JP2005338551A - 工業用内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内視鏡プローブの先端部の位置を客観的に判断しつつ、被観察物内の目的部位に内視鏡プローブ先端を容易にかつ確実に誘導することのできる工業用内視鏡装置を提供する。
【解決手段】 内視鏡プローブ3の先端部3aの変位量を検出するセンサSEと、そのセンサSEの検出値を基に内視鏡プローブ3の先端部3aの位置または姿勢の少なくとも一方を求める制御部CUと、を設ける。内視鏡プローブ3の先端部3aが被観察物に挿入されると、内視鏡プローブ3の撮像手段で撮像した映像がLCD8に表示され、そのときの内視鏡プローブ3の先端部3aの位置や姿勢がセンサSEの検出値に基づいて判断される。
【選択図】 図2
【解決手段】 内視鏡プローブ3の先端部3aの変位量を検出するセンサSEと、そのセンサSEの検出値を基に内視鏡プローブ3の先端部3aの位置または姿勢の少なくとも一方を求める制御部CUと、を設ける。内視鏡プローブ3の先端部3aが被観察物に挿入されると、内視鏡プローブ3の撮像手段で撮像した映像がLCD8に表示され、そのときの内視鏡プローブ3の先端部3aの位置や姿勢がセンサSEの検出値に基づいて判断される。
【選択図】 図2
Description
この発明は、人の入り込みにくい機械内部や管腔内等を観察する工業用内視鏡装置に関するものである。
工業用内視鏡装置は、例えば航空機エンジンのブレード検査や電力配管の内部検査等、様々な用途に用いられている。
この種の工業用内視鏡装置は、下記特許文献1に示されているように、検査対象内部に挿入される細長くて可撓性を有する内視鏡プローブと、この内視鏡プローブに内蔵されたライトガイドに照明光を供給する光源装置と、内視鏡プローブの先端に内蔵された撮像手段であるCCD(電荷結合素子)からの電気信号に基づいて画像信号を生成する制御装置と、前記画像信号を表示する表示部であるテレビモニタ等を備えて概略構成されている。
例えば、この工業用内視鏡装置を用いて航空機エンジン内の検査を行う場合には、まず電源を投入して前記内視鏡プローブの先端から照明光を出射させるとともに、前記CCDで撮像される画像を前記テレビモニタに表示させる状態にする。その後、内視鏡プローブを装置本体から引き出しながら航空機エンジン内に挿入していく。検査を行う作業者は、テレビモニタに表示されるリアルタイム映像を観察しながら内視鏡プローブを所定の観察ポイントへと誘導するように挿入していくことで内部検査を行う。
特開平8−201706号公報
ところで、従来の工業用内視鏡装置を用いて航空機エンジンや配管等の内部検査を行う場合、上述のように、内視鏡プローブを操作する作業者がリアルタイム映像を見ながら自らの判断で各検査部位に内視鏡プローブを移動させ、その観察を行っていた。
この場合、観察すべき部位を間違いなく観察したかどうかは観察者の判断次第であり、客観的に確認する手だてがなかった。また、熟練していない観察者が操作した場合には、検査対象内における自らの位置(内視鏡プローブの先端位置)を見失う等してなかなか目標とする検査部位に達することができない場合もあった。したがって、場合によっては検査すべき個所を見逃して不完全な検査結果を招いてしまう虞があった。
そこでこの発明は、内視鏡プローブの先端部の位置を客観的に判断しつつ、被観察物内の目的部位に内視鏡プローブ先端を容易にかつ確実に誘導することのできる工業用内視鏡装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、この発明は、撮像手段を有し被観察物内に挿入される内視鏡プローブと、該内視鏡プローブの撮像手段で撮像した映像を表示する表示部とを備えた工業用内視鏡装置において、前記内視鏡プローブの先端部の変位量を検出するセンサと、そのセンサの検出値を基に内視鏡プローブの先端部の位置または姿勢の少なくとも一方を求める制御部と、を設けるようにした。
この発明の場合、センサによる検出値を基に観察時点における内視鏡プローブの先端部の位置または姿勢の少なくとも一方を求めることができるため、内視鏡プローブの先端部の現在の位置や姿勢を確認しつつ同プローブを被観察物内の目的部位に的確に誘導することが可能となる。
前記センサは、内視鏡プローブの先端部に設けられ、被検出対象となるマーカーと、被観察物の内部または外部に固定設置されて前記マーカーの変位量を検出する検出器本体と、を備えた構成としても良い。この場合、例えば、コイルや超音波発信器、LED等をマーカーとし、そのマーカーの変位量を固定設置された検出器本体側から検出するため、内視鏡プローブの先端部側の構造を簡素化して、その先端部の小型、軽量化を図ることができる。また、センサのコストを低減できるという利点もある。
また、前記センサは、内視鏡プローブの先端部に設けられ、センサ自体の変位量を出力するジャイロセンサや地磁気センサ等によって構成するようにしても良い。この場合、内視鏡プローブの先端部に設けたセンサ単独で変位量を出力することができるため、観察を開始するための段取りが容易になるという利点がある。
さらに、前記センサは、前記撮像手段と、その撮像手段によって撮像した画像の移動量から内視鏡プローブの先端部の変位量を取得する画像変位量検出手段と、を備えた構成としても良い。この場合、撮像手段によって撮影した画像を基に内視鏡プローブの先端部の変位量を取得するため、内視鏡プローブの先端部に新たな機器を付加する必要がなく、プローブ先端部の小型、軽量化を図ることができるという利点がある。
この発明は、被観察物内における内視鏡プローブの先端部の位置及び姿勢をセンサによる検出値に基づいて常に客観的に把握することができるため、被観察物内の目的部位に内視鏡プローブ先端を容易にかつ確実に誘導することができる。
しかも、この発明は、被観察物の設計時データや過去データに照らして内視鏡プローブの先端部の位置や姿勢を判断するのでなく、観察時点での位置や姿勢を直接検出するものであるため、被観察物の内部状況が変化した場合にあっても内視鏡プローブの先端部の位置や姿勢を正確に判断することができる。
また、この発明は、内視鏡プローブの先端部の位置や姿勢の判断を観察者が行うのではなく、工業用内視鏡装置の制御部側で行うものであるため、観察位置の姿勢の確認を客観的に確認することができる。
