JPH04241849A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH04241849A
JPH04241849A JP3012534A JP1253491A JPH04241849A JP H04241849 A JPH04241849 A JP H04241849A JP 3012534 A JP3012534 A JP 3012534A JP 1253491 A JP1253491 A JP 1253491A JP H04241849 A JPH04241849 A JP H04241849A
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Satoshi Hanasaka
花 阪   智
Toshihiko Kono
河 野 敏 彦
Taku Maeda
前 田   卓
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体内に超音波を送
受信して観察部位について超音波画像を得る超音波診断
装置に関し、特に二次元断層像(Bモード像)について
対象部分の特徴量(距離、面積、周長等)を求めること
ができると共に、とりわけそれらの時間変化率を求める
ことができる超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の基本的な二次元断層像を得るBモ
ードの超音波診断装置は、被検体に超音波を送信及び受
信する超音波送受信手段と、この超音波送受信手段から
の反射エコー信号をディジタル量に変換するA/D変換
部と、このA/D変換部から時系列的に出力される断層
像データ並びに予め設定され又は外部より入力された文
字データを表示する画像表示手段とを有して成っていた
。そして、被検体の観察部位について経時的に1枚1枚
断層像を得ては画像表示手段の画面に順次表示していた
【0003】また、近年開発されており、被検体の例え
ば血管や心臓等の運動部位についてその動きの成分を抽
出し差分画像として表示する超音波診断装置は、被検体
に超音波を送信及び受信する超音波送受信手段と、この
超音波送受信手段からの反射エコー信号をディジタル量
に変換するA/D変換部と、このA/D変換部から時系
列的に出力される二つの断層像データ間で引き算を行っ
て差分画像データを生成する手段と、この差分画像デー
タ生成手段から順次出力される差分画像データ並びに予
め設定され又は外部より入力された文字データを表示す
る画像表示手段とを有して成っている。この場合、上記
A/D変換部から順次出力される時系列の画像において
前回走査時の画像と今回走査時の画像とを取り込んだ時
間経過の間に、被検体内の運動部位が動くと、その動い
た部分については前回画像と今回画像との間で画像デー
タに差が生じ、静止部分については両画像間で画像デー
タは同一であり差分データは零となり、運動部位のみが
画像表示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記いずれの
超音波診断装置においても、被検体の観察部位の二次元
断層像又は差分画像を表示して、観察対象部分の距離又
は面積、周長等の特徴量を形態的に計測することはでき
るが、上記の特徴量が時間経過の間でどのように変化す
るかの時間変化率を求めたり、移動速度を求めるという
動態的な計測はできないものであった。従って、血管や
心臓等の運動部位の観察においては、動態変化の情報が
不足し、医師等の観察者は表示画像の推移を追いながら
特徴量の時間変化率を推測しなければならず、診断がや
りずらいと共に不正確となるものであった。
【0005】これに対し、超音波の発射方向を一定方向
とし、時間による反射点の変化を画像として表示するM
モードの超音波診断装置においては、観察対象部分の特
徴量の時間変化率を計測し、表示することはできるが、
あくまでも超音波ビームの特定方向の一次元上での計測
しかできず、二次元的な面積や周長等の時間変化率は計
測できないものであった。この場合、観察部位上で超音
波ビームを並行に移動しながら計測を行えばよいが、適
切にビーム方向を設定するには熟練を要すると共に、検
査時間が長くなるなど操作性が低下するものであった。 また、対象部分としては、円形などの規則的な形状のも
