JPH04239035A - 湿気収縮性樹脂成形物 - Google Patents

湿気収縮性樹脂成形物

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JPH04239035A
JPH04239035A JP1287991A JP1287991A JPH04239035A JP H04239035 A JPH04239035 A JP H04239035A JP 1287991 A JP1287991 A JP 1287991A JP 1287991 A JP1287991 A JP 1287991A JP H04239035 A JPH04239035 A JP H04239035A
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JP
Japan
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meth
moisture
resin
group
molded article
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Application number
JP1287991A
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English (en)
Inventor
Manabu Yamamoto
学 山本
Toku Sakakibara
徳 榊原
Ikuko Morita
育子 森田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、湿気により収縮する機
能を持つ樹脂成形物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、収縮性樹脂成形物として、収縮性
フィルムなどが知られている。収縮性フィルムとしては
、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン
、ポリブタジエンなど各種があり、食品類の鮮度保持包
装や雑貨・精密部品の包装等広範囲にわたって実用化さ
れている。しかしながら、これら収縮性フィルムなどは
熱収縮タイプがほとんどである。従って、これらは熱に
弱い物の包装等には使用できず、その利用範囲が制限さ
れるものであった。この加熱に伴う制約を回避するもの
としては、水中で収縮するポリビニルアルコ−ルのフィ
ルム(特開昭57−160615号公報)や、湿気で収
縮するデンプングラフト系フィルム(米国特許第4,8
39,450号明細書)が提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リビニルアルコールのフィルムは、水中に浸漬して収縮
させるものであるため、浸漬しても支障が無い用途に制
約されるという問題点があった。一方、上記デンプング
ラフト系フィルムは、湿気を含んだ気相雰囲気で収縮す
る性質を有しているものの、湿気を吸収して収縮した後
の引張り強度が吸湿前に比べて著しく低下する等の問題
点を有しており、実用性に乏しいものであった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、湿気を含んだ雰囲気
下で極めて良好な収縮性を示し、収縮後も形状等にかか
わらず高い引張強度を示す樹脂成形物を見い出し、本発
明に到達した。すなわち本発明は、イオン性基を有する
樹脂(a)部分と熱可塑性樹脂(b)部分から構成され
る、グラフト共重合体(X1)および/またはブロック
共重合体(X2)からなり、延伸されており、且つ相対
湿度70%以上の気相雰囲気下で収縮することを特徴と
する湿気収縮性樹脂成形物である。 【0005】本出願人は、すでに特願平1−17325
3号,特願平1−173707号にて、親水性合成樹脂
と熱可塑性樹脂のグラフト共重合体、親水性樹脂と熱可
塑性樹脂のブロック共重合体からなる水分収縮性樹脂成
形物の出願をそれぞれ行っている。本発明はこの特許出
願明細書に記載の発明の範囲のうち、親水性樹脂として
イオン性基を有する樹脂を選び、これと熱可塑性樹脂を
グラフト共重合および/またはブロック共重合すること
で、湿気による良好な収縮性能(収縮率,収縮速度)と
成形物の性状において特に優れた成形物が得られること
を見い出し、更に実用性が大きいことを確認したもので
ある。 【0006】本発明において、イオン性基を有する樹脂
(a)部分としては、例えば、アニオン性基を有する樹
脂(1)、カチオン性基を有する樹脂(2)、アニオン
性基とカチオン性基双方を有する両性樹脂(3)が挙げ
られる。 【0007】これらのうち、アニオン性基を有する樹脂
(1)としては、下記のものが挙げられる。 ■カルボン酸基を含有する樹脂:不飽和カルボン酸重合
体[ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(エタ)アクリル酸
、ポリクロトン酸、ポリソルビン酸、ポリマレイン酸、
ポリイタコン酸、ポリケイ皮酸、ポリアコニチン酸、ブ
タジエンー1ーカルボン酸等]、多価カルボン酸と多価
アルコールを反応させて得られる末端カルボン酸基ポリ
エステル、カルボン酸で変性した酸性セルロース誘導体
、カルボン酸のビニルエーテルエステル重合体等。 ■スルホン酸基を含有する樹脂:脂肪族または芳香族ビ
ニルスルホン酸重合体[ポリビニルスルホン酸、ポリア
リルスルホン酸、ポリビニルトルエンスルホン酸、ポリ
スチレンスルホン酸等]、(メタ)アクリルスルホン酸
重合体[ポリ(メタ)アクリル酸スルホエチル、ポリ(
メタ)アクリル酸スルホプロピル、ポリー2ーアクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]、スルホン
酸で変性した酸性セルロース誘導体、スルホン酸変性ポ
リビニルアルコール誘導体等。 ■上記■〜■以外のアニオン性基を含有する樹脂:リン