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照してこの実施形態の工業用内視鏡装置1のシステム構成を説明する。
図1に示すように、この工業用内視鏡装置1は、光学アダプタ2と、この光学アダプタ2が着脱自在に接続される内視鏡プローブ3を有する内視鏡本体4と、内視鏡本体4が収納されるコントロールユニット(本体)6と、各種動作制御を実行させるための操作を行うリモートコントローラ7と、内視鏡画像や操作制御内容(例えば処理メニュー)、さらにはナビゲーション情報等が表示される表示部である液晶モニタ(以下、LCDと称する)8と、通常の内視鏡画像、あるいはその内視鏡画像をステレオ画像として立体視可能なフェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと称する)9と、このFMD9に画像データを供給するFMDアダプタ9aとを備えて概略構成されている。
まず、図1を参照してこの実施形態の工業用内視鏡装置1のシステム構成を説明する。
図1に示すように、この工業用内視鏡装置1は、光学アダプタ2と、この光学アダプタ2が着脱自在に接続される内視鏡プローブ3を有する内視鏡本体4と、内視鏡本体4が収納されるコントロールユニット(本体)6と、各種動作制御を実行させるための操作を行うリモートコントローラ7と、内視鏡画像や操作制御内容(例えば処理メニュー)、さらにはナビゲーション情報等が表示される表示部である液晶モニタ(以下、LCDと称する)8と、通常の内視鏡画像、あるいはその内視鏡画像をステレオ画像として立体視可能なフェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと称する)9と、このFMD9に画像データを供給するFMDアダプタ9aとを備えて概略構成されている。
前記内視鏡プローブ3は、その先端部3aに撮像手段である図示しないCCD(電荷結合素子)を内蔵した細長いケーブルであり、コントロールユニット6から引き出して被観察物(被観察物)内に挿入することが可能となっている。そして、この内視鏡プローブ3の先端部3aには、立体視観察用であるステレオ測定用の光学アダプタ2の他に、通常観察用の比較計測用光学アダプタ10も着脱自在に接続できるようになっている。
なお、同図の符号11は、後述のCCU17を経由せずに映像を映像信号処理回路に入力するための外部映像入力端子を示している。また、符号12は、外部から電力を取り入れるためのコンセントケーブルを示している。
続いて、図2を参照しながら工業用内視鏡装置1の内部構造の詳細説明を以下に行う。
同図に示すように、内視鏡プローブ3の基端部は、コントロールユニット6内の内視鏡ユニット15に接続されている。この内視鏡ユニット15の内部には、撮影時に必要な照明光を内視鏡プローブ3に内蔵されたライトガイドに供給する光源16や、内視鏡プローブ3に内蔵された湾曲部(図示せず)を電気的に湾曲動作させる電動湾曲装置(図示せず)等が内蔵されている。また、内視鏡プローブ3の先端部3aにはこの発明におけるセンサSEの構成部品が取り付けられている。
同図に示すように、内視鏡プローブ3の基端部は、コントロールユニット6内の内視鏡ユニット15に接続されている。この内視鏡ユニット15の内部には、撮影時に必要な照明光を内視鏡プローブ3に内蔵されたライトガイドに供給する光源16や、内視鏡プローブ3に内蔵された湾曲部(図示せず)を電気的に湾曲動作させる電動湾曲装置(図示せず)等が内蔵されている。また、内視鏡プローブ3の先端部3aにはこの発明におけるセンサSEの構成部品が取り付けられている。
このセンサSEは、内視鏡プローブ3の先端部3aの変位量を検出するものであり、この実施形態では、内視鏡プローブ3の先端部3a側にマーカー(例えば、コイル、超音波発信器、LED)が取り付けられ、被観察物の内部または外部にマーカーの変位量を検出する検出器本体(マーカーの方式応じて、磁気方式、超音波方式、光学方式等を採用。)が固定設置されている。なお、このセンサSEは、ジャイロセンサ、地磁気センサ等単体で情報(例えば、位置または姿勢)を検出できる性質のものも採用可能であり、その場合には、センサSEの単体が内視鏡プローブ3の先端部3aに取り付けられる。また、センサSEは、位置と姿勢、速度と角速度、加速度と角加速度等を変位量情報として検出する。尚,この実施形態では、センサSEは、位置と姿勢、速度と角速度のように位置関係情報と姿勢(角度)関係情報を対にして求めるようにしているが、被観察物の検査条件等によっては位置関係情報と姿勢関係情報の一方のみを検出するものであっても良い。
内視鏡プローブ3の先端部3a内には、前記CCDが内蔵されており、このCCDから出力される撮像信号が、画像処理部であるカメラコントロールユニット(以下、CCUと称する)17に入力されるようになっている。このCCU17は、入力された撮像信号を例えばNTSC信号等の映像信号に変換して、コントロールユニット6内の制御部CUに供給するように構成されている。
コントロールユニット6内に搭載される前記制御部CUは、CPU18、ROM19、RAM20、PCカードインターフェイス(以下、PCカード I/Fと称する。)21a、USBインターフェイス(以下、USB I/Fと記載する。)21b、RS−232Cインターフェイス(以下、RS−232C I/Fと記載する。)21c、音声信号処理回路22、映像信号処理回路23、そして記録部Rを備えて構成されている。
前記CPU18は、主要プログラムに基づいて各種機能を実行/動作させる制御と、計測処理とを行うマイクロプロセッサーである。そして、このCPU18は、ROM19に格納されているプログラムを実行し、目的に応じた処理を行うことでシステム全体の動作制御を行うようになっている。
前記RS−232C I/F21cは、リモートコントローラ7による操作に基づいてコントロールユニット6全体を動作制御するのに必要な通信を行うためのインターフェイスであり、CCU17、内視鏡ユニット15、内視鏡先端部3aの変位を検出するセンサSE、そしてリモートコントローラ7のそれぞれに接続されている。また、バスを介してCPU18に接続されている。これにより、リモートコントローラ7で、CCU17及び内視鏡ユニット15への動作指示及び制御を行うことが可能となっている。
