JP2006167169A - 医用画像表示装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複雑な臓器形状や画像中に複数分割された臓器であっても可能な限り領域抽出処理の自動化を図ることができる臓器抽出機能を有する。
【解決手段】 医用断層画像撮影装置11により撮影された断層画像のうち連続した時相の複数枚の画像を入力し、前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示し、前記表示された断層画像と連続する断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示するディスプレイ19と、前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出するCPU10と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はX線CT装置、MRI装置、超音波装置を含む医用画像診断装置から得られた断層画像を用いた医用画像表示装置及びその方法に係り、特に連続した時相で複数枚撮影した断面画像から複数の血管領域断面を抽出することが可能な技術に関するものである。
従来の臓器抽出法は、特許文献1に記載されている。この特許文献1では、2次元断層画像データを2枚以上組み合わせて多次元画像データを作成し、その作成された該データを用いて画素値の局所的変化と大域変化の少なくとも2種の特徴量を検出し、その検出された特徴量を組み合わせた複合特徴量を計算し、その計算された複合特徴量を拡張の条件として用いて領域拡張を行い、該拡張領域によって作成されたデータに対し、該データの周囲の領域を付加する領域付加処理とからなる上記多次元画像データから関心領域を抽出することで、3次元構造を持つデータを有効に活用することにより、可能な限り領域抽出処理の自動化をはかり、かつ、充分に信頼性の高い臓器抽出を行うことが記載されている。
特許第2845995号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された臓器抽出法では、操作者が抽出対象となる管腔臓器の領域数だけ抽出開始点を指定する必要があるため、複雑であったり、多数の領域に分かれていたりする場合の臓器抽出には操作者の煩雑な入力を要するため、その煩雑さの改善が望まれていた。
本発明の目的は、複雑な臓器形状や画像中に複数分割された臓器であっても可能な限り領域抽出処理の自動化を図ることができる臓器抽出機能を有した医用画像表示装置及びその方法を提供することにある。
上記目的は、医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する手段と、前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示し、前記入力された複数枚の断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示する手段と、前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出する手段と、を備えたことで達成される。
また、医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する手段と前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像の相関情報を用いて管腔臓器領域の共通部分を抽出する手段と、前記抽出された管腔臓器領域を前記断層画像に重畳して表示する手段と、を備えたことで達成される。
また、前記断層画像毎の管腔臓器の形状に合うように前記共通部分の輪郭若しくは位置の少なくとも一方の情報を修正する手段を更に備えてもよい。
また、前記抽出手段によって抽出できなかった管腔臓器領域について、連続した時相の複数枚の断層画像から操作者が任意の断層画像を選んで表示する手段と、前記表示された断層画像中の管腔領域内の点の座標を入力する手段と、前記入力された座標上の管腔臓器が抽出済みであるか否かを判定する手段と、前記判定の結果、前記管腔臓器についてデータ処理する手段と、を備えてもよい。
また、前記データ処理手段は、前記判定手段の結果が未抽出の場合に、前記連続した時相の複数枚の断層画像から取得した座標を含む管腔臓器領域の共通部分を抽出する手段と、前記抽出された管腔臓器領域の共通部分を各時相の管腔臓器形状に合うように輪郭、位置を修正する手段と、を備えてもよい。
また、前記データ処理手段は、前記判定手段の結果が抽出済みと判定された場合に、前記連続した時相の複数枚の断層画像のすべてにおいて入力された座標を含む管腔臓器と同一の抽出済み管腔臓器領域を抽出結果から削除する手段を備えてもよい。
また、医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する工程と、前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示し、前記入力された複数枚の断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示する工程と、前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出する工程と、を含むことで達成される。
また、医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する工程と、前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像の相関情報を用いて管腔臓器領域の共通部分を抽出する工程と、前記抽出された管腔臓器領域を前記断層画像に重畳して表示する工程と、を含むことで達成される。
また、医用画像撮影装置により撮影された複数時相の画像からなる断層画像群を入力する工程と、前記入力された複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示する工程と、前記入力された連続する複数枚の断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示する工程と、前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出する工程と、を含むことによって達成される。
つまり、連続する時相の複数枚の管腔領域断面像群について、各時相の断層画像を平均した画像や最大画素値投影像(MIP, Maximum Intensity Projection)、最小画素値投影像(MinIP, Minimum Intensity Projection)などを作成するなどし、連続した時相間の相関を用いて、管腔臓器断面領域のうち連続した時相に共通する領域(共通領域と呼ぶ)を抽出する。共通領域を元に各時相における管腔臓器領域断面の形状に合うよう、位置や輪郭などの修正処理を行う。