酸基を含有する樹脂[(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキルリン酸モノエステル重合体(ポリー2ーヒドロキ
シエチルアクリロイルホスフェート、ポリー2ーヒドロ
キシエチルメタクリロイルホスフェート、ポリフェニル
ー2ーアクリロイロキシエチルホスフェート等)]等。 ■上記■〜■の塩:アルカリ金属塩[ナトリウム、カリ
ウム、リチウム等の塩]、アルカリ土類金属塩[カルシ
ウム、マグネシウム等の塩]、アンモニウム塩およびア
ミン塩[メチルアミン、トリメチルアミン等のアルキル
アミンの塩;トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン等のアルカノールアミンの塩等]等。これらのアニオ
ン性基を含有する樹脂は単独で使用してもよく、また2
種以上併用してもよい。 【0008】カチオン性基を有する樹脂(2)の例とし
ては下記のものが挙げられる。 ■第四級アンモニウム塩基を含有する樹脂:ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレートとアルキルハライ
ドまたはジアルキル硫酸との反応物の重合体[ポリ(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライドまたはブロマイド、ポリ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムサルフェート、
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルエチル
アンモニウムクロライドまたはブロマイド、ポリ(メタ
)アクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモニウ
ムクロライド、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ポリ(メタ
)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド、ポリ(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリメチルアンモニウムサルフェート等]、ジアルキル
アミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとアル
キルハライドまたはジアルキル硫酸との反応物の重合体
[ポリ(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、ポ
リ(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシエチルトリメ
チルアンモニウムサルフェート、ポリ(メタ)アクリロ
イルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド等]、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸
との反応物の重合体[ポリトリメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミドの塩化物または臭化物、ポリトリメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化物、
ポリジエチルメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミドの塩化物等]、ジアルキルアミノヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリルアミドとアルキルハライドまたはジ
アルキル硫酸との反応物の重合体[ポリトリメチルアミ
ノヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドの塩化物、
ポリトリメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アク
リルアミドの塩化物、ポリジエチルメチルアミノヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化物等]、N
−アルキルビニルピリジニウムハライド[ポリーN−メ
チルー2ービニルピリジニウムクロライドまたはブロマ
イド、ポリーN−メチルー4ービニルピリジニウムクロ
ライド等]、トリアルキルアリルアンモニウムハライド
[ポリトリメチルアリルアンモニウムクロライドまたは
ブロマイド、ポリトリエチルアリルアンモニウムクロラ
イド等]等。 ■上記■以外のカチオン性基を含有する樹脂:アミノ基
を含有する樹脂[ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート重合体(ポリジメチルアミノメチル(メタ)
アクリレート、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ポリジエチルアミノメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ポリジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど
)、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド
重合体(ポリジメチルアミノメチル(メタ)アクリルア
ミド、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ポリジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド
、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
ポリジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