前記USB I/F21bは、コントロールユニット6とパーソナルコンピュータ25との間を電気的に接続するためのインターフェイスである。このUSB I/F21bを介してコントロールユニット6とパーソナルコンピュータ25を接続した場合に、パーソナルコンピュータ25側からも、リモートコントローラ7から動作指示した場合と同様に、内視鏡画像の表示指示や計測時における画像処理等の各種の制御指示をコントロールユニット6に対して行うことが可能となる。さらには、コントロールユニット6及びパーソナルコンピュータ25間での各種処理に必要な制御情報やデータ等の入出力も可能としている。
前記PCカード I/F21aには、PCMCIAメモリーカード26のみならず、PCMCIAカードアダプタを介してコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード27等の外部記憶媒体が着脱自在に装着されるようになっている。そして、この外部記憶媒体を装着した場合には、CPU18の制御により、これら外部記憶媒体に記憶された制御処理情報や検査記録等のデータを、PCカード I/F21aを介してコントロールユニット6内に取り込んだり、または、PCカード I/F21aを介して制御処理情報や検査記録等のデータを前記外部記憶媒体に供給して記録させることができるようになっている。
前記映像信号処理回路23は、CCU17から供給された内視鏡画像とグラフィック表示された操作メニューとを合成した合成画像を表示する機能を有しており、CCU17からの映像信号と、CPU18により生成された操作メニューの表示信号とを合成処理し、さらに、LCD8の画面上に表示するのに必要な処理を施してからLCD8に供給する。これにより、LCD8には、内視鏡画像と操作メニューとの合成画像が表示される。なお、映像信号処理回路23は、単に内視鏡画像、あるいは操作メニュー等の画像を単独で表示させるための処理を行うことも可能となっている。
前記LCD8は、内視鏡プローブ3からの内視鏡画像(映像)や操作制御内容(例えば処理メニュー)等の表示を行う表示部であるタッチパネル式の液晶モニタである。
前記コントロールユニット6には、CCU17を経由せずに映像信号処理回路23に映像を入力する前記外部映像入力端子11が別に設けられている。この外部映像入力端子11に映像信号が入力された場合、映像信号処理回路23は、CCU17からの内視鏡画像に優先して前記映像信号に基づく合成画像を出力する。
前記音声信号処理回路22には、マイク28により集音されて前記外部記憶媒体に記録される音声信号や、前記外部記憶媒体の再生により得られる音声信号や、CPU18により生成された音声信号が供給されるようになっている。そして、この音声信号処理回路22は、供給された音声信号を再生するために必要な処理(増幅処理等)を施した後、スピーカ22aに出力する。これにより、スピーカ22aから音声信号が再生される。
前記リモートコントローラ7には、湾曲操作用のジョイスティック、メニュー選択用のジョイスティック、フリーズスイッチ、画像記録スイッチ等が設けられており、各種のリモコン操作を行えるようになっている。これについて図11を参照して説明すると、観察者の判断により、図11に示すリモートコントローラ7のフリーズスイッチ7aを押下することでLIVE画像を停止させ、画像記録スイッチ7bを押下することで、停止させたLIVE画像を制御部CUの記録部Rに記録することができるようになっている。ちなみに、この図11における符号7cは、内視鏡プローブ3の先端を湾曲動作させるためのジョイスティックであり、また符号7dは、LCD8上のポインタを動かすためのジョイスティックである。
ところで、前述したように、コントロールユニット6内には、装置全体の制御動作を司る制御部CUや、この制御部CUから発せられた音声ガイドを発するスピーカ22a等が収容されており、この実施形態の工業用内視鏡装置1は、これらが有する機能により、観察者の検査作業をアシストするとともに、再現性のある検査結果の記録を行うことができる。
すなわち、制御部CUは、センサSEが検出した情報を読み込み、内視鏡プローブ3のヘッド(先端部3a)の位置及び姿勢を求めることが可能となっている。
さらに、制御部CUは、このようにして求めた内視鏡プローブ3のヘッドの位置及び姿勢を、LCD8に表示すると同時に、スピーカ22aから音声ガイドとして発することにより、観察者に、どのように内視鏡プローブ3を操作すればスムーズに検査が行えるかを常に指示することも可能としている。
また、制御部CUは、前記記録部Rを備えており、求めた内視鏡プローブ3の位置及び姿勢と、これら位置及び姿勢に対応する前記リアルタイム映像とを関連づけた検査記録を記録することも可能としている。記録部Rに記録したデータは、図示しないコピーメニューを実行することにより、PCカードI/F 21aを介してPCMCIAメモリーカード26等の外部記憶媒体に記録することができる。これにより、工業用内視鏡装置1で行った検査内容をPC(パーソナルコンピュータ)等で確認、又は保存することができる。
以下、この制御部CUの詳細について説明する。
この制御部CUでは、図3の紙面左下の符号a,bに示すように、被観察物内の内部形状を示す計算機モデル(3Dモデル)を構築し、この計算機モデルに基づいて挿入予定経路(ルート)を設定するようになっている。すなわち、制御部CUでは、これから検査を行う被観察物内の各検査箇所をどのような挿入予定経路を通って検査するかを予め決める検査計画を立てることができるようになっている。この詳細について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
この制御部CUでは、図3の紙面左下の符号a,bに示すように、被観察物内の内部形状を示す計算機モデル(3Dモデル)を構築し、この計算機モデルに基づいて挿入予定経路(ルート)を設定するようになっている。すなわち、制御部CUでは、これから検査を行う被観察物内の各検査箇所をどのような挿入予定経路を通って検査するかを予め決める検査計画を立てることができるようになっている。この詳細について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、検査計画設定を開始すると、ステップS1において、被観察物情報及び検査履歴情報の読み込みが実行される。この被観察物情報としては、例えば、被観察物の設計情報(CADデータ)が好適に用いられる。また、検査履歴情報としては、被観察物内の、過去に行った検査箇所の位置や、同位置で撮像された映像等の検査記録が読み込まれる。なお、設計情報の読み込みに際しては、この制御部CU内の記録部Rに保存しておいたものを使用しても良いし、または、通信回線を介して接続された他の計算機から読み込むものとしても良い。
