JPH0424122Y2 - - Google Patents

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JPH0424122Y2
JPH0424122Y2 JP1986022097U JP2209786U JPH0424122Y2 JP H0424122 Y2 JPH0424122 Y2 JP H0424122Y2 JP 1986022097 U JP1986022097 U JP 1986022097U JP 2209786 U JP2209786 U JP 2209786U JP H0424122 Y2 JPH0424122 Y2 JP H0424122Y2
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oil ring
ring groove
piston
groove
oil
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、組合せオイルリングのサイドレール
が窒化処理されたものである場合、オイルリング
溝に耐摩耗処理を施した内燃機関のピストンに関
する。
〔従来の技術〕
往復動型内燃機関のピストンは、その上部に外
周に全周にわたつて延びる複数本のピストンリン
グ溝が形成され、その最も下のピストンリング溝
はオイルリング溝として用いられる。ピストンリ
ング溝のトツプリング溝およびセカンドリング溝
にはガスの吹抜けを抑制するピストンリングが嵌
入され、オイルリング溝にはシリンダボア壁面に
付着するオイルを掻き落してオイル消費を低減す
るオイルリングが嵌入される。
オイルリングには、シリンダボアへの追従性が
よいことから、屡々エキスパンダとその上下に配
設される一対のサイドレールとから成る、3ピー
スの組合せオイルリングが用いられる。3ピース
オイルリングは、実開昭60−102446号公報等に示
されており、第2図に示すように、周方向に延び
周上に1ケ所切れ目を有する、拡開のばね力を有
するエキスパンダ2と、周方向に延び周上に1ケ
所切れ目を有する板状かつ環状の一対のサイドレ
ール4,6を有する。一対のサイドレール4,6
は、その内周縁をエキスパンダ2の内周の上下に
形成された爪8,10に係合されることにより、
エキスパンダ2から拡開の力Fを受け、シリンダ
ボア12の内面に摺動自在に押しつけられる。こ
れによつてサイドレール4,6の外周縁は、ピス
トン14が往復動するときに、シリンダボア12
内面に付着しているオイルを掻き落す。エキスパ
ンダ2の爪8,10は内周に向つて斜め上下方向
に延びて傾斜されており、サイドレール4,6の
押力Fを斜め上下方向とし、これによつてサイド
レール4,6を上下方向に押す分力F1を発生さ
せ、サイドレール4,6をオイルリング溝16の
上、下面18,20に押しつけ、オイルのオイル
リング溝16内を通るバイパス通路を遮断してオ
イル消費低減作用を増している。
サイドレール4,6がオイルリング溝上下面1
8,20に対して押しつけられることにより、長
時間繰り返し使用されているうちに、オイルリン
グ溝上下面18,20に第3図に示すようなへこ
み22,24が摩耗によつて形成されてくる。サ
イドレール4,6が内周の上下面をこのへこみ2
2,24内に係合されてオイルリング溝上下面1
8,20とエキスパンダ2との間に保持される
と、エキスパンダ2の拡開力Fのうち外周方向に
向う成分F2がサイドレール4,6に作用しても、
サイドレール4,6の拡開が阻害され、サイドレ
ール4,6がシリンダボア12に十分に追従しな
くなつて、オイル消費が増加されてしまうことが
ある。
このような問題はオイルリング溝の摩耗から生
じるものである。ピストンリング溝の摩耗を低減
させる構造として、従来特開昭58−101249号公報
に示されているように、ピストンリング溝の表面
を複合材で形成する方法は知られている。しか
し、従来提案のものはオイルリング溝ではなく、
トツプリング溝、セカンドリング溝に対する摩耗
防止対策に関するものであり、手段として複合材
を用いたものである。
〔考案が解決しようとする問題点〕
従来提案の摩耗抑制は、とくに高温となるピス
トンリング溝部の熱を複合材によつて効率よくピ
ストンリングを介してシリンダボアに逃がし、温
度を軽減することによつて達成したものである。
これに対し、オイルリング溝近傍はトツプリン
グ近傍程高温にならず、摩耗防止には低温化より
むしろオイルリング溝表面の硬化が達成されるこ
とが望ましい。しかし、オイルリング溝表面は、
硬ければ硬い程良いというものではなく、従来の
硬化処理を施さないオイルリングであれば、オイ