本発明によれば、複数時相の画像からなる断層画像群から観察対象となる管腔臓器領域を短時間かつ自動で抽出することが可能となる。従って操作者の負担を減らすことが可能となる。また、例えば血管であれば抽出した領域の断面積や形状に流速情報などの機能情報を組み合わせて血流速度や血流量などの血流解析を行うことが可能となる。
本発明について図面を用いて説明する。複数時相の画像からなる断層画像群から血管領域を抽出する場合を例にとり説明する。図1に本発明による医用画像表示装置の一例を示す。
医用画像表示装置は、領域抽出演算を行うCPU10、医用断層画像撮影装置11により撮影された医用断層画像をLAN12などのネットワークを介して受け取り記憶する磁気ディスク13、領域抽出演算時に医用断層画像データや演算の途中経過を記憶する主メモリ14、操作者が領域抽出にパラメータなどを入力するためのコントローラ15につながれたマウス16やキーボード17、そして領域抽出結果表示に用いる表示メモリ18と液晶ディスプレイやCRTなどのディスプレイ装置19からなる。
図2は図1の主要部を抜粋したブロック図であり、図3は図2の制御装置20の詳細である。本医用画像表示装置の主要部は入力装置21、記憶装置22、表示装置23と接続された制御装置20からなる。制御装置20は入力装置21および記憶装置22に接続され、平均画像、MIP像、MinIP像などの画像を作成する画像作成部30や、記憶装置22に接続され抽出対象臓器領域の候補となる、複数時相の画像すべてに共通する領域を抽出する共通領域抽出部31、抽出した領域のうち、抽出対象臓器領域として適切なものを選別する抽出領域選別部32、共通領域を時相ごとの臓器領域形状に合うよう、輪郭や位置を修正する抽出領域修正部33や、記憶装置22及び表示器23に接続され抽出結果を医用断層画像上に重畳する抽出結果画像作成部34からなる。
以下に各実施形態について図を用いて説明する。ここでは、図4に示すような血管断面領域を撮影した複数時相の画像からなる医用画像群40について、領域観察対象となる4種類の血管領域41〜44を全時相にわたり自動抽出する場合を例に説明する。図5に各実施形態に共通なグラフィカルユーザインターフェース(以下GUI)の一例を示す。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について説明する。図6に第1実施形態の処理フローの一例を示す。図6の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ60)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ61)
操作者は、マウス16やキーボード17を操作して抽出パラメータ設定領域56〜58に数値を入力することにより、ステップ63からステップ65で説明する血管領域自動抽出処理に必要なパラメータを設定する。パラメータの設定が終了したら抽出開始ボタン59を押す。
(ステップ62)
CPU10は前記入力された画像から複数時相の画像の平均画像、MIP像、MinIP像、中央値画像などの画像を作成する。ここで平均画像とは各時相の同一座標の画素値を平均した画像である。MIP像とは各時相の同一座標の画素値の最大値をその座標の画素値とする画像である。MIP像で最大値を使用するのに対して最小値を使用したものがMinIP像である。MIP像では最大値、MinIP像では最小値を使用するのに対して、各時相の同一座標の画素値を昇順(又は降順)に並べたとき中央に来る値を使用した画像が中央値画像である。
(ステップ63)
CPU10は血管領域抽出処理Aを行う。ステップ61において設定された抽出パラメータT1 ,T2を用いて以下の2つの条件式(1),(2)を同時に満たす領域を抽出する。
MIP(x,y)−IMinIP(x,y)<T1 (1)
MIP(x,y)>T2 (2)
ここでIMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。抽出される領域は例えば図7の画像70のようになる。
(ステップ64)
CPU10は血管領域抽出処理Bを行う。ステップ61において設定された抽出パラメータT3を用い以下の条件式(3)を満たす領域を抽出する。
{IMIP(x,y)−Iave(x,y)}{Iave(x,y)−β[IMIP(x,y)−IMinIP(x,y)]}>T3 (3)
ここでIave(x,y) 、IMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。また、βはステップ61において設定されるパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定しておいてもよい。抽出される領域は例えば図8の画像80のようになる。
(ステップ65)
CPU10は血管領域抽出処理Cを行う。式(4)により与えられる閾値を用いてMIP画像を二値化する。
4=αImax (4)
ここでαはステップ61において操作者が設定したパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定された値を使用しても良い。Imaxは平均画像中の最大画素値である。平均画像中の各座標(x,y)における画素値Iave(x,y)がIave(x,y)>T4となる領域を抽出する。図9に示すように、例えば平均画像が画像90のように与えられた場合、二値化処理により画像91が得られる。
(ステップ66)
CPU10はステップ63〜65で得られた画像の論理和をとる。ステップ63〜65の処理により図10の画像100〜102がそれぞれ得られたとすると、論理和をとった結果は画像103のようになる。複数の抽出処理により得られる結果の論理和をとることにより、血管領域の抽出漏れを減らすことができる。
(ステップ67)
ステップ66にて得られる血管領域は、図9の画像91中の領域92のように複数の領域が連結している場合がある。CPU10は連結領域切断処理により領域92のような連結領域を切断する。具体的には抽出領域に画素値1、背景領域に画素値0が与えられた二値画像において、図11に示すように長さL、幅1のマスク110について両端の画素値を調べる。両端が共に0ならばマスク内部の画素をすべて画素値0で置換する。図11の領域111に対してマスク110を適用すると領域112,113のように領域が2つに切断される。
(ステップ68)
ステップ67の連結領域切断処理後の画像中には例えば図12の画像120中の領域121や122のように血管領域以外の領域や、抽出対象としない領域などが含まれる。CPU10は血管領域選別処理を行い、血管領域として不適当な領域を削除する。具体的にはステップ67の連結領域切断処理後の画像に含まれる領域121〜128の全領域について面積値Sや円形度Cを測定する。面積値Sは領域の画素数とし、円形度Cは面積値Sと領域の周囲長Lを用いてC=4πS/L2で表される量とする。あらかじめ経験的に設定している閾値TS,TCを用いてS>TS,C>TCとなる領域を血管領域として残し、その他の領域を削除する。画像120に適用した場合、画像129が得られる。