続くステップS2では、被観察物情報として読み込まれた被観察物の設計情報に基づいて計算機モデル(3Dモデル、形状データ)が生成される。
ステップS3では、生成された計算機モデルに基づくチャート図を、図7に示す表示画面の表示領域A1に表示させる。このチャート図は、例えば、被観察物の三面図(平面図、正面図、側面図)及び斜視図であり、これらの全てを一括表示したり、または、これらのうちの一図または複数図を選択して表示させることが可能となっている。
なお、これら図のうちのどれを表示領域A1に表示させるかは、図8(a),(b)に示す表示切り替え操作部a2内のどのボタンを押すかによって選択することが可能となっている。すなわち、表示切り替え操作部a2の「平」のボタンを押した場合には平面図が表示され、また、表示切り替え操作部a2の「正」のボタンを押した場合には正面図が表示され、また、表示切り替え操作部a2の「側」のボタンを押した場合には側面図が表示され、また、表示切り替え操作部a2の「斜」のボタンを押した場合には斜視図が表示される。各ボタンのうちのどれが選択されたかは、太枠表示されることによって確認することができる。
この表示領域A1に表示されるチャート図は、後述の検査実施時において、被観察物内における自らの位置(内視鏡プローブ3の先端位置)を知るための地図の役目を有しており、その位置を指し示すマークが図中にリアルタイムで表示されるものとなっている。
図8(a),(b)に示すように、表示領域A1には、チャート図を拡大表示または縮小表示させるための表示倍率操作部a1が備えられている。そして、ここに表示される拡大/縮小倍率を上下させる(具体的には、表示倍率操作部a1の左にある虫眼鏡印を押すことによって縮小表示させたり、あるいは、表示倍率操作部a1の右にある虫眼鏡印を押すことによって拡大表示させる。)ことで、図8(a)に示すようにチャート図を縮小表示させて被観察物の全体像を把握したり、あるいは、図8(b)に示すように任意箇所(例えば、図8(a)のチャート図内のU部)を拡大表示させて被観察物内における内視鏡プローブ3の位置を正確に把握することが可能となっている。
このチャート図を用いて、被観察物内における自らの位置(内視鏡プローブ3の先端位置)を把握する具体的方法について説明すると、まず図8(a)において、被観察物全体における内視鏡プローブ3の位置を、同図の太矢印を確認することで把握する。なお、同図における符号APは、被観察物内に内視鏡プローブ3を挿入する際の挿入口(アクセスポイント)を示している。
続いて、被観察物内における内視鏡プローブ3の先端位置を詳細に把握すべく、表示倍率操作部a1を操作して図8(a)のU部を拡大表示させて図8(b)の表示内容にする。すると、内視鏡プローブ3の挿入経路が拡大表示されるとともに、この挿入経路上に後述のID番号が重ねて表示される。これらID番号は、内視鏡プローブ3の挿入順路を示しており、例えば同図の場合では、(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(6)の順番に沿って内視鏡プローブ3を挿入していけば良いことを示している。さらに、同図における太線矢印が、内視鏡プローブ3の先端位置及びその向きを示している。したがって、この太線矢印がID番号(3)とID番号(4)との間の位置に有ることから、同位置に内視鏡プローブ3の先端位置が存在することが把握できる。
再び図5に戻り、前記ステップ3に続くステップS4以降の説明を行う。このステップS4では、内視鏡挿入条件情報の入力が実行される。
まず、サブルーチンSUBのステップS5では、内視鏡装置情報の入力または読み込みが実行される。すなわち、観察者の操作により、前記内視鏡プローブ3に装着される光学アダプタの種類、内視鏡プローブ3の径及び長さ、測定モード(通常測定モード、ステレオ測定モード等)等の入力、またはこれらの読み込みが行われる。
続くステップS6では、観察者の操作により、前記チャート図上における内視鏡プローブ3の挿入開始位置の入力が行われる。すなわち、図8(a)で図示したアクセスポイントAPを前記チャート図上に指定する。この指定は、前記チャート図上に図示しないポインタを重ね合わせて指定することで行われる。なお、挿入口(アクセスポイントAP)が小さくて指定しづらい場合には、必要に応じて前記表示倍率操作部a1を操作して、前記チャート図を拡大表示させてから行うのが好ましい。
さらに続くステップS7では、前記チャート図上における検査部位と、これら検査部位に達する際に通るべき通過点との入力が行われる。この入力操作は、図8(b)に示した表示内容を、図9に示す「設定モード」に変更してから行われる。この「設定モード」では、画面下部に、これから設定するポイントが検査対象である「検査部位」であるのか、または、これら「検査部位」に到達するための道標となる「通過点」であるのかを選択する選択メニューm1と、同ポイントを他のポイントと識別したり、または、最終到達点であることを示すためのID番号を入力するID入力部m2と、各入力内容を決定するためのOKボタンm3と、各入力内容をキャンセルするCANCELボタンm4とが表示される。
例えば、図9のID番号(3)に示す位置に検査部位を設定する場合には、同図に示すポインタを動かしてジョイスティックを押下して位置を決定する。続いて、選択メニューm1上に前記ポインタを重ね合わせて押下すると、「検査部位」及び「通過点」の両表示がプルダウンメニュー表示されるので、これらのうちの「検査部位」を選択して押下する。さらに続いて、前記ポインタを今度はID入力部m2上に重ね合わせ、▲印または▼印を押下することで、ID番号を入力する。なお、このID番号の入力操作は、観察者ではなく、前記制御部CU側が自動的に昇順に設定するようにしても良い。