のに限られるなどの問題点があった。
【0006】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、任意の2フレームの断層像データから成る画像デ
ータを用いて、観察対象部分の距離、面積、周長等の特
徴量及びそれらの時間変化率を求めることができる超音
波診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の発明による超音波診断装置は、被検体に超音
波を送信及び受信する超音波送受信手段と、この超音波
送受信手段からの反射エコー信号をディジタル信号に変
換するA/D変換部と、このA/D変換部から時系列的
に出力される断層像データを画像として表示する画像表
示手段とを有する超音波診断装置において、任意に指定
した2フレームの断層像データから成る画像データを用
いて上記被検体内の観察部位の特徴量を算出する手段と
、この算出手段によって算出された特徴量のデータを上
記画像表示手段へ表示させる手段とを備えたものである
【0008】また、第二の発明による超音波診断装置は
、被検体に超音波を送信及び受信する超音波送受信手段
と、この超音波送受信手段からの反射エコー信号をディ
ジタル信号に変換するA/D変換部と、このA/D変換
部から時系列的に出力される二つの断層像データ間で引
き算を行って差分画像データを生成する手段と、この差
分画像データ生成手段から順次出力される差分画像デー
タを画像として表示する画像表示手段とを有する超音波
診断装置において、上記差分画像データ生成手段で得ら
れた差分画像データを用いて表示された差分画像内で観
察部位の特徴量を求め、且つこの特徴量の時間変化率を
算出する手段を備えたものである。
【0009】また、上記時間変化率を算出する手段によ
って算出されたデータを画像表示手段へ表示させる手段
を備えると効果的である。
【0010】
【作用】このように構成された第一の発明の超音波診断
装置は、特徴量算出手段により、任意に指定した2フレ
ームの断層像データから成る画像データを用いて画像表
示手段に表示された観察部位の画像上で特徴量を求める
と共に、この求められた特徴量のデータを上記画像表示
手段に表示するように動作する。これにより、被検体の
観察部位の特徴量を数値的に認識可能ならしめることが
できる。
【0011】また、第二の発明の超音波診断装置は、差
分画像データ生成手段により二つの断層像データ間で引
き算を行って得られた差分画像データを用いて差分画像
を表示し、時間変化率算出手段により、上記表示された
差分画像内で観察部位の特徴量を求めると共に、その特
徴量の時間変化率を算出するように動作する。これによ
り、被検体の観察部位の対象部分について動態的な計測
を行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は第一の発明による超音波診断装
置の実施例を示すブロック図である。この超音波診断装
置は、被検体内に超音波を送受信して観察部位について
二次元断層像を得るもので、図に示すように、探触子1
と、超音波送受信回路2と、A/D変換器3と、切換器
4と、画像表示装置5と、記憶用画像メモリ6と、画像
選択部7と、画像再生入力部8とを有し、さらに計測対
象入力部9と、特徴量算出部10と、画像間時相差算出
部11と、時間変化率算出部12とを備えて成る。
【0013】上記探触子1は、機械的または電子的にビ
ーム走査を行って被検体に超音波を送信及び受信するも
ので、図示省略したがその中には超音波の発生源である
と共に反射エコーを受信する振動子が内蔵されている。 超音波送受信回路2は、上記探触子1に対して駆動パル
スを送出して超音波を発生させると共に受信した反射エ
コー信号を処理するもので、図示省略したがその中には
送波パルサ、送波遅延回路、受波増幅器、受波遅延回路
及び加算器等から成る整相回路や検波回路等が内蔵され
ている。そして、これら探触子1と超音波送受信回路2
とで超音波送受信手段を構成しており、上記探触子1で
超音波ビームを被検体の体内で走査させることにより、
1枚の断層像を得るようになっている。
【0014】A/D変換器3は、上記超音波送受信回路