)、ポリエチレンイミン、ポリトリメチレンイミン、ポ
リビニルアミン、ポリアリルアミン等]と無機酸および
/または有機酸との塩[塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン
酸塩、カルボン酸塩等]等。 これらのカチオン性基を含有する樹脂は単独で使用して
もよく、また2種以上併用してもよい。 【0009】両性樹脂(3)としては、アニオン性基お
よびカチオン性基を含有する樹脂であれば特に制限はな
く、例えばカチオン性ビニル単量体とアニオン性ビニル
単量体の共重合体、前記樹脂(1)と樹脂(2)の併用
系、ポリアミノ酸等が挙げられる。 【0010】上記のイオン性基を有する樹脂(1)〜(
3)はその親水性を損なわない限り架橋されていても何
ら差し支えない。このような架橋された親水性樹脂とし
ては、例えば吸水性樹脂、イオン交換樹脂などが挙げら
れる。 これらのうちで好ましいものは、アニオン性基を有する
樹脂であり、特に好ましいものは、カルボン酸基、カル
ボン酸塩基、スルホン酸基、およびスルホン酸塩基から
なる群より選ばれる一種または二種以上のイオン性基を
有する樹脂である。 【0011】本発明に使用するイオン性基を有する樹脂
(a)において、樹脂中の官能基の合計モル量に対する
イオン性基の比率は、(a)の親水性が損なわれない範
囲であれば特に限定はされないが、70モル%以上が好
ましい。また、本発明において、該イオン性基を有する
樹脂(a)部分の平均重合度は特に限定されず、任意の
平均重合度のものが使用できるが、平均重合度50以上
の樹脂が好ましい。 【0012】本発明において、熱可塑性樹脂(b)とし
ては、例えばエラストマー類[熱可塑性エラストマー〔
(メタ)アクリル酸エステル系エラストマー、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステルエラストマー、塩化ビニ
ル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リスチレン−ポリブタジエン共重合熱可塑性エラストマ
ー、エチレン−酢酸ビニルエラストマー、塩素化ポリエ
チレンエラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー等〕、天然ゴムおよびその誘導
体(天然ゴム、エボナイト、塩化ゴム、塩酸ゴム、環化
ゴム等)、ジエン系ゴム(ブタジエン系ゴム、ニトリル
ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等)、オレフ
ィン系ゴム(イソブチレン系ゴム、イソブチレン−ジエ
ン系ゴム、エチレン−プロピレン系ゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン等)、多硫化物系ゴム、ウレタン系エ
ラストマー(ポリエステル−イソシアネート縮合物、ポ
リエーテル−イソシアネート縮合物等)、有機けい素化
合物系ゴム(シリコーンゴム等)、含ふっ素化合物系ゴ
ム等]、ポリオレフィン系樹脂[ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体、ポリ−4−メチルペン
テン、ポリブテン等]、スチレン系樹脂[ポリスチレン
、AS樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、A
CS樹脂、MBS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、H
IPS等]、ポリメチル(メタ)アクリレート、塩化ビ
ニル系樹脂[ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、
塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体等]、ポリ
塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー、ポリアセタール、ポリアミ
ド[ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン11、ナイロン12等]、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテルなどの芳香族ポリエーテル類、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリフェニ
レンスルフィド等が挙げられる。上記の熱可塑性樹脂(
b)は単独で使用してもよく、また二種以上併用しても
よい。これらのうちで好ましいものは、エラストマー類
であり、特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸エス
テル系エラストマーとウレタン系エラストマーである。 【0013】(b)は、成形物の弾性率等を上げる為、
一部が架橋されていてもよい。この場合、架橋は、従来
知られている方法でよく、例えば、(b)の合成時に架
橋剤を使用する方法、(b)を合成した後に架橋剤で架
橋反応させる方法、放射線や紫外線を照射する方法等が
挙げられる。 【0014】(b)の合成時に使用される架橋剤として
は、例えば、重合性架橋剤[二個以上の重合性二重結合
を有する化合物〔N,N’−メチレンビス(メタ)アク
リルアミド、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリ
ル酸エステル、トリメチロールプロパン−トリ−(メタ
)アクリル酸エステル、トリレンジイソシアネートとヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応によって
得られるカルバミルエステル、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエーテル、
ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ジアリルフ