(ステップ69)
ステップ68までで血管領域のおおよその形状と位置が決定できる。しかし、例えば心拍や呼吸により血管位置や形状は刻々と変化する。そのため、ステップ68で得られた血管領域を各時相での血管位置、形状に合うように修正する必要がある。図13にステップ68で得られた画像130、平均画像131を示す。CPU10は画像130中の各領域に対応する平均画像の画素値を取得する。各領域と注目時相の画像とで画素値の相関の高い位置を求め、その位置を注目時相での血管領域の位置とする。相関による位置合わせ処理を全時相についてそれぞれ行う。位置合わせした結果は例えば画像群132のようになる。それぞれの時相で血管の位置が修正されている。
(ステップ6A)
ステップ69により各時相での血管領域が求められた。しかし、その形状や大きさは全時相において共通しており(ステップ68で得られる領域)、例えば図14に示すように、抽出した血管領域140が実際には血管領域141,142など複数の領域にかかっている場合がある。本ステップでは複数血管を横断する領域を1つの血管領域に合うように切断する。具体的には閾値処理により領域140内を二値化する。ここで使用する閾値は例えば、ステップ63で求めたT1としてもよい。あるいは経験的にあらかじめ設定した値を用いてもよい。二値化して得られる領域143,144のうち面積値の大きい領域143のみを残す。
(ステップ6B)
CPU10は各時相の各血管領域について膨張処理を行う。図15のように、抽出した血管領域150の外側1画素分の領域151を取得する。領域151の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)>Tとなる画素を新たに血管領域150に加える。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ213で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域152のようになる。
(ステップ6C)
CPU10は各時相の各血管領域について収縮処理を行う。図16のように、抽出した血管領域160の内側1画素分の領域161を取得する。領域161の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)<Tとなる画素を血管領域160から削除する。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ63で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域162のようになる。
(ステップ6D)
CPU10は抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する。
本実施形態では、領域抽出処理A,B,Cの3種類の方法により抽出した血管領域の論理和を求めた。領域抽出処理はここで示した3種類以外のものを使用しても良い。複数時相の画像の平均画像、MIP画像、MinIP画像、中央値画像などの画像に対して行う閾値処理などによる領域抽出処理はすべて本発明の範囲内とする。また、領域抽出処理は3種類でなく1種類や2種類のみでもよく、あるいはより多種類の抽出処理結果について論理和を求めても良い。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について説明する。図17に第2実施形態の処理フローの一例を示す。図17の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ170)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ171)
操作者は、マウス16やキーボード17を操作して抽出パラメータ設定領域56〜58に数値を入力することにより、ステップ173からステップ175で説明する血管領域自動抽出処理に必要なパラメータを設定する。パラメータの設定が終了したら抽出開始ボタン59を押す。
(ステップ172)
CPU10は前記入力された画像から複数時相の画像の平均画像、MIP像、MinIP像、中央値画像などの画像を作成する。ここで平均画像とは各時相の同一座標の画素値を平均した画像である。MIP像とは各時相の同一座標の画素値の最大値をその座標の画素値とする画像である。MIP像で最大値を使用するのに対して最小値を使用したものがMinIP像である。MIP像では最大値、MinIP像では最小値を使用するのに対して、各時相の同一座標の画素値を昇順(又は降順)に並べたとき中央に来る値を使用した画像が中央値画像である。
(ステップ173)
CPU10は血管領域抽出処理Aを行う。ステップ171において設定された抽出パラメータT1 ,T2を用いて以下の2つの条件式(5),(6)を同時に満たす領域を抽出する。
MIP(x,y)−IMinIP(x,y)<T1 (5)
MIP(x,y)>T2 (6)
ここでIMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。抽出される領域は例えば図7の画像70のようになる。
(ステップ174)
CPU10は血管領域抽出処理Bを行う。ステップ171において設定された抽出パラメータT3を用い以下の条件式(7)を満たす領域を抽出する。
{IMIP(x,y)−Iave(x,y)}{Iave(x,y)−β[IMIP(x,y)−IMinIP(x,y)]}>T3 (7)
ここでIave(x,y)、IMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。また、βはステップ171において設定されるパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定しておいてもよい。抽出される領域は例えば図8の画像80のようになる。
(ステップ175)
CPU10は血管領域抽出処理Cを行う。式(8)により与えられる閾値を用いてMIP画像を二値化する。
4=αImax (8)
ここでαはステップ171において操作者が設定したパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定された値を使用しても良い。Imaxは平均画像中の最大画素値である。平均画像中の各座標(x,y)における画素値Iave(x,y)がIave (x,y)>T4となる領域を抽出する。図9に示すように、例えば平均画像が画像90のように与えられた場合、二値化処理により画像91が得られる。
(ステップ176)