2から出力される反射エコー信号を入力してディジタル
信号に変換するものである。そして、切換器4は、上記
A/D変換器3から出力された断層像データの流れを画
像録画時と画像再生時とで切り換えるもので、画像録画
時は上記A/D変換器3からの断層像データを後述の画
像表示装置5及び記憶用画像メモリ6にそれぞれ転送し
、画像再生時は上記記憶用画像メモリ6から読み出した
画像データを画像表示装置5へ転送するようになってい
る。
【0015】画像表示装置5は、上記切換器4を介して
出力されるA/D変換器3又は記憶用画像メモリ6から
の時系列の断層像データ並びに英数字等の文字データや
画像の大きさを表すスケール、計測時のトレース点、ト
レース軌跡の図形データ等を表示するもので、図示省略
したがディジタルの画像データをアナログのビデオ信号
に変換するD/A変換器及びこのD/A変換器からのビ
デオ信号を入力して画像表示するテレビモニタ等を含ん
でいる。
【0016】記憶用画像メモリ6は、探触子1及び超音
波送受信回路2による超音波の送受信によって得られた
時系列の断層像データを連続して記録すると共に読み出
すものであり、例えば複数フレームの画像を記憶可能な
容量を有する半導体メモリから成る。この記憶用画像メ
モリ6は、その記憶領域が例えば画像1枚単位に区切ら
れており、各々の記憶領域に対してフレーム番号が付け
られている。また、画像選択部7は、上記記憶用画像メ
モリ6に対し画像データを書き込んだり読み出したりす
るときに、該当のフレーム番号を選択指定するものであ
る。例えば、画像録画時は、画像走査毎にメモリの先頭
部から自動的にフレーム番号をカウントアップして行き
、メモリの後端部に来ればフレーム番号を初期化する。 また、画像再生時は、後述の画像再生入力部8によって
指定された画像に対応するフレーム番号を選択するよう
になっている。さらに、画像再生入力部8は、上記記憶
用画像メモリ6に記録された画像を再生するときに、操
作者が再生すべき画像のフレーム番号を指定したり、連
続再生又はコマ送り或いはコマ戻し等の再生方法を入力
するものである。
【0017】ここで、本発明においては、計測対象入力
部9が設けられると共に、この計測対象入力部9には特
徴量算出部10が接続され、また前記画像選択部7には
画像間時相差算出部11が接続され、さらに上記特徴量
算出部10と画像間時相差算出部11の出力側には時間
変化率算出部12が設けられている。そして、これら特
徴量算出部10と時間変化率算出部12の出力信号線が
前記画像表示装置5へ接続されている。
【0018】上記計測対象入力部9は、前記画像表示装
置5の画面に表示される或る時相のフレームの断層像を
見ながら、計測したい対象部分の特徴量に関係する位置
や領域等を指示し入力するもので、例えばトラックボー
ルまたはジョイスティック等の入力器から成る。この実
施例では、順次表示され時相の異なる二つのフレームの
断層像について同一対象部分の位置や領域等を入力する
こととなる。そして、特徴量算出部10は、上記計測対
象入力部9で入力された同一対象部分の位置や領域等か
らそれに対応する距離や面積、周長等を算出するもので
、異時相の二つのフレーム画像について観察部位の特徴
量をそれぞれ求めるようになっている。また、画像間時
相差算出部11は、前記画像再生入力部8で指定され画
像選択部7によって選択された計測対象となる2枚の断
層像間の時相差を算出するもので、上記画像選択部7か
ら出力される2枚の断層像に対応するフレーム番号から
フレーム差を知ることにより、そのフレーム間の時相差
を求めることができる。
【0019】さらに、時間変化率算出部12は、上記特
徴量算出部10で算出された時相の異なる二つのフレー
ムの再生画像における対象部分の特徴量を入力すると共
に、上記画像間時相差算出部11で算出された2枚の断
層像間の時相差を入力し、二つのフレームの再生画像間
における特徴量の変化を上記求めた時相差で除算するこ
とにより、対象部分の特徴量の時間変化率を算出するも
のである。例えば、ある時相と他の時相における断層像
の対象部分としてある点(位置)をそれぞれ入力し、両
画像間の時相差で除算すると、その対象部分の移動速度
が求まる。また、対象部分としてある点と他の点との間
の距離をそれぞれ入力し、両画像間の時相差で除算する
