JPH04238839A - フローコート用薬液組成物 - Google Patents

フローコート用薬液組成物

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JPH04238839A
JPH04238839A JP275291A JP275291A JPH04238839A JP H04238839 A JPH04238839 A JP H04238839A JP 275291 A JP275291 A JP 275291A JP 275291 A JP275291 A JP 275291A JP H04238839 A JPH04238839 A JP H04238839A
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esters
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Takeshi Kondo
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収機能を有す
る酸化亜鉛膜や熱線反射機能を有する酸化ビスマス等の
機能性無機膜を保護するための極めて均一、平滑で可視
光透過率の高いシリカ膜(オーバーコート膜)を、特に
フローコート法で作成するために生産性、再現性等に優
れたフローコート用薬液組成物に関する。
【0002】本発明の薬液を使用することにより、上記
性能の優れたシリカ膜を大面積で、安価に提供すること
ができる。
【0003】
【従来技術とその問題点】従来、機能性無機膜の保護膜
としてのシリカ膜の成膜方法としては、烝着法、スパッ
タリング法等の物理的方法とCVD 法や浸漬法、スピ
ンコート法等のシラン化合物溶液を塗布する化学的方法
が知られている。
【0004】しかしながら、窓ガラス等の大面積に塗布
する場合、従来の方法では装置が大がかりになること、
塗布に時間がかかりすぎるために生産性が低い等の問題
があった。また、浸漬法等で用いられていたシリカ膜用
薬液をフローコート法で用いた場合には、粘度が低すぎ
ること等のため、成膜性が悪い、色むらが生じる、膜の
白濁化が起こりやすい等の問題があった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる問
題点に鑑み鋭意検討した結果、従来のアルコキシシラン
類のアルコール溶液に対し、増粘および膜の白濁化防止
を併せ持つ高沸点溶媒(150 〜300 ℃)である
アルコール類やエステル類を、粘度調整に低沸点溶媒(
50〜150 ℃) であるであるアルコールやエステ
ル類を、さらに色むら防止、レベリング、消泡の効果を
持つシリコーン化合物を、場合によっては増粘剤である
ヒドロキシプロピルセルロースのアルコール溶液を加え
、最適な比率で混合することにより得られた薬液は、フ
ローコート法により酸化亜鉛等の機能性無機膜の上に均
一で平滑かつ透明なシリカ膜を作成できることを見い出
し本発明に到達したものである。
【0006】すなわち本発明は、下記(1)〜(5)の
成分からなることを特徴とするフローコート用薬液組成
物、すなわち、 (1)アルコキシシランとして、一般式(R1−O)n
 R24−n Si −−−−(A)(ただし、式中R
1はメチル基またはエチル基を示し、R2はメチル基、
エチル基、フェニル基を示し、n は4以下の自然数で
ある。)で表されるアルコキシシランのうち少なくとも
1種以上の加水分解物:SiO2として1〜5wt% 
。 (2)沸点が150 〜300 ℃のアルコール類、エ
ステル類をうち少なくとも1種以上の成分:5 〜50
wt% 。 (3)沸点が50〜150 ℃のアルコール類、エステ
ル類をうち少なくとも1種以上の成分:0 〜50wt
% 。 (4)シリコーン化合物:10〜1000ppm 。 (5)ヒドロキシプロピルセルロース: 0〜 2wt
% 。を提供するものである。
【0007】まず、(1)の主要成分のアルコキシシラ
ンとしては、一般式(A)で表されるものの加水分解物