CPU10はステップ173〜175で得られた画像の論理和をとる。ステップ173〜175の処理により図18の画像180〜182がそれぞれ得られたとすると、論理和をとった結果は画像183のようになる。複数の抽出処理により得られる結果の論理積をとることにより、不必要な血管領域の抽出を減らすことができる。
(ステップ177)
ステップ176にて得られる血管領域は、図9の画像91中の領域92のように複数の領域が連結している場合があるCPU10は連結領域切断処理により領域92のような連結領域を切断する。具体的には抽出領域に画素値1、背景領域に画素値0が与えられた二値画像において、図11に示すように長さL、幅1のマスク110について両端の画素値を調べる。両端が共に0ならばマスク内部の画素をすべて画素値0で置換する。図11の領域111に対してマスク110を適用すると領域112,113のように領域が2つに切断される。
(ステップ178)
ステップ177の連結領域切断処理後の画像中には例えば図12の画像120中の領域121や122のように血管領域以外の領域や、抽出対象としない領域などが含まれる。CPU10は血管領域選別処理を行い、血管領域として不適当な領域を削除する。具体的にはステップ177の連結領域切断処理後の画像に含まれる領域121〜128の全領域について面積値Sや円形度Cを測定する。面積値Sは領域の画素数とし、円形度Cは面積値Sと領域の周囲長Lを用いてC=4πS/L2で表される量とする。あらかじめ経験的に設定している閾値TS,TCを用いてS>TS,C>TCとなる領域を血管領域として残し、その他の領域を削除する。画像120に適用した場合、画像129が得られる。
(ステップ179)
ステップ178までで血管領域のおおよその形状と位置が決定できる。しかし、例えば心拍や呼吸により血管位置や形状は刻々と変化する。そのため、ステップ178で得られた血管領域を各時相での血管位置、形状に合うように修正する必要がある。図13にステップ178で得られた画像130、平均画像131を示す。CPU10は画像130中の各領域に対応する平均画像の画素値を取得する。各領域と注目時相の画像とで画素値の相関の高い位置を求め、その位置を注目時相での血管領域の位置とする。相関による位置合わせ処理を全時相についてそれぞれ行う。位置合わせした結果は例えば画像群132のようになる。それぞれの時相で血管の位置が修正されている。
(ステップ17A)
ステップ179により各時相での血管領域が求められた。しかし、その形状や大きさは全時相において共通しており(ステップ178で得られる領域)、例えば図14に示すように、抽出した血管領域140が実際には血管領域141,142など複数の領域にかかっている場合がある。本ステップでは複数血管を横断する領域を1つの血管領域に合うように切断する。具体的には閾値処理により領域140内を二値化する。ここで使用する閾値は例えば、ステップ173で求めたT1としてもよい。あるいは経験的にあらかじめ設定した値を用いてもよい。二値化して得られる領域143,144のうち面積値の大きい領域143のみを残す。
(ステップ17B)
CPU10は各時相の各血管領域について膨張処理を行う。図15のように、抽出した血管領域150の外側1画素分の領域151を取得する。領域151の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)>Tとなる画素を新たに血管領域150に加える。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ213で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域152のようになる。
(ステップ17C)
CPU10は各時相の各血管領域について収縮処理を行う。図16のように、抽出した血管領域160の内側1画素分の領域161を取得する。領域161の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)<Tとなる画素を血管領域160から削除する。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ173で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域162のようになる。
(ステップ17D)
CPU10は抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する。
本実施形態では、領域抽出処理A,B,Cの3種類の方法により抽出した血管領域の論理積を求めた。領域抽出処理はここで示した3種類以外のものを使用しても良い。複数時相の画像の平均画像、MIP画像、MinIP画像、中央値画像などの画像に対して行う閾値処理などによる領域抽出処理はすべて本発明の範囲内とする。また、領域抽出処理は3種類でなく1種類や2種類のみでもよく、あるいはより多種類の抽出処理結果について論理積を求めても良い。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について説明する。図6に第3実施形態の処理フローの一例を示す。図6の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ190)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ191)
操作者は、マウス16やキーボード17を操作して抽出パラメータ設定領域56〜58に数値を入力することにより、ステップ193からステップ195で説明する血管領域自動抽出処理に必要なパラメータを設定する。パラメータの設定が終了したら抽出開始ボタン59を押す。
(ステップ192)
CPU10は前記入力された画像から複数時相の画像の平均画像、MIP像、MinIP像、中央値画像などの画像を作成する。ここで平均画像とは各時相の同一座標の画素値を平均した画像である。MIP像とは各時相の同一座標の画素値の最大値をその座標の画素値とする画像である。MIP像で最大値を使用するのに対して最小値を使用したものがMinIP像である。MIP像では最大値、MinIP像では最小値を使用するのに対して、各時相の同一座標の画素値を昇順(又は降順)に並べたとき中央に来る値を使用した画像が中央値画像である。
(ステップ193)
CPU10は血管領域抽出処理Aを行う。ステップ191において設定された抽出パラメータT1 ,T2を用いて以下の2つの条件式(9),(10)を同時に満たす領域を抽出する。
MIP(x,y)−IMinIP(x,y)<T1 (9)
MIP(x,y)>T2 (10)
ここでIMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。抽出される領域は例えば図7の画像70のようになる。
(ステップ194)
CPU10は血管領域抽出処理Bを行う。ステップ191において設定された抽出パラメータT3を用い以下の条件式(11)を満たす領域を抽出する。
