JPH04235086A - インクジェット記録用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水性インク，油性イン
ク等の微小液滴をノズルから噴射してモノクロ，フルカ
ラ−画像を高速に印画するインクジェットプリンタ−の
記録用シ−トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】記録方式には、熱溶融方式，昇華方式，
電子写真方式，インクジェット方式等があるが、記録時
の音の静かさ，高速印画性，カラ−記録の容易性大型画
像の記録適性等から、近時、インクジェット記録方式が
普及しつつある。

【０００３】而して、インクジェット記録用シ−トに要
求される品質としては、■　　インクの吸収性に優れ、
にじみ等が発生しないこと ■　　平滑性，光沢性に優れていること■　　シ−ト及
び画像に耐水性があり、水分が付着しても画像ににじみ
や流れ出しがないこと ■　　多量のインクを吸収してもシ−トに弛みを生じな
いこと ■　　画像の発色濃度，鮮明性に優れていること等があ
り、従来、上記の品質を満足させるために種々の改良技
術が開発されてきた。

【０００４】而して、従来のインクジェット記録物は、
これを屋外等でバックライト方式で展示しようとする場
合等、未加工，未処理の状態のままでは、前記■の耐水
性を満足させ得るものはないため、従来は印画表面をプ
ラスチックフィルムでラミネ−トしたり、表面に耐水化
コ−ティング等の処理を施して使用したり、前記■の発
色濃度，鮮明性を向上させる目的で、画像裏面に高度な
不透明性を有する別な支持体、例えば紙などを密着させ
るなど、手数が掛からざるを得ないという問題点があっ
た。尚、このときの不透明度は６０％以上好ましくは８
０％以上である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、屋外で展示する場合でも、また、
屋内で印画物として見る場合でも、特に上記のような処
理を施すことなく、前記■〜■の品質を備え、しかも容
易且つ低廉に作製できるバックライト方式用のインクジ
ェット記録用シ−トを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決することを目的としてなされたもので、その構成は
、透明プラスチックフィルムから成る基材上に、顔料を
バインダ−により固定させたインク定着層を設けて成り
、インク定着層に形成された画像を基材側から見るイン
クジェット記録用シ−トにおいて、インク定着層の顔料
がポリスチレンビ−ズ又はその共重合体ビ−ズであるこ
とを特徴とするものである。

【０００７】即ち、本発明の発明者は、上記の課題を解
決するため、鋭意研究の結果、透明プラスチックフィル
ムから成る基材の上に、多孔性インク定着層を設け、該
インク定着層上にインクジェットプリンタ−で印画後、
インクを上記基材とインク定着層との界面まで速やかに
到達せしめ、基材側から画像を見るに際し、インクのに
じみ，流れ出し等の不具合がなく、発色濃度を高くする
には、適度の透明性があり、屈折率が１．５９〜１．６
０と高く、それ自体インクの吸収性を有しないポリスチ
レンビ−ズ又はその共重合体ビ−ズ及びそれらの中空ビ
−ズが有効に作用することを知得し、本発明を完成した
のである。

【０００８】以下、本発明について詳述する。本発明の
記録用シ−トは以下のようにして得られる。基材として
の透明プラスチックフィルムは、透明な熱可塑性樹脂フ
ィルムやポリビニルアルコ−ルのフィルム，セルロ−ス
誘導体のフィルム及びこれらの延伸フィルム等が用いら
れる。

【０００９】熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチ
レンテレフタレ−ト，ポリプロピレン，ポリスチレン，
ポリ塩化ビニル，ポリメチルメタクリレ−ト，ポリエチ
レン，ポリカ−ボネ−ト等のフィルム及びこれらの樹脂
表面とインク定着層の接着を改善するための下引層を施
したフィルムやコロナ放電加工等を施したフィルムが用
いられる。

【００１０】次に、前記基材上に顔料をバインダ−で固
定してインク定着層を形成するわけであるが、バインダ
−としては、例えば酸化澱粉，エステル化澱粉等の澱粉
類、カルボキシメチルセルロ−ス，ヒドロキシエチルセ
ルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、カゼイン，ゼラチン，
大豆蛋白，ポリビニルアルコ−ル及びその誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ−ト−ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体
又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテッ
クス等が使用できる。

【００１１】また、顔料として用いられるポリスチレン
ビ−ズは、その単体としての形状は完全球状のものが優
れた透明性を有しているので好ましく、このものをイン
ク定着層に適用すると、ビ−ズ間に気泡を生じて適度な
不透明性を有する層が得られ、架橋タイプ，無架橋タイ
プいずれのものも使用できる。架橋タイプのものは架橋
度合が５〜８０％のものが使用できるが、好ましくは４
０〜５０％のものがよい。粒子径は４μｍ〜１００μｍ
まで使用できるが、シ−トの平滑性，インクの浸透性等
を考慮すると、２０μｍ以下のものが好ましい。また、
ポリスチレン又はその共重合体の中空ビ−ズは、樹脂自
体は透明であるが、その中空体のために、樹脂層と内側
の空気とにより光散乱が起こり、不透明度，白色度を向
上させるのに好ましく、その単体としての形状は完全球
状のものが、それ自体はインク吸収性がないことにより
、バインダ−樹脂中にインクが良好に浸透するために好
ましい。 この場合、ビ−ズが中空であるための不透明度にビ−ズ
間に生じる気泡による不透明度が加わり、画像としては
より鮮明なものが得られる。粒子径は、０．１μｍ〜１
００μｍまで使用できるが、シ−トの平滑性，インクの
浸透性を考慮すると、２０μｍ以下のものが好ましい。