であるが、この一般式(A)で表される化合物としては
、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン等があり、上記化合物を少なくとも1種以上使用す
る。また、上記化合物を含有するTS101GZD(大
八化学)、G−90,401(日板研究所)、ETSB
−7000(テー・エス・ビー)等の市販品を使用して
もよい。これら一般式(A)で表される化合物は薬液全
体に対し、SiO2濃度として1〜5wt% になるよ
うに添加すればよい。SiO2の濃度として1wt%よ
り低い場合は、膜厚が薄くなりすぎるため保護機能を維
持できず、一方5wt%より濃い場合は、膜厚が厚くな
りすぎるため、クラック等が入り易くなり好ましくない
【0008】(2)の沸点が150 〜300 ℃のア
ルコール類、エステル類としては、まずアルコール類と
して1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル
−1−ヘキサノール、2−エタンジオール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリ
ン等、エステル類としてモノアセチン、トリアセチン等
を単独もしくは2種類以上混合して使用する。前記溶媒
は濃度が薬液全体に対し、5〜50wt% になるよう
に添加すればよい。(2)の沸点が150 〜300 
℃のアルコール類やエステル類を添加することにより、
乾燥工程で白濁化が防止でき、また300 ℃以下と沸
点が余り高すぎないため乾燥工程の時間が必要以上に長
くなることはない。添加量が5wt%より少ない場合、
膜が白濁化するため好ましくなく、一方添加量が50w
%より多いと乾燥工程に時間がかかりすぎるため好まし
くない。
【0009】(3)の沸点が50〜150 ℃のアルコ
ール類、エステル類としては、アルコール類としてエタ
ノール、プロパノール、ブタノール等、エステル類とし
ては酢酸エチル、酢酸ブチル等を単独または2種類以上
混合して使用して粘度調整を行う。前記溶媒は濃度が薬
液全体に対し、0〜50wt% になるように添加すれ
ばよい。添加量が50wt% より多すぎる場合、粘度
が低下し膜厚の調整が難しく、所定の膜厚を得ようとす
れば、白濁化しやすくなる。(2)の成分の沸点が15
0℃に近い低沸点のものを使用した場合には、(3)の
成分を必ずしも添加する必要のない場合もある。
【0010】上記した化合物の混合溶液だけでも透明な
シリカ膜を得ることはできるが、塗装後、乾燥する場合
に平滑性が保ちにくいため、色むら(干渉光)が生じや
すく、光学的用途には使用できない。また、フローコー
ト法では塗布液をポンプで循環しているため、溶媒の種
類によっては泡が発生しやすく、塗膜に泡が残る可能性
があるため、色むら防止、消泡に効果のある(4)のシ
リコーン化合物を10〜1000ppm 添加する。添
加するシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン
オイル、メチルフェニルシリコーンオイル、シリコーン
ポリオキシエチレン共重合体、シリコーンポリオキシア
ルキレン共重合体、アミノ変性シリコーンオイル等が好
ましい。添加量が10ppmより少ない場合、塗布液が
発泡したり、膜の色むらが生じ、一方添加量が1000
ppm より多すぎる場合にも色むらが発生しやすくな
り、また経済的でない。
【0011】また上記組成に対し、(5)のヒドロキシ
プロピルセルロースを増粘剤として、薬液全体に対し 
0〜 2wt% になるよう添加するのが好ましく、こ
の場合普通はヒドロキシプロピルセルロースを1〜5w
t% になるようにアルコール類に溶解した後、添加す
る。ヒドロキシプロピルセルロースの添加量が多すぎる
場合、粘度が上がりすぎるため、フローコート用として
使用できない。 上記(1)〜(4)の成分で粘度が十分の場合は、(5
)の成分を添加しなくてもよい。
【0012】このようにして作成された本発明のフロー
