JPH04240643A - 熱現像方法 - Google Patents

熱現像方法

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JPH04240643A
JPH04240643A JP2143691A JP2143691A JPH04240643A JP H04240643 A JPH04240643 A JP H04240643A JP 2143691 A JP2143691 A JP 2143691A JP 2143691 A JP2143691 A JP 2143691A JP H04240643 A JPH04240643 A JP H04240643A
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JP
Japan
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temperature
section
heating
heating means
photosensitive material
Prior art date
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Withdrawn
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JP2143691A
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English (en)
Inventor
Masaru Tsuchiya
勝 土屋
Keiji Obayashi
啓治 大林
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、像様露光後の熱現像感
光材料を迅速かつ高精度に加熱現像する熱現像方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱現像感光材料を加熱して拡散性色素を
生成させ、この拡散性色素を受像材料に転写させること
によりカラー画像を得る熱現像転写方式については、す
でに多くの技術開示があり、例えば特開平1−1938
44号、特開昭63−316848号および特開平1−
88543 号等公報には、熱現像転写方式に用いる熱
現像感光材料および受像材料が記載されている。
【0003】これらの熱現像感光材料の処理工程におい
ては、処理が高温下で行なわれるために、材料の種類、
サイズ、含水量等の変化、現像部および現像部を内蔵し
た処理装置の内外温度、湿度等の影響により現像性が不
安定になりやすい。
【0004】更に、最近求められている迅速処理に対応
させるため、初期の現像温度を高目に設定したり、また
処理温度を現像温度よりも高目に設定して処理時間を短
くする方法では、迅速化への寄与が小さいばかりか、長
時間の連続処理において、カブリの発生、感度や階調等
の変動が著しく、現像性のバラツキが発生しやすい。
【0005】一般に加熱方式には、遠赤外線加熱法、マ
イクロ波加熱法、通電加熱法、熱風循環法、超音波加熱
法などの方式があり、これら種々の加熱方式は各々多く
の利点と欠点を合わせ持っている。
【0006】遠赤外線加熱法は、赤外線の放射により被
加熱体の分子運動を励起させて加熱に利用する方法であ
り、例えば特開昭61−196244号公報に記載され
ている。 この公報には、平行状に対向した一対のセラミックヒー
ターと搬送ローラーからなり、熱現像感光材料がセラミ
ックヒーター内に収納された時、搬送を停止し、セラミ
ックヒーターに通電を開始して静止状態の熱現像感光材
料を加熱する熱現像装置が開示されている。
【0007】しかしながら、このように熱現像感光材料
を静止後、ヒーターに通電を開始したのでは、迅速な加
熱処理ができないばかりか、ヒーターのON/OFF間
隔によっては、セラミックヒーター面の温度や外気の影
響により現像性が変動しやすく、処理安定性に欠けるこ
とが判明した。また、ランニング処理量の低下による製
品処理のコストアップが予測され好ましくない。
【0008】マイクロ波加熱法は、いわゆる高周波を被
加熱体に放射して加熱するものであり、うず電流を発生
させて加熱する誘導加熱方法および誘電体に誘電損失を
生じさせて加熱する誘電加熱方法がある。
【0009】上記マイクロ波加熱法のうち誘導加熱方法
は、被加熱体の一部にカーボンブラック層のような導電
性層を設け、これにマイクロ波を作用させてウズ電流を
発生させて加熱する方式であり、例えば特開昭51−9
833号および特開昭62− 39857号公報に記載
されている。
【0010】一方マイクロ波加熱法のうち誘電加熱方法
は、水が被加熱体に含まれている場合に好ましく適用さ
れ、例えば特開昭63−316848号公報に記載され
ているように水を塗布して加熱現像を行なう方式に好ま
しく用いられる。
【0011】マイクロ波加熱法は、被加熱体の昇温速度
が著しく速い点に特徴があるが、雰囲気温度がほとんど
上昇せず、かつ被加熱体からの放熱、対流による影響が
大きいため、高精度の温度制御を一定時間保持するのは
非常に困難であり、また装置が複雑化、大型化するとい
う大きな欠点を有する。
【0012】通電加熱法は、被加熱体に設けられた導電
発熱層に電極を用いて直接通電して加熱する方法であり
、特開昭59− 77442号、特開昭60−1359
47号および実開昭61− 76441号公報等に記載
されている。
【0013】通電加熱法は、被加熱体の昇温速度が著し
く速く、電力を加熱に変換する熱効率にも優れているが
、導電発熱層の抵抗値のバラツキや、雰囲気温度がほと
んど上昇せず、放熱等による影響が大きいという上記マ
イクロ波加熱法と同様の欠点を有している。
【0014】また、本発明者らは、予備加熱手段として
通電加熱方法を用い、主加熱手段として通電加熱方法よ
りも昇温速度の遅い異なる加熱手段を用いて加熱処理す
ることにより、転写ムラを防止し、処理速度を早める方
法について提案している(特開昭63− 96659号
公報参照)。ここに、主加熱手段としては、具体的には
ベルトで挟持して加熱する方式、ヒートブロックにより
加熱する方式および熱風で加熱する方式等いわゆる伝熱
により加熱する方式を提案している。
【0015】しかしながら、この方法では、迅速な処理
ができかつ転写ムラの防止には著しい効果が得られるも
のの、昇温部の通電加熱時に、導電発熱層の塗布ムラや
カール等に起因する電極ローラーと導電発熱層の接触抵
抗値の変動による現像性の変動が大きく、恒温工程とし
て熱風循環法や熱ドラム等の熱伝達による加熱方式を採
用する場合には、現像性の変動に追随しきれず、処理性
能が安定して得られるという高精度の加熱現像性を必要
とする近年の要望に対しては不充分であることが判明し
た。
【0016】このように、迅速短時間の加熱処理を安定
して行い、かつ高精度の加熱現像性を得るという、2つ
の特性を同時に満足する高温加熱処理を行なうことは従
来の熱現像方法では困難であった。
【0017】熱風循環法は、循環する空気をヒーター等
で高温に加熱し、被加熱体に吹き付けて加熱する方式で
あり、例えば特開昭61− 35448号公報に提案さ
れている。熱風循環法は、被加熱体の昇温速度は比較的
遅いものの昇温速度、温度の安定性が比較的よい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、熱現像感
光材料の加熱処理を迅速でかつ高い現像精度で行なうこ
とができる熱現像方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、支
持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀およびバインダ
ーを有する熱現像感光材料を、像様露光後または像様露
光と同時に加熱して熱現像する熱現像方法において、予
め設定された現像温度まで急速に加熱する昇温部と、予
め設定された現像温度に対し一定温度範囲内に保持され
た恒温部と、前記昇温部における熱現像感光材料の最高
到達温度が恒温部の予め設定された現像温度に対し一定
の範囲内の温度になるように制御する温度制御手段とを
有してなる熱現像装置により熱現像することを特徴とす
る熱現像方法により達成される。
【0020】また、昇温部における熱現像感光材料の最
高到達温度が恒温部の予め設定された現像温度に対し−