と、その対象部分の距離の時間変化率が求まる。さらに
、対象部分としてある広がりを有する領域をそれぞれ入
力し、同じく時相差で除算すると、上記対象部分の面積
や周長の時間変化率が求まる。そして、このようにして
時間変化率算出部12で求められた演算結果は、出力信
号線を介して画像表示装置5へ送出され、例えばテレビ
モニタの画面上に英数字で特徴量の時間変化率が表示さ
れる。
【0020】次に、このように構成された超音波診断装
置における特徴部分の動作について、図2に示すフロー
チャートを参照して説明する。まず、図1において、探
触子1及び超音波送受信回路2によって走査収集された
断層像のデータが記憶用画像メモリ6に記録されている
とする。この状態で、操作者は、画像再生入力部8を操
作して任意に画像を再生表示しながら、計測すべき観察
部位の断層像を2枚選択する。最初に時相の異なる任意
の2フレームの断層像のうち、時間的に古い断層像を第
1の再生画像として選択する(ステップA)。このとき
、上記画像再生入力部8を適宜操作して、画像再生の速
度を遅くしたり、1フレームずつコマ送り又はコマ戻し
をして、所望の画像が再生された時に再生停止キーを押
すことにより、最適な時相の断層像を選択することがで
きる。すると、この選択された断層像が第1の再生画像
として画像表示装置5の画面に表示される。このとき、
画像選択部7には当該画像に対応するフレーム番号が保
持される。
【0021】次に、この表示された断層像を見ながら、
計測対象入力部9を操作して、特徴量を算出する対象部
分を再生画像上で入力する(ステップB)。すなわち、
特徴量として対象部分の移動速度を求めたいのであれば
、ある1点を入力し、対象部分の距離の時間変化率を求
めたいのであれば、離れたある2点を入力し、対象部分
の面積や周長の時間変化率を求めたいのであれば、ある
領域を囲むようにトレースする。いずれの場合も、操作
者は、トラックボールやジョイスティック等の入力器を
操作することにより、上記画像表示装置5の画面に表示
された断層像上にプロット点やトレース軌跡を重ねて表
示することで、容易かつ正確に対象部分を入力すること
ができる。
【0022】次に、上記のようにして第1の再生画像に
ついて対象部分が入力されると、その信号は次の特徴量
算出部10へ送出される。そして、特徴量算出部10は
、上記入力された対象部分について特徴量を算出する(
ステップC)。例えば、対象部分として1点が入力され
たのであれば、その座標を求め、2点が入力されたので
あれば、その2点間の距離を求め、トレースした領域が
入力されたのであれば、その囲まれた部分の面積又は周
長を求める。
【0023】このようにして、第1の再生画像について
対象部分の特徴量を算出したら、次に、時相の異なる任
意の2フレームの断層像のうち、時間的に新しい断層像
を第2の再生画像として選択する(ステップD)。以後
、上記と全く同様にして、第2の再生画像に対して対象
部分を入力する(ステップE)と共に、その対象部分に
ついて特徴量を算出する(ステップF)。そして、上記
ステップC及びステップFで求めた時相の異なる2フレ
ームの断層像についての特徴量の信号は、時間変化率算
出部12へ送出される。
【0024】次に、画像間時相差算出部11により、上
記第1の再生画像及び第2の再生画像間の時相差を算出
する(ステップG)。すなわち、ステップAにおける第
1の再生画像の選択と、ステップDにおける第2の再生
画像の選択とにより、当該画像に対応するフレーム番号
が画像選択部7にそれぞれ保持されており、この画像選
択部7から出力されるフレーム番号の信号を入力して、
画像間時相差算出部11は、選択された2枚の断層像の
フレーム差から両画像間の時相差を求めることができる
【0025】ここで、上記2画像間の時相差を算出する
方法について、図3を参照して具体的に説明する。まず
、図1における記憶用画像メモリ6は、例えば30枚分
の画像データを格納できるとし、図3(a)に示すよう
に、画像単位毎に区切られたメモリ領域にはそれぞれフ
レーム番号が0,1,2,…,29と割り付けられてい
る。そして、画像録画時には、フレーム番号0から29
まで順次画像データが格納されて行き、総てのメモリ領
域に画像データが格納されると、再びメモリの先頭部に
