JPH04240300A - 化粧紙および化粧板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、帯電しにくい壁材、床
材、家具用板材等を製造するための、帯電を防止した化
粧紙および化粧板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】静電気は物質同士が接触するだけで発生
するもので、常に電荷移動、電荷分離および電荷緩和の
三つの素過程をとり、プラスチックなど電気抵抗が高い
ものは、電荷緩和が非常に遅いため、帯電現象が現れる
ことになる。建造物内において発生する静電気障害は、
主として床材と歩行者との摩擦が原因で発生する静電気
による人体ショックの形で顕著に現れ、引火性物質を扱
う工場等においては同じ原因による静電気が火災原因と
もなる。したがって、その対策としてカーボン粉末を練
り込んだゴム系床材を用いたり、帯電防止剤を添加した
繊維で織るか導電性繊維を織り込んだカーペットを用い
たりすることが早くから行われている。

【０００３】一方、壁材、家具用板材等においては、表
面物性を確保するため樹脂加工を施した壁紙や化粧板が
摩擦により帯電して空気中の塵埃やタバコの煙を吸着し
、汚れ易いという問題があるほか、近年は、ＬＳＩや超
ＬＳＩを製造もしくは取り扱う工場において素子破壊を
招いたり、電子機器の誤動作の原因となったり、また、
高純度物質を扱う工場、研究施設、病院等においては清
浄な環境を維持する妨げとなることが問題になってきた
。その対策として考えられた対策の一つは、合板、パー
チクルボード等からなる基材に貼着する化粧紙として、
導電性を有する紙から作られたものを用いることである
。導電性を有する紙としては、抄造原料に炭素繊維、金
属繊維、金属処理繊維等を混入したものが使われる。し
かしながら、これら導電性繊維は極めて高価であるばか
りか、それを化粧板に仕上げる過程で導電性のない熱硬
化性合成樹脂が含浸されるため、得られる化粧板の帯電
防止性能は十分でない。

【０００４】含浸もしくはコーティングのための合成樹
脂に導電性の無機粉末からなるフィラーを混入しておく
ことにより表面樹脂層を導電性にする方法もあるが、十
分な効果を達成するには多量の導電性物質の混入が必要
であり、それにより、色調が悪くなったり図柄が不鮮明
になったりするなど、意匠面での不利益が避けられない
。また、導電性フィラーは、一般的な印刷用インキの顔
料と比べると耐光性が悪いから、表面層に含有させたと
きは色相の経時的変化が避けられない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような現状に鑑み、導電性の特殊素材を含まない普通
の紙を印刷原反とするにもかかわらず十分な帯電防止性
と優れた外観および表面物性を有する化粧紙を提供し、
それにより、従来品よりも帯電防止性と外観のいずれに
おいても優れた高性能化粧板の提供を可能にすることに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明が提供することに
成功した帯電防止性化粧紙の第一は、化粧紙原反（炭素
繊維など特別な導電性素材を漉きこんでないもの）の片
面に、２０重量％以上の導電性フィラーを含有するイン
キによる導電性印刷層を施し、さらに、該導電性印刷層
の上に、４０重量％未満の導電性フィラーと３０重量％
以上の顔料とを含有するインキによる少なくとも１層の
印刷層を施したことを特徴とするものである。

【０００７】本発明による帯電防止性化粧紙の第二は、
上記第一の化粧紙にさらに最上層として２０重量％未満
の導電性フィラーを含有する表面保護樹脂膜を施してな
るものである。本発明はまた、上記本発明による化粧紙
を用いて作られる高性能帯電防止性化粧板を提供するも
のである。なお、この明細書において、インキ中の導電
性フィラー、顔料等の量を示す重量％はすべてインキ中
の全固形分に対する値である。