20℃以上+10℃以下の範囲内の温度に制御されてい
ることが好ましく、更に、昇温部における熱現像感光材
料の最高到達温度が恒温部の予め設定された現像温度に
対し−10℃以上+5℃以下の範囲内の温度に制御され
ていることが好ましい。
【0021】また、本発明の熱現像方法における加熱手
段は、昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法による加熱
手段であり、恒温部の加熱手段が熱風循環法による加熱
手段であることを特徴としている。
【0022】また、本発明の熱現像方法における加熱手
段は、昇温部の加熱手段が遠赤外線加熱法による加熱手
段であり、恒温部の加熱手段が熱風循環法による加熱手
段であることを特徴としている。
【0023】また、本発明の熱現像方法における加熱手
段は、昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法による加熱
手段であり、恒温部の加熱手段が遠赤外線加熱法による
加熱手段であることを特徴としている。
【0024】また、本発明の熱現像方法における加熱手
段は、昇温部の加熱手段が通電加熱法による加熱手段で
あり、恒温部の加熱手段が遠赤外線加熱方法による加熱
手段であることを特徴としている。
【0025】また、本発明の熱現像方法における加熱手
段は、昇温部の加熱手段と恒温部の加熱手段が共に遠赤
外線加熱法による加熱手段であることを特徴としている
【0026】以下、本発明について具体的に説明する。 本発明の熱現像方法は、熱現像感光材料単独の加熱処理
および熱現像感光材料と色素固定材料である受像材料の
加熱処理に適用でき、加熱工程が、被加熱体である熱現
像感光材料の最高温度を制御しながら急速に加熱する昇
温部と、予め設定された現像温度に対し一定温度範囲内
に保持された恒温部とからなる熱現像装置により行なわ
れることを特徴としている。
【0027】本発明に用いる熱現像装置は、昇温部に搬
入された熱現像感光材料の最高到達温度が予め設定され
た現像温度に対し一定の範囲内の温度になるように制御
する手段を有しており、次の工程である恒温部において
、昇温部から搬入された熱現像感光材料による温度の変
動を最小限度に押さえることができる。
【0028】昇温部では、昇温部の入口および出口にお
ける熱現像感光材料の温度、昇温部内外の温度および熱
現像装置が組み込まれた画像形成装置の外気温を温度セ
ンサにより検出し、これらの温度をフィードバックして
昇温部における熱現像感光材料の加熱条件を制御する。
【0029】ここに、温度センサとしては、白金抵抗体
、各種サーミスタ、各種熱電対、感温フェライト、磁性
合金、IC温度センサなどの各種接触型の温度センサの
他、ボロメータ、サーモパイル、焦電センサ、光導電形
および光起電力形タイプなど物体の放射エネルギー(主
に赤外線)や輝度の測定により温度を検出する各種非接
触型の温度センサを使用する測定条件に応じて選択する
ことができる。
【0030】また、昇温部が外気や材料の湿度による影
響を受けやすい場合には、昇温部の温度制御をより確実
なものとするために、MgCr2 O4 −TiO2 
、TiO2 −V2 O5 、Al2 O3 等のセラ
ミック湿度センサ、吸湿性樹脂−カーボンブラック分散
系、導電性高分子等の高分子湿度センサ、サーミスタ等
による熱伝導式湿度センサ、誘電体基板によるマイクロ
波水分センサなどの各種湿度センサによる検出値をフィ
ードバックして、昇温部における昇温が遅れないように
制御したり、予備加熱部を昇温部の前段に設け、温度お
よび/または加圧力を制御して、昇温工程への影響が最
小限になるようにすることが好ましい。
【0031】昇温部の温度制御は、搬送される熱現像感
光材料の最高到達温度が、恒温部の予め設定された現像
温度に対し−20℃以上+10℃以下の範囲内となるよ
うに制御することが好ましく、更に好ましくは−10℃
以上+5℃以下、特に好ましくは−3℃以上+3℃以下
の範囲である。
【0032】昇温部における搬送時間は、恒温部におけ
る搬送時間の1/2以下であることが好ましく、更に好
ましくは1/3以下である。
【0033】本発明に用いる熱現像装置における恒温部
は、予め設定された熱現像温度に対し、一定範囲内に高
精度に保持されており、恒温部の入口および出口におけ
る熱現像感光材料の温度、恒温部内外の温度を温度セン
サにより検出し、これらの温度をフィードバックして恒
温部における熱現像感光材料の加熱条件を制御する。恒
温部における加熱温度は、予め設定された現像温度に対
し±5℃以内で制御されていることが好ましく、更に好
ましくは±3℃以内、特に好ましくは±2℃以内である
【0034】本発明に用いる熱現像装置における昇温部
および恒温部は、内部温度の安定化のために、全体が断
熱材等で保護されたケーシングに囲まれており、1つの
ケーシングの内部に昇温部と恒温部を境界壁なしに順次
連続して設置したり、昇温部と恒温部を境界壁で分割し
て設置することもできる。昇温部と恒温部を別のケーシ
ングとした場合には、各々のケーシングが連続的につな
がっていても、一定の距離をおいて設置されていてもよ
い。また、各々のケーシングの内部が更に2つ以上の部
屋に分割されていてもよい。これら昇温部と恒温部の構
成は加熱方式、熱現像感光材料の種類、加熱パターン等
により任意に設定できる。
【0035】以上の説明から明らかなように、本発明の
熱現像方法においては、温度制御された昇温部および恒
温部で構成された熱現像装置により熱現像が行なわれる
。更に、この熱現像装置の加熱手段として、各々の工程
に適した加熱手段を用いることにより、加熱処理が一層
の迅速に行なわれ、一層高い精度の現像性を達成するこ
とができる。本発明に用いる熱現像装置において、昇温
部の加熱手段と恒温部の加熱手段の好ましい組み合わせ
として、以下の5通りの組合せを挙げることができ、そ
れぞれの目的に合った手段を選択することができる。 ■昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法による加熱手段
であり、恒温部の加熱手段が熱風循環法による加熱手段
であるもの。■昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法に
よる加熱手段であり、恒温部の加熱手段が遠赤外加熱法
による加熱手段であるもの。上記■または■の組み合わ
せである場合には、著しい迅速化処理と高い精度の現像
性が可能となるとともに、装置のメンテナンスがほとん
ど不要となる。■昇温部の加熱手段が通電加熱法による
加熱手段であり、恒温部の加熱手段が遠赤外加熱法によ
る加熱手段であるもの。上記■の組み合わせである場合
にも、著しい迅速化処理と高い精度の現像性が可能にな
り、かつ装置の簡易化、コンパクト化が可能となる。■
昇温部の加熱手段が遠赤外加熱法による加熱手段であり
、恒温部の加熱手段が熱風循環法による加熱手段である
もの。■昇温部の加熱手段と恒温部の加熱手段が共に遠
赤外線加熱法による加熱手段であるもの。上記■または
■の組み合わせである場合には、高い精度の現像性およ
び装置の低コスト化、コンパクト化およびメンテナンス
の容易化が可能となる。
【0036】次に各加熱方式について詳細に記載する。 赤外線加熱法は、赤外線の放射により被加熱体の分子運
動を励起させて温度上昇に利用する加熱方法である。赤
外線の波長域については種々の区分がされており、統一
されていないのが実情であるが、通常は1μm以上、本
発明で用いられる場合の波長域としては2〜3μmが好
ましい。一般に遠赤外線は4μm以上の波長域として区
分されるが、主波長を中心として波長域に分布を有する
ため、本発明で用いる遠赤外線にも4μm未満の波長成
分が含まれることがある。
【0037】赤外線の放射手段としては、放射体に直接
通電し、その抵抗発熱により赤外線を放射するものとし
てタングステン、タンタル、炭素など(例えば赤外電球
)、ニクロム、カンタルなど(例えばストーブなどの電
熱器)、炭化ケイ素、2−ケイ化モリブデン、クロム酸
ランタンなど(例えばグローバ)、酸化ジルコニウム、
酸化イットリウム、酸化トリウムの混合体(例えばネル
ンスト・グロア)などを挙げることができる。また、放
射体に近設された抵抗発熱体に通電し、その発熱を放射
体に伝熱することにより赤外線を放射するものとして銅
、ステンレス、ニッケルなど(例えばシーズヒーター)
、溶融シリカ、溶融石英、カルサイト、ニオブ酸リチウ
