JPH04242225A - ポリアミク酸薄膜の製造方法及び該ポリアミク酸薄膜を用いた液晶表示素子 - Google Patents

ポリアミク酸薄膜の製造方法及び該ポリアミク酸薄膜を用いた液晶表示素子

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JPH04242225A
JPH04242225A JP1584491A JP1584491A JPH04242225A JP H04242225 A JPH04242225 A JP H04242225A JP 1584491 A JP1584491 A JP 1584491A JP 1584491 A JP1584491 A JP 1584491A JP H04242225 A JPH04242225 A JP H04242225A
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film
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミク酸薄膜の製
造方法に関するものであり、特に液晶表示素子に用いる
ための液晶配向膜として好適なポリアミク酸薄膜の製造
方法、及び該ポリアミク酸薄膜を用いた液晶表示素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子の製造において
は液晶を均一に配向させる手法としてポリイミド等の有
機高分子薄膜を布等でこするラビング法が用いられてい
る。また、最近ではラングミュア−ブロジェット (L
B)法により例えばポリアミク酸のアルキルアミン塩等
のポリイミド前駆体の単分子層または単分子層を累積し
た後に、イミド化処理を施してポリイミドLB膜に変換
して液晶配向膜として用いる手法が開示されている (
特開昭62−209415、特開昭62−211617
)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ラビング法では、ラビング処理工程が煩雑なる上に、ラ
ビング処理時にラビング材等からゴミが発生して表示素
子の品質を低下させる原因となるという問題があった。 また、アクティブマトリックス方式の液晶表示素子にお
いては、ラビング処理時に生じる静電気がスイッチ素子
を破壊するという問題があった。
【0004】一方、従来のLB法による液晶配向技術に
おいては、ラビング処理を省略できるという利点がある
が、液晶を充分均一に配向させるだけの高い液晶配向能
が得られないため、配向ムラが生じるという問題があっ
た。また、LB膜成膜後に加熱等を含むイミド化処理を
施す必要があり、それに伴って液晶配向性が低下したり
、生産性が低下するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、脂環式テトラ
カルボン酸及びそれらの無水物から選ばれる少なくとも
1種と、ジアミン化合物とを反応させてなるポリアミク
酸に、長鎖アルキルアミン化合物を反応させてなるポリ
アミク酸アルキルアミン塩を用いて、ラングミュアーブ
ロジェット (LB)法により薄膜を形成後、酸性また
はアルカリ性の溶液に浸漬することによってポリアミク
酸薄膜を製造し、該ポリアミク酸薄膜を液晶配向膜とし
て用いることを前記課題の解決手段とした。
【0006】
【作用】従来のポリイミドLB膜では、イミド化反応に
よってポリアミク酸がイミドへと転換する際に主鎖骨格
の再配列が起こり、累積時に形成された主鎖の配向状態
が乱れるため高い液晶配向能が得られないことが考えら
れる。そこで従来のポリイミドLB膜製造方法において
、イミド化処理を施さずに膜中に存在する長鎖アルキル
アミンのみを取り除くとポリアミク酸が得られる。この
ポリアミク酸はポリイミドに比べて強い極性基を有する
ため液晶分子との相互作用が強く、そのため液晶配向規
制力が大きいことが考えられる。
【0007】また、液晶の配向には寄与しないと考えら
れる長鎖アルキルアミンを、ポリアミク酸の主鎖部分の
配向を乱すことなく取り除くことにより、さらに高い液
晶配向能を実現することができる。
【0008】このポリアミク酸アルキルアミン塩中の長
鎖アルキルアミンを取り除く方法としては、酸性または
アルカリ性の溶液にポリアミク酸アルキルアミン塩の薄
膜を浸漬することが有効である。この方法により、主鎖
の配向を乱す原因となる加熱処理を行うことなく、室温
で効率良く長鎖アルキルアミンを取り除くことができる
【0009】このように、本発明のポリアミク酸薄膜製
造方法では従来のポリイミドLB膜製造プロセスにおい
て不可欠であったイミド化処理を省略することができ、
生産性の大幅な向上を実現することができる。
【0010】本発明のポリアミク酸薄膜の製造方法につ
いて詳しく説明する。
【0011】まず、脂環式テトラカルボン酸及びそれら
の無水物から選ばれる少なくとも1種と、ジアミン化合
物とを反応させてポリアミク酸を製造する。
【0012】上記脂環式テトラカルボン酸及びそれらの
無水物としては、例えば1,2,3,4−シクロブタン
テトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテ
トラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペ
ンチル酢酸、3,5,6−トリカルボキシ−ノルボルナ
ン−2−酢酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフ
リル)−3−メチル−シクロヘキセンジカルボン酸、ビ
シクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−テトラカル
ボン酸、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸等の
脂環式テトラカルボン酸及びそれらの無水物を挙げるこ
とができる。
【0013】これらの脂環式テトラカルボン酸及びそれ
らの無水物のうち、2,3,5−トリカルボキシシクロ
ペンチル酢酸及びその無水物は、得られるポリアミク酸
が極めてイミド化されにくく、従って本発明のポリアミ
ク酸薄膜を安定して得ることができるため、特に好まし
く用いられる。
【0014】また、前記脂環式テトラカルボン酸及びそ
れらの無水物にさらに芳香族テトラカルボン酸、脂肪族
テトラカルボン酸、またはこれらの無水物を混合して使
用することもできる。このとき、芳香族テトラカルボン
酸、脂肪族テトラカルボン酸、またはこれらの無水物の
混合割合は、前記脂環式テトラカルボン酸またはその無
水物に対して通常、20〜50モル%である。
【0015】この芳香族テトラカルボン酸及びその無水
物としては、例えば4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロ
パン、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリ
デンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸、ビス(フタル酸)フェニ
ルホスフィノキサイド、p−フェニレン−ビス−(トリ
フェニルフタル酸)、m−フェニレン−ビス(トリフェ
ニルフタル酸)、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ビフェニルエーテル、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルメタン、ピロメリツト酸、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカル
ボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテト
ラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラフェニルシ
ランテトラカルボン酸、及びこれらの無水物を挙げるこ
とができる。
【0016】また、上記脂肪族テトラカルボン酸または
その無水物としては、ブタンテトラカルボン酸及びその
無水物を挙げることができる。
【0017】また、ポリアミク酸の製造に用いられるジ
アミン化合物としては、例えばパラフェニレンジアミン
、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、ベ
ンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレ
ン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3.4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノベンゾ
フェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2
−ビス[4− (4−アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン、ビス[4− (4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロ
アントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フ
ルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアリ
ニン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’
−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4
’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、1,1’
−メタキシレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4’
−ジメチルヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノ
シクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジ
シクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,
7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシク
ロ [6,2,1,02,7]−ウンデシレンジメチル
ジアミン等の脂肪族また脂環式ジアミン、及び化1で表
されるジアミノオルガノシロキサン等を挙げることがで
きる。また、これらのジアミン化合物は1種単独でも2
種以上でも用いることができる。
【0018】
【化1】
【0019】化1においてRはメチル基、エチル基、プ
ロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基、シクロヘキ
シル基等の脂環式基またはフェニル基等の芳香族基、n
は1〜20の整数、mは1〜3の整数を示す。
【0020】またポリアミク酸の製造に用いられる有機
溶媒は、生成するポリアミク酸を溶解する公知のものが
何れも使用できる。例えばN−メチル−2−ピロリドン
、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ビス(メトキシエチル)エーテ
ル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオ
キサン等を挙げることができる。
【0021】なお、この有機溶媒には、そのほかの一般
的な有機溶媒であるエーテル類、ハロゲン化炭化水素類
、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル
、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、1,4−ジクロルブタン
、トリクロルエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベ
ンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等もポリアミク酸を析出させない程度
に混合して使用することができる。
【0022】さらにポリアミク酸を製造する際の反応温
度は、通常、0〜150℃、好ましくは0〜80℃であ
る。
【0023】次いで、得られたポリアミク酸に長鎖アル
キルアミン塩を反応させてポリアミク酸アルキルアミン
塩を得る。このとき上記ポリアミク酸は1種単独でも2
種以上でも用いることができる。
【0024】このポリアミク酸アルキルアミン塩を構成
するアルキルアミンは、通常のLB膜成膜を可能ならし
める公知のものが何れも使用できるが、好ましくはN,
N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチル−n−
デシルアミン、N,N−ジメチル−n−テトラデシルア
ミン、N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、N
,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジ
メチル−n−エイコシルアミン、N,N−ジメチル−n
−ドコシルアミン、N,N−ジメチル−n−シクロヘキ
シルアミン等の第三級アミンを用いることができる。
【0025】また、上記ポリアミク酸と長鎖アルキルア
ミンとの反応は、ポリアミク酸を製造した後、得られる
反応生成物を含む反応液に長鎖アルキルアミン化合物を
そのまま、または前記ポリアミク酸の合成に用いる事が
できる有機溶媒に溶解させた長鎖アルキルアミン化合物
の溶液を混合することにより、行なうことができる。こ
の反応は通常、0〜60℃、好ましくは室温で行なうこ
とができる。この反応において、長鎖アルキルアミン化
合物の使用量は、通常、ポリアミク酸分子における繰り
返し単位1モルに対して0.5〜5モル、好ましくは0
.5〜3モルである。長鎖アルキルアミン化合物の使用
量が、ポリアミク酸分子における繰り返し単位に対して
少なすぎたり、多すぎたりすると、成膜性、液晶配向膜
とした場合の液晶配向性及びその安定性が悪くなる。
【0026】このようにして得られたポリアミク酸アル
キルアミン塩を含む溶液は、反応に用いたのと同じ溶媒
を用いて、通常、濃度0.1〜10mM、好ましくは0
.2〜6mM程度の溶液に調製し展開液としてポリアミ
ク酸LB膜の形成に使用することができる。
【0027】さらに、LB膜の成膜は、以下のようにし
て行なうことができる。
【0028】まず、上記ポリアミク酸アルキルアミン塩
を含む展開液を純水上に展開し、これをバリア等を用い
て所定の表面圧になるまで圧縮してポリアミク酸アルキ
ルアミン塩の単分子膜を得る。上記所定の表面圧は通常
、5〜70mN/mに設定される。
【0029】次に、上記所定の表面圧が保持されるよう
にバリアを制御しながら基板を純水面に対し垂直方向に
純水面を横切るようにして上下に移動させることにより
、上記ポリアミク酸アルキルアミン塩の単分子膜を基板
上に移し取る。このような成膜操作を繰り返すことによ
り、任意の層数の累積膜を得ることができる。