戻ってフレーム番号0から順次書き込むようになってい
る。いま、図3(a)において、フレーム番号0から録
画を開始してフレーム番号28で録画を終了したとし、
このうちフレーム番号26の断層像を第1の再生画像A
として選択すると共に、フレーム番号28の断層像を第
2の再生画像Bとして選択したとする。この場合、画像
1フレーム分の走査時間をΔtとし、第1の再生画像A
のフレーム番号及び第2の再生画像Bのフレーム番号を
、それぞれNa,Nbとすると、両画像A,B間の時相
差Tは次式により求められる。         T=(Nb−Na)×Δt     
                       …(
1)いま、図3(a)から明らかなように、Na=26
,Nb=28であるので、第(1)式から T=(28−26)×Δt=2×Δt となる。ただし、画像1フレーム分の走査時間Δtは、
超音波ビームの送波本数と超音波パルスの繰返し周波数
との積から求められる。
【0026】しかし、図3(b)に示すような録画状態
では、上記第(1)式をそのまま適用することはできな
い。この場合は、フレーム番号0から録画を開始してフ
レーム番号29まで至り、再びフレーム番号0へ戻って
そこからさらにフレーム番号5まで録画をして終了した
ものである。ここでは、フレーム番号5の画像が時間的
に最も新しく、フレーム番号6の画像が最も古いことに
なる。そして、このうちフレーム番号29の断層像を第
1の再生画像Aとして選択すると共に、フレーム番号2
の断層像を第2の再生画像Bとして選択したとする。こ
の場合は、Na=29,Nb=2となり、この数値をそ
のまま前記第(1)式に代入すると、Tの値が負になっ
てしまう。そこで、このようにNb<Naの関係がある
ときは、フレーム番号Nbに最大録画枚数30を加算し
て、次式を適用することとする。         T={(Nb+30)−Na}×Δt
                  …(2)上記の
ように、Na=29,Nb=2であるので、T={(2
+30)−29}×Δt=3×Δtとなる。このように
して、上記第(1)式又は第(2)式を適用することに
より、第1及び第2の再生画像A,B間の時相差Tを算
出することができる。
【0027】しかし、超音波断層像の超音波ビームの走
査状態を厳密に観察すると、同一画像内でもビーム走査
方向に対し時相差が生じている。例えば、1枚の断層像
において画像右端と左端とでは約1フレーム分の走査時
間が時相差として生じる。その為、二つの再生画像A,
Bにおいて、対象部分となる点や領域の位置が画像の走
査方向に対して移動量が多いと、前記第(1)式又は第
(2)式で得られる時相差Tに対し補正を行う必要があ
る。
【0028】そこで、上記の時相差Tに対し行う補正の
方法について、図4を参照して説明する。図4における
画像Cは、例えば対象部分を1点Paとした第1の再生
画像A上に第2の再生画像Bの対象部分Pbを重ねたも
のである。そして、画像Cは、図において右端側から左
端側にビーム走査されたものであり、1フレームの画像
を構成するための超音波ビームの送受波本数をk本とし
、画像右端から左端までのビームの送受波方向を0,1
,2,…,k−1とする。ここで、上記の各点Pa,P
bを通る送受波方向をそれぞれLa,Lbとすると、対
象部分がPaからPbまで移動するのに要する時間は、
前記第(1)式又は第(2)式で得られる時相差Tに対
し、超音波ビームが送受波方向LaからLbに至るまで
の走査時間Δt′を加える必要がある。このΔt′は、
超音波パルスの繰返し周波数をfとすると、次式により
求められる。         Δt′=(Lb−La)×f    
                      …(3
)よって、第1及び第2の再生画像A,B間の厳密な時
相差T′は、次の第(4)式で求められる。         T′=T+Δt′             =T+(Lb−La)×f 
                       …(
4)上記第(3)式及び第(4)式は、図4においてP
bがPaの右側に位置するとき、すなわちLa>Lbの
ときでも成り立つ。
【0029】このようにして、図2のステップGで画像
間の時相差を算出すると、この求めた時相差の信号は、