ム、アルミン酸カルシウムガラス、酸化チタン、チタン
酸ストロンチウム、アルミナ、サファイア、フッ化リチ
ウム、フッ化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化マ
グネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫化
ヒ素ガラス、硫化亜鉛、フッ化ナトリウム、ケイ素、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、フッ化鉛、硫化カドミウム、セ
レン化亜鉛、ゲルマニウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化銀、塩化タリウム、テルル化カドミウム、塩
臭化タリウム、臭化カリウム、臭化銀、臭化タリウム、
ヨウ化カリウム、臭ヨウ化タリウム、臭化セシウム、ヨ
ウ化セシウムなどを含有する各種セラミックス(例えば
これらを表面溶射した遠赤外線ヒーターなど)、また、
放射体を電極としてアーク放電を起こし、プラズマ気体
の電極衝撃などによるエネルギーで加熱するものとして
炭素など(例えばカーボンアークランプなど)が知られ
ている。これらの中では、熱的、化学的、物理的な面で
安定であり、機械的強度、電気絶縁性、熱伝導率に優れ
、かつ安価で遠赤外線の放射効率がよいセラミックを用
いることが好ましい。このセラミックスの実用例として
は、面状、管状のヒーター表面やハロゲンランプのガラ
ス表面にセラミックス層を塗布あるいは溶射などの方法
で形成し、電力、ガス等によりヒーターを加熱して赤外
線を放射させたり、セラミックスと導電性物質を混練後
、面状、管状あるいはハニカム状等に押し出し成型、焼
成して得られたセラミックス導電体に通電して赤外線を
放射させ得るもの等が製品化されている。
【0038】図1に面状セラミックヒーターの具体例の
断面図を示す。面状セラミックヒーター1は、セラミッ
ク板2と、これに内蔵された例えばニクロム線よりなる
発熱体3とからなり、電源5から配線4を通じて電流を
供給することにより、発熱体3が発熱し、その熱により
セラミック板2から主に遠赤外線が放射されて被加熱体
6を加熱する。ここで、被加熱体の赤外線吸収波長およ
び吸収量は物質によって異なるため、被加熱体の赤外線
吸収の波長依存性に適した赤外線ヒーターを選択するか
、あるいは赤外線ヒーターの波長特性に適した吸収特性
を有する被加熱体を選択することが好ましい。遠赤外線
加熱法においては、ヒーター面の温度が雰囲気温度によ
って影響を受けやすいため、温度センサで適宜モニター
すると共に、空気循環ファンにより、ケーシング内の温
度をできるだけ均一に保持することが好ましい。
【0039】マイクロ波加熱法は、電磁波のうち周波数
約 300MHz〜約30GHzの範囲を利用し、分子
運動と誘電体物質内部のイオン伝導による発熱を利用す
る加熱方法である。マイクロ波加熱法では、マイクロ波
の発振器として主にマグネトロンを使用し、発生したマ
イクロ波を導波管等によりケーシング内に導いた後、内
壁および電波攪拌器によって乱反射をくり返させ、搬入
された熱現像感光材料にそのエネルギーを吸収させるこ
とにより発熱させる。マイクロ加熱装置の具体例として
、図2にオーブン型の装置の断面図、図3にスロット導
波管型の装置の斜視図を示す。
【0040】図2に示すオーブン型の装置は、装置本体
7に導波管9を通じて発振器8が設置されており、発振
器8から発生したマイクロ波は導波管9を通って装置本
体7内に導びかれ、内壁で反射しながらトレイ10上の
被加熱物6を加熱する。11は効率よくマイクロ波を攪
拌するためのファン11である。
【0041】図3に示すスロット導波管型の装置は、導
波管本体12の中心付近に被加熱体6を通過させるスロ
ット13を有する構造となっている。導波管本体12は
多数の導波管を折り曲げ、スロット13付近に電界を集
中させるように構成されており、被加熱体6はスロット
13を通過することにより、シート状の被加熱体であっ
ても強い電界内で効率のよい加熱が行なわれる。被加熱
体6として熱現像感光材料を用いる場合、マイクロ波が
吸収されやすいように、マイクロ波を吸収してうず電流
を生じやすい物質、例えばカーボンブラックなどを添加
あるいはコーティングすることが好ましい。特に、カー
ボンブラックをゼラチン等のバインダーと共に例えばバ
ッキング層として設けた場合、吸収効果が著しいものと
なる。この場合のカーボンブラックの付量は0.01〜
50g/m2 の範囲とされ、好ましくは 0.1〜3
0g/m2 の範囲であるが、加熱条件により適宜調整
することができる。
【0042】マイクロ波はケーシング外に漏れるとCR
Tなどへの電波障害を引き起こすので、ケーシングの熱
現像感光材料の出入口にはマイクロ波を反射する物質、
例えば金属製、テフロン製、ポリスチレン製、石英製な
どのカーテンやシャッターを設けることが好ましい。
【0043】通電加熱法は、カーボンブラック、導電性
樹脂などの導電性物質が内部に添加され、あるいは支持
体中や支持体上に導電性物質をコーティングされた被加
熱体を、少なくとも一対の電極に直接通電することによ
り加熱する方法である。ここで用いる電極としては、角
型等であってもよいが、熱現像感光材料を搬送しながら
通電するためには、円形状の電極ローラーを搬送方向と
直交するように配置することが好ましい。また、電極と
導電性物質の密着を確実なものとするため、電極の反対
側にはローラーや板等のバックアップ材を設けて加圧す
ることが好ましい。
【0044】図4は通電加熱手段の一例を示す斜視図で
あり、通電加熱手段15は、円型の電極ローラー16a
,17a と、それに対向する一対の付勢(図示省略)
されたバックアップローラー16b,17b とからな
り、電極ローラー16a,17a には電源18が配線
19でつながれている。被加熱体6の電極ローラー16
a,17a 側には、導電発熱体層(図示省略)が設け
ており、被加熱体6は加圧挟持搬送されながら、電極ロ
ーラー16a,17a 間で通電加熱処理される。 導電性物質の付量は0.01〜50g/m2 、好まし
くは 0.1〜30g/m2 であり、導電性物質を支
持体の裏面にコーティングして導電発熱層として用いる
場合には、バインダー中に導電性物質を分散させて層を
形成するのが好ましい。この場合、バインダーは、ゼラ
チン等の親水性バインダーでも、ポリカーボネート等の
疎水性バインダーでもよいが、含水量の変動による導電
発熱体層の抵抗値の変動を考慮すれば疎水性バインダー
が好ましい。また、バインダーは導電性ができるだけ高
いものが好ましく、例えばフェノール系樹脂、シリコン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを挙げることがで
きる。バインダーの付量は特に制限がないが、導電発熱
体層のヒビ割れ、折れなどを考慮すれば、導電性物質に
対し0.5 倍以上の比率となることが好ましく、更に
好ましくは1倍以上である。
【0045】熱風循環法は、循環する空気を電熱ヒータ
ー等の電源に通過させて熱風を発生させ、発生した熱風
を直接、被加熱体に接触させて加熱させる方法である。
【0046】図5は熱風循環法による加熱手段の一例を
示す断面図である。熱風循環装置20において、ニクロ
ム線21と送風ファン22により発生した熱風は、ケー
シング内に送り込まれ、被加熱体6に吹き付けられて被
加熱体6を加熱する。熱風は循環路23を通って吹出口
に戻って再加熱され、これにより、効率的な加熱を行う
ことができる。熱風循環法においては、ケーシングの密
閉度を高めるとともに断熱を十分に行い、ケーシングの
出入口面積は最小限にし、かつ断熱材料によるカーテン
、シャッター等を設けることが好ましい。
【0047】また、被加熱体と熱風の接触効率を高め、
ケーシング内における熱風の偏流を起こさないために、
偏流や対流の発生しやすい場所に温度センサを取り付け
、温度センサからの検出温度をフィードバックしてケー
シング内に設けられたファンによって空気を攪拌したり
、熱風の吹き出し口付近に板状の壁を設けて熱風がケー
シング内に均一に流れるようにすることが好ましい。
【0048】
【発明の効果】本発明の熱現像方法においては、加熱手
段が予め設定された現像温度まで急速に加熱する昇温部
と、予め設定された現像温度に対し一定温度範囲内に保
持された恒温部とに分割され、かつ昇温部における熱現
