアルコール、セルロース誘
導体、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリルアミド)および高分子化合物の
水性分散体(例、合成ゴムラテツクス、ポリアク
リル酸エステルエマルジヨン、エポキシポリマー
エマルジヨン)などを挙げることができる。本発
明においては、水溶性高分子化合物を使用するこ
とが好ましく、ポリビニルアルコールを使用すこ
とが特に好ましい。なお、本発明のポリビニルア
ルコールとは部分酸化ポリ酢酸ビニルを包含する
概念である。ポリビニルアルコールあるいはポリ
酢酸ビニルのケン化度に特に制限はないが、一般
には50%以上、通常は、70〜90%の範囲のケン化
度のものを使用することができる。また、分子量
にも特に制限はないが、通常は5000〜13万程度の
ものを使用することができる。
高分子化合物の配合率は、使用するセメント質
(セメントの一部を充填材で置き替えた場合には
セメントと充填材との合計量)に対して2〜10重
量%の範囲である。配合率が2重量%より少ない
と混練性が低下することがあり、また得られたフ
イルムの引張強度が低下することがある。一方、
10重量%より多いと混練する際に使用する水の量
を増さなければ混練を行なうことができなくなる
傾向があり、このように水量を増加することによ
り得られるフイルムの強度が低下することがあ
る。
本発明のセメント質フイルムには、得られるセ
メント質フイルムの物性を改良するために、ある
いは配合される高分子化合物の物性を改良するこ
となどのために可塑剤などの添加剤を配合するこ
とができる。使用する可塑剤に特に制限はない。
使用することができる可塑剤の例としてはグリセ
リン、エチレングリコールの他に低重合度のポリ
エチレングリコール類などを挙げることができ、
これらを単独であるいは混合して使用することが
できる。高分子化合物の水性分散体を使用する場
合には、上記の可塑剤の以外にも、通常使用され
ている可塑剤も使用することができる。可塑剤の
配合率に特に制限はなく公知の技術に従つて適宜
決定することができる。
上記の可塑剤以外にも通常セメントに配合され
る混和剤あるいは充填材などを配合することがで
きる。このような混和剤の例としては、減水剤
(例、リグニンスルホン酸塩、ポリオール複合体、
オキシカルボン酸塩、アルキルアリールスルホン
酸高縮合物、高縮合トリアジン系化合物、高縮合
芳香族スルホン酸塩、メラミン樹脂スルホン酸
塩)、水和遅延剤および水和促進剤などを挙げる
ことができる。
使用される充填材の例としては、微粒子状ケイ
酸質材料(例、珪石粉、粘土)、カーボンブラツ
ク、アルカリ土類金属炭酸塩(例、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム)、無機酸化物(例、二酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二
酸化ジルコニウム)、無機水酸化物(例、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム)等の微粒子状
の充填材(これらの中空粒子も含む)並びに無機
繊維状充填材(例、酸化アルミニウム繊維、耐ア
ルカリ処理したガラス繊維、石綿、岩綿、スラグ
ウール)および有機繊維状充填材(例、ナイロン
繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、炭素
繊維)などの繊維状充填材等を挙げることがで
き、これらを単独であるいは混合して使用するこ
とができる。繊維状充填材は網状に編まれたもの
であつても良い。
上記のような充填材を使用する場合、セメント
と充填材はこの両者をたとえばボールミルなどを
使用して予め充分に混合した後、他の成分を混合
することが好ましい。また、特に充填材の強度が
低い場合、充填材が繊維状である場合および網状
に編んだ充填材である場合には、これらの充填材
を後述する二枚の未硬化セメント質フイルムの間
にサンドイツチ状に挟み、加圧して一体化する方
法等も利用することができる。充填材の配合量に
特に制限はなく公知技術に準じて配合量を適宜決
定することができる。たとえば、珪石粉を充填材
として使用する場合には使用するセメントの75重
量%までの量を珪石粉に置き替えることも可能で
ある。さらに、充填材を使用する場合には、一般
に、その使用量が増加するに従つて高分子化合物
および後述する水量を減ずることができる。勿
論、顔料あるいは染料を充填材などと共に添加し
て、得られるセメント質フイルムを着色すること
もできる。
上記のセメントおよび高分子化合物と所望によ
り添加される混和剤および充填材などは、水と共
に混練されて水性混練物とされる。混練の際に加
える水の量は、配合される高分子化合物、混和剤
および充填材などの量により異るが、通常は使用
するセメント(セメントの一部を充填材で置き替