【００１２】尚、スチレン−マレイン酸エステル共重合
体及びその中空ビ−ズも、上記と同様に使用できる。

【００１３】更に、ビ−ズ自体を多孔質状にしたものも
使用できるが、これはシリカ，炭酸カルシウム，珪藻土
等の無機顔料同様、そのもの自体にインク吸収性があり
、インク定着層表面のインクを基材とインク定着層との
界面に速やかに到達せしめるという目的と、基材側から
見た場合に優れた発色濃度を与えるという目的には効果
的でなく、従って、これを使用するのはあまり好ましく
ない。

【００１４】一方、ポリスチレンビ−ズが中空体でない
場合、屈折率について、種々のプラスチックビ−ズを考
慮してみると、ポリエチレン（１．５１）、尿素樹脂（
１．５４〜１．５６）、ポリエステル（１．５２〜１．
５７）、塩化ビニル（１．５４〜１．５５）、酢酸ビニ
ル（１．４５〜１．４７）、ポリビニルアルコ−ル（１
．４９〜１．５８）、メチルメタアクリル酸（１．４９
）、ナイロン（１．５３）であるのに対し、ポリスチレ
ンは１．５９〜１．６０と高い値を示すもので、このこ
とが優れた発色濃度を与える大きな原因となる。また、
ポリスチレンの場合は、樹脂自体が優れた透明性を有し
、製法上の問題でも懸濁重合技術を利用して容易に完全
球状に作り上げることができ、粒子径のコントロ−ルも
多彩にできるので、前記ポリスチレンビ−ズを使用する
ことが本発明の目的を達成のに最適であるいうことが出
来る。 メチルメタアクリル酸も完全球状で透明な粒子を作れる
が、その屈折率がポリスチレンより低いために、印画後
、基材側から測定したＯＤ（光学濃度）値もポリスチレ
ンより低い値を示すので、好ましくない。また、中空体
ビ−ズはそれ自体が内側の空気界面とにより光散乱が起
こるので、シ−トとしては充分な不透明性を有し、それ
が優れた発色濃度，鮮明性を与える原因となる。

【００１５】而して、上述したバインダ−中にポリスチ
レンビ−ズを分散させたものを塗工液とし、公知の方法
で透明プラスチックフィルム基材上に塗工して乾燥させ
れば、本発明の記録用シ−トが得られるわけであるが、
必要に応じて帯電防止処理を施しても良い。

【００１６】

【発明の効果】上記のようにして得られた本発明インク
ジェット記録用シ−トは、そのインク定着層が球状ポリ
スチレンビ−ズで充填された多孔質構造で、インク浸透
性に優れ、しかもインクの浸透過程において、インクが
上記ビ−ズ中に吸収されることがないため、基材側から
見た時に優れた発色性を示す。

【００１７】また、本発明に用いるポリスチレンビ−ズ
により形成される多孔質構造は優れたインク浸透性と定
着性を有するため、従来技術に見られるインク透過層と
インク定着層とを設けるというような多層構造にする必
要はなく、一層構造でも充分上記の効果を発揮すること
ができる。

【００１８】一方、本発明記録用シ−トは、基材側から
見る構成になっているため、観察される印画面はプラス
チックの持つ優れた光沢をそのまま表現し、しかも耐水
性，耐擦性の優れたものとなる。更に、本発明で使用す
るポリスチレンビ−ズは、その単体が優れた透明性を有
しているため、シ−ト全体はバックライト方式で使用す
る光を適度に透過する不透明性を有することになり、バ
ックライト方式に使用する記録用シ−トとしては最適な
ものとなる。

【００１９】更に、ライトを使用しなくても、上記品質
を損なわずに観察することが可能である。

【００２０】

【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 実施例　　１ ポリビニルアルコ−ルの６％水溶液１２０重量部（以下
、部と記す）に平均粒径８μｍの球状ポリスチレンビ−
ズ（ＳＢ−８、　無架橋タイプ、屈折率１．５９、積水
化成品工業製）を５０部加え、ポットミルで２４時間分
散し、増粘剤等を添加して塗液とした。このものを透明
下引層を設けた厚さ１００μｍの透明ポリエステルフィ
ルムの表面に３ｍｉｌのアプリケ−タ−を用いて塗工し
、９０℃の定温乾燥器中で３分間乾燥して記録用シ−ト
を得た。このものの表層厚みは３０μｍであり、電子顕
微鏡で観察したところ、ポリスチレンの球状粒子が充填
されて成る多孔質構造が観察された。