像感光材料の最高到達温度が恒温部の予め設定された現
像温度に対し一定の範囲内の温度になるように制御する
温度制御手段を有してなる熱現像装置により熱現像する
ため、熱現像感光材料は昇温部で迅速かつ精度よく昇温
し、昇温後、安定制御された恒温部に搬入される。この
ため、材料差や外気による温度変動に起因する現像性の
バラツキが小さくて、迅速かつ高精度に制御された加熱
処理が可能となる。
【0049】
【実施例】以下本発明の熱現像方法に用いられる熱現像
装置およびこの熱現像装置を内蔵してなる画像記録装置
について図面に基づいて説明する。
【0050】図6は、昇温部25にマイクロ波加熱法に
よる加熱手段、恒温部26に熱風循環法による加熱手段
を用いた熱現像装置24の実施態様である。前段部(図
示省略)で像様露光された長尺状の熱現像感光材料P(
以下「感光材料P」という)は、熱現像感光層を上向き
に、カーボンブラックを含有するバッキング層を下向き
にして、まず昇温部25に搬送される。
【0051】昇温部25においては、マグネトロン発生
器28より発生したマイクロ波が導波管29を通って外
部を断熱材で囲まれたケーシング内に放射され、ケーシ
ング内壁の反射とファン30により攪拌されて感光材料
Pを 150℃±5℃まで急速かつ均一に加熱する。感
光材料Pは約5秒間で昇温部25を通過する。
【0052】昇温部25における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ37(恒温部
入口)により検出された感光材料Pの表面温度、本実施
態様の熱現像装置24を内蔵してなる画像記録装置(図
示省略)の内部温度および外気温度を制御部(図示省略
)にフィードバックしてマグネトロン発生器28の出力
を調整することによって行なう。
【0053】また、この熱現像装置24には、マイクロ
波が漏れることによる電波障害を防ぐため昇温部25の
出入口および恒温部26の出口部分に感光材料Pの表面
に接するように配置された複数枚から構成されたテフロ
ン製反射カーテン31と、昇温部25内の反射電波の恒
温部26への侵入量を減ずるテフロン製の突出し壁32
とが設けられており、これらによりマイクロ波が熱現像
装置24外に漏れることが防止される。
【0054】昇温部25で一定温度範囲内に加熱された
感光材料Pは、次いで外部を断熱材で囲まれた恒温部2
6に搬入される。恒温部26において、発熱したニクロ
ム線よりなるヒーター33で加熱された空気は循環ファ
ン34により送風され、発生した熱風(150 ℃±1
℃に設定)が恒温部26内の吹き出し口から感光材料P
の両面に吹き付けられ、これにより熱現像を行なわれる
。その後、熱風は熱風循環路35により循環ファン34
へ戻され再加熱循環される。
【0055】恒温部26における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ37(恒温部
入口)、温度センサ38(恒温部出口)により検出され
た感光材料Pの表面温度、温度センサ39により検出さ
れた熱風送風口の温度、温度センサ40により検出され
た熱風循環路35の温度、本実施態様の熱現像装置24
を内蔵してなる画像記録装置(図示省略)の内部温度お
よび外気温度をそれぞれ制御部(図示省略)にフィード
バックしてヒーター33に供給する電流を調整すること
で行なう。このため、恒温部26内の熱風は 150℃
±1℃以内の高精度で維持され、感光材料Pは約55秒
間均一に熱現像された後、次工程へ搬送される。
【0056】図7は、昇温部42にマイクロ波加熱法(
スロット導波管型)による加熱手段、恒温部43に遠赤
外線加熱法による加熱手段を用いた熱現像装置41の実
施態様である。図6で用いたものと同様の感光材料Pは
、前段部(図示省略)で像様露光された後、断熱材で囲
まれた昇温部42に搬入される。昇温部42はシート状
の被加熱体を効率よくマイクロ波加熱するためのスロッ
ト導波管室42aと、独立したセンサ室42bとからな
り、マグネトロン発生器44から発生したマイクロ波は
、スロット導波管室42a内の感光材料Pの通過面に強
い電界を発生させ、効率よく感光材料Pを 150℃±
5℃まで昇温させる。感光材料Pは約4秒間で昇温部4
2を通過する。
【0057】昇温部42における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ47(昇温部
出口)、温度センサ38(冷却室入口)により検出され
た感光材料Pの表面温度、本実施態様の熱現像装置41
を内蔵してなる画像記録装置(図示省略)の内部温度お
よび外気温度をそれぞれ制御部(図示省略)にフィード
バックして、マグネトロン発生器44の出力を調整して
行なう。 この熱現像装置41においても、マイクロ波の漏れによ
る電波障害を防ぐため、前記熱現像装置24と同様に、
昇温部42の出入口、恒温部43の出口および後述する
遠赤外線加熱室43aの出口部分にテフロン製反射カー
テン31が設けられ、昇温部42および遠赤外線加熱室
43aの出口部分にテフロン製の突出し壁32が設けら
れている。
【0058】昇温部42で一定温度範囲内に加熱された
感光材料Pは、次いで断熱材で囲まれた遠赤外線加熱室
43aと冷却室43bとからなる恒温部43に搬入され
る。恒温部43の遠赤外線加熱室43aは、ニクロム線
(図示省略)により内部から加熱される上下で対向する
一対のセラミック製の遠赤外線ヒーター45を有してお
り、各遠赤外線ヒーター45の裏面には断熱材(図示省
略)が設けられている。これにより、感光材料Pは 1
50℃±1.5 ℃で約56秒間加熱される。
【0059】恒温部43における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ47(昇温部
出口)、温度センサ38(冷却室入口)により検出され
た感光材料Pの表面温度、温度センサ48により検出さ
れた遠赤外線ヒーター45の表面温度、図示しない側面
壁に取付けられた温度センサ49により検出された雰囲
気温度、本実施態様の熱現像装置41を内蔵してなる画
像記録装置(図示省略)の内部温度および外気温度をそ
れぞれ制御部(図示省略)にフィードバックして遠赤外
線ヒーター45に供給する電流を調整して行なう。
【0060】遠赤外線加熱室43aで加熱現像された感
光材料Pの感光層(上面)側表面は高温状態でベトつい
ているため、この状態でテフロン製反射カーテン31と
接触させると接触キズ等が発生するおそれがあるが、恒
温部43には送風ファン46を有する冷却室43bが設
けられており、この冷却室43bを通過した感光材料P
はベトつきのない状態で排出されるため、接触キズ等の
発生を防止することができる。
【0061】図8は、昇温部49に通電加熱法による加
熱手段、恒温部50に遠赤外線加熱法による加熱手段を
用いた熱現像装置48の実施態様である。本実施態様で
用いられる感光材料Pは感光層を下向きに、導電性カー
ボンブラックと導電性樹脂とからなるバッキング層を上
向きにして搬送される。昇温部49において、感光材料
Pは電極ローラー51a,52aと、これに対向配置さ
れた付勢手段 51c,52cを有するバックアップロ
ーラー51b,52b により加圧挟持搬送されながら
、電源53に接続された電極ローラー51a,52a 
により 140℃±5℃で7秒間加熱される。
【0062】昇温部49における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ56(昇温部
出口)および温度センサ38(恒温部出口)により検出
された感光材料Pの表面温度、本実施態様の熱現像装置
48を内蔵してなる画像記録装置(図示省略)の内部温
度および外気温度をそれぞれ制御部(図示省略)にフィ
ードバックして電源53からの通電量を調整することで
行なう。昇温部49で一定温度範囲内に加熱された感光
材料Pは次いで恒温部50に搬送される。
【0063】恒温部50は、図7に示す熱現像装置41
と同様のニクロム線を内蔵した上下各2枚、計4枚のセ
ラミック製の遠赤外線ヒーター54を有してなり、感光
材料Pは140 ℃±2℃で約53秒間加熱される。
【0064】この熱現像装置48においては、昇温部4
9と恒温部50との隔壁は設けておらず、送風ファン5
5により内部雰囲気が攪拌され一定になる際に昇温部4
9の雰囲気温度も恒温部50と同じになる。このため、
雰囲気温度が上昇しない通電加熱法やマイクロ波加熱法
において温度の安定化のために有利である。