タレート、ジアリルアジペート、ポリエチレングリコー
ルモノアリルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、
テトラアリロキシエタン等〕;少なくとも一個の重合性
二重結合を有しかつ単量体と反応性の官能基を少なくと
も一個有する化合物〔N−メチロ−ル(メタ)アクリル
アミド、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N,N
−トリメチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノエチル〕等]等を使用することが出来る
。 【0015】(b)を合成した後に使用される架橋剤と
しては、例えば(b)と反応しうる官能基を二個以上有
する化合物、例えば、ヒドロキシル基、エポキシ基、カ
チオン性基などを二個以上有する化合物が挙げられる。 具体的には、分子内にエポキシ基を二個以上有する化合
物(エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1
,3−ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールA−エピクロルヒド
リン型エポキシ樹脂等)、分子内にイソシアネート基を
少なくとも二個以上有する化合物(2,4−トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4
,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等)、分子
内に水酸基を少なくとも二個以上有する化合物(グリセ
リン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)
、分子内に少なくともアミノ基を二個以上有する化合物
(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等)を例示
することが出来る。 【0016】架橋剤を使用する場合の量は、(b)の重
量に基づいて通常、1.0%以下、好ましくは、0.5
%以下である。1.0%以上使用すると成形物の弾性が
低下する為、好ましくない。 【0017】また、(b)が、その剛直性を高めるよう
な単位(例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン
等)を含む場合は、成形物の強度がより高くなり、好ま
しい。この場合、剛直性を高めるような単位の添加量は
(b)の重量に対し通常50%以下である。50%を越
えると、湿気収縮性が低下する。 【0018】本発明において、該イオン性基を有する樹
脂(a)部分と該熱可塑性樹脂(b)部分の合計重量に
対する(a)部分の比率は、通常5〜80%、好ましく
は20〜50%である。これ以外の比率では、湿気によ
る収縮率や収縮速度が低下する。 【0019】本発明における該グラフト共重合体(X1
)を得る方法としては、 G−■:(a)に、重合後(b)となるモノマーをグラ
フト共重合する方法、     G−■:(a)に、重合後(b)の前駆体ポリマーとな
るモノマーをグラフト共重合した後、(b)の前駆体部
分を高分子反応により(b)とする方法、  G−■:
(a)の前駆体ポリマーに、重合後(b)となるモノマ
ーをグラフト共重合した後、(a)の前駆体部分を高分
子反応により(a)とする方法、  G−■:(a)の
前駆体ポリマーに、重合後(b)の前駆体となるモノマ
ーをグラフト共重合した後、(a)および(b)の前駆
体部分をそれぞれ高分子反応により(a)および(b)
とする方法、                   
          G−■:(b)に、重合後(a)となるモノマーをグラ
フト共重合する方法、 G−■:(b)に、重合後(a)の前駆体ポリマーとな
るモノマーをグラフト共重合した後、(a)の前駆体部
分を高分子反応により(a)とする方法、  G−■:
(b)の前駆体ポリマーに、重合後(a)の前駆体ポリ
マーとなるモノマーをグラフト共重合した後、(b)の
前駆体部分および(a)の前駆体部分を高分子反応によ
り(b)および(a)とする方法、G−■:(a)と(
b)を高分子反応でグラフト結合させる方法等が挙げら
れる。 【0020】上記の(X1)を得る方法G−■〜G−■
において、重合後(a)の前駆体ポリマーとなるモノマ
ーとしては、高分子反応等により、(a)に誘導される
ポリマーを重合により形成するものであればよく、特に
制限はないが、例えば、エステル基を有するモノマー〔
(メタ)アクリル酸メチル、(エタ)アクリル酸エチル
、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル等〕、アミド基を有するモノマー〔(メタ)アクリリ
アミド等〕、ニトリル基を有するモノマー(アクリロニ
トリル等)、水酸基を有するモノマー(アリルアルコー
ル等)、芳香環を有するモノマー(スチレン、ビニルト
ルエン、ビニルピロリドン等)が挙げられる。 【0021】また、(a)の前駆体部分を(a)に変え
る高分子反応は、(a)の前駆体ポリマーの種類によっ
てそれぞれ異なるが、例えば、(a)の前駆体ポリマー
がエステル基、アミド、ニトリル基等を有するポリマー
の場合は加水分解反応等を、水酸基を有するポリマーの
場合はカルボキシメチル化反応等を、芳香環を有するポ
リマーの場合はスルホン化反応等を用いることが出来る
。      【0022】一方、重合後(b)となるモノマーとして
は、前記に(b)として例示した樹脂の構造を重合後形
成するものであればよく、特に制限はないが、例えば、
(メタ)アクリル酸エステル〔(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル等〕、ハロゲン化ビニル(塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等)、スチレン系モノマー(スチレン等)、モノオ