以上の入力操作が正しく済んだらOKボタンm3を押下し、入力し直す場合にはCANCELボタンm4を押下する。OKボタンm3が押下された場合、前記制御部CUは、指定されたID番号が重複していないかをチェックし、重複していた場合には、再度入力を促すエラー表示を画面上に表示させる。重複せずに正しく入力された場合には、前記記録部Rに保存される。なお、ID入力部m2で「E」を選択した場合には、このポイントが最終到達点として設定保存される。
最終到達点が入力されると、図9の画面が図10の画面に自動的に切り替わり、サブルーチンSUBにおける内視鏡挿入条件情報の入力が完了したか否かを問い合わせるステップS8が行われる。正しく完了している場合には、「Yes」ボタンを押下することで、サブルーチンSUBからメインルーチンの制御フローに戻る。一方、そうでない場合には、「No」ボタンを押下することで、再びステップS7に制御フローが戻される。
なお、上記各ステップS5〜S8の入力操作は、各入力項目が毎回同じである場合の入力操作の手間を省くべく、制御部CU内の記録部、または、前記PCMCIAメモリーカード26や前記コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード27等の外部記憶媒体に各入力項目を記録しておき、この記録内容を読み込ませることで、観察者の入力作業を省くものとしても良い。
メインルーチンのステップS9では、ステップS2で生成された計算機モデルと、ステップS4で入力された内視鏡挿入条件情報とに基づいて挿入予定経路情報の生成が行われる。すなわち、ステップS6で指定された挿入開始位置(アクセスポイントAP)から内視鏡プローブ3を挿入し、ステップS7で指定された各通過点を通って各検査部位に達するまでの最適な挿入予定経路が、制御部CUにより求められる。この挿入予定経路の設定は、全ての検査部位及び通過点を通ること、最短経路を通ること、内視鏡プローブ3の外径が通るのに狭すぎるような挿入箇所を避けること、等を判断基準として求められる。
そして、求められた挿入予定経路は、ステップS10において、前記チャート図上に重ねて表示される。これにより、地図であるチャート図上に、出発点である挿入開始位置(アクセスポイントAP)から、各通過点を通って各検査部位に達するまでの経路が確定される。
続くステップS11では、マーカー情報(VE情報)の生成が実行される(図3の符号c1も参照。)。すなわち、ステップS7で入力された各検査部位及び各通過点の、チャート図上における位置情報と、同位置に内視鏡プローブ3を配置して所定方向を向いたときの視線角度(姿勢情報)とが確定される。なお、ここで言う「VE」は「Virtual Endscope」の略であり、チャート図上に想定された仮想の内視鏡プローブを指し示すものとする。
このようにして選び出されたマーカー情報(VE情報)に基づき、ステップS12ではマーカーデータ(VE画像)の生成が行われる(図3の符号c2も参照。)。すなわち、ステップS11で確定された位置情報及び視線角度に仮想の内視鏡プローブ3を配置し、そのときに見える内視鏡画像を、前記計算機モデルに基づいて生成する。
ところで、内視鏡プローブ3に装着する光学アダプタとして、プリズムを内蔵し、側面から入射した光を反射させて前記CCD上に結像するタイプの側視アダプタを用いる場合には、前記CCD上には左右反転した画像(鏡像)が結像される。この画像とカレントVE画像との間でマッチングを取ろうとしても、正常にマッチングすることができない。そこで、前述のステップS5において内視鏡装置情報を入力する際に、使用する光学アダプタが側視アダプタであるか否かを前記制御部CU側に取り込んでおき、本ステップS12における上記マーカーデータ(VE画像)の生成において、生成された各VE画像を最終的に左右反転させておくことが好ましい。もちろん、側視アダプタを用いない場合には、この画像反転動作は不要である。
同様に、使用する光学アダプタ毎に歪曲収差の特性も異なるので、前記ステップS5において予め読み込まれた歪曲収差のデータも、マーカーデータ(VE画像)の生成に反映される。すなわち、前記仮想の内視鏡プローブから見た内視鏡画像を生成する際に、前記歪曲収差に基づいて画像を歪ませることで、同等の歪曲収差をマーカーデータ(VE画像)に与える。
このようにして生成された内視鏡画像(VE画像)は、挿入予定経路上に設定された各通過点及び各検査部位の位置における仮想の内視鏡画像(3Dコンピュータグラフィック画像)であり、ステップS13においてランドマークの表示が実行される。ここで言うランドマークとは、挿入予定経路上を進みながら検査を行う際に現在位置の確認を行うのに適した、被観察物内の特徴ポイントのことを指し示すものである。そして、これらランドマークは、図7に示すように、各検査部位及び各通過点のVE画像をサムネール表示(縮小配列表示)したものが表示領域A2に表示される。なお、同図では、明確に説明するために、図8(b)に示したID番号((1),(2),(3),・・・)に対応する番号を記している。
同時に、図5のステップS14において、各VE画像のうち、検査実施時に最初に通る点のものが制御部CU側で選び出され、この選び出されたVE画像が、図7の表示領域A3にカレントVE画像として表示される。
そして、図5のステップS15では、制御部CU内において仮想の内視鏡プローブを挿入した場合の挿入シミュレーションが実行される。この時、VE画像の再生が挿入開始点から最終到達点に至るまで順次行われ、内視鏡プローブ3を無理なく最後まで挿入できるかが計算機モデル上で確認される。
その結果、ステップS16において、被観察物内の突起物に内視鏡プローブ3が引っかかって挿入不可となったり、極度に狭い箇所を通ったり、または極度に内視鏡プローブ3を曲げないと通れないような箇所を通る等、設定した挿入予定経路が不適切であると確認された場合には、ステップS4に戻って(必要に応じて、ステップS5の内視鏡装置情報の入力又は読み込み及びステップS6の挿入開始位置入力にて入力された内容を修正した上で)再度、挿入予定経路の設定が実施される。
逆に、設定した挿入予定経路で問題ないとステップS16で判断された場合には、ステップS17に進み、設定した挿入予定経路の保存が行われる。この時、併せて前記計算機モデル、チャート図、挿入開始位置、各検査部位、各通過点、前記VE画像、各ランドマーク等、後の検査実施に用いる情報も、制御部CUの記録部Rに保存される。