【0065】恒温部50における加熱温度の制御は、温
度センサ36(昇温部入口)、温度センサ56(昇温部
出口)、温度センサ57(恒温部中央)および温度セン
サ38(恒温部出口)により検出された感光材料Pの表
面温度、温度センサ58により検出された遠赤外線ヒー
ター54の表面温度、温度センサ59,60 により検
出された雰囲気温度、本実施態様の熱現像装置48を内
蔵してなる画像記録装置(図示省略)の内部温度および
外気温度をそれぞれ制御部(図示省略)にフィードバッ
クして遠赤外線ヒーター54に供給する電流を調整して
行なう。本実施態様の装置では、昇温部49において通
電加熱方式に起因する加熱変動が発生しても、恒温部5
0における加熱手段が遠赤外線による内部加熱手段であ
るため、迅速な温度補正が可能である。
【0066】本発明に用いる熱現像装置は、加熱手段と
して種々の手段の中から昇温部および/または恒温部に
各々適した加熱手段を組み合わせて用いることが可能で
ある。このため、昇温および恒温に無理がなく高精度で
安定した制御が容易になり、装置の簡易化コンパクト化
、コストダウンが実現可能となる。
【0067】図9は、本実施態様による画像形成装置6
1の概略図である。この画像形成装置61には、昇温部
68の加熱手段として遠赤外加熱法による加熱手段、恒
温部69の加熱手段として熱風循環法による加熱手段を
用いてなる熱現像装置が内蔵され、また、ロール状の熱
現像感光材料65(以下「感光材料65」という)を収
納してなるマガジン62が搭載されている。
【0068】マガジン62内の感光材料65はその外周
から引出されて、CRT70により露光され、予備ラミ
ネートローラー72a,72b へ搬送される。一方カ
セット64に収納された色素固定材料である受像材料6
7は、送り出しローラー71により予備ラミネートロー
ラー72a,72b へ搬送されて、感光材料65と重
ね合わされる。
【0069】予備ラミネートローラー72a,72b 
はバネ73により付勢されており、温度センサ74,7
5 により検出された感光材料65と受像材料67の温
度が制御部84にフィードバックされ、制御部84によ
り最適なラミネート条件となるよう加熱温度の調整が行
なわれ加熱および加圧により予備ラミネートされる。
【0070】予備ラミネートされた感光材料65と受像
材料67の重ね合わせ体は、断熱材で囲まれ内部温度を
コントロールされた昇温部68のケーシング内へ搬送さ
れる。 昇温部68には板状のセラミック遠赤外線ヒーター77
が対向配置され、加熱温度制御は温度センサ76(昇温
部入口)、温度センサ79(昇温部出口)で検出された
前記重ね合わせ体の表面温度、温度センサ78で検出さ
れた遠赤外線ヒーターの表面温度および図示しない雰囲
気温度検出用センサにより検出された雰囲気温度を制御
部84にフィードバックし、後述する恒温部69の熱現
像温度設定値に対し、温度センサ79の検出値が−3℃
となるように遠赤外線ヒーター77に供給する電流を調
整して行なう。
【0071】昇温部68で急速に昇温した前記重ね合わ
せ体は、次いで断熱材で囲まれた恒温部69のケーシン
グ内に搬入される。恒温部69内に搬入された感光材料
65は、ニクロム線ヒーター82と送風ファン83によ
り発生した熱風により加熱される。その後、熱風は図示
しない熱風循環路により送風ファン83に戻り、再加熱
循環される。
【0072】加熱温度の制御は、温度センサ79(昇温
部出口)、温度センサ80(恒温部出口)で検出された
前記重ね合わせ体の表面温度、温度センサ81により検
出された雰囲気温度、画像記録装置61の内部温度およ
び外気温度をそれぞれ制御部84にフィードバックして
雰囲気温度が150℃±1℃となるよう、ニクロム線ヒ
ーター82に供給する電流を調整して高精度に行なわれ
る。
【0073】熱現像転写が終了した前記重ね合わせ体は
、次に冷却ファン85で冷却され、受像材料67の先端
を検知して上下に揺動するスクレイパー86により分離
され、現像済の感光材料65’は廃棄用マガジン63内
に巻き取られ、画像転写済の受像材料67’はトレイ8
7上に排出される。
【0074】次に本発明に用いる熱現像装置による別の
実施態様として、人物画像入りカードを作製する方法を
図面に基づいて説明する。
【0075】図10〜図17は機械読み取り可能な旅券
(MRP)を作製する形態を例に取って示している。図
10は人物画像入りカードの正面図であり、この人物画
像入りカードには人物画像89と、個人文字情報(○印
で示す)90と、OCR文字情報(△印で示す)91と
、住所、氏名等予め印刷されている文字からなる補助分
(×印で示す)と、彩紋(図示省略)とが記載もしくは
印刷されている。補助分や彩紋等の共通事項の一部は、
予め印刷されていなくてもよく、個人情報90を記録す
る際に当該個人文字情報90を記録するのと同じ手段に
より記録してもよいし、人物画像89の付近においては
、熱現像によって色素受像層に画像転写を行なうことに
より記録することもできる。更に個人文字情報90やO
CR文字情報91の一部も同様に熱現像によって色素受
像層に画像転写を行なうことにより記録することもでき
る。
【0076】図11は、人物画像入りカードの完成直前
の状態、すなわち受像材料とラミネート材料とが接合さ
れる前の状態を示す。92は人物画像89が転写された
受像材料、93はラミネート材料である。ラミネート材
料93は、透明なフィルムよりなる支持体98と、下引
層99と、受像材料92と接着可能な層100 とから
なり、また受像材料92は、透明なフィルム支持体94
と、接着層95と、紙支持体96と、人物画像が転写さ
れてなる色素受像層97とからなる。受像材料92を構
成するフィルム支持体94および紙支持体96は単一の
ものであってもよく、例えば白色ポリエチレンテレフタ
レートフィルムあるいは白色ポリ塩化ビニルフィルムで
あってもよい。またラミネート材料93の支持体が反射
支持体であり、受像材料92の支持体が白色反射支持体
であってもよい。ラミネート材料93を構成する接着可
能な層100 および下引層99は、必ずしも必要では
なく、ラミネート直前に接着剤を塗布してもよい。また
、支持体98がそれ自身接着可能なものであるときには
、この接着可能な層100 および下引層99は省略し
てもよい。ラミネート材料93の支持体98としては、
耐熱性のプラスチックフィルムが好ましく、例えばポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが用いられる。受
像材料92の色素受像層97は、ラミネート材料93の
接着可能な層100 に対して接着可能であることが必
要である。このような条件を満たすために、受像材料9
2の色素受像層97は、ラミネート材料93の接着可能
な層100 、支持体98の熱特性や組成等を充分考慮
して適宜選択される。個人文字情報90は、接着可能な
層100 または色素受像層97のいずれに記録されて
いてもよく、両者に記録されていてもよい。また、彩紋
や予め印刷されている共通の補助分等は、支持体98上
、下引層99上、接続可能な層100 上または色素受
像層97上、あるいは紙持体96上のいずれに印刷され
ていてもよい。
【0077】図12は、人物画像入りカード冊子の一例
を示し、この例は、人物画像入りカードを有するID冊
子の例である。このID冊子は、筆記可能な複数頁10
3 からなる冊子部104 と、IDカード部101 
とからなる。IDカード部101 は図10と同様の構
成であるが、このIDカード部101 の一つの端部1
02 において、冊子部104 と糸で綴じられており
、開閉可能な状態になっている。
【0078】図13は、図12に示したID冊子の完成
直前の状態、すなわちラミネート材料93をラミネート
する直前の状態の一例を示す。この例では、ID冊子の
表装106 は、容易に破損することのないようなプラ
スチックフィルム等により形成されており、通常、この
表装106 は種々の色に着色されており、IDカード
部101 にこの色が透けて見えないようにするため、
表装106 には紙支持体や、他の白色反射性支持体1
07 が貼合わされている。 この白色反射支持体107 は紙の他にはポリエチレン
テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の
白色フィルムも使用できるが、偽造や変造を有効に防止
する観点からは、紙支持体であることが好ましい。白色