【0030】また、この時基板の下降時のみにおいて上
記単分子膜を移し取る方式 (X型)、基板の下降時と
上昇時の両方において上記単分子膜を移し取る方式 (
Y型)、基板の上昇時のみにおいて上記単分子膜を移し
取る方式 (Z型)の何れの方式を用いても累積するこ
とができる。好ましくは、Y型方式で累積することによ
り、均一で良好な液晶配向を得ることができる。
【0031】上記LB膜成膜時の基板移動速度は、通常
、1〜100mm/分の範囲に設定されるが、好ましく
は、3〜30mm/分の範囲に設定される。上記LB膜
成膜時の温度は、通常、5〜50℃の範囲に設定される
。 また、上記LB膜の累積数は、1〜200層程度とする
ことができる。
【0032】上記LB膜成膜に用いられる基板は、通常
、液晶表示素子の基板として用いられるものを用いるこ
とができ、具体的には例えばフロートガラス、ソーダガ
ラス、石英ガラス、ソーダガラスの表面をSiO2でコ
ートしたもの(アンダーコートガラス)、及びこれらの
基板表面上に電極層を設けたものが挙げられる。上記電
極層の材質としては、ITO、NESAなどの透明導電
物質が好ましく用いられる。また、上記基板は表面研磨
を施して用いることもできる。
【0033】このようにして得られたポリアミク酸アル
キルアミン塩のLB膜を、酸性またはアルカリ性の溶液
に浸漬することにより該膜に含まれる長鎖アルキルアミ
ンを取り除くことができる。
【0034】上記酸性またはアルカリ性の溶液は、上記
ポリアミク酸アルキルアミン塩を構成するポリアミク酸
との相溶性がなくかつ上記ポリアミク酸アルキルアミン
塩を構成する長鎖アルキルアミンを溶解する公知のもの
が何れも使用できる。好ましくは、ギ酸、酢酸、無水酢
酸、プロピオン酸、硫酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ヒドラジン、ヒドラジンカリウム
等の酸またはアルカリをベンゼン、トルエン、キシレン
、ピリジン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、セロソルブ、メチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル等の有機溶媒に溶解したものが用いられる。 また、該酸性またはアルカリ性溶液の濃度は、通常、1
0〜100モル%好ましくは50〜90モル%とするこ
とができる。
【0035】ポリアミク酸アルキルアミン塩LB膜を、
上記酸性またはアルカリ性溶液中に浸漬処理する際に、
その浸漬時間を、通常、1分〜200時間とすることが
できるが、好ましくは1分〜24時間とすることができ
る。また該浸漬時の温度は5〜50℃の範囲に好ましく
設定される。
【0036】上記酸性またはアルカリ性溶液への浸漬処
理によりポリアミク酸アルキルアミン塩LB膜中に含ま
れる長鎖アルキルアミンはほぼ完全に取り除かれ、ポリ
アミク酸薄膜が得られる。このことは、該LB膜の浸漬
処理前後での赤外吸収スペクトルをそれぞれ測定し、比
較することにより容易に確かめられる。
【0037】以上のようにして得られたポリアミク酸薄
膜は、さらに洗浄液を用いて洗浄を行なうことにより、
電圧保持特性の優れた液晶表示素子の提供を可能ならし
むる液晶配向膜とすることができる。上記洗浄処理にお
ける洗浄液としては、ポリアミク酸との相溶性のない公
知の溶媒が何れも使用できるが、好ましくはメタノール
、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール等のアルコール類が用いられる。
【0038】本発明の製造方法により得られるポリアミ
ク酸薄膜は、液晶表示素子の液晶配向膜として用いるこ
とができる。このような液晶表示素子としては、ツイス
テッドネマチック(TN)型の液晶表示素子、強誘電性
液晶の双安定性を利用した液晶表示素子(強誘電性液晶
表示素子)等を挙げることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 図1は本発明の液晶表示素子の実施例を示した断面図で
ある。
【0040】(実施例1)2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸の無水物と4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタンとを共縮重合させて得たポリアミク酸に、
これに含まれるカルボン酸基と等モル量のN,N−ジメ
チルオクタデシルアミンとをN,N−ジメチルアセトア
ミド(DMAC):トルエン混合溶媒(8/2、重量比
)中に溶かして繰り返し単位濃度1mMのポリアミク酸
アルキルアミン塩溶液を調製した。
【0041】これを純水上に展開して単分子膜を得た後
、ITOコート層2が形成されたアンダーコートガラス
基板1(松崎真空製)上に、LB法によりポリアミク酸
アルキルアミン塩のLB膜を形成した。このとき、成膜
方式はY型とし、累積条件は、表面圧32mN/m、基
板速度7mm/分、累積層数4、温度20℃とした。得
られたLB膜を濃度が70モル%の無水酢酸トルエン溶