【０００８】

【作用】本発明の化粧紙および化粧板においては、導電
性フィラーの適切な配置が、化粧紙および化粧板の外観
や物性を損なうことなしに表面抵抗率を１０９Ω未満に
低下させ、十分な帯電防止を可能にする。これを図１を
参照しながら説明すると、同図において２０重量％以上
の導電性フィラー１を含有するインキによる導電性印刷
層（以下、アース層という）２が、化粧紙原反Ｐ上で面
方向の高度の導電性を確保する。アース層２の上の、４
０重量％未満の導電性フィラー３と３０重量％以上の顔
料４とを含有するインキによる印刷層５，６は、十分量
の顔料４がアース層２を隠蔽してアース層内導電性フィ
ラー１の光りによるダークニングを防ぎつつ自由な意匠
効果を発揮するとともに、その中の導電性フィラー粒子
３が、微量でも、化粧紙表面の印刷層６からアース層２
へ垂直に静電気を流す接地棒的な役割を果たす。導電性
フィラー３の粒子群が連なってアース層２から化粧紙表
面に達するブリッジを形成せずに表層部印刷層６や付加
的に施される樹脂層（図示してない）に埋没していても
、それらの層は薄く、導電性フィラー粒子３を覆ってい
るインキマトリックス７や樹脂は垂直方向にはさらに薄
くて容易に絶縁破壊を起こすから、独立して埋没してい
る導電性粒子（たとえば粒子３ａ）も、大部分が垂直方
向の電荷移動に関与する。以上により、化粧紙および化
粧板の全体が、十分な帯電防止性を有するものとなる。

【０００９】次に本発明の化粧紙の製造法を説明する。 ベースとする原反は、チタン混抄紙、薄葉紙、ハードシ
ート、原紙抄造とは別工程で紙間強化樹脂含浸を行った
原反、塩化ビニル樹脂フィルム等のプラスチックフィル
ムなど、化粧紙製造に通常使用されるものでよい。アー
ス層は、導電性フィラー９４〜２０重量％、顔料０〜７
４重量％、樹脂６〜４０重量％のインキを４〜８ｇ／ｍ
２程度、全面に印刷して形成することが望ましい。導電
性フィラーとして適当なものは、ニッケル被覆マイカな
ど、マイカ系のもの；チタンブラック、金属酸化物被覆
酸化チタンなど、チタン系のもの；炭素繊維カット品、
ニッケル等金属繊維カット品など繊維質のもの、その他
導電性亜鉛華、超微粒子酸化スズ、セラミックス系導電
性ウィスカーなどである。

【００１０】アース層の上の印刷層は、４０重量％未満
の導電性フィラーを含有させることを除けば、化粧紙の
用途および品質規格、意匠等に応じて任意の数を任意の
インキにより化粧紙製造の常法に従って施す。たとえば
、アース層を隠蔽し化粧紙の地色を形成する目的でまず
単色のベタ印刷を施し、次いで図柄の印刷を１回ないし
複数回施す。これらの印刷層形成のために適当なインキ
組成は、導電性フィラー４０〜５重量％、顔料８９〜３
０重量％、樹脂６〜３０重量％である。ここで用いる導
電性フィラーは、アース層に用いたものと同一である必
要はなく、異なるものを用いてもよい。さらに、必要に
応じて表面物性向上のための合成樹脂膜を施すが、この
樹脂膜がごく薄いものの場合、導電性フィラーの添加は
省略することができ、添加するとしても、印刷層の意匠
効果を損なわないよう、マイカ系、酸化スズ系など、隠
蔽力の弱いものを１〜５重量％程度添加することが望ま
しい。

【００１１】アース層以外の層にも多量の導電性フィラ
ーを添加すれば帯電防止性は向上するが、４０重量％以
上の導電性フィラーを添加すると相対的に通常顔料の添
加率が低下してその印刷層自体の色調、耐光性およびア
ース層隠蔽力が損なわれ、化粧紙の外観が悪くなるので
、過剰に添加しないことが望ましい。本発明による化粧
紙は、いずれも化粧板製造の常法によって容易に基材と
接着し、あるいは接着と同時に熱圧成型し、帯電防止性
化粧板とすることができる。本発明の化粧紙の第一は、
それを用いて化粧板を製造する際、熱硬化性合成樹脂を
含浸して基材に接着される（または接着と同時にプレス
成型される）。その場合、含浸された樹脂の一部が化粧
紙表面を覆うが、極めて薄いのでそれによる導電性低下
は僅かであり、したがって、通常、含浸する樹脂に導電
性フィラーを配合する必要はない。