以上説明の各工程を実行することにより、これから検査を行うための検査計画が立てられ、制御部CUの記録部Rに保存される。続いて、本実施形態の工業用内視鏡装置1を用いて、前記検査計画に基づいて実際に被観察物内の検査を行う方法の詳細について、以下に説明を行う。
この実施形態の工業用内視鏡装置1を用いた検査方法では、センサSEによって内視鏡プローブ3の先端部3aの変位情報を収集する工程と、被観察物内における内視鏡プローブ3の先端位置及び姿勢の両方を求める工程とを有するものとなっている。なお、後においても述べるが、被観察物内における内視鏡プローブ3の先端位置及び姿勢の両方を求める工程は、リアルタイムに行うことに限らず、検査後に行うものとしても良い。
まず、工業用内視鏡装置1を被観察物の挿入開始位置(アクセスポイントAP)近傍に配置して起動させる。この時の工業用内視鏡装置1では、前記光源16が起動して内視鏡プローブ3内のライトガイドに照明光を供給し、また、内視鏡プローブ3先端の前記CCDからのリアルタイム映像を制御部CU側に送信(図3の符号d参照。)し、図7の表示領域A4に示すLIVE画像としてLCD8に表示させる。さらに、センサSEで検知される情報が制御部CU側に送信される状態になる(図3の符号iも参照。)
一方、制御部CU側では、前記保存情報を読み込み、図5に示した情報(チャート図、チャート図上に設定された挿入予定経路、挿入予定経路上に設定されたチェックポイントである各ランドマーク画像等)を、LCD8上に表示可能な状態になる。このようにして、検査準備が整う。
その後、制御部CU内では、図6のステップS21に示すようにランドマークオフセットの初期化が実行される。すなわち、検査計画時に求められた各ランドマーク画像のうち、内視鏡プローブ3が最初に通るものが選定される。そして、ステップS22において、選定されたランドマーク画像の表示が太枠付き表示(図7参照)される。これにより、全ランドマーク画像のうちのどれが現在選定されているかを観察者が一目で判るようにする。
続くステップS23では、選定されたランドマーク画像が図7に示すカレントVE画像として拡大表示される。なお、ここで言う「カレント」とは、「現在選択されている」という意味を示す。
この状態で、観察者は、前記挿入開始点より内視鏡プローブ3を被観察物内に挿入していく。この時の内視鏡プローブ3の先端位置及び姿勢は、図8(b)で示したように、前記チャート図上の太矢印マークとして表示される。また、この時に撮像されるリアルタイム映像は、図7の表示領域A4にLIVE画像として表示される。また、同図7の表示領域A5に示す「テキスト支援情報」の箇所には、これから向かうランドマーク(次のランドマーク)までの距離、方向や、最終到達目標(最終のランドマーク)までの距離、方向、残ランドマーク数等の文字情報が表示される。観察者は、LCD8上のこれら文字情報及び各画像情報を見て前記リモートコントローラ7を操作しながら、内視鏡プローブ3の挿入を進めていく。
なお、以下の説明においては、制御部CU内の処理動作を中心に説明を行うが、観察者は、内視鏡プローブ3の挿入を、LCD8を介して制御部CUから送られてくる指示に従って進めながらLIVE画像を観察することで被観察物の内部検査を適宜実施する。
ステップS24では、図3中のiでセンサ信号を収集し、センサ信号が位置姿勢を直接表さない場合に、図3中のjで位置姿勢計算を行う。具体的には、センサ信号が速度又は角速度であるときは時間で積分する。また、加速度又は角加速度であるときは、時間で2回積分する。センサ信号又は計算結果は、図3中のkの位置姿勢データとなる。
ステップS25では、ステップS24で得られた位置姿勢データと、カレントVE画像の位置姿勢データとを比較する。比較し、一致した場合(Yesの場合)には、ステップS27へと進み、一方、一致しなかった場合(Noの場合)にはステップS26へと進む。
前記ステップS25に続くステップS26では、LIVE画像に対してカレントVE画像の位置及び姿勢(画像の上下向きを含む)を一致させるべく、カレントVE画像側の加工表示を行う(図3の符号eも参照。)。すなわち、制御部CUは、ステップS24において求められた現在の内視鏡プローブ3の位置及び姿勢を参照し、これと一致するようにカレントVE画像の位置及び姿勢を変更する。この変更に伴い、カレントVE画像の表示内容が回転、上下移動、左右移動、拡大、縮小する等して、LIVE画像の表示内容と一致する。
このようにして表示内容が一致した後のカレントVE画像上には、さらに内視鏡プローブ3を挿入するための挿入方向を指し示す矢印等の操作指示が表示される(図3の符号f,gも参照。)。すなわち、制御部CUは、求めた内視鏡プローブ3の位置及び姿勢と挿入予定経路との比較に基づき、この内視鏡プローブ3の移動すべき方向を求めて図3のgに示すようにカレントVE画像上に矢印を表示する。この時、必要に応じて前記スピーカ22aからも、音声による操作指示(「上に進んでください」、「右に進んでください」等)を行う。
そして、ステップS26において表示内容が一致した後の制御流れは、再びステップS24へと戻され、再び特徴抽出の工程が実行される。このようにして、表示内容が一致してステップS27に向かうまで、ステップS24〜ステップ26の工程が繰り返される。
このようにして、現時点において見えている場所の特定がなされ、検査部位に到達した時点で、制御部CUは、LCD8上の表示画面を図7の表示内容から図12の表示内容に自動的に切り替え、「検査モード」に移る。
図12に示すように、画面中央下部に示す表示領域A6には、検査項目のリストが一覧表示される。この検査項目のリストは、このランドマーク位置の検査箇所において検査すべき項目の見出しを一覧表示したものである。これら検査項目のリストのうちの何れかを観察者が選択すると、左側の表示領域A7に、検査項目の詳細が表示される。さらに、図12の中央上部の「参考画像」の表示A8を観察者が押すと、過去に撮影した同箇所の画像(過去画像)が記録部Rから読み出され、左側の表示領域A9に表示される。なお、表示A8を省略し、表示A6を押して表示領域A7に検査項目の詳細を表示させた時点で、自動的に表示領域A9に過去画像を表示させるように構成しても良い。
観察者は、表示領域A7,A9に表示される情報を参考にして検査を行う。この検査においてキズ計測を行う場合には、図12の中央上部の表示A10を押下して「キズ計測モード」にすることで測定を実施する。