レフィン(エチレン、プロピレン、イソブチレン等)、
ジオレフィン(ブタジエン等)、アセチレン類(アセチ
レン等)、環状ラクタム類(ε−カプロラクタム等)、
あるいはこれらの混合物が挙げられる。 【0023】また、重合後(b)前駆体となるモノマー
としては、例えば、(メタ)アクリル酸系モノマー(ア
クリル酸、メタクリル酸等)、が挙げられる。 【0024】更に、(b)の前駆体部分を(b)に変え
る高分子反応は、(b)の種類によってそれぞれ異なる
が、例えば、(b)の前駆体ポリマーが(メタ)アクリ
ル酸系ポリマーの場合、エステル化反応等を用いること
が出来る。 【0025】G−■〜G−■におけるグラフト共重合方
法は従来から知られている方法でよく、例えば放射線、
電子線、紫外線などを照射してグラフト共重合させる方
法、セリウム塩、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等]、
有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−tーブチルパー
オキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パ
ーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジ
カーボネート等]、レドックス触媒[アルカリ金属の亜
硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜
硫酸アンモニウム、アスコルビン酸等の還元剤とアルカ
リ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化物など
の酸化剤の組合せよりなるもの等]、アゾ化合物[アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロ
ライド等]等、およびこれらの二種以上のラジカル重合
触媒を用いてグラフト共重合させる方法等が挙げられる
。 【0026】また、G−■の(a)と(b)を高分子反
応でグラフト結合させる方法としては、(a)の水酸基
と反応し結合することが出来る官能基(例えば、カルボ
キシル基、アルデヒド基、シラノール基等)を末端に導
入した(b)を(a)と反応させる方法が挙げられる。 【0027】以上例示した製法により得られる該グラフ
ト共重合体の具体例としては、主鎖がポリアクリル酸ナ
トリウムで側鎖が熱可塑性樹脂であるグラフト共重合体
、主鎖が熱可塑性樹脂で側鎖がポリスチレンスルホン酸
ナトリウムであるグラフト共重合体などがあり、例えば
ポリアクリル酸ナトリウム−アクリル酸メチルグラフト
共重合体、ポリ(アクリル酸ブチル−アクリロニトリル
)共重合体ーポリスチレンスルホン酸ナトリウムグラフ
ト共重合体などが挙げられる。 【0028】次に、該ブロック共重合体(X2)を得る
方法は、従来から知られている方法でよく、例えば、 
                         
                B−■:末端にそれ
ぞれ反応性の官能基を導入した(a)と(b)を末端基
同士で反応させ、結合させる方法、         
                         
      B−■:末端にそれぞれ反応性の官能基を
導入した(a)の前駆体ポリマーと(b)を末端基同士
で反応させ結合させた後、高分子反応により(a)の前
駆体部分を(a)に変える方法、 B−■:末端にそれぞれ反応性の官能基を導入した(a
)と(b)の前駆体ポリマーを末端基同士で反応させ結
合させた後、高分子反応により(b)の前駆体部分を(
b)に変える方法、 B−■:末端にそれぞれ反応性の官能基を導入した(a
)の前駆体ポリマーと(b)  前駆体ポリマーを末端
基同士で反応させて結合させた後、高分子反応によりそ
れぞれの前駆体部分を(a)および(b)に変える方法
、B−■:(a)の末端を重合開始点として、重合後(
b)となるモノマーを重合する方法、 B−■:(a)の前駆体ポリマーの末端を重合開始点と
して、重合後(b)となるモノマーを重合した後、高分
子反応により(a)前駆体部分を(a)に変える方法、
B−■:(a)の末端を重合開始点として、重合後(b
)の前駆体ポリマーとなるモノマーを重合した後、高分
子反応により(b)の前駆体部分を(b)に変える方法
、B−■:(a)の前駆体ポリマーの末端を重合開始点
として、重合後(b)の前駆体ポリマーとなるモノマー
を重合した後、高分子反応により(a)の前駆体部分と
(b)の前駆体部分をそれぞれ(a)と(b)に変える
方法等が挙げられる。 【0029】重合後(a)の前駆体ポリマーや、(b)
や、(b)の前駆体ポリマーとなるモノマーは、前記に
例示した通りである。また、(a)の前駆体ポリマーと
(b)の前駆体ポリマーをそれぞれ(a)と(b)に変
える高分子反応についても前記した通りである。 【0030】上記B−■〜B−■の方法において、プレ
ポリマー末端を重合開始点として他方のモノマーを重合
するポリマー開始重合法としては、従来から知られてい
る方法でよく、例えば、■ラジカル重合開始能のある官
能基(パーオキサイド基、アゾ基、レドックス反応性基
等)を末端に導入したポリマーを重合開始剤としてラジ
カル重合性のあるモノマー(ビニルモノマー等)を重合
させる方法〔この場合、プレポリマー末端にラジカルを
発生させる方法として、電磁波(例えば紫外線,放射線
,超音波等)の照射、物理・化学的方法(加熱,放電,
素練り,溶液振動,高速攪拌,オゾン吹き込み等)等を
用いることが出来る。〕、■カチオン重合開始能のある
官能基(ハロゲン基、スルホン酸エステル基等)を末端
に導入したポリマーを重合開始剤としてカチオン重合性
のあるモノマー(環状アミン、オキサザシクロプロパン
誘導体、ビニルエーテル、環状エーテル等)を重合させ
る方法、■アニオン重合開始能のある官能基(アルキル
リチウム基、アルカリ金属アルコキシド基等)を末端に
導入したポリマーを重合開始剤としてアニオン重合性の