コート用薬液組成物は、その粘度として5 cp以上6
0cp以下というフローコーターで使用するのに好適の
粘度を有し、後述するフローコート法による塗布におい
て、乾燥過程で白濁化せず、塗布膜が硬化するまで均一
の厚さに保たれること、溶媒が短時間で蒸発することな
ど種々の優れた点を有する。
【0013】本発明のフローコート用薬液は、種々のフ
ローコータ−、例えばスロットオリフィスから塗布液を
自然落下させるタイプ、オーバーフローさせるタイプ、
加圧ポンプでフローさせるタイプ等の種々のタイプを用
いたフローコート法に適用できる。
【0014】フローコーターの設定条件は、フローの形
式や種類の違いによって異なるが、例えば岩田塗装機工
業(株)のFLシリーズを使用した場合は、コンベヤ速
度:40〜200 m/min 、スリット幅:0.4
 〜0.8 mmの設定条件で塗布することができる。
【0015】塗布後、通常の対流式乾燥機や連続乾燥炉
で、150 〜200 ℃で15〜30分間乾燥するこ
とで、乾燥膜が得られる。この乾燥膜を450 〜55
0 ℃、15分〜1 時間、空気中で焼成することによ
り、膜厚0.1 〜1.5 μm の強固なシリカ保護
膜が得られる。この保護膜は、鉛筆硬度9H以上の硬さ
を有し、下地との密着性にも優れ、0.1Nの塩酸溶液
や0.1Nの苛性ソーダ水溶液等の強酸、強アルカリか
ら機能性無機膜を守る耐薬品性を有しており、実用上充
分な保護機能を有するシリカ膜が得られる。
【0016】このため、従来安価、大面積で均一、平滑
かつ可視光透過率の高いシリカ保護膜を形成することが
困難であったため用途が限られていた、紫外線吸収機能
を有する酸化亜鉛膜、熱線反射機能を有する酸化ビスマ
ス膜等の機能を有する光学機能膜等に上記保護膜を形成
せしめることができ、建築用、自動車用等、種々の用途
に利用できるようになり、その適用範囲は格段に拡がる
ものとなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により限定されるものでは
ない。
【0018】実施例1 市販のシリカ膜用薬液のTS101GZD(大八化学)
1リットル、トリアセチン5リットルを混合した後、0
.01wt% のTSF451−350(東芝シリコー
ン製、レベリング剤・消泡剤)を含むイソプロパノール
4リットルを加えて混合することで、粘度10cpのフ
ローコート用薬液を得た。
【0019】次にまず、ソーダライムガラス板(300
 ×400 ×4 mm)上に2−エチルヘキサン亜鉛
を主成分とする溶液を塗布、乾燥、焼成して酸化亜鉛膜
(膜厚1.0 μm )を作成し、その上にさらにフロ
ーコート法を用いて上記薬液を塗布した。
【0020】フローコーターは、FL−S3F[岩田塗
装機(株)]を用い、カーテンスリット幅:0.6 m
m、コンベヤ速度:60m/min 、塗布液送入バル
ブ開度:4.5/10の設定条件で塗布し、塗布した基
板を150 〜200 ℃の乾燥器で30分間乾燥した
後、550 ℃の電気炉で20分間乾燥した。
【0021】これにより、膜厚約0.5 μm の平滑
透明なシリカ保護膜を有する紫外線吸収ガラスが得られ
た。 実施例2 メチルトリメトキシシラン1360g 、テトラエトキ
シシラン3040g 、n−ブタノール4000g 、
水1980g を室温下で攪拌、混合した後、72時間
静置することで安定なアルコキシシラン加水分解薬液を
得た。このアルコキシシラン加水分解薬液0.5 リッ
トルに、エチレングリコール3.25リットル、イソプ
ロパノール6.25リットル、レベリング剤としてYS
A6403(東芝シリコーン製)を0.26g 添加し
、混合することで、粘度10cpのフローコート用薬液
を得た。
【0022】この薬液を、2ーエチルヘキサン酸ビスマ
スを主成分とする溶液を塗布、乾燥、焼成することによ
り、酸化ビスマスの膜(膜厚:0.5 μm )を作成
したソーダライムガラス板(300 ×400 ×4 
mm)に、実施例1と同様のフローコーターを使用し、
カーテンスリット幅:0.3 mm、コンベヤ速度:1