反射支持体107 上には、図11と同様に、色素受像
層108 が設けられており、この色素受像層108 
には人物画像が転写されている。ラミネート材料93の
構成は、図11に示したのものと同様の構成を用いるこ
とができるが、この場合において、図14、図15、図
16に示すように、色素受像層108 とラミネート材
料93は予めその一辺で部分的に接合されていてもよい
【0079】図14では、白色反射支持体(図示省略)
を介して表装106 と貼り合わされている色素受像層
108 がラミネート材料93と綴じ部Xで予め接合さ
れている。図15では、前記色素受像層108 がラミ
ネート材料93と綴じ部に隣接する一方の辺Yで接合さ
れている。図16では前記色素受像層108 とラミネ
ート材料93が綴じ部と対向す一辺Zで予め接合されて
いる。
【0080】なお、図13では、人物画像が表装106
 と予め貼合されている色素受像層108 に拡散転写
する例を示したが、この色素受像層108 とラミネー
ト材料93の位置は入れ替ってもよい。
【0081】白色反射支持体107 を介して表装10
6 と貼り合わされている色素受像層108 とラミネ
ート材料93の支持体および各々の接着層には必要に応
じて各種の添加剤が含有されてもよい。そのような添加
剤としては、例えば蛍光増白剤、画像安定剤、背景の色
調を調整する着色剤等、公知の化合物等を挙げることが
できる。
【0082】本発明により得られる人物画像入りカード
は、必要に応じて、ホログラム(反射型および透過型)
、割り印、彩紋を有していてもよい。図17には、彩紋
の一例を示す。彩紋110 は、線巾が 0.1mm程
度以下の細線で精密に描かれており、この彩紋110 
が印刷されている頁を後で改造した場合にはその修復が
困難なことから、旅券等のように偽造や変造を防止する
ことがが要求される各種の証明書等にはしばしば用いら
れているが、本発明により得られる人物画像入りカード
においても有用であり、特に、一例として、図17に示
したように人物画像領域89aに彩紋110 が部分的
に重なり合わされている場合には偽造や変造が有効に防
止される。図17では、彩紋110 はOCR文字領域
 91aには印刷されていないが、文字および補助分の
記録される領域 90aおよび人物画像領域 89aの
一部 89aには印刷されている。
【0083】ホログラムは反射型であっても透過型であ
ってもよく、反射的の場合にはホットスタンプ方式によ
り、作製された人物画像入りカードの任意の箇所に接合
される。また透過型の場合にはラミネート材料そのもの
がホログラムシートであってもよく、また、作製された
人物画像入りカードの表面に接合して使用してもよい。 特に、透過型のホログラムを完成した人物画像入りカー
ドに接合する場合には、人物画像領域に部分的に重なる
ようにすることが偽造や変造を有効に防止する観点から
好ましい。図17において111 で示される領域はホ
ログラムが形成される領域の例を示している。
【0084】図18は、人物画像入りカード(冊子)を
作製するための装置の一例の断面図である。
【0085】予め受像材料が綴じ込まれたID冊子11
2 は、冊子供給カセット113 に積み重ねられてい
る。ID冊子112 は1冊ずつピックアップ部114
 で吸引されると同時に印字面が開かれて冊子供給カセ
ット113 より引き抜かれ、印字部115 に送り出
される。なお、ID冊子112 は開いた状態で供給す
ることもできる。
【0086】同図において、冊子供給カセット113 
は1つのみしか図示していないが図面の直角方向に複数
配置されており、一つの冊子供給カセットの中の冊子が
なくなったら順次次のカセットが送られるようになって
いる。
【0087】熱現像感光材料116 (以下「感光材料
116 」という)はロール状態で供給され、装置内に
設けられたカッター117 により必要な長さに切断さ
れて使用されるが、予め必要な長さのシート状に切断さ
れたものを使用してもよい。また感光材料116 は搬
送性を向上させるために、側部にいわゆるパーフォレー
ションを有していてもよい。
【0088】感光材料116 には露光手段118 に
よって人物画像が露光される。この例における露光手段
118 はCRT光源を用いる露光手段である。CRT
光源を用いる露光手段118 は、プリント用白黒CR
T119 と、色分解フイルター120 と、結像レン
ズ121と、シャッター122 と、CRTコントロー
ラー(図示省略)とからなる。CRTコントローラーか
ら取り出された人物画像情報(B,G,R)はそれぞれ
白黒に順次表示される。CRTに表示された人物画像は
、シャッター122 が開いている間に結像レンズ12
1 により感光材料116 に露光される。このとき、
人物画像情報に基づいて、色分解フイルター120 が
順次挿入される。通常、青色画像情報に対しては青色フ
イルター 120Bが挿入され、緑色画像情報に対して
は緑色フイルター 120Gが挿入され、赤色情報に対
しては赤フイルター 120Rが挿入される。しかしこ
の組合せは必ずしもこれに限定されるわけではなく、感
光材料116 がいわゆる偽カラー構成を取っている場
合には、その構成に合わせた組合せが用いられる。なお
、露光手段としては、CRT光源を用いる露光手段に限
定されず、従来公知の各種の露光手段、例えば3本のレ
ーザー光源、FO−CRT光源、LED光源を用いる露
光手段、または、ネガまたはポジの原稿から直接一括露
光する露光手段を採用してもよい。画像露光を行なう際
には、人物画像情報だけでなく、感光材料116 の位
置決めを行なうための位置決めマーク等が同時に露光さ
れることが好ましい。位置決めマークは感光材料116
 を受像材料の所定の位置に位置合わせするためでなく
、色素受像層と接合した後、カードそのものを所定のサ
イズに打ち抜くときなどに用いられる。また、彩紋の一
部を露光により印刷したり、特開平1−285390号
公報に記載されているように、個人情報に応じて、人物
画像の一部を画像処理して露光することも偽造や変造を
有効に防止し得る点から好ましい。
【0089】露光された感光材料116 は、アキユー
ム部123 において、ある範囲の量が保持される。こ
の保持量は例えばマイクロスイッチ124 により検出
され、保持量が少なくなった場合には、露光が逐次行な
われ、アキユーム部123 に感光材料116 が蓄え
られる。一方、保持量が所定量を超えた場合には露光が
一時的に停止されるか、もしくは感光材料116 への
露光間隔が延長される。
【0090】露光された感光材料116 は、次いで、
熱現像装置125 により 150℃で約60秒間熱現
像される。熱現像装置125 は、断熱材に囲まれた昇
温部126 と、断熱材に囲まれた恒温部127 とに
より構成されており、昇温部126 の加熱手段と恒温
部127 の加熱手段は共に遠赤外線加熱法による加熱
手段である。昇温部126 および恒温部127 は、
それぞれ一対のセラミックヒーター128 を有してお
り、各セラミックヒーター128 は、セラミックと金
属その他の導電性物質を混練、押し出し成型後、焼成し
て得られたものである。
【0091】昇温部126 における加熱温度の制御は
、温度センサ129 (昇温部入口)および温度センサ
130 (昇温部出口)により検出された感光材料11
6 の表面温度、温度センサ131 により検出された
セラミックヒーター128 の表面温度、温度センサ1
32 により検出された雰囲気温度、人物画像入り冊子
作製装置の内部温度をそれぞれ制御部200 にフィー
ドバックして、セラミックヒーター128 への電力を
コントロールして行ない、これにより、温度センサ13
0 で検出される感光材料116 の表面温度が 15
0℃±1.5 ℃に保たれる。
【0092】昇温部126 で一定範囲まで急速に加熱
された感光材料116 は、次いで恒温部127 へ搬
送される。恒温部127 は、2室に仕切られており、
各室にはセラミックヒーター128 が対向配置されて
いる。
【0093】恒温部127 における加熱温度の制御は
、温度センサ130 (恒温部入口)および温度センサ
133 (恒温部出口)により検出された感光材料11
6 の表面温度、温度センサ134 および温度センサ
136 により検出されたセラミックヒーター128 
の表面温度、温度センサ135 および温度センサ13
7 により検出された雰囲気温度、人物画像入り冊子作
製装置の内部温度をそれぞれ制御部200 にフィード