【００１２】

【実施例】実施例１ 坪量３５ｇ／ｍ２の紙間強化紙に、グラビヤのベタ版を
使用し下記組成のインキで６ｇ／ｍ２のアース層を印刷
した。 マイカ系導電性フィラー／白、黄、茶の混色顔料／セル
ロース系樹脂＝３０／６０／１０ 次いで、常法によりぼかし、柄、アクセントの順に図柄
の印刷を行なったが、各インキにはアース層に用いたの
と同じ導電性フィラーを５重量％含有させた。さらに、
最上層として４ｇ／ｍ２のウレタンクリヤーをかけて表
面保護層とし、養生後、尿素・酢酸ビニル樹脂系接着剤
を用いて基材に貼着した。得られた化粧板は、導電性フ
ィラーを全く用いないほかは同様にして製造した対照品
と同等の色調と表面物性のものであった。また、表面抵
抗率は１０７Ωで、安定した帯電防止能を示した（導電
性フィラーを用いない対照品の表面抵抗率は１０１４Ω
であった）。

【００１３】実施例２ 坪量１００ｇ／ｍ２のチタン紙表面に下記組成のインキ
を４ｇ／ｍ２ベタ刷りし、アース層を形成した。 マイカ系導電性フィラー／白色顔料／酢酸セルロース系
樹脂＝５０／３５／１５ その上に、ライトグレーのインキを８ｇ／ｍ２ベタ刷り
した。インキ組成は次のとおりである。 チタン系導電性フィラー／グレー系顔料／酢酸セルロー
ス系樹脂＝２０／７０／１０ 得られた化粧紙に固形物換算で１３０ｇ／ｍ２のショー
トサイクルメラミン樹脂を含浸し、これを厚さ１８ｍｍ
のパーチクルボード上にセットし、温度１８０℃、圧力
２５ｋｇ／ｃｍ２の条件で６０秒間の成型を行い、化粧
板を得た。製品は通常のショートサイクルメラミン成型
物と外観、物性において差がなく、表面抵抗率も１０６
Ωと安定していた（導電性フィラーを用いないほかは同
様にして製造した対照品の表面抵抗率は１０１２Ωであ
った）。

【００１４】実施例３ 坪量８０ｇ／ｍ２のチタン紙表面に実施例２と同様のア
ース層および意匠層の印刷を行なった。得られた化粧紙
にジアリルフタレートと不飽和ポリエステルの６対４の
混合物で固形分換算８０ｇ／ｍ２の含浸処理を行い、厚
さ５ｍｍのけい酸カルシウム板上にセットし、１４０℃
、１０ｋｇ／ｃｍ２、６分の条件でプレスした。得られ
た化粧板は、通常のジアリルフタレート成形物と比較し
てもなんら見劣りしない好ましい色調のものであり、且
つ表面抵抗率も１０７Ωと安定していて、クリーンルー
ムの壁材として適当なものであった（対照品の表面抵抗
率は１０１４Ωであった。）

【００１５】

【発明の効果】上述のように、本発明の化粧紙および化
粧板は通常の原反を使用しながら独特の態様で分散配置
された導電性フィラーにより表面抵抗率が安定して１０
９Ω未満を示し、しかも外観、物性、耐久性の点でも優
れているから、これを用いることにより意匠面でも優れ
た高度帯電防止性の壁材等内装材、家具材等を安価に提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の化粧紙の一例を示す断面図。

【符号の説明】

Ｐ：化粧紙原反　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１，３：導電性フィラー ２：アース層　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　４：顔料５，６：印刷層　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　７：インキマトリックス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　化粧紙原反の片面に、２０重量％以上
   の導電性フィラーを含有するインキによる導電性印刷層
   および該導電性印刷層の上に施された、４０重量％未満
   の導電性フィラーと３０重量％以上の顔料とを含有する
   インキによる少なくとも１層の印刷層を有することを特
   徴とする化粧紙。
2. 【請求項２】　　化粧紙原反の片面に、２０重量％以上
   の導電性フィラーを含有するインキによる導電性印刷層
   および該導電性印刷層の上に施された、４０重量％未満
   の導電性フィラーと３０重量％以上の顔料とを含有する
   インキによる少なくとも１層の印刷層および２０重量％
   未満の導電性フィラーを含有する表面保護樹脂膜を有す
   ることを特徴とする化粧紙。
3. 【請求項３】　　請求項１または２に記載の化粧紙を基
   材と接着または接着と同時に成型してなる帯電防止性化
   粧板。