【００２１】上記のようにして得られた記録用シ−トの
表層に、インクジェットプリンタ−（三洋電機製、ＣＪ
−５７００Ａ）で、イエロ−，マゼンダ，シアン，ブラ
ックのフルベタカラ−バ−を印画し、基材側から観察し
たところ、インクのにじみや流れ出しがなく、発色濃度
が高く、且つポリエステルフィルムの優れた光沢性を有
する鮮明な画像が観察された。また、ブラックのフルベ
タ部分のＯＤ値を基材側から測定したところ、１．７１
と高い値を示した。市販されている一般のインクジェッ
ト用紙に同条件でプリントを行ない、ブラックのフルベ
タ部分のＯＤ値を測定したところ、前記値は１．４８で
あった。また、インク定着層側から蛍光灯により光を発
して基材側から観察したところ、適度の透過光と共に鮮
やかな画像が観察された。

【００２２】実施例　　２ ポリビニルアルコ−ルの６％水溶液１２０部に平均粒径
８μｍの球状ポリスチレンビ−ズ（ＳＢＸ−８、架橋タ
イプ、架橋度合５０％、屈折率１．６０、積水化成品工
業製）４５部を加え、ポットミルで２４時間分散し、増
粘剤等を添加して塗液とした。このものを透明下引層を
設けた厚さ５０μｍの透明ポリプロピレンフィルムの表
面に３ｍｉｌのアプリケ−タ−を用いて塗工し、９０℃
の定温乾燥器中で３分間乾燥して記録用シ−トを得た。 このものの表層厚みは３２μｍであり、電子顕微鏡で観
察したところ、ポリスチレンの球状粒子が充填されて成
る多孔質構造が観察された。

【００２３】上記のようにして得られた記録用シ−トの
表層に、実施例１と同様、同条件でプリントし、基材側
から見たところ、上記実施例１と同様の鮮明な画像が観
察された。また、ブラックのフルベタ部分のＯＤ値を基
材側から測定したところ、１．７０と高い値を示した。

【００２４】比較例　　１ ポリビニルアルコ−ルの６％水溶液１２０部に平均粒径
８μｍの球状ポリメタクリル酸メチル（ＭＢ−８、無架
橋タイプ、屈折率１．４９、積水化成品工業製）を５０
部加え、ポットミルで２４時間分散し、その他増粘剤等
を実施例１と同様に添加して塗液とした。そして、実施
例１と同条件で記録用シ−トを作製し、プリントを行な
い、ブラックのフルベタ部分のＯＤ値を基材側から測定
したところ、１．５６であった。

【００２５】実施例　　３ 変性ポリエステル樹脂（ＮＴ−３、溶液、高松油脂社製
）４０部に、平均粒径１２μｍの球状ポリスチレンビ−
ズ（ＳＢＸ−１２、架橋タイプ、架橋度合５０％、屈折
率１．６０、積水化成品工業社製）５部、平均外径０．
５５μｍ、平均内径０．３μｍのアクリル−スチレン共
重合体の中空球体ビ−ズ（ロ−ペイクＯＰ−８４Ｊ、エ
マルジョン、固形分４２．５％、ＲＯＨＭ　ＡＮＤ　Ｈ
ＡＡＳ社製）１０部を加え、ポットミルで２４時間分散
し、増粘剤等を添加して塗液とした。このものを厚さ５
０μｍの透明ポリプロピレンフィルムの表面に３ｍｉｌ
のアプリケ−タ−を用いて塗工し、９０℃の定温乾燥機
中で３分間乾燥して、記録用シ−トを得た。このものの
表層厚みは２９μｍであり、電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリスチレンの球状粒子とアクリル−スチレン共重
合体の中空体ビ−ズが充填されて成る多孔質構造が観察
された。

【００２６】上記の記録用シ−トの表層に、実施例１と
同様、同条件でプリントし、基材側から見たところ、実
施例１と同様の鮮明な画像が観察された。また、上記記
録用シ−トの不透明度を測定したところ、８６．７％と
いう値を示した。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　透明プラスチックフィルムから成る基
   材上に、顔料をバインダ−により固定させたインク定着
   層を設けて成り、インク定着層に形成された画像を基材
   側から見るインクジェット記録用シ−トにおいて、イン
   ク定着層の顔料がポリスチレンビ−ズ又はその共重合体
   ビ−ズであることを特徴とするインクジェット記録用シ
   −ト。
2. 【請求項２】　　インク定着層が一層構造から成ること
   を特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録用シ
   −ト。
3. 【請求項３】　　ポリスチレンビ−ズ又はその共重合体
   ビ−ズが中空ビ−ズであることを特徴とする請求項１に
   記載のインクジェット記録用シ−ト。