時間変化率算出部12へ送出される。この状態で、上記
時間変化率算出部12は、前記特徴量算出部10からの
第1及び第2の再生画像の各特徴量と、画像間時相差算
出部11からの2画像間の時相差とから、その特徴量の
時間変化率を算出する(ステップH)。すなわち、特徴
量としての座標の移動、又は2点間の距離の変化、或い
は面積や周長の変化を、第1及び第2の再生画像間の時
相差T又はT′で除算する。これにより、対象部分の移
動速度、又は距離の時間変化率、或いは面積や周長の時
間変化率が求められる。
【0030】その後、上記時間変化率算出部12で求め
られた演算結果は、出力信号線を介して画像表示装置5
へ送出される。そして、上記移動速度や距離の時間変化
率等をテレビモニタの画面に断層像と共に英数字等で表
示する(ステップI)。
【0031】なお、図4においては、セクタ走査画像を
表示する場合について説明したが、本発明はこれに限ら
ず、リニア走査画像又はコンベックス走査画像において
も同様に適用できる。また、図4においては、対象部分
を1点(Pa又はPb)としたが、対象部分が2点或い
はある広がりを有する領域である場合は、それらの中心
点を求め、その中心点を通る送受波方向をLa,Lbと
すればよい。さらに、図1における記憶用画像メモリ6
の代わりに、任意時相の画像だけを表示できる心電同期
表示機能を設けることにより、特徴量の時間変化率を算
出するようにしてもよい。
【0032】図5は第二の発明による超音波診断装置の
実施例を示すブロック図である。この実施例は、超音波
を利用して被検体の診断部位、特に血管や心臓等の運動
部位についてその動きの成分を抽出して画像表示する超
音波診断装置に、観察部位の特徴量の時間変化率算出手
段を付加したもので、図に示すように、探触子1と、超
音波送受信回路2と、A/D変換器3と、画像切換器1
3と、二つの一時記憶用画像メモリ14a,14bと、
差分演算部15と、画像表示装置5とを有し、さらに計
測対象入力部9と、特徴量算出部10と、画像間時相差
算出部11と、時間変化率算出部12とを備えて成る。
【0033】上記画像切換器13は、前記A/D変換器
3から時系列的に順次出力される断層像データを後述の
第一の一時記憶用画像メモリ14aまたは第二の一時記
憶用画像メモリ14bのどちらかに切り換えて接続する
もので、断層像の1フレーム走査毎に交互に画像データ
を転送するメモリ14a,14bを切り換えるようにな
っている。また、一時記憶用画像メモリ14a,14b
は、後述の差分演算部15により二つの断層像間で差分
演算をするために画像データを一時的に記憶するもので
、それぞれ2フレームの走査毎に画像データが書き換え
られるようになっている。例えば、時系列的に連続して
走査される2枚の画像のうち、第1画像が第一の一時記
憶用画像メモリ14aに書き込まれた後に読み出される
ときに、第2画像は第二の一時記憶用画像メモリ14b
に書き込まれ、この第2画像が第二の一時記憶用画像メ
モリ14bから読み出される時に、次の第3画像は再び
第一の一時記憶用画像メモリ14aに書き込まれ、この
第3画像が第一の一時記憶用画像メモリ14aから読み
出される時に、さらに次の第4画像は第二の一時記憶用
画像メモリ14bに書き込まれるというように、二つの
メモリ間で交互に読み書きが繰り返される。
【0034】さらに、差分演算部15は、上記二つの一
時記憶用画像メモリ14a,14bから順次出力される
断層像データを入力して、連続する二つの断層像データ
間で引き算を行って差分画像データを生成するもので、
画素単位で輝度値の差分処理を行うようになっている。 例えば、2枚の連続した断層像I1,I2(I2の方が
時間的に新しいとする)に対し、断層像I2の画素の輝
度が断層像I1の画素の輝度よりも高ければ高輝度に変
換し、反対に断層像I2の輝度が低ければ低輝度に変換
し、両者の輝度が等しければ中間輝度に変換することに
より、差分画像を生成することができる。この差分画像
の生成について、図6を用いて更に詳しく説明する。図
6において、手前側に向かって近づいてくる観察部位に
ついて連続して走査された断層像I1,I2(I1の時
相が古く、I2の時相が新しいとする)の画像データが
差分演算部15へ入力し、この差分演算部15により上