えた場合にはセメントと充填材との合計量)に対
して10〜25重量%の範囲である。加える水の量
は、少ないほど得られるセメント質フイルムの強
度が強くなる傾向があるが、一方、混練性を考慮
するとある程度の量は必要となる。水量が10重量
%より少ないと混練性が悪くなる傾向があり、一
方、25重量%より多いと得られるフイルムの強度
が低下する傾向がある。
セメントおよび高分子化合物などの配合順序に
特に制限はない。
混練の方法は、混練を充分に行なうことができ
る方法であれば特に制限はない。一般には、セメ
ントを含む粉末を通常の混練機(例、プラネタリ
ーミキサ)に投入して、水を加えて混練を行な
い、得られた混練物を強力な混練機に移して更に
混練を行なう方法が利用される。強力な混練機の
例としては、ニーダ、バンバリーミキサ、湿式パ
ンミキサ、ミキシングロール、クネツトマシー
ン、パツグミル、スクリユー押し出し機などを挙
げることができる。このような混合機を使用する
ことにより混練される水性混練物中に含有される
気泡の量が少なくなり、また、混練の際に加える
水の量が少ない場合であつても充分に混練を行な
うことができるので、結果的に強度の高いフイル
ムを得ることが容易になる。上記の混練機を利用
した混練は減圧下で行なうこともできる。
充分に混練された水性混練物は一旦シート状に
成形される。この成形もまた減圧下で行なうこと
ができる。このように混練および成形を減圧下で
行なうことにより得られる成形体に含有される気
泡の量が減少するので最終的に得られるセメント
質フイルムの強度が増し好ましい。なお、ミキシ
ングロールなどを用いることにより混練操作とシ
ート成形操作を一工程で行なつてもよい。
このようにして混練されてシート状に成形され
た水性混練物は次に圧延される。本発明において
は、圧延は通常カレンダを用いて行なわれる。一
般にカレンダとは配合物(本発明においてはシー
ト状に形成された水性混練物)をロールの回転比
がほぼ1:1に設定された二乃至六本のロールに
より構成される間隙を通過させて圧延を行なう機
械を言い、この機械を用いて配合物を一定の厚さ
に圧延してフイルム状とする加工をカレンダ加工
と言う。そしてカレンダは、圧延されるフイルム
に大きな剪断力がかからないように各ロールの回
転比は、ほぼ1:1に設定されている。従つて、
ミキシングロール(通常、回転比は1:1.1程度
に設定されている)等の混合を目的としたロール
を用いた場合には、ロールにより構成される間隙
をシート状水性混練物が通過する際にかかる大き
な剪断力により切断され製造することができない
0.3mm以下のフイルムであつても、剪断力のかか
ることのないカレンダを用いてシート状水性混練
物の圧延を行なうことにより0.3mm以下のフイル
ムを製造することができる。
本発明のセメント質フイルムを製造するために
使用するカレンダに特に制限はなく、ロールの本
数が二乃至六本のいずれのカレンダであつても使
用することができる。また、各ロールの回転比
は、上述したようにほぼ1:1に設定される。
混練されてシート状に成形された水性混練物は
少なくとも一回圧延することが必要であるが、複
数回圧延を行ないシート状水性混練物を徐々に薄
くして未硬化セメント質フイルムとすることが好
ましい。この圧延をカレンダを使用して行なう場
合に各ロールにより構成される間隙の幅は、圧延
された水性混練物の厚さが圧延前の厚さの9/10
〜3/10の範囲の厚さ(以下、圧延比と記載す
る)となるように調整することが好ましく、7/
10〜4/10の範囲の圧延比となるように調整する
ことが好ましい。圧延比が徐々に大きくなるよう
に複数回圧延を行なうことにより、得られるフイ
ルムにかかる剪断力が小さく、より優れた物性の
セメント質フイルムを得ることができ好ましい。
圧延された未硬化セメント質フイルムは、最後
に圧延を行なつたロールにより構成される間隙の
幅よりも若干厚くなる傾向がある。従つて、最後
に圧延を行なうロールにより構成される間隙の幅
は、得ようとする未硬化セメント質フイルムの厚
さよりも僅かに狭く設定することが好ましい。
次いで、得られた未硬化セメント質フイルムを
硬化させる。硬化は通常のセメント製品を製造す
る際に用いられている養生方法などを利用して行
なうことができる。養生方法の例としては、空中
養生、湿空養生、水中養生、蒸気養生およびオー
トクレーブ養生などを挙げることができる。
なお、養生される前の未硬化セメント質フイル
ムを面方向に加熱加圧して硬化を促進させること
もできる(以下、単に加圧加熱と記載する)。加
圧加熱の際の圧力および加熱温度は使用するセメ
ント、高分子化合物およびその他の添加剤の種類
および配合量を考慮して適宜決定することができ
る。また、この加圧加熱の際に過度の水分の蒸発
を防止すると共に、加圧面への未硬化セメント質
フイルムの付着を防止するために合成樹脂製のフ