バックして、セラミックヒーター128 への電力をコ
ントロールして行い、これにより、温度センサ133 
で検出される感光材料116 の表面温度が 150℃
±1℃となるように高精度に保たれている。このとき、
色素供給物質から形成または放出された画像色素は感光
材料116 中に拡散できる状態で存在する。なお、熱
現像条件は必ずしも固定的でなく感光材料116 の種
類に応じて広範に変更することができる。
【0094】熱現像を終えた感光材料116 は、冷却
手段138 によって冷却される。冷却は、冷却ファン
139 により常時冷却されているベルト対の間を通す
ことによって行なわれるが、単に冷却ファン139 に
よる送風によって行ってもよい。また、この冷却手段は
必ずしも必要ではない。
【0095】冷却手段138 を経由して冷却された感
光材料116は、次いで位置合わせ打ち抜き部140 
に搬送され、ここで露光時に形成された位置決め検出マ
ークやパーフォレーション等を基にして所定の位置に位
置合わせされる。位置合わせ打ち抜き部140 の前に
はアキューム141 が設けられており、位置合わせす
る際に感光材料116 を一定時間停止させることがで
きる。位置合わせを行った感光材料116 は打ち抜き
機により人物画像領域の大きさに打ち抜かれる。打ち抜
く際には、カット面において、支持体や色素受像層の打
ち抜きカスが残さないために、60℃以下に降温させて
から行なうことが好ましい。 打ち抜きの際には、予め受像材料が綴じ込まれているI
D冊子112 には、既に、印字部115 で個人文字
情報や記号情報等が、色素受像層面に溶融型感熱転写印
字装置により記録されており、所定の位置に位置決めさ
れて待機している。なお、これらの個人文字情報や記号
情報等は、通常の活字印字手段で記録することも可能で
ある。 色素受像層面はポリ塩化ビニルを主成分とする熱溶着層
が塗設されている。
【0096】図19は、打ち抜き装置の一例を示す。こ
の装置では、感光材料116 を正しく位置決めしたと
ころで、位置合わせ打ち抜き部140 のオス刃142
 が上昇してメス刃143 と噛み合って、感光材料1
16 を必要な大きさに打ち抜く。位置合わせ打ち抜き
部140 のオス刃142 とメス刃143 は、台に
固定されたガイドポスト144 により案内されて、正
しく噛み合うように構成され、両者の間にはバネ145
 が設けられ、オス刃142 の下面に当接する偏心カ
ム146 の回転によりオス刃142 が上昇したり、
下降したりする構成となっている。なお、ガイドポスト
144 は感光材料116 の搬送の妨げにならない位
置に複数配置されている。偏心カム146 の偏心量が
最小のときはオス刃142 は下降していて、オス刃1
42 とメス刃143 との間に感光材料116 が搬
入される空間を形成している。偏心カム146 が回転
してその偏心量が最大となる頃にオス刃142 はメス
刃143 と噛み合って、感光材料116 が打ち抜か
れる。この状態でオス刃142 の上面とメス刃143
 の上面はほぼ同等となり、この状態で、第2の偏心カ
ム147 が回転し、オス刃142 内にくり抜かれた
空間において棒状ヒーター148 が上昇し、打ち抜い
た感光材料116 を押し上げ、予め印字等が施されて
所定の位置に位置合わせされているID冊子112 の
色素受像層面149 に押しつける。このときバネ15
0 は、棒状ヒーター148 の先端部において、打ち
抜かれた感光材料116 が完全に色素受像層面149
に押圧されるのを補助する手段となる。次いで、棒状ヒ
ーター148 の先端部が短時間加熱されて、打ち抜い
た感光材料116 が色素受像層面に仮止めされる。 棒状ヒーター148 の先端部の形状は丸型、四角型、
星型等、いずれの形態であってもよい。また、仮止めす
る位置は打ち抜いた感光材料116 の中央部であるこ
とは必要でない。次に偏心カム147が再度回転して棒
状ヒーター148 が下降することにより、棒状ヒータ
ー148 は元の位置に復帰する。また、オス刃142
 は棒状ヒーター148 が上昇した後は、適宜の時期
に偏心カム146 が回転して元の位置に復帰してもよ
い。偏心カム146,147 が元の位置に復帰した時
点で、ID冊子112 は搬出され、図18に示すよう
に、次の色素転写部154 に送り出される。また、悪
用防止のために、感光材料116 の打ち抜きカスはカ
ッター151 によって細かく裁断されて感光材料回収
ボックス152 に回収される。なお、図19において
、冊子送りローラー153 は加熱ローラーを兼ねてい
てもよく、この場合、色素転写に要する搬送経路を短縮
することができる。
【0097】打ち抜かれてID冊子112 の色素受像
層面に仮止めされた感光材料116 は色素転写部15
4 において加熱されて色素転写される。この場合、色
素転写は加熱下で行なわれることが好ましく、ID冊子
112 の耐熱温度以下で行なわれることが好ましい。 通常、 120℃前後以下で2〜30秒の間で行なわれ
る。色素転写時の温度制御は、熱現像時の温度制御より
精度が必要とされない荒い温度制御方法でよく、具体的
には約±5℃以内にコントロールすることが好ましい。
【0098】色素転写部154 において色素転写を終
えたID冊子112 は、図18に示すように、冷却手
段155 によって冷却される。冷却手段155 とし
ては、前記冷却手段138 と同様のものを用いること
ができる。剥離性の観点から、感光材料116 と受像
材料の重ね合わせ面は、約70℃以下、好ましくは約6
0℃以下に冷却されることが必要である。
【0099】冷却されたID冊子112 は、次いで剥
離部160 に搬送され、感光材料116 がID冊子
112 の色素受像層面から剥離される。剥離部160
 における剥離手段としては、ID冊子112 を鋭角
に曲げながらスクレーパー161 を感光材料116 
の重ね合わせた端部に押しつけることにより剥離する手
段を挙げることができるが、必ずしもこの方法に限定さ
れず、種々の異なる方法を採用することができる。
【0100】感光材料116 が剥離されたID冊子1
12 は、次いで、図18に示すように、ラミネート仮
止め部162 に搬送される。剥離された感光材料11
6 のカスはカスボックス163 に収納される。この
とき、感光材料116 のカスは人物画像が視認し得る
状態で残っているために、これを裁断するなどして回収
することが好ましい。ラミネート仮止め部162 に搬
送されたID冊子112 は、所定位置に位置合わせさ
れた後、カセットに収容されているラミネートフィルム
164 が所定のサイズに打ち抜かれ、一部が仮止めさ
れる。ここで用いられる打ち抜き仮止め手段は、感光材
料116 を色素受像層面に打ち抜き仮止めした手段と
同様の手段により行なうことができる。
【0101】次いで、ID冊子112 のIDカード全
面がラミネート部165 でラミネートされる。ラミネ
ート部165 は熱ローラー166 と、これと対をな
すゴムローラー167 とよりなり、両者の間にID冊
子112 を通過させることによりIDカード面全体が
ラミネートされる。このとき、ラミネートフィルムが、
ポリ塩化ビニル等よりなる色素受像層と熱溶着可能な樹
脂が塗設されているものである場合には、単に加熱する
だけで、画像面および文字記録面が樹脂中に非可逆的に
完全に閉じこめられるので、偽造および変造防止性の高
いID冊子112 を得ることができる。なお、ID冊
子112 の先端部から糸綴じ部の方向に向けてラミネ
ートを行なうと、最終的に得られる冊子の端部における
加熱変形が少なくなるので好ましい。特にIDカード部
の端部を基準にしてOCR文字読み取りを行なう旅券な
どにおいては、このような端部の変形はOCR読み取り
正答率を低下させるため好ましくなく、端部から冊子中
央部にかけて溶着を行なうことは重要である。ラミネー
トフィルムを用いて、ID冊子112 のIDカード部
に溶着を施す領域は、当該IDカード部全面であること
が好ましいが、実際上は位置合わせの精度、糸綴じ部に
おける溶着が完全に行えないこと、加熱下で溶着する場
合において表装や受像材料およびラミネートフィルムが
熱収縮や熱膨張を僅かながら伴うことなどの点から、ラ
ミネートフィルムは、それぞれの端部において、表装や
受像材料に対して約2mm程度以下の範囲で狭いことが
好ましく、更に外観上からの点を考慮すると、糸綴じ部
以外では 0.3〜1mmの範囲で狭いことが好ましく