20m/min、塗布液送入バルブ開度:3/10の設
定条件で塗布し、塗布した基板を150 ℃の乾燥器で
15分間乾燥した後、550 ℃の電気炉で20分間乾
燥した。
【0023】これにより、膜厚約0.12μm の平滑
透明なシリカ保護膜を有する熱線反射ガラスが得られた
。 実施例3 メチルトリエトキシシラン771 g 、n−ブタノー
ル3674g 、エタノール2487 g、水546g
、リン酸21 gを室温下で攪拌、混合した後、2時間
静置することで安定なアルコキシシラン加水分解薬液を
得た。このアルコキシシラン加水分解薬液に1.5wt
%ヒドロキシプロピルセルロースを含有するエタノール
溶液2500g 、シリコーン化合物TFS400(東
芝シリコーン製)を1g 添加し、混合することで、粘
度20cpのフローコート用薬液を得た。
【0024】このフローコート用薬液を、酸化カドニウ
ムを50mol%含有したガラス膜(1.2 μm)を
付与した石英ガラス板(150 ×150 ×2 mm
)に、実施例1と同様のフローコーターを使用し、カー
テンスリット幅:0.3 mm、コンベヤ速度:100
m/min、塗布液送入バルブ開度:4/10の設定条
件で塗布した。
【0025】前記基板を、200 ℃の乾燥器で30分
間乾燥した後、570 ℃の電気炉で30分間焼成した
。これにより、膜厚約1.21μm の平滑透明なシリ
カ保護膜を有するフォトクロミックガラスが得られた。
【0026】実施例4 実施例1〜3で作成した紫外線吸収ガラスの耐酸性、耐
アルカリ性、耐候性、引っ掻き試験の評価を保護膜なし
の場合と比較した。試験の条件は、下記の通りである。
【0027】耐酸性試験:0.15N のHCl に室
温下で24時間、浸漬。 耐アルカリ性試験:0.15N のNaOH 室温下で
24時間、浸漬。 耐候性試験:サンシャインウェザーメーター[WEL−
SUN−HCH型、スガ試験機(株)] 照射強度  250 ±45 W/m2 (300〜7
00nm)、4000時間引っ掻き試験:(株)河西製
、#000スチールウール  5Kg/cm2 ×40
往復 結果を、保護膜なしの場合と比較して表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の薬液組成物は、特にフローコー
ト法によりシリカ膜を作成するのに最適な薬液であり、
該薬液を使用してフローコート法により作成したシリカ
膜は、極めて均一、平滑で可視光透過率が高く、耐久性
にも優れ、下地との密着性も良好なため、紫外線吸収機
能を有する酸化亜鉛膜、熱線反射機能を有する酸化ビス
マス膜等の機能性無機膜を保護するシリカ膜を作成する
ため等に極めて有用である。
【0030】また、本発明の薬液を使用して作成した保
護膜を有する上記の紫外線吸収ガラス、熱線反射ガラス
等は、耐酸性、耐アルカリ性、耐候性、耐磨耗性等に優
れ、建築用、自動車用等の用途に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記(1)〜(5)の成分からなるこ
    とを特徴とするフローコート用薬液組成物。 (1)アルコキシシランとして、一般式(R1−O)n
     R24−n Si −−−−(A)(ただし、式中R
    1はメチル基またはエチル基を示し、R2はメチル基、
    エチル基、フェニル基を示し、n は4以下の自然数で
    ある。)で表されるアルコキシシランのうち少なくとも
    1種以上の加水分解物:SiO2として1〜5wt% 
    。 (2)沸点が150 〜300 ℃のアルコール類、エ
    ステル類をうち少なくとも1種以上の成分:5 〜50
    wt% 。 (3)沸点が50〜150 ℃のアルコール類、エステ
    ル類をうち少なくとも1種以上の成分:0 〜50wt
    % 。 (4)シリコーン化合物:10〜1000ppm 。 (5)ヒドロキシプロピルセルロース: 0〜 2wt
    % 。
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