ルリング溝表面にも硬化処理を施さない方がよ
い。そうでなければ、オイルリング自体が摩耗
し、機能しなくなるからである。したがつて、従
来はオイルリング溝に対してはAC8A,AC8P,
AC8B等のピストン用アルミニウム合金を溝加工
したままで、何の硬化処理も施していない。しか
し、表面硬度の高い窒化サイドレールを用いたと
きはピストン・オイルリング溝摩耗がとくに問題
となり、オイルリング溝表面の硬化が必要とな
る。オイルリング溝表面を硬くする手法として
は、表面酸化メツキが考えられるが、メツキはマ
スキングの必要性、また、硬度が非均一になりや
すい等に、コスト、品質上の問題を生じる。
本考案は、アルミニウム合金から成る内燃機関
のピストンにおいて、オイルリング溝に、窒化処
理されたサイドレールをもつ3ピースオイルリン
グが嵌入されたときでも、摩耗によつてへこみが
生じないようにオイルリング溝表面を硬化し、そ
れによつてオイルリングのサイドレールのシリン
ダボアへの追従性を向上し、円滑なオイルリング
の働きを促進させることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本考案の内燃機関の
ピストンは、次のピストンからなる。すなわち、 ピストンの全周にわたつて延びるオイルリング
溝を有し、該オイルリング溝にエキスパンダと該
エキスパンダの上下に配設される窒化処理が施さ
れた一対のサイドレールとから成る組合せオイル
リングが嵌入される、アルミニウム合金から成る
内燃機関のピストンであつて、オイルリング溝の
溝底面を半径方向外方に向つて凹状に湾曲面とな
し、前記オイルリング溝の上下面を機械加工し上
下面間隔を所定寸法より小に加工した後前記所定
寸法の直径をもつボールをオイルリング溝に埋込
み溝上下面のうちサイドレールの内周より小半径
の位置と溝外周との間の部分の表面部分のみをロ
ール加工したことを特徴とする内燃機関のピスト
ン。
〔作用〕
上記のように構成した本考案の内燃機関のピス
トンにおいては、ロール加工の加工硬化により、
アルミニウム母材の硬度(ヴイツカース硬さにし
てHv=125程度)のものがHv=200程度迄上げら
れるため、耐摩耗性がよく相手攻撃性のある窒化
レールと組み合せても溝摩耗が大幅に軽減され
る。したがつて、従来のように使用期間中に、オ
イルリング溝表面に摩耗によるへこみは生じにく
い。しかも硬化溝表面は、摩擦係数が小さいので
サイドレールを円滑に滑らせる。これらの作用に
よつてサイドレールのシリンダボアへの追従性を
向上させ、サイドレールによるオイル掻き落しを
促進させ、オイル消費の低減を促進させることが
できる。また、オイルリング溝表面部分のみの加
工硬化であるから、寸法精度の要求されるピスト
ンにゆがみを生じさせない。さらに、オイルリン
グ溝底面を凹状湾曲面としたからボールによるロ
ール加工が可能であり、加工が容易である。
〔実施例〕
以下に、本考案に係る内燃機関のピストンの望
ましい実施例を、図面を参照して説明する。
第1図は本考案の内燃機関のピストンのオイル
リング溝とその近傍の構造を示している。図にお
いて、従来構造に準じる構造を有する部分には第
2図および第3図と同一の符号を第1図の部材に
付すことにより重複説明を省略し、従来と異なる
部分についてのみ説明する。
アルミニウム合金から成るピストン14のオイ
ルリング溝16の表面には、少なくともその上下
面18,20のうち、サイドレール4,6と接触
する部分に、ロール加工による表面硬化処理が施
されている。硬化処理は、オイルリング溝16の
表面を所定の寸法より小さく加工しておき(第1
図の2点鎖線)、所定の溝上下面間隔に等しい直
径を有するボールベアリングのボール30等でロ
ール加工をして所定の寸法に仕上げる。ロール加
工のため、周方向に均一な硬さに加工でき、ボー
ル径を選定することにより自在に硬度を選定でき
る。ロール加工する範囲は、サイドレール4,6
内周より小半径の位置迄加工する。オイルリング
溝16の底面28は、ボール30が干渉しないよ
うに、ピストン半径方向内側に向つて断面半円状
にへこまされている。
ロール加工によつて硬度は、Al母材のHv=
125程度にくらべてHv=200程度に上げられる。
かつロール加工による硬化層26は、硬度の上昇に
よつてオイルリング溝16の表面を、耐摩耗性、
摺動性が良好な表面とする。
上記のように構成された内燃機関のピストンに
おいては、ロール加工による硬化層26の硬度が
Hv=200程度と高いため、サイドレール4,6に
窒化処理を施したものを使用してもオイルリング
溝16には摩耗によつてへこみ22,24(第3