あるモノマー(アクリロニトリル等)を重合させる方法
等が挙げられる。 【0031】本発明において、イオン性基を有する樹脂
(a)部分と熱可塑性樹脂(b)部分のブロック共重合
体の結合の形態としては、(a)部分と(b)部分の(
a)・(b)ブロック状の結合、(a)・(b)・(a
)ブロック状の結合、(b)・(a)・(b)ブロック
状の結合、マルチブロック状の結合およびこれらの二種
以上の結合形態が挙げられる。このとき(a)部分、(
b)部分両方が片末端のみに反応性の官能基を有する場
合は(a)・(b)ブロック状に結合した共重合体が、
一方が片末端のみで他方が両末端に反応性の官能基を有
する場合は(a)・(b)・(a) または(b)・(
a)・(b)ブロック状に結合した共重合体が、両方が
両末端に反応性の官能基を有する場合はマルチブロック
状に結合した共重合体が得られる。         
 【0032】以上例示した製法により得られるブロッ
ク共重合体としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウ
ムーポリアクリル酸メチルブロック共重合体、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム−エチルビニルエーテルブロ
ック共重合体等が挙げられる。 【0033】本発明において、該グラフト共重合体(X
1)と該ブロック共重合体(X2)は、前者の方がより
好ましいが、各々任意の割合で二種以上混合あるいは共
存されていても何等支障はない。また、該グラフト共重
合体(X1)および/またはブロック共重合体(X2)
と、(a)および/または(b)が混合されていても良
い。この場合、(X1)および/または(X2)の合計
重量に基づく(a)および/または(b)の量は、30
%以下が好ましい。特に好ましいのは20%以下である
。30%を越えると用途によっては、組成物の水への溶
解等が著しく、成形物の目的を損なう場合がある。 【0034】本発明の湿気収縮性樹脂成形物に必要によ
り増量剤や添加剤として、可塑剤、充填剤、発泡剤、離
型剤、滑剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、易分解
性添加剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、無機物(シ
リカ、ゼオライト、活性炭、遠赤外線放射セラミックス
など)、鮮度保持剤、吸水性樹脂、乾燥剤、防曇剤、脱
臭剤、芳香剤、脱酸素剤、エチレン吸着剤、薬効成分、
防菌剤、防カビ剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等を含有させることができる。 【0035】本発明の湿気収縮性樹脂成形物の形状につ
いては特に制限はなく、フィルム状、シート状、繊維状
、発泡体状、棒状等の任意の形状に成形することができ
る。好ましくはフィルム状である。 【0036】本発明の湿気収縮性樹脂成形物を得る製法
は特に制限はなく、例えばフィルム状の延伸成形物を得
る場合、押出延伸成形法、インフレーション法、カレン
ダー法などが挙げられる。また、キャスティング法など
で未延伸フィルムを得た後、延伸成形する方法も挙げら
れる。また、本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、共押出
成形、ヒートシール、ラミネート接着、などにより、他
のプラスチックフィルムと二層ないし多層構造でフィル
ムを成形することもできる。 【0037】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、相対湿
度70%以上で良好な収縮性を示す、例えば、延伸倍率
を3倍とし、フィルム厚を70μ以下に調整したフィル
ムは、温度35℃相対湿度が100%の雰囲気中で吸湿
させた場合、吸湿開始一分後の収縮率が、通常、15%
以上の高い値を示す。また、本発明の湿気収縮性樹脂成
形物は、水中に浸漬しても同様に良好な収縮性を示すが
、この場合、水中浸漬に支障のない用途に制限される。         【0038】また、湿気収縮性樹脂成
形物が吸湿して収縮した後の引張り強度は、温度20℃
、相対湿度70%以上の雰囲気で吸湿させた場合、通常
3.0kgf/mm2以上であり、吸湿後も比較的高い
値を示す。包装に用いられるポリエチレンフィルムのう
ち極薄用・強化用として用いられるタイプには3.0k
gf/mm2以上の引張り強度が要求されることから、
本発明の成形物は、このような用途に好適である。  【0039】更に、本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、
湿気を吸収して収縮した後のフィルム強度の収縮前に対
する比(強度低下率)が、前述のポリビニルアルコール
のフィルムやデンプングラフト系フィルムに比べて小さ
く、約70%程度である。このことは、従来の公知技術
からは、予測出来ないものであり、該イオン性基を有す
る樹脂(a)と熱可塑性樹脂(b)から構成されるグラ
フト共重合体および/またはブロック共重合体を延伸成
形した結果、得られた特性であると考えられる。 【0040】本発明の湿気収縮性樹脂成形物を収縮させ
る方法としては、例えば、室温50℃以下で、■該成形
物を高湿度雰囲気下に置く方法、■該成形物に高湿気エ
アーを吹きかける方法、■被包装物から発散される湿気
あるいは蒸気を利用する方法等が挙げられる。これらは
いずれも好ましい方法であるが、大きな収縮速度と収縮
率を得る為に成形物近傍を、通常、相対湿度70%以上
、好ましくは80%以上の雰囲気に調節することが重要
である。 【0041】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、成形物
の品温として0〜50℃の範囲でも、それ以上でも良好
な収縮性を示す。 【0042】 【実施例】                  以下