{IMIP(x,y)−Iave(x,y)}{Iave(x,y)−β[IMIP(x,y)−IMinIP(x,y)]}>T3 (11)
ここでIave(x,y)、IMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。また、βはステップ191において設定されるパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定しておいてもよい。抽出される領域は例えば図8の画像80のようになる。
(ステップ195)
CPU10は血管領域抽出処理Cを行う。式(12)により与えられる閾値を用いてMIP画像を二値化する。
4=αImax (12)
ここでαはステップ191において操作者が設定したパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定された値を使用しても良い。Imaxは平均画像中の最大画素値である。平均画像中の各座標(x,y)における画素値Iave(x,y)がIave(x,y)>T4となる領域を抽出する。図9に示すように、例えば平均画像が画像90のように与えられた場合、二値化処理により画像91が得られる。
(ステップ196)
ステップ193にて抽出した血管領域は、図9の画像91中の領域92のように複数の領域が連結している場合があるCPU10は連結領域切断処理により領域92のような連結領域を切断する。具体的には抽出領域に画素値1、背景領域に画素値0が与えられた二値画像において、図11に示すように長さL、幅1のマスク110について両端の画素値を調べる。両端が共に0ならばマスク内部の画素をすべて画素値0で置換する。図11の領域111に対してマスク110を適用すると領域112,113のように領域が2つに切断される。
(ステップ197)
ステップ196と同様にCPU10は、ステップ194にて抽出した領域に対して、連結領域切断処理を行う。
(ステップ198)
ステップ196と同様にCPU10は、ステップ195にて抽出した領域に対して、連結領域切断処理を行う。
(ステップ199)
ステップ196の連結領域切断処理後の画像中には例えば図12の画像120中の領域121や122のように血管領域以外の領域や、抽出対象としない領域などが含まれる。CPU10は血管領域選別処理を行い、血管領域として不適当な領域を削除する。具体的にはステップ196の連結領域切断処理後の画像に含まれる領域121〜128の全領域について面積値Sや円形度Cを測定する。面積値Sは領域の画素数とし、円形度Cは面積値Sと領域の周囲長Lを用いてC=4πS/L2で表される量とする。あらかじめ経験的に設定している閾値TS,TCを用いてS>TS,C>TCとなる領域を血管領域として残し、その他の領域を削除する。画像120に適用した場合、画像129が得られる。
(ステップ19A)
ステップ199と同様にCPU10は、ステップ197にて得られる領域に対して、血管領域選別処理を行う。
(ステップ19B)
ステップ199と同様にCPU10は、ステップ198にて得られる領域に対して、血管領域選別処理を行う。
(ステップ19C)
CPU10はステップ19A〜19Cで得られた画像の論理和をとる。ステップ19A〜19Cの処理により図20の画像200〜202がそれぞれ得られたとすると、論理和をとった結果は画像203のようになる。複数の抽出処理により得られる結果の論理和をとることにより、血管領域の抽出漏れを減らすことができる。
(ステップ19D)
ステップ19Cまでで血管領域のおおよその形状と位置が決定できる。しかし、例えば心拍や呼吸により血管位置や形状は刻々と変化する。そのため、ステップ19Cで得られた血管領域を各時相での血管位置、形状に合うように修正する必要がある。図13にステップ19Cで得られた画像130、平均画像131を示す。CPU10は画像130中の各領域に対応する平均画像の画素値を取得する。各領域と注目時相の画像とで画素値の相関の高い位置を求め、その位置を注目時相での血管領域の位置とする。相関による位置合わせ処理を全時相についてそれぞれ行う。位置合わせした結果は例えば画像群132のようになる。それぞれの時相で血管の位置が修正されている。
(ステップ19E)
ステップ19Dにより各時相での血管領域が求められた。しかし、その形状や大きさは全時相において共通しており(ステップ19Cで得られる領域)、例えば図14に示すように、抽出した血管領域140が実際には血管領域141,142など複数の領域にかかっている場合がある。本ステップでは複数血管を横断する領域を1つの血管領域に合うように切断する。具体的には閾値処理により領域140内を二値化する。ここで使用する閾値は例えば、ステップ193で求めたT1としてもよい。あるいは経験的にあらかじめ設定した値を用いてもよい。二値化して得られる領域143,144のうち面積値の大きい領域143のみを残す。
(ステップ19F)
CPU10は各時相の各血管領域について膨張処理を行う。図15のように、抽出した血管領域150の外側1画素分の領域151を取得する。領域151の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)>Tとなる画素を新たに血管領域150に加える。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ193で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域152のようになる。
(ステップ19G)
CPU10は各時相の各血管領域について収縮処理を行う。図16のように、抽出した血管領域160の内側1画素分の領域161を取得する。領域161の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)<Tとなる画素を血管領域160から削除する。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ193で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域162のようになる。
(ステップ19H)
CPU10は抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する。
本実施形態では、領域抽出処理A,B,Cの3種類の方法により抽出した血管領域の論理和を求めた。領域抽出処理はここで示した3種類以外のものを使用しても良い。複数時相の画像の平均画像、MIP画像、MinIP画像、中央値画像などの画像に対して行う閾値処理などによる領域抽出処理はすべて本発明の範囲内とする。また、領域抽出処理は3種類でなく1種類や2種類のみでもよく、あるいはより多種類の抽出処理結果について論理和を求めても良い。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態について説明する。図21に第4実施形態の処理フローの一例を示す。図21の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ210)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ211)