、糸綴じ部では1〜2mmの範囲で短いことが好ましい
【0102】ラミネートを終えたID冊子112 は図
20に示したカール矩正手段によってMR頁のカールが
必要に応じて適宜矯正される。カール矩正ガイド 17
3A,173BにMR頁が完全に挿入された状態でID
冊子は一度停止し、MR頁の裏面すなわち表装面側から
通風等の手段174 により冷却される。表装面が約6
0℃以下になった時点でカール矩正ガイド 173A,
173Bは下方に回転し、ID冊子112 が搬送ロー
ラー175 によりガイド176 に沿って排出されて
MR頁のカールが矩正される。
【0103】次いで、必要に応じて、例えば特開平2−
147266号公報第19図に記載されているようなO
CR読み取りテスト手段168 を設けることにより、
ID冊子が正常に作製でされているか否かを判定したり
、またその情報に基いてID冊子の良否を選別して区分
することも可能である。
【0104】最終的に得られたID冊子は、図18に示
した収納冊子カセット170 に1冊ずつ収納されてい
くが、このときID冊子は、ページ閉じ機構(図示省略
)によって閉じた状態で収納してもよい。収納カセット
170は1冊収納するごとに1冊分移動する構成になっ
ており、また図面に直角の方向に対して予備のカセット
がセットしてあり、カセットの交換が自動的に行なえる
ような構成になっている。
【0105】図18において、各ユニットにおける搬送
速度は一義的に決らないが、熱現像の処理速度を最も遅
くしておくことが、いずれの場合でも、ジャムの発生を
防止する意味で好ましい。そのため図18にも図示した
適宜の箇所にアキュームを設けることは特に好ましいが
、アキュームを設ける位置およびその手段については図
示したものに限定されるものではない。
【0106】本発明の現像方法により処理された熱現像
感光材料を利用した人物画像入りカード(冊子)の作製
装置を用いることにより、簡易かつ迅速な処理で安定し
た高画質の画像が得られ、また長期間にわたる連続運転
にも安定で材料および時間のロスが著しく減少するため
、仕上り製品のコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】面状セラミックヒーターの具体例の断面図であ
る。
【図2】オーブン型の装置の断面図である。
【図3】スロット導波管型の装置の斜視図である。
【図4】通電加熱手段の一例を示す斜視図である。
【図5】熱風循環法による加熱手段の一例を示す断面図
である
【図6】熱現像装置の実施態様を示す説明用断面図であ
る。
【図7】熱現像装置の実施態様を示す説明用断面図であ
る。
【図8】熱現像装置の実施態様を示す説明用断面図であ
る。
【図9】画像形成装置の概略図である。
【図10】人物画像入りカードの正面図である。
【図11】人物画像入りカードの完成直前の状態を示す
説明図である。
【図12】人物画像入りカード冊子の一例を示す説明図
である。
【図13】ID冊子の完成直前の状態の一例を示す説明
図である。
【図14】人物画像入りカード冊子の他の例を示す説明
図である。
【図15】人物画像入りカード冊子の他の例を示す説明
図である。
【図16】人物画像入りカード冊子の他の例を示す説明
図である。
【図17】彩紋の一例を示す正面図である。
【図18】人物画像入りカード(冊子)を作製するため
の装置の一例の断面図である。
【図19】打ち抜き装置の一例を示す説明図である。
【図20】カール矩正手段の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1    面状セラミックヒーター 7    オーブン型装置本体 12    導波管本体 15    通電加熱手段 20    熱風循環装置 24    熱現像装置 25    昇温部 26    恒温部 28    マグネトロン発生器 33    ヒーター 34    循環ファン 41    熱現像装置 42    昇温部 43    恒温部 44    マグネトロン発生器 45    遠赤外線ヒーター 48    熱現像装置 49    昇温部 50    恒温部 51a   電極ローラー 52a   電極ローラー 61    画像形成装置 65    熱現像感光材料 67    受像材料 68    昇温部 69    恒温部 70    CRT 77    セラミック遠赤外線ヒーター82    
ニクロム線ヒーター 83    送風ファン 84    制御部 89    人物画像 90    個人文字情報 91    OCR文字情報 92    受像材料 93    ラミネート材料 101   IDカード部 103   複数頁 106   表装 107   白色反射支持体 108   色素受像層 110   彩紋 112   ID冊子 115   印字部 118   露光手段 125   熱現像装置 126   昇温部 127   恒温部 138   冷却手段 140   位置合わせ打ち抜き部 142   オス刃 143   メス刃 155   冷却手段 160   剥離部 162   ラミネート仮止め部 165   ラミネート部 200   制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体上に少なくとも感光性ハロゲン
    化銀およびバインダーを有する熱現像感光材料を、像様
    露光後または像様露光と同時に加熱して熱現像する熱現
    像方法において、予め設定された現像温度まで急速に加
    熱する昇温部と、予め設定された現像温度に対し一定温
    度範囲内に保持された恒温部と、前記昇温部における熱
    現像感光材料の最高到達温度が恒温部の予め設定された
    現像温度に対し一定の範囲内の温度になるように制御す
    る温度制御手段とを有してなる熱現像装置により熱現像
    することを特徴とする熱現像方法。
  2. 【請求項2】  昇温部における熱現像感光材料の最高
    到達温度が恒温部の予め設定された現像温度に対し−2
    0℃以上+10℃以下の範囲内の温度に制御されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱現像方法。
  3. 【請求項3】  昇温部における熱現像感光材料の最高
    到達温度が恒温部の予め設定された現像温度に対し−1
    0℃以上+5℃以下の範囲内の温度に制御されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱現像方法。
  4. 【請求項4】  昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法
    による加熱手段であり、恒温部の加熱手段が熱風循環法
    による加熱手段であることを特徴とする請求項3に記載
    の熱現像方法。
  5. 【請求項5】  昇温部の加熱手段が遠赤外線加熱法に
    よる加熱手段であり、恒温部の加熱手段が熱風循環法に
    よる加熱手段であることを特徴とする請求項3に記載の
    熱現像方法。
  6. 【請求項6】  昇温部の加熱手段がマイクロ波加熱法
    による加熱手段であり、恒温部の加熱手段が遠赤外線加
    熱法による加熱手段であることを特徴とする請求項3に
    記載の熱現像方法。
  7. 【請求項7】  昇温部の加熱手段が通電加熱法による
    加熱手段であり、恒温部の加熱手段が遠赤外線加熱方法
    による加熱手段であることを特徴とする請求項3に記載
    の熱現像方法。
  8. 【請求項8】  昇温部の加熱手段と恒温部の加熱手段
    が共に遠赤外線加熱法による加熱手段であることを特徴
    とする請求項3に記載の熱現像方法。
JP2143691A 1991-01-23 1991-01-23 熱現像方法 Withdrawn JPH04240643A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0794464A1 (en) * 1996-02-27 1997-09-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heating apparatus and thermal developing system

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