記二つの断層像I1,I2間で引き算が行われ、差分画
像Sが出力されるとする。このとき、上記差分演算部1
5の差分処理により、元の断層像I1,I2に対する変
化成分が差分画像Sに表される。図上では、画像内の高
輝度部を塗りつぶし、中間輝度部には斜線を付し、低輝
度部は白抜きで表している。そして、差分画像S内のリ
ング状の高輝度部の外輪郭は元の断層像I2内の対象部
分の輪郭を示し、内輪郭は元の断層像I1内の対象部分
の輪郭を示している。このように差分処理を行うことに
より、2枚の断層像I1,I2の外形的特徴の変化成分
を抽出して表示することができる。
【0035】そして、計測対象入力部9及び特徴量算出
部10並びに画像間時相差算出部11、時間変化率算出
部12は、図1に示す第一の発明と同様に動作する。た
だし、画像表示装置5に表示される差分画像のデータの
中には、例えば図6に示す断層像I1,I2のように時
相の異なる二つの画像データが既に含まれているので、
図2のステップDに示す第2の再生画像を選択するよう
な手順は不要である。従って、第二の発明においても、
被検体の対象部分の特徴量の時間変化率を求めることが
できる。なお、この第二の発明においては、被検体の対
象部分の特徴量、例えば距離、面積、周長や体積そのも
のも求めることができるのは明かである。これらの算出
については、公知の手法を上記特徴量算出部10に適用
すればよく、前記第一の発明の実施例と比較して、既に
時相の異なる二つの断層像データから成る差分画像上で
行うことができるため、変化率だけでなく、変化の前と
後との双方の特徴量それ自体が求められることから、診
断上有効である。
【0036】なお、図5に示す第二の発明の他の実施例
として、図1に示す記憶用画像メモリ6と、画像選択部
7と、画像再生入力部8とを図5のブロック図に付加し
て装置を構成してもよい。この場合は、差分演算部15
で順次生成される差分画像を複数枚記録できるので、検
査能率の向上を図ることができる。
【0037】また、上記第一及び第二の発明において、
観察部位内の対象部分の移動速度を求める際に、その観
察部位の画像全体の移動量を求め、これにより上記対象
部分の移動速度を補正することもできる。例えば、図7
に示すように、特徴量を算出するための第1の再生画像
A及び第2の再生画像Bにおける対象部分の座標をそれ
ぞれPa,Pbとし、本来動かないが画像全体のずれの
ため座標が代わってしまった基準点の座標をそれぞれP
c,Pdとする。ここで、上記基準点Pc,Pdは、対
象部分Pa,Pbの位置入力と同様に、操作者が行うも
のとする。このとき、点Pa,Pb間の移動距離Dは、
点Pa,Pb間の移動ベクトルのx,y方向成分、すな
わちx1,y1と、点Pc,Pd間の移動ベクトルのx
,y方向成分、すなわちx2,y2とから、次式により
算出される。 このようにして求めた移動距離Dを用いて、上記対象部
分Pa,Pbの移動速度を補正することができる。
【0038】さらに、以上の説明では、被検体の観察部
位の特徴量として点、距離、面積、周長等を求め、その
時間変化率を算出するものとしたが、上記の手法を応用
して特徴量として対象部分の体積を求め、その時間変化
率を算出することもできる。さらにまた、図1の実施例
では、記憶用画像メモリ6を装置内部に内蔵したものと
して示したが、本発明はこれに限らず、VTRやビデオ
フロッピー等の外部録画装置を付加または置換してこれ
らに画像データを記録してもよい。なお、図1及び図5
に示す特徴量算出部10及び画像間時相差算出部11並
びに時間変化率算出部12は、ROMとCPUを用いて
ソフトウェア上でその機能を発揮させてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
第一の発明の超音波診断装置によれば、特徴量算出部1
0により、任意に指定した2フレームの断層像データか
ら成る画像データを用いて画像表示装置5に表示された
観察部位の画像上で特徴量を求めると共に、この求めら
れた特徴量のデータを上記画像表示装置5に断層像と共
に画像表示することができる。これにより、二次元断層
像(Bモード像)上で被検体の観察部位の特徴量を数値
的に認識可能ならしめることができる。
【0040】また、第二の発明の超音波診断装置によれ