操作者は、マウス16やキーボード17を操作して抽出パラメータ設定領域56〜58に数値を入力することにより、ステップ213からステップ215で説明する血管領域自動抽出処理に必要なパラメータを設定する。パラメータの設定が終了したら抽出開始ボタン59を押す。
(ステップ212)
CPU10は前記入力された画像から複数時相の画像の平均画像、MIP像、MinIP像、中央値画像などの画像を作成する。ここで平均画像とは各時相の同一座標の画素値を平均した画像である。MIP像とは各時相の同一座標の画素値の最大値をその座標の画素値とする画像である。MIP像で最大値を使用するのに対して最小値を使用したものがMinIP像である。MIP像では最大値、MinIP像では最小値を使用するのに対して、各時相の同一座標の画素値を昇順(又は降順)に並べたとき中央に来る値を使用した画像が中央値画像である。
(ステップ213)
CPU10は血管領域抽出処理Cを行う。ステップ211において設定された抽出パラメータT1 ,T2を用いて以下の2つの条件式(13),(14)を同時に満たす領域を抽出する。
MIP(x,y)−IMinIP(x,y)<T1 (13)
MIP(x,y)>T2 (14)
ここでIMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。抽出される領域は例えば図7の画像70のようになる。
(ステップ214)
CPU10は血管領域抽出処理Bを行う。ステップ211において設定された抽出パラメータT3を用い以下の条件式(15)を満たす領域を抽出する。
{IMIP(x,y)−Iave(x,y)}{Iave(x,y)−β[IMIP(x,y)−IMinIP(x,y)]}>T3 (15)
ここでIave(x,y) 、IMIP(x,y)、IMinIP(x,y) はそれぞれMIP像、MinIP像における座標(x,y)での画素値を示す。また、βはステップ211において設定されるパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定しておいてもよい。抽出される領域は例えば図8の画像80のようになる。
(ステップ215)
CPU10は血管領域抽出処理Aを行う。式(16)により与えられる閾値を用いてMIP画像を二値化する。
4=αImax (16)
ここでαはステップ211において操作者が設定したパラメータであるが、あらかじめ経験的に設定された値を使用しても良い。Imaxは平均画像中の最大画素値である。平均画像中の各座標(x,y)における画素値Iave(x,y)がIave(x,y)>T4となる領域を抽出する。図9に示すように、例えば平均画像が画像90のように与えられた場合、二値化処理により画像91が得られる。
(ステップ216)
ステップ213にて抽出した血管領域は、図9の画像91中の領域92のように複数の領域が連結している場合があるCPU10は連結領域切断処理により領域92のような連結領域を切断する。具体的には抽出領域に画素値1、背景領域に画素値0が与えられた二値画像において、図11に示すように長さL、幅1のマスク110について両端の画素値を調べる。両端が共に0ならばマスク内部の画素をすべて画素値0で置換する。図11の領域111に対してマスク110を適用すると領域112,113のように領域が2つに切断される。
(ステップ217)
ステップ216と同様にCPU10は、ステップ214にて抽出した領域に対して、連結領域切断処理を行う。
(ステップ218)
ステップ216と同様にCPU10は、ステップ215にて抽出した領域に対して、連結領域切断処理を行う。
(ステップ219)
ステップ216の連結領域切断処理後の画像中には例えば図12の画像120中の領域121や122のように血管領域以外の領域や、抽出対象としない領域などが含まれる。CPU10は血管領域選別処理を行い、血管領域として不適当な領域を削除する。具体的にはステップ216の連結領域切断処理後の画像に含まれる領域121〜128の全領域について面積値Sや円形度Cを測定する。面積値Sは領域の画素数とし、円形度Cは面積値Sと領域の周囲長Lを用いてC=4πS/L2で表される量とする。あらかじめ経験的に設定している閾値TS,TCを用いてS>TS,C>TCとなる領域を血管領域として残し、その他の領域を削除する。画像120に適用した場合、画像129が得られる。
(ステップ21A)
ステップ219と同様にCPU10は、ステップ217にて得られる領域に対して、血管領域選別処理を行う。
(ステップ21B)
ステップ219と同様にCPU10は、ステップ218にて得られる領域に対して、血管領域選別処理を行う。
(ステップ21C)
CPU10はステップ21A〜21Cで得られた画像の論理積をとる。ステップ21A〜21Cの処理により図22の画像220〜222がそれぞれ得られたとすると、論理和をとった結果は画像223のようになる。複数の抽出処理により得られる結果の論理積をとることにより、不必要な血管領域の抽出を減らすことができる。
(ステップ21D)
ステップ21Cまでで血管領域のおおよその形状と位置が決定できる。しかし、例えば心拍や呼吸により血管位置や形状は刻々と変化する。そのため、ステップ21Cで得られた血管領域を各時相での血管位置、形状に合うように修正する必要がある。図13にステップ21Cで得られた画像130、平均画像131を示す。CPU10は画像130中の各領域に対応する平均画像の画素値を取得する。各領域と注目時相の画像とで画素値の相関の高い位置を求め、その位置を注目時相での血管領域の位置とする。相関による位置合わせ処理を全時相についてそれぞれ行う。位置合わせした結果は例えば画像群132のようになる。それぞれの時相で血管の位置が修正されている。
(ステップ21E)
ステップ21Dにより各時相での血管領域が求められた。しかし、その形状や大きさは全時相において共通しており(ステップ21Cで得られる領域)、例えば図14に示すように、抽出した血管領域140が実際には血管領域141,142など複数の領域にかかっている場合がある。本ステップでは複数血管を横断する領域を1つの血管領域に合うように切断する。具体的には閾値処理により領域140内を二値化する。ここで使用する閾値は例えば、ステップ213で求めたT1としてもよい。あるいは経験的にあらかじめ設定した値を用いてもよい。二値化して得られる領域143,144のうち面積値の大きい領域143のみを残す。
(ステップ21F)
