JP2701221B2 - 配向フィルム - Google Patents

配向フィルム

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JP2701221B2
JP2701221B2 JP1099065A JP9906589A JP2701221B2 JP 2701221 B2 JP2701221 B2 JP 2701221B2 JP 1099065 A JP1099065 A JP 1099065A JP 9906589 A JP9906589 A JP 9906589A JP 2701221 B2 JP2701221 B2 JP 2701221B2
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昭彦 大野
正行 井上
誠衛 高木
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王子油化合成紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、配向フィルムに関し、特に合成紙として使
用するのに適した耐熱性に優れた配向フィルムに関する
ものである。本発明の配向フィルムは、熱収縮せず、か
つ、腰が強いので、印刷時に熱が加えられてもカールす
ることがなく、アート紙、ポスター紙などの印刷用紙
や、コンピュータフォーム用紙、静電記録用紙、熱転写
記録用画像受容シートの基材シートなどの情報用紙とし
て用いることができ、特にレザービームやサーマルヘッ
ドなどの電気信号により文字や画像を受表面に形成する
バーコード用紙やビデオプリンタなどに用いるカラーコ
ピー用支持体として有用である。
[従来技術] 従来、熱転写記録用画像受容紙においては、昇華性又
は気化性染料を含有する転写層を有する転写体と、受容
紙とを重ね合せ、印刷の際にはこの転写体を加熱して、
転写層に含まれる染料を昇華又は気化させて受容紙に染
着させ、受容紙上に染料画像を形成させることによって
熱転写が行なわれていた。
具体的には、サーマルヘッド等の電気信号により制御
される熱源を用いた転写型感熱記録方式では、第2図に
ように色材層2bと基体2aを有する転写体2と、画像受容
層1bと支持体1aを有する画像受容紙1をドラム3と熱源
4の間に挟着させて、電気信号に応じて色材層2bの色材
を加熱して画像受容層1b上に転写することによりカラー
コピーを得ている。
前記画像受容層1bは、用いる色材の内容により使用さ
れる素材が異なり、顔料を含む熱溶融型色材の場合に
は、支持体1aそのものを用いてもよいが、昇華性塩基性
染料型色材の場合には活性白土(活性クレー)層が用い
られ、また、昇華性分散染料型色材の場合にはポリエス
テルラテックス溶液等の高分子材料コート層等が用いら
れる。
また、上記支持体1aとしては、パルプ紙、無機微細粉
末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の延伸配向フィ
ルムよりなる合成紙(特公昭46−40794号公報参照)、
透明な延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムや
透明ポリプロピレンフィルムの表面にシリカや炭酸カル
シウム等の無機化合物をバインダーと共に塗布して白色
度及び染着性を高めた塗工合成紙などが用いられてい
る。
しかし、熱転写された画像受容紙1のアフターユース
(複写、鉛筆筆記性、保存性等)を考慮した場合、熱転
写記録用画像受容紙1としては、強度、寸法安定性、印
字ヘッドとの密着性の面から無機微細粉末を含有するポ
リオレフィン樹脂フィルムを延伸して得られる内部にマ
イクロボイドを多数有する合成紙が好ましい(特開昭60
−245593号、同61−112693号、特願昭62−25080号公報
参照)。
[発明が解決しようとする課題] このようなポリオレフィン樹脂系合成紙は、不透明性
及びソフト感を出し、印字ヘッドとの密着性、給排紙性
を良好なものとするために、素材のポリオレフィン樹脂
の融点よりも低い温度でフィルムを延伸して内部にマイ
クロボイドを形成させている。
しかし、前記ポリオレフィン樹脂は、その融点が167
℃以下で、ポリエチレンテレフタレート(240〜255℃)
と比較してかなり低く、一方、印字ヘッドによる印刷の
ときの受容紙の表面の温度は、短時間ではあるが上記融
点よりも高い190〜200℃となるので、印字の際の熱によ
り合成紙が収縮して、感熱転写された受容紙が印字、印
刷された内側面にカールするという問題が指摘されいる
(特開昭60−2445593号、同61−283595号公報参照)。
耐熱性に優れた不透明又は半透明の二軸延伸されたオ
レフィンポリマーを含有する分子配向ポリエステル樹脂