イルムを用いてこの未硬化セメント質フイルムを
被覆した後、加圧加熱を行なうこともできる。
養生することにより硬化したフイルムは、一般
に乾燥工程にかけられ乾燥される。この乾燥によ
りフイルムの強度は更に増大する。乾燥の方法に
特に制限はなく通常の方法に従つて行なうことが
できる。一般に、乾燥は大気中あるいは100℃以
下の温度に加熱した雰囲気中で行なわれる。
加圧加熱、養生および乾燥に要する時間は、使
用するセメント、高分子化合物あるいは添加剤等
の種類および量を考慮して、適宜決定することが
できる。なお、一般にはセメントの水和速度が速
いものほど養生に要する時間を短くすることがで
きる。
また、養生および乾燥の際に、フイルムの「そ
り」を防ぐために、フイルムをポーラスな板に挟
んで養生および乾燥を行なうことが好ましい。
このようにして得られたセメント質フイルム
は、0.3mm以下、(好ましくは0.2mm以下)であり、
その引張強度は100Kgf/cm2以上(好ましくは150
Kgf/cm2以上、特に好ましくは300Kgf/cm2以上)
である。
さらに、得られたセメント質フイルムは、たと
えば、半径20mmの円筒に容易に巻き付けることが
できる程度の可撓性を有しており、またその表面
は平滑で光沢がある。
得られたセメント質フイルムは、壁紙などと同
様の仕様により接着剤を介して壁面などに貼り付
けることができ、可撓性を有することから曲面に
対しても何等特殊な処理などを行なうことなく貼
り付けを行なうことができる。さらに、湾曲する
セメント質フイルムに少量の水分を含有させるこ
とにより可撓性が更に増大し、曲率半径が20mm以
下の曲面に対しても付設することができるように
することもできる。さらに、使用する高分子化合
物、可塑剤およびフイルムに含有させる水分量な
どを調整することにより曲率半径が数ミリの曲面
に対しても付設することができるようにすること
もできる。可撓性を付与するために含水したセメ
ント質フイルムは、水分が蒸発することにより含
水前の状態に戻る。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
実施例 1 100gの普通ポルトランドセメントおよび7gの
ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノール
KH−175、ケン化度80%、日本合成化学工業(株)
製)をプラネタリーミキサ中で4分間混合した
後、15gの水および0.7gのグリセリンからなる溶
液を加えて更に4分間混練を行なつた。
この混練物を約50g分取して一対のロール回転
比を1:1.12に設定したミキシングロールを用い
て5分間混練を行ない、得られた水性混練物をミ
キシングロールにより、幅約200mm、長さ約200
mm、厚さ約0.5mmのシート状水性混練物を成形体
とした。
この成形体を一対のロールより構成されるカレ
ンダを用いて圧延を行なつた。この時のロールの
回転比は1:1、ロール回転周速度は130cm/分、
ロール間隔は、0.3mmに設定した。続いてロール
の間隔を0.2mmに設定して再度成形体の圧延を行
ない、幅約220mm、長さ約450mm、厚さ約0.2mmの
未硬化セメント質フイルムを調製した。
この未硬化セメント質フイルムから幅約200mm、
長さ約200mmの試料を切出し、この試料を温度80
℃、圧力30Kgf/cm2の条件下で30分間加圧加熱を
行なつたのち、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気
中に24時間静置して養生を行なつた。養生後、温
度を80℃に保持して乾燥を行ない、幅約200mm、
長さ約200mm、厚さ約0.2mmのセメント質フイルム
を得た。
このセメント質フイルムは可撓性を有しており
半径20mmの円筒の外周に巻き付けることができ
た。
得られたセメント質フイルムから引張強度測定
用の試験片を三個切出し、引張強度試験を行なつ
た。試験片の平均引張強度は約300Kgf/cm2であ
つた。
なお、上記引張強度試験は、島津製作所製オー
トグラフを用いて、0.01mm/分の引張速度で行な
つた。また、試験は、全長が120mmであつて、試
験機が挟持する両端部の幅が25mmで、中心から端
部方向にそれぞれ20mmの長さで幅10mmに狭窄部分
を有する形状の試験片を使用して行なつた。以下
本発明の実施例および比較例で測定した引張強度
は、上記の装置および試験片を用いて行なつた。
実施例 2 普通ポルトランドセメントの代りにアルミナセ
メントを使用した以外は、実施例1と同様に操作
してシート状の水性混練物の成形体を製造した。
この成形体をロールの回転比を1:1、ロール
回転周速度を130cm/分、ロール間隔を0.2mmに設
定したカレンダを用いて圧延を行なつた。続いて
ロールの間隔を0.1mmに設定して再度成形体を圧
延を行ない、さらにロール間隔を0.07mmに設定し