CPU10は各時相の各血管領域について膨張処理を行う。図15のように、抽出した血管領域150の外側1画素分の領域151を取得する。領域151の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)>Tとなる画素を新たに血管領域150に加える。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップC3で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域152のようになる。
(ステップ21G)
CPU10は各時相の各血管領域について収縮処理を行う。図16のように、抽出した血管領域160の内側1画素分の領域161を取得する。領域161の各画素(x,y)について、画素値I(x,y)がI(x,y)<Tとなる画素を血管領域160から削除する。ここでTはあらかじめ経験的に設定した閾値を使用してもよいし、またはステップ213で用いた閾値T1を使用してもよい。この処理を複数回繰り返す。得られる領域は例えば領域162のようになる。
(ステップ21H)
CPU10は抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する。
本実施形態では、領域抽出処理A,B,Cの3種類の方法により抽出した血管領域の論理積を求めた。領域抽出処理はここで示した3種類以外のものを使用しても良い。複数時相の画像の平均画像、MIP画像、MinIP画像、中央値画像などの画像に対して行う閾値処理などによる領域抽出処理はすべて本発明の範囲内とする。また、領域抽出処理は3種類でなく1種類や2種類のみでもよく、あるいはより多種類の抽出処理結果について論理積を求めても良い。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態について図を用いて説明する。図23に第5実施形態の処理フローの一例を示す。図23の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ230)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ231)
CPU10は例えば第1の実施形態のステップ61〜ステップ6Cの処理を行い、血管領域を自動で抽出する。
(ステップ232)
CPU10は抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する。
(ステップ233)
操作者は前記表示した抽出結果画像を見て、抽出漏れ領域がないか判定する。抽出漏れ領域が存在する場合ステップ234へ進み、抽出漏れがない場合処理を終了する。
(ステップ234)
操作者は例えばマウス16やキーボード17などにより、任意時相画像中の抽出漏れ領域内を1点指定する。CPU10は指定された点の座標を取得する。
(ステップ235)
CPU10は指定された座標を抽出開始点として、例えば図6のステップ62で作成した平均画像に対して領域拡張処理を行う。ここで領域拡張処理には例えば特許公報 第2845995号に示されるような方法を用いても良い。あるいはあらかじめ設定した閾値を用いて単純に二値化処理を行ってもよい。領域抽出を行う代わりに半径rの円や任意の楕円形などを抽出結果としてもよい。
(ステップ236)
CPR10は前記抽出した領域を各時相の血管領域形状に合うように、例えば図6のステップ69〜6Cのように輪郭、位置合わせ処理を行う。
結果をGUI50上の画像表示領域52に表示する。操作者が抽出漏れ領域が存在しなくなったと判断するまでステップ232〜ステップ236の処理を繰り返す。
ここで、ステップ234からステップ236までの処理を模式的に表すと図24のようになる。複数時相からなる抽出結果画像群240のうち任意の一枚について抽出漏れ領域内の点241を指定すると、全時相にわたって同一領域が抽出される。抽出結果は242のようになる。
また、本実施形態において、1点指定による抽出漏れ領域の再抽出処理を用いても所望の領域が得られない場合は、手動操作により操作者が所望の領域を囲むようにしてもよい。
また、自動抽出により得られた領域の輪郭を操作者が手動操作により、修正できるようにしてもよい。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態について図を用いて説明する。図25に第6実施形態の処理フローの一例を示す。図25の各ステップについて以下に説明する。
(ステップ250)
操作者はマウス16を操作して図5のGUI50上の画像読込ボタン51を押し、複数時相の画像からなる断層画像群を入力する。入力された画像は直ちに画像表示領域52に表示される。画像表示領域52には任意時相の画像が表示されるが、表示される時相は操作者がマウス16を操作してスクロールバー53を操作して変更することが可能である。また、操作者がマウス16を操作してウィンドウレベル、ウィンドウ幅設定スクロールバー54,55を操作することで表示画像の表示階調を変更することができる。
(ステップ251)
CPU10は例えば第1の実施形態のステップ61〜ステップ6Cの処理を行い、血管領域を自動で抽出する。
(ステップ252)
CPU10は自動抽出した血管領域全体を画像上で色付けしたり、輪郭部分のみを色つきの線で描画したりすることによりGUI50上の画像表示領域52に表示する
(ステップ253)
操作者は前記表示した抽出結果画像を見て、抽出漏れ領域がないか判定する。抽出漏れ領域が存在する場合ステップ254へ進み、抽出漏れがない場合ステップ257へ進む。
(ステップ254)
操作者は例えばマウス16やキーボード17などにより、任意時相画像中の抽出漏れ領域内を1点指定する。CPU10は指定された点の座標を取得する。
(ステップ255)
CPU10は指定された座標を抽出開始点として、例えば図6のステップ62で作成した平均画像に対して領域拡張処理を行う。ここで領域拡張処理には例えば特許公報 第2845995号に示されるような方法を用いても良い。あるいはあらかじめ設定した閾値を用いて単純に二値化処理を行ってもよい。領域抽出を行う代わりに半径rの円や任意の楕円形などを抽出結果としてもよい。
(ステップ256)
CPR10は前記抽出した領域を各時相の血管領域形状に合うように、例えば図6のステップ69〜6Cのように輪郭、位置合わせ処理を行う。その後ステップ252へ戻り抽出結果を表示する。
(ステップ257)
操作者は前記表示した抽出結果画像を見て、余計に抽出した領域(過抽出領域)がないか判定する。過抽出領域が存在する場合ステップ258へ進み、過抽出領域がない場合処理を終了する。
(ステップ258)
操作者は例えばマウス16やキーボード17などにより、任意時相画像中の抽出漏れ領域内を1点指定する。CPU10は指定された点の座標を取得する。
(ステップ259)
CPU10は指定された点が抽出領域内の点か判別し、抽出領域内の点である場合、その領域を全時相に渡って削除する。
(ステップ25A)
CPU10は前記削除処理後の抽出結果を表示する。