ば、差分画像データ生成手段(15)により二つの断層
像データ間で引き算を行って得られた差分画像データを
用いて観察部位の差分画像を画像表示装置5に表示し、
特徴量算出部10で上記表示された観察部位の差分画像
上で特徴量を求めると共に、画像間時相差算出部11で
上記差分画像を生成した二つの画像間の時相差を求め、
時間変化率算出部12で上記求めた特徴量と時相差とを
用いてその特徴量の時間変化率を算出し、画像表示する
ことができる。これにより、二次元断層像(Bモード像
)上で被検体の観察部位について動態的な計測を行うこ
とができる。従って、血管や心臓等の運動部位の観察に
おいて、形態変化の情報のみならず動態変化の情報も得
ることができ、医師等の観察者は表示画像上で各種特徴
量の時間変化率を直接把握することができる。これによ
り、診断が正確かつ容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  第一の発明による超音波診断装置の実施例
を示すブロック図、
【図2】  上記超音波診断装置における特徴量及びそ
の時間変化率の算出動作を説明するためのフローチャー
ト、
【図3】  2画像間の時相差を算出する方法を示す説
明図、
【図4】  2画像間の時相差について同一画像内でビ
ーム走査方向の違いにより生ずる時相差に対し行う補正
の方法を示す説明図、
【図5】  第二の発明による超音波診断装置の実施例
を示すブロック図、
【図6】  上記超音波診断装置において差分画像を生
成する動作を示す説明図、
【図7】  観察部位内の対象部分の移動速度を求める
際の移動速度の補正を行う他の例を示す説明図。
【符号の説明】
1…探触子、  2…超音波送受信回路、  3…A/
D変換器、  4…切換器、  5…画像表示装置、 
 6…記憶用画像メモリ、  7…画像選択部、  8
…画像再生入力部、  9…計測対象入力部、  10
…特徴量算出部、  11…画像間時相差算出部、  
12…時間変化率算出部、  13…画像切換器、  
14a,14b…一時記憶用画像メモリ、  15…差
分演算部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  被検体に超音波を送信及び受信する超
    音波送受信手段と、この超音波送受信手段からの反射エ
    コー信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、
    このA/D変換部から時系列的に出力される断層像デー
    タを画像として表示する画像表示手段とを有する超音波
    診断装置において、任意に指定した2フレームの断層像
    データから成る画像データを用いて上記被検体内の観察
    部位の特徴量を算出する手段と、この算出手段によって
    算出された特徴量のデータを上記画像表示手段へ表示さ
    せる手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】  被検体に超音波を送信及び受信する超
    音波送受信手段と、この超音波送受信手段からの反射エ
    コー信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、
    このA/D変換部から時系列的に出力される二つの断層
    像データ間で引き算を行って差分画像データを生成する
    手段と、この差分画像データ生成手段から順次出力され
    る差分画像データを画像として表示する画像表示手段と
    を有する超音波診断装置において、上記差分画像データ
    生成手段で得られた差分画像データを用いて表示された
    差分画像内で観察部位の特徴量を求め、且つこの特徴量
    の時間変化率を算出する手段を備えたことを特徴とする
    超音波診断装置。
  3. 【請求項3】  上記時間変化率を算出する手段によっ
    て算出されたデータを画像表示手段へ表示させる手段を
    備えたことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置
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