この検査部位における全ての検査が終了した場合には、観察者が図12の中央上部の「確認済」の表示A11を押す。すると、表示領域A6内に「済」のマークA61が表示されると同時に、検査が済んだことが制御部CUの記録部Rに証拠記録として保存される(図3の符号hも参照。)。このようにして制御部CUに検査記録を残すことにより、検査漏れをなくすことができる上に、後の解析に利用することが可能となる。なお、この記録動作は本例のように各ランドマーク通過後に逐一行っても良いし、もしくは、後述のステップS31に説明するように、最終ランドマークを通過後に一括して保存するものとしても良い。
制御部CUの記録部Rに保存される全記録項目の例を、図13に示す。
同図に示すように、記録部Rには、各ランドマークIDと、カレントVE画像の元となる被観察物全体の3Dモデルである検査部位モデルと、図5のステップS6において入力した内視鏡装置情報と、内視鏡プローブ3をどのような経路で挿入していったか(どの位置をどのような姿勢で通過させたか)を示す挿入軌跡情報と、前記被観察物(エンジン、パイプ等)を識別するためのユニークなIDである被検体IDとが記録される。前記挿入軌跡情報の記録が、図6のステップS27に示す挿入軌跡情報更新である。挿入軌跡情報は、ランドマークIDと関連づけて記録されている。すなわち、ランドマーク地点各々での、位置・姿勢が関連づけて記録されている。
同図に示すように、記録部Rには、各ランドマークIDと、カレントVE画像の元となる被観察物全体の3Dモデルである検査部位モデルと、図5のステップS6において入力した内視鏡装置情報と、内視鏡プローブ3をどのような経路で挿入していったか(どの位置をどのような姿勢で通過させたか)を示す挿入軌跡情報と、前記被観察物(エンジン、パイプ等)を識別するためのユニークなIDである被検体IDとが記録される。前記挿入軌跡情報の記録が、図6のステップS27に示す挿入軌跡情報更新である。挿入軌跡情報は、ランドマークIDと関連づけて記録されている。すなわち、ランドマーク地点各々での、位置・姿勢が関連づけて記録されている。
図13に示すように、各ランドマークIDの記録においては、このランドマークが「通過点」であるのか「検査部位」であるのかを示す識別情報も併せて保存される。そして、「通過点」の識別情報が付与されたランドマークには、この通過点をなすランドマーク位置に対応するVE画像が併せて保存される。一方、「検査部位」の識別情報が付与されたランドマークには、同ランドマーク位置に対応するVE画像に加えて、検査項目毎に取得した過去の画像(実画像)が併せて保存される。
以上のようにして全ての検査項目の実施が済んだ後は、LCD8の表示画面を、図12の表示内容(「検査モード」)から図7の表示内容に自動的に切り替える。
上記ステップS27に続くステップS28においては、図14に示すように、液晶ディスプレイ8上に、ランドマークオフセットの更新を行うか否かを観察者に問い合わせる表示が示される。そして、観察者が、もうしばらく現在の観察部位に止まって観察を継続して行いたい等の理由により、図14の「No」ボタンを押下すると、制御流れが図6のステップS24に戻される。そして、次のランドマーク位置に向かわずに観察を継続して行うことが可能となる。逆に、観察者が次のランドマーク位置に向かうことを決め、図14の「Yes」ボタンを押下すると、図6のステップS29に進む。
ステップS29では、現在のランドマーク位置が最終のランドマーク位置であるかが制御部CUによって判定される。そして、最終のランドマーク位置に達していない(No)と判断された場合には、ステップS30へと進み、ランドマークオフセットの更新が実行される。すなわち、検査計画において求められた各ランドマーク画像のうち、次に内視鏡プローブ3が向かうもの(次に大きいID番号を有するVE画像)が新たな目標として選定される。
一方、ステップS29において最終のランドマーク位置に達している(Yes)と判断された場合には、ステップS31へと進み、全てのLIVE画像や、これらLIVE画像に対応して求められた内視鏡プローブ3の先端の位置及び姿勢等、図13で説明した事項が最終的な検査記録(観察記録)として制御部CU内の記録部Rに自動的に保存される。
以上により、検査実施時における前記制御部の制御動作が完了する。
以上により、検査実施時における前記制御部の制御動作が完了する。
以上説明のように、この実施形態の工業用内視鏡装置1によれば、センサSEからセンサ信号を収集し、必要があれば、位置姿勢計算を行い、最終的に内視鏡プローブ3の先端部3aの位置及び姿勢を求めることができる。その結果、被観察物内における内視鏡プローブ3の先端部3aの位置及び姿勢を正確かつ容易に求めることができる。
また、LIVE画像に基づく現在観察位置の判別を観察者が行うのではなく、制御部CU側で行うものであるため、検査すべき箇所を客観的に確認することができ、これにより、検査箇所を見逃す虞を低減させることができるようになる。
したがって、被観察物内における内視鏡プローブ3自らの位置及び姿勢を見失うことなく、かつ客観的に把握することができる。これにより、検査部位に容易に達することができ、なおかつ、検査結果を客観的記録として残すことが可能となる。
また、この実施形態の工業用内視鏡装置1は、制御部CUが、前記チャート図上に設定される挿入予定経路をLCD8上に表示させる構成を採用した。
この構成によればLCD8上に表示される挿入予定経路に沿って各検査箇所の検査を行うことで、全ての検査箇所を見逃すことなく順番に検査できるようになる。したがって、熟練していない観察者であっても、熟練した観察者が行うように全ての検査箇所を見逃すことなく順番に観察することが可能となる。
この構成によればLCD8上に表示される挿入予定経路に沿って各検査箇所の検査を行うことで、全ての検査箇所を見逃すことなく順番に検査できるようになる。したがって、熟練していない観察者であっても、熟練した観察者が行うように全ての検査箇所を見逃すことなく順番に観察することが可能となる。
また、この実施形態の工業用内視鏡装置1は、制御部CUが、挿入予定経路上に設定されたランドマーク画像をLCD8に表示させる構成を採用した。
この構成によれば、各ランドマーク位置を通ったか否かをLCD8上で確認しながら検査を行うことで、挿入予定経路上における全ての検査箇所を逃さず検査したかをより確実に確認することが可能となる。また、全ての検査箇所のうちのどこまで検査できたかを確認しながら検査を行うことも可能となっている。