ここで、ステップ258からステップ25Aの処理を模式的に表すと図26のようになる。複数時相の画像からなる抽出結果画像群260のうち任意の一枚について過抽出領域内の点261を指定すると、全時相にわたって同一領域が削除される。結果は262のようになる。
また、本実施形態において、1点指定による抽出漏れ領域の再抽出処理を用いても所望の領域が得られない場合は、手動操作により操作者が所望の領域を囲むようにしてもよい。
また、自動抽出により得られた領域の輪郭を操作者が手動操作により、修正できるようにしてもよい。
本実施形態によれば、複数時相の画像からなる断層画像群から観察対象となる管腔臓器領域を短時間かつ自動で抽出することが可能となる。従って操作者の負担を減らすことが可能となる。また、例えば血管であれば抽出した領域の断面積や形状に流速情報などの機能情報を組み合わせて血流速度や血流量などの血流解析を行うことが可能となる。
本発明による医用画像表示装置の一例。 図1の主要部を抜粋したブロック図。 図2の制御装置20の詳細。 抽出対象となる血管領域の一例。 各実施形態を実現するGUIの一例。 第1の実施形態の処理フローの一例。 第1の実施形態のステップ63の血管抽出処理の説明図。 第1の実施形態のステップ64の血管抽出処理の説明図。 第1の実施形態のステップ65の血管抽出処理の説明図。 第1の実施形態のステップ66の論理和処理の説明図。 第1の実施形態のステップ67の連結領域切断処理の説明図。 第1の実施形態のステップ68の選別処理の説明図 第1の実施形態のステップ69の位置合わせ処理の説明図 第1の実施形態のステップ6Aの複数血管横断領域削除処理の説明図。 第1の実施形態のステップ6Bの膨張処理の説明図。 第1の実施形態のステップ6Cの収縮処理の説明図。 第2の実施形態の処理フローの一例。 第2の実施形態のステップ176の論理積処理の説明図。 第3の実施形態の処理フローの一例。 第3の実施形態のステップ19Cの論理和処理の説明図。 第4の実施形態の処理フローの一例。 第4の実施形態のステップ21Cの論理積処理の説明図。 第5の実施形態の処理フローの一例。 第5の実施形態のステップ236の領域抽出処理の説明図。 第6の実施形態の処理フローの一例。 第6の実施形態のステップ256の領域抽出処理の説明図。
符号の説明
10・・・CPU、 11・・・医用断層画像撮影装置、 12・・・LAN、 13・・・磁気ディスク、 14・・・主メモリ、 15・・・コントローラ、 16・・・マウス、 17・・・キーボード、 18・・・表示メモリ、19・・・ディスプレイ

Claims (9)

  1. 医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する手段と、
    前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示し、前記入力された複数枚の断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示する手段と、
    前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出する手段と、
    を備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
  2. 医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する手段と、
    前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像の相関情報を用いて管腔臓器領域の共通部分を抽出する手段と、
    前記抽出された管腔臓器領域を前記断層画像に重畳して表示する手段と、
    を備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
  3. 前記断層画像毎の管腔臓器の形状に合うように前記共通部分の輪郭若しくは位置の少なくとも一方の情報を修正する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  4. 前記抽出手段によって抽出できなかった管腔臓器領域について、連続した時相の複数枚の断層画像から操作者が任意の断層画像を選んで表示する手段と、
    前記表示された断層画像中の管腔領域内の点の座標を入力する手段と、
    前記入力された座標上の管腔臓器が抽出済みであるか否かを判定する手段と、
    前記判定の結果、前記管腔臓器についてデータ処理する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  5. 前記データ処理手段は、前記判定手段の結果が未抽出の場合に、前記連続した時相の複数枚の断層画像から取得した座標を含む管腔臓器領域の共通部分を抽出する手段と、
    前記抽出された管腔臓器領域の共通部分を各時相の管腔臓器形状に合うように輪郭、位置を修正する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
  6. 前記データ処理手段は、前記判定手段の結果が抽出済みと判定された場合に、前記連続した時相の複数枚の断層画像のすべてにおいて入力された座標を含む管腔臓器と同一の抽出済み管腔臓器領域を抽出結果から削除する手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の医用画像表示装置。
  7. 医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する工程と、
    前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像のうちの少なくとも1つの断層画像を表示し、前記入力された複数枚の断層画像の相関情報によって決められる所定の管腔臓器領域の共通部分を示す領域を前記断層画像に重畳して表示する工程と、
    前記表示された前記共通部分領域の位置情報に基づきその共通部分を前記断層画像から抽出する工程と、
    を含むことを特徴とする医用画像表示方法。
  8. 医用画像撮影装置により撮影された連続する時相の断層画像を複数枚入力する工程と、
    前記入力された連続した時相の複数枚の断層画像の相関情報を用いて管腔臓器領域の共通部分を抽出する工程と、
    前記抽出された管腔臓器領域を前記断層画像に重畳して表示する工程と、
    を含むことを特徴とする医用画像表示方法。
  9. 前記断層画像毎の管腔臓器の形状に合うように前記共通部分の輪郭若しくは位置の少なくとも一方の情報を修正する工程を更に含むことを特徴とする請求項7又は8の何れか一項に記載の医用画像表示方法。
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