、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例中の部は重量部で
ある。実施例および比較例中の相対湿度100%におけ
る収縮率は次の操作により測定した。即ち各々の試験フ
ィルム(縦10cm,横2cm)を相対湿度100%の
雰囲気下、35℃で放置し、吸湿前と吸湿一分後の縦方
向の長さの収縮率を算出した。引張り強度は、各々の試
験フィルムについて、相対湿度30%の雰囲気下、20
℃で、インストロン試験機を用い、縦方向に50mm/
分の速度で収縮前の引張り強度を測定した。次いで、こ
れらの試験フィルムを相対湿度100%の雰囲気下、3
5℃で24時間放置した後、収縮したフィルムについて
同様に引張り強度を測定した。 【0043】実施例1(グラフト共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=40/60)ジャーナル
オブポリマーサイエンス誌(34,287,(1959
))に記載されたスメッツらの方法に従って、アクリル
酸メチルとアクリル酸クロライドとの共重合体を得、こ
れに第三級ブチルハイドロパーオキサイドを反応させた
後、加水分解とジアゾメタン処理を行い、パーエステル
基5.0モル%をランダムに含むポリアクリル酸メチル
を得た。このパーエステル基を有するポリマー300部
をアクリル酸200部存在下で加熱重合した後、水酸化
ナトリウムで中和し、40メッシュ以下に乾燥粉砕する
ことでアクリル酸メチル−アクリル酸ナトリウムのグラ
フト共重合体の粉砕物を得た。この粉砕物を環状ダイ付
き押出機にて溶融押出した後インフレーション延伸(3
.0倍)して、厚さ 50μのフィルム状の本発明の湿
気収縮性樹脂成形物を得た。このものの性能測定結果を
表1に記載する。 【0044】実施例2(グラフト共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=30/70)実施例1に
おけるアクリル酸200部をアクリル酸130部に代え
た以外は実施例1と全く同様の方法で厚さ50μのフィ
ルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成形物を得た。このも
のの性能測定結果を表1に記載する。 【0045】実施例3(グラフト共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=40/60)実施例1に
おいてアクリル酸メチルとアクリル酸クロライドを共重
合する際に架橋剤としてエチレングリコール−ジ−アク
リル酸エステルを前記の二種類のモノマーに対して0.
025モル%添加する以外は実施例1と全く同様の方法
で厚さ50μのフィルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成
形物を得た。このものの性能測定結果を表1に記載する
。 【0046】実施例4(グラフト共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=40/60)実施例1に
おいて、アクリル酸200部の代わりにスチレンスルホ
ン酸ナトリウム200部を使用してアクリル酸メチルと
スチレンスルホン酸ナトリウムのグラフト共重合体を得
た。得られたポリマーを40メッシュ以下に乾燥粉砕し
、粉砕物を二層Tダイ押出機にて押出延伸(3.0倍)
成形して、厚さ50μのフィルム状の本発明の湿気収縮
性樹脂成形物を得た。このものの性能測定結果を表1に
記載する。 【0047】実施例5(ブロック共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=40/60)CERES
A R.J.著「BLOCK AND GRAFT C
OPOLYMERS」 1969,36 に記載されて
いる方法に従って、メタジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイドとピロリン酸第一鉄とのレドックス系
開始剤を用い、温度50℃で、アクリル酸メチル300
部をエマルション重合し、末端にハイドロパーオキサイ
ド基が導入されたポリアクリル酸メチルを合成した。次
いで、メタノールとベンゼンを用いポリマーを沈澱させ
未反応のメタジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイドを除去した後、ポリマーをアクリル酸200部と
混合した。この混合液に、レドックス開始剤として第一
鉄イオンを添加し、6℃で、第二段の重合を行った結果
、アクリル酸メチルとアクリル酸とのブロック共重合体
(ポリアクリル酸部分の平均重合度15,000)を得
た。次いで、このポリマーのカルボン酸基部分の内96
.5モル%を水酸化ナトリウムで中和し、40メッシュ
以下に乾燥粉砕して、アクリル酸メチルとアクリル酸ナ
トリウムのブロック共重合体の粉砕物を得た。このポリ
マーを実施例1と同様の方法で延伸成形し、厚さ50μ
のフィルム状の湿気収縮性樹脂成形物を得た。このもの
の性能測定結果を表1に記載する。 【0048】実施例6(ブロック共重合体からなる成形
物;(a)/(b)の重量比=40/60)実施例5に
おいてアクリル酸メチル300部に代えてアクリル酸メ
チル270部とアクリロニトリル30部を使用する以外
は実施例5と全く同様の方法で、厚さ50μのフィルム
状の湿気収縮性樹脂成形物を得た。なお、グラフト共重
合体におけるポリアクリル酸ナトリウム部分の平均重合
度は約15,000であった。このものの性能測定結果
を表1に記載する。 【0049】比較例1(ポリビニルアルコール単独のフ
ィルム) ケン化度99.5モル%,重合度1800のポリビニル
アルコールを用い、特開昭57−160615号の実施
例1に基づいて、未延伸フィルムの作成とこのものの同
時二軸延伸を行い、延伸倍率3倍,厚さ50μのフィル
ム状の成形物を得た。 このものの性能測定結果を表1に併記する。 【0050】比較例2(デンプン系グラフト共重合体か