液に20時間浸漬し、ポリアミク酸薄膜3を形成した。
【0042】このようにして得られたポリアミク酸薄膜
3をイソプロパノールを用いて洗浄し、室温にて乾燥後
、これを用いて第1図に示すようなTN型液晶セルを作
製した。このとき、上下のポリアミク酸薄膜3は、その
成膜時の基板引上げ方向を基準として互いに90°の方
向になるようにした。
【0043】また、上記液晶セルでは、液晶5としてメ
ルク製ZLI−4180を用い、セルギャップは5μm
とした。スペーサー材4は、エポキシ系接着剤に粒径5
μmの球状スペーサーを混ぜ合わせたものを用いてスク
リーン印刷法により形成した。得られた液晶セルを10
0℃に加熱して液晶を等方相にした後、室温まで徐冷し
てネマチック相とした。この液晶セルの両面に偏光フィ
ルムを貼り付けTN型液晶表示素子とした。この時、通
常の均一なTN配向が得られたことが確認された。
【0044】この液晶表示素子に32Hz、実効電圧7
Vの正弦波信号を印加したところ、正常なTNセルの動
作が確認され、液晶表示素子として使用できることがわ
かった。
【0045】(実施例2)2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸の無水物と3,3’−ジメチル−4
,4’−ジアミノビフェニルとを共縮重合させて得たポ
リアミク酸に、これに含まれるカルボン酸基と等モル量
のN,N−ジメチルヘキサデシルアミンをγ−ブチロラ
クトン:トルエン混合溶媒(8/2、重量比)中に溶か
して展開液を調製した。
【0046】これを純水上に展開して単分子膜を得た後
、ITOコート層2が形成されたアンダーコートガラス
基板1(松崎真空製)上に、LB法によりポリアミク酸
アルキルアミン塩のLB膜を形成した。このとき、成膜
方式はY型とし、累積条件は、表面圧38mN/m、基
板速度10mm/分、累積層数6、温度20℃とした。 得られたLB膜を濃度が55モル%の塩酸メタノール溶
液に17.5時間浸漬し、ポリアミク酸薄膜3を形成し
た。
【0047】このようにして得られたポリアミク酸薄膜
3をイソプロパノールを用いて洗浄し、室温にて乾燥後
、これを用いて実施例1と同様にしてTN型液晶表示素
子を作製し、通常の均一なTN配向が得られることを確
認した。
【0048】この液晶表示素子に32Hz、実効電圧7
Vの正弦波信号を印加したところ、正常なTNセルの動
作が確認され、液晶表示素子として使用できることがわ
かった。
【0049】(比較例)実施例2と同じ展開液を用いて
、実施例2と同様の成膜条件によりポリアミク酸アルキ
ルアミン塩のLB膜をITOコート層2が形成されたア
ンダーコートガラス基板1(松崎真空製)上に形成した
【0050】これを液晶配向膜としてそのまま用いて実
施例1と同様にしてTN型液晶表示素子を作製したが、
均一なTN配向を得ることができなかった。
【0051】(実施例3)実施例2と同様の方法でIT
Oコート層2が形成されたアンダーコートガラス基板1
上に成膜したポリアミク酸薄膜3を用いて、強誘電性液
晶表示素子を作製した。ここでは液晶5としてメルク製
ZLI−3488を用い、またセルギャップは8μmと
した。得られた強誘電性液晶表示素子を80℃に加熱し
て液晶を等方相にした後、室温まで徐冷してスメクチッ
クC相とした。次いでこの液晶表示素子に書き込みパル
スを印加し、電気光学的応答性を測定した。その結果、
すぐれた双安定性が発現し、液晶表示素子として使用で
きることがわかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるポリア
ミク酸薄膜を液晶配向膜として液晶表示素子に用いるこ
とにより、ラビング処理を施さずに配向ムラのない均一
な液晶配向を得ることができ、その結果、液晶表示素子
において低コストで高品質の表示特性を容易に達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の実施例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  脂環式テトラカルボン酸及びそれらの
    無水物から選ばれる少なくとも1種と、ジアミン化合物
    とを反応させてなるポリアミク酸に、長鎖アルキルアミ
    ン化合物を反応させてなるポリアミク酸アルキルアミン
    塩を用いて、ラングミュア−ブロジェット法による薄膜
    を形成後、この薄膜を酸性またはアルカリ性の溶液に浸
    漬することを特徴とするポリアミク酸薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の製造方法により得られ
    たポリアミク酸薄膜を液晶配向膜として用いた液晶表示
    素子。
JP3015844A 1991-01-16 1991-01-16 ポリアミク酸薄膜の製造方法及び該ポリアミク酸薄膜を用いた液晶表示素子 Expired - Lifetime JP2542745B2 (ja)

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