この構成によれば、各ランドマーク位置を通ったか否かをLCD8上で確認しながら検査を行うことで、挿入予定経路上における全ての検査箇所を逃さず検査したかをより確実に確認することが可能となる。また、全ての検査箇所のうちのどこまで検査できたかを確認しながら検査を行うことも可能となっている。
また、この実施形態の工業用内視鏡装置1は、制御部CUが、求められた内視鏡プローブ3の位置及び姿勢と挿入予定経路との比較に基づき、この内視鏡プローブ3の移動すべき方向を求めて、観察者に指示する構成を採用した。
この構成によれば、制御部CUから発せられる指示(ナビゲーションガイド情報)に従って内視鏡プローブ3を操作しながら移動させることにより、挿入予定経路から外れることなく内視鏡プローブ3を移動させることができる。したがって、制御部CUからの指示に従って内視鏡プローブ3を移動させていくことで、あたかも熟練者が操作した場合のように、挿入予定経路から外れることなく内視鏡プローブ3を移動させることが可能となる。
この構成によれば、制御部CUから発せられる指示(ナビゲーションガイド情報)に従って内視鏡プローブ3を操作しながら移動させることにより、挿入予定経路から外れることなく内視鏡プローブ3を移動させることができる。したがって、制御部CUからの指示に従って内視鏡プローブ3を移動させていくことで、あたかも熟練者が操作した場合のように、挿入予定経路から外れることなく内視鏡プローブ3を移動させることが可能となる。
また、この実施形態の工業用内視鏡装置1は、制御部CUが、被観察物内における内視鏡プローブ3の位置及び姿勢と、これら位置及び姿勢に対応するLIVE画像とを関連づけた検査記録を自動的に記録する構成を採用した。
この構成によれば、検査結果を、検査記録という客観的な記録として保存することができる。これにより、観察すべき部位を間違いなく観察したかどうかを第三者が客観的に確認することが可能となる。
この構成によれば、検査結果を、検査記録という客観的な記録として保存することができる。これにより、観察すべき部位を間違いなく観察したかどうかを第三者が客観的に確認することが可能となる。
なお、この実施形態においては、検査計画時のステップS3において作成されるチャート図(形状データ)が、被観察物の設計情報に基づいて構成された計算機モデルである場合を例に説明したが、これに限らず、以前検査した時の前記検査記録に記録された内視鏡プローブ3の位置及び姿勢と実映像とに基づいて計算機モデルを構成し、これをチャート図として採用しても良い。
また、この実施形態では、挿入予定経路上の各ランドマーク位置においてのみ(各チェックポイントにおいてのみ)、内視鏡プローブ3の位置及び姿勢を求めるものとしたが、これに限らず、常時位置及び姿勢を求めるようにする構成も採用可能である。
すなわち、図5に示した検査計画時においては、挿入開始点から最終到達点に至るまでの全経路のVE画像(仮想内視鏡の視線から見たコンピュータグラフィック画像)を作成しておき、図6に示した検査実施時においては、内視鏡プローブ3の先端の位置及び姿勢を常時センサSEによって連続して求める。すなわち、図6のステップS28では何もせずに通過し、ステップS29におけるチェックのみを行う。
この場合、常時連続して求められる内視鏡プローブ3の位置及び姿勢に基づき、挿入予定経路に正しく沿って進むことができるように、前記操作指示(カレントVE画像上の矢印による指示や音声指示等。)も併せて発することにより、より高精度かつスムーズに観察者が内視鏡プローブ3を操作することが可能となる。したがって、より高い再現性を得ることが可能となる。
また、この実施形態では、LCD8上にLIVE画像とカレントVE画像を独立表示するものとしたが、これに限らず、カレントVE画像がワイヤーフレームである場合、これをLIVE画像に重畳して表示するものとしても良い。この場合、カレントVE画像側の表示領域を省略してLIVE画像側の表示領域を広く取る事が可能となる。一方、カレントVE画像がテクスチャを有する三次元画像である場合には、これを重畳してしまうとLIVE画像が見にくくなるので、本実施形態のように個別に分けて表示するのが好ましい。
また、内視鏡プローブ3の位置及び姿勢を求める方法として、オプティカルフローを用いても良い。つまり、内視鏡動画像を基にして内視鏡画像の時系列画像を処理すると、ある時間の内視鏡画像上の座標系で見た移動速度及び移動角速度を求めることができる。この処理は、図4のCU内のオプティカルフロー処理lで行われる。この処理を繰り返し行い、求められた移動速度及び移動角速度を積分していくことで、本処理を開始した位置及び姿勢からの移動位置及び移動姿勢を得ることができる。この処理は、図4のCU内の位置姿勢計算mで行われる。
3 内視鏡プローブ
3a 先端部
8 LCD(表示部)
CU 制御部
SE センサ
3a 先端部
8 LCD(表示部)
CU 制御部
SE センサ
Claims (4)
- 撮像手段を有し被観察物内に挿入される内視鏡プローブと、該内視鏡プローブの撮像手段で撮像した映像を表示する表示部とを備えた工業用内視鏡装置において、
前記内視鏡プローブの先端部の変位量を検出するセンサと、そのセンサの検出値を基に内視鏡プローブの先端部の位置または姿勢の少なくとも一方を求める制御部と、を設けたことを特徴とする工業用内視鏡装置。 - 前記センサは、内視鏡プローブの先端部に設けられ、被検出対象となるマーカーと、被観察物の内部または外部に固定設置されて前記マーカーの変位量を検出する検出器本体と、を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の工業用内視鏡装置。
- 前記センサは、内視鏡プローブの先端部に設けられ、センサ自体の変位量を出力することを特徴とする請求項1に記載の工業用内視鏡装置。
- 前記センサは、前記撮像手段と、その撮像手段によって撮像した画像の移動量から内視鏡プローブの先端部の変位量を取得する画像変位量検出手段と、を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の工業用内視鏡装置。
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