て圧延を行ない幅約220mm、長さ約1300mm、厚さ
約0.07mmの未硬化セメント質フイルムを調製し
た。
この未硬化セメント質フイルムを実施例1と同
様に操作して加圧加熱、養生および乾燥を行ない
セメント質フイルムを製造した。
得られたセメント質フイルムより切出した試験
片の平均引張強度は約450Kgf/cm2であつた。こ
のセメント質フイルムは可撓性を有しており半径
20mmの円筒の外周に巻き付けることができた。
実施例 3 普通ポルトランドセメント100gの代りに普通
ポルトランドセメント50gと珪石粉(ブレーン比
表面積3500cm2/g、100μm以下の粒分を除去した
もの)50gを使用し、水の量を10gとした以外は、
実施例1と同様に操作してシート状水性混練物の
成形体を調製した。
この成形体をロールの回転比を1:1、ロール
回転周速度を130cm/分、ロール間隔を0.2mmに設
定したカレンダを用いて圧延を行なつた。続いて
ロールの間隔を0.11mmに設定して再度成形体を圧
延を行ない、さらにロール間隔を0.08mmに設定し
て圧延を行ない、幅約220mm、長さ約1100mm、厚
さ約0.08mmの未硬化セメント質フイルムを調製し
た。
この未硬化セメント質フイルムを実施例1と同
様に操作して加圧加熱、養生および乾燥を行ない
セメント質フイルムを製造した。
得られたセメント質フイルムより切出した試験
片の平均引張強度は約150Kgf/cm2であつた。こ
のセメント質フイルムは可撓性を有しており半径
20mmの円筒の外周に巻き付けることができた。
実施例 4 普通ポルトランドセメントを篩を用いて10μm
の残部を8重量%以下となるように調整して使用
した以外は、実施例1と同様に操作してシート状
水性混練物の成形体を調製した。
この成形体をロールの回転比を1:1、ロール
回転周速度を130cm/分、ロール間隔を0.2mmに設
定したカレンダを用いて圧延を行なつた。続いて
ロールの間隔を0.12mmに設定して再度成形体を圧
延を行ない、さらにロール間隔を0.09mmに設定し
て圧延を行ない、幅約220mm、長さ約1000mm、厚
さ約0.09mmの未硬化セメント質フイルムを調製し
た。
この未硬化セメント質フイルムを実施例1と同
様に操作して加圧加熱、養生および乾燥を行ない
セメント質フイルムを製造した。
得られたセメント質フイルムより切出した試験
片の平均引張強度は約350Kgf/cm2であつた。こ
のセメント質フイルムは可撓性を有しており半径
20mmの円筒の外周に巻き付けることができた。
比較例 1 100gの普通ポルトランドセメントおよび30gの
水をビーカ中で約3分間混練を行なつた。得られ
た水性混練物を縦横それぞれ200mm、厚さ2mmの
清浄なガラス板の中央に置き、ナイフを用いて水
性混練物の厚さが約0.2mmとなるように調整した。
このガラス板を温度20℃で24時間湿空養生し、
更に27日間水中養生した後、ガラス板からセメン
ト硬化物を剥離させ、厚さ0.2mmのセメント硬化
物を得た。
この硬化物を実施例1と同様の操作により引張
強度の測定を試みようとしたが、この硬化物が脆
いために測定を行なうことができなかつた。
当然得られたセメント質成形体は可撓性がなく
半径20mmの円筒の外周に巻き付けることはできな
かつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セメント質硬化物が、その重量に対して2〜
    10重量%の高分子化合物に分散されてなるフイル
    ムであつて、厚さが0.3mm以下、引張強度が100Kg
    f/cm2以上である可撓性のセメント質フイルム。 2 未硬化セメント質と、その重量に対して2〜
    10重量%の高分子化合物とを含むシート状水性混
    練物とを少なくとも一回の圧延を行なつた後、該
    圧延されたシート状水性混練物を硬化させること
    からなる、厚さが0.3mm以下、引張強度が100Kg
    f/cm2以上である可撓性のセメント質フイルムの
    製造方法。
JP59211966A 1984-10-09 1984-10-09 セメント質フイルムおよびその製造方法 Granted JPS6191052A (ja)

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EP3415482A1 (en) * 2017-06-16 2018-12-19 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO Dry premixture for flexible concrete and method for its preparation and use thereof

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