らなる成形物) 米国特許4839450号の実施例1に基づいてデンプ
ンとアクリル酸メチルのグラフト共重合体を得た。つい
で該実施例2の方法で厚さ50μのフィルム状の成形物
(延伸倍率3倍)を得た。このものの性能測定結果を表
1に併記する。 【0051】比較例3(ポリアクリル酸ナトリウムから
なるフィルム) 日本純薬株式会社製のポリアクリル酸ナトリウム(アロ
ンビスS)の1%水溶液を使用してキャステイング法で
均一なフィルムを得た。このフィルムを温度20℃,相
対湿度100%の条件下に1時間曝した後、テンター方
式の延伸機で二軸延伸し、厚さ50μ(延伸倍率縦横3
倍)のフィルム状の成形物を得た。このものの性能測定
結果を表1に併記する。 【0052】比較例4(ポリアクリル酸メチルからなる
成形物) 実施例5で得たポリアクリル酸のエマルションを乾燥粉
砕し、40メッシュ以下の粉砕物を得た。このものを実
施例3と同様に方法で延伸フィルム化することを試みた
が、延伸成形性が悪く、延伸成形物を得ることが出来な
かった。 【0053】 【表1】 【0054】 【発明の効果】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、次の
ような効果を奏する。 (1)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、相対湿度70
%以上で極めて良好な収縮速度と収縮率を示す為、従来
のポリビニルアルコールのフィルムのように水中に浸漬
する必要がなく且つ特別な収縮装置も必要としない為、
手軽に使用出来、実用性が極めて高い。 (2)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、吸湿して収縮
した後も良好な強度を有し、吸湿前後における強度の低
下度合が少ない。 (3)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、湿気を吸収す
ることにより、低温でも極めて短時間に収縮する。 (4)従来の熱収縮性樹脂成形物では使用できなかった
熱に弱い物に対しても使用できる。例えば従来の熱収縮
フィルムでは、生鮮食品や熱に弱い精密機械の包装には
使用できなかった。本発明の湿気収縮性樹脂成形物をフ
ィルム状にして用いれば、このような熱に弱い物の包装
等にも使用できる。 (5)従来の熱収縮性樹脂成形物が必要とした加熱設備
を省略でき、熱エネルギーコストを低減できる為、経済
的である。上記(1)〜(5)のうち、特に(1)〜(
3)は、本出願人の出願に関わる前記二件の特許出願明
細書に記載の発明のうち、親水性樹脂として特定のイオ
ン性基を有する樹脂を使用し、熱可塑性樹脂とグラフト
共重合および/またはブロック共重合した場合にのみ顕
著な効果があることを見いだしたものである。以上の効
果を奏することから本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、
果実その他食品、ガラス製品、精密部品、科学装置など
の包装用資材、農業用資材、医療材料、オムツのギャザ
ー、湿度センサー、エネルギー変換装置、水分検出機、
漏れ感知機などに有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン性基を有する樹脂(a)部分と熱可
    塑性樹脂(b)部分から構成される、グラフト共重合体
    (X1)および/またはブロック共重合体(X2)から
    なり、延伸されており、且つ相対湿度70%以上で収縮
    することを特徴とする湿気収縮性樹脂成形物。
  2. 【請求項2】温度35℃、相対湿度が100%の雰囲気
    下で、吸湿1分後の収縮率が15%以上である請求項1
    記載の成形物。
  3. 【請求項3】吸湿して収縮した後の引張り強度が3.0
    kgf/mm2以上である請求項1または2記載の成形
    物。
  4. 【請求項4】(a)部分と(b)部分の合計重量に対す
    る(a)部分の比率が5〜80%である請求項1〜3記
    載の成形物。
  5. 【請求項5】イオン性基がカルボン酸基、カルボン酸塩
    基、スルホン酸基、およびスルホン酸塩基からなる群よ
    り選ばれる一種または二種以上のイオン性基である請求
    項1〜4記載の成形物
  6. 【請求項6】(b)が一部架橋されていることを特徴と
    する請求項1〜5記載の成形物。
  7. 【請求項7】(b)が、エラストマー類である請求項1
    〜6のいずれか記載の成形物。
  8. 【請求項8】エラストマー類が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル系エラストマーである請求項7記載の成形物。
  9. 【請求項9】(メタ)アクリル酸エステル系エラストマ
    ーが、(メタ)アクリロニトリル単位をふくむ(メタ)
    アクリル酸エステル系エラストマーである請求項8記載
    の成形物。
  10. 【請求項10】形状がフィルム状である請求項1〜9の
    いずれか記載の成形物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592995B2 (en) * 2001-07-24 2003-07-15 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Humidity activated materials having shape-memory
US6627673B2 (en) * 2001-07-24 2003-09-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Methods of making humidity activated materials having shape-memory

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