図にみられる)は生じにくく、かつ摺動性もよい
ので、サイドレール4,6のシリンダボア12へ
の追従性の悪化は防止される。これによつてオイ
ル消費がエンジン運転中に悪化していくことが防
止される。
〔考案の効果〕
本考案の内燃機関のピストンによれば、アルミ
ニウム合金から成るピストンのオイルリング溝に
ボールを利用したロール加工による周方向に均一
な硬化層を形成したので、オイルリングのサイド
レールに窒化サイドレールを使用しても、オイル
リング溝に摩耗が生じにくく、オイルリング溝が
摩耗したときに生じるおそれのあるサイドレール
のシリンダボアへの追従性の悪化を防止でき、オ
イル消費の低減をはかることができる。また、ロ
ール加工はオイルリング溝表面部分にのみ施すの
で寸法精度が要求されるピストンに有害なゆがみ
を生じさせることはない。また、オイルリング溝
の溝底面を半径方向外方に向つて凹状の湾曲面と
したので、ロール加工にボールを利用でき、ロー
ル加工を容易にかつ低コストで実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る内燃機関のピストンのオ
イルリング溝とその近傍の断面図、第2図は従来
のピストンのオイルリング溝とその近傍の断面
図、第3図は従来のピストンのオイルリング溝の
摩耗後の断面図、である。 2……エキスパンダ、4,6……サイドレー
ル、12……シリンダボア、14……ピストン、
16……オイルリング溝、18,20……オイル
リング溝の上、下面、22,24……へこみ、2
6……ロール加工による硬化層、30……ボール
ベアリングのボール。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ピストンの全周にわたつて延びるオイルリング
    溝を有し、該オイルリング溝にエキスパンダと該
    エキスパンダの上下に配設される窒化処理が施さ
    れた一対のサイドレールとから成る組合せオイル
    リングが嵌入される、アルミニウム合金から成る
    内燃機関のピストンであつて、オイルリング溝の
    溝底面を半径方向外方に向つて凹状に湾曲面とな
    し、前記オイルリング溝の上下面を機械加工し上
    下面間隔を所定寸法より小に加工した後前記所定
    寸法の直径をもつボールをオイルリング溝に埋込
    み溝上下面のうちサイドレールの内周より小半径
    の位置と溝外周との間の部分の表面部分のみをロ
    ール加工したことを特徴とする内燃機関のピスト
    ン。
JP1986022097U 1986-02-20 1986-02-20 Expired JPH0424122Y2 (ja)

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JP1986022097U JPH0424122Y2 (ja) 1986-02-20 1986-02-20

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JP1986022097U JPH0424122Y2 (ja) 1986-02-20 1986-02-20

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JPS62135849U JPS62135849U (ja) 1987-08-26
JPH0424122Y2 true JPH0424122Y2 (ja) 1992-06-05

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5343465A (en) * 1976-10-01 1978-04-19 Toshiba Corp Relay contact monitor unit
JPS5823172A (ja) * 1981-11-19 1983-02-10 松下電工株式会社 配線器具

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5343465A (en) * 1976-10-01 1978-04-19 Toshiba Corp Relay contact monitor unit
JPS5823172A (ja) * 1981-11-19 1983-02-10 松下電工株式会社 配線器具

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JPS62135849U (ja) 1987-08-26

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