フィルムが知られている(特開昭57−49648号)。しか
しながら、この分子配向ポリエステル樹脂フィルムは、
耐熱性に優れてはいるが、ポリエステル樹脂に対して配
合されているオレフィンポリマーの量が少なすぎるため
に、前記ポリオレフィン樹脂系合成紙のようなソフト感
がなく、印字ヘッドとの密着性、給排紙性などの点で必
ずしも十分ではないという問題がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは前記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結
果、ポリオレフィン樹脂を主成分とし、これにポリエス
テル樹脂を少量配合し、かつ、特定の相溶化剤を適当量
配合することによって、前記目的を達成することができ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 (A)成分:少なくとも一種のポリオレフィン樹脂 95〜55重量%、 (B)成分:少なくとも一種の熱可塑性ポリエステル樹
脂 5〜45重量%、 (C)成分:無水マレイン酸変性量が0.01重量%以上の
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂又はグリシジル
メタクリレート変性量が0.01重量%以上のグリシジルメ
タクリレート変性ポリオレフィン樹脂から選ばれた変性
ポリオレフィン樹脂 前記(A)及び(B)の合計量に対して1〜50重量
%。
からなることを特徴とする配向フィルムを提供するもの
である。
[発明の具体的説明] (1)構成成分 本発明の配向フィルムは、(A)ポリオレフィン樹
脂、(B)ポリエステル樹脂及び(C)無水マレイン酸
変性ポリオレフィン樹脂或いはグリシジルメタクリレー
ト変性ポリオレフィン樹脂から基本的に構成され、この
ものは従来の無機微細粉末含有ポリオレフィン樹脂製合
成紙とは不透明性、白さ、風合及び感触の点で類似して
おり、これ自体が合成紙として使用可能なものである。
しかも、該フィルム中に少量含まれているポリエステル
樹脂が骨格となって、フィルム自体に耐熱性や腰が付与
されている。
(A)成分:ポリオレフィン樹脂 本発明の配向フィルムに用いられるポリオレフィン樹
脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ(4−メチルペンテン−1)の如き低密度及び高密度
のオレフィンホモポリマーの他、オレフィンと異なるタ
イプのモノマー或いはオレフィンの混合に基づくオレフ
ィンコポリマー(例えば、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体)を用いることがで
きる。上記コポリマーは、ランダム、ブロック又はグラ
フト共重合体であってもよい。また、オレフィンホモポ
リマー及び/又はオレフィンコポリマーの混合物を用い
ることもできる。これらの中でポリプロピレン樹脂は耐
熱性、耐溶剤性、コストの面で好ましいものである。
(A)成分のポリオレフィン樹脂中には、発明の目的
が損なわれない程度の量であれば、ポリスチレン、ポリ
アミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体の部分加水分解
物、エチレン・アクリル酸共重合体及びその塩、塩化ビ
ニリデン共重合体例えば塩化ビニル・塩化ビニリデン共
重合体などを配合してもよい。
本発明の結晶配向フィルムに配合されるポリオレフィ
ン樹脂の量としては、配向フィルム中に95〜55重量%、
好ましくは80〜60重量%の範囲内である。
(B)成分:ポリエステル樹脂 本発明の配向フィルムに用いられる熱可塑性ポリエス
テル樹脂は、一種又はそれ以上のジカルボン酸又はその
低級アルキルジエステル、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、2,5−,2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン
酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ビス−p−カルボキシフェノキシエタン
等、と一種又はそれ以上のグリコール、例えば、エチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等、と
の縮合により製造することができる。好ましいポリエス
テル樹脂はポリエチレンテレフタレートである。
本発明に用いられるポリエステル樹脂としては、混合
水酸基及び/又はエステル形成性酸基を含むコポリマー
であってもよく、また、異なるポリエステルからなるブ
ロックコポリマーであってもよい。このようなコポリエ
ステルは、ポリエステル樹脂が内部まで可塑化されるよ
うに、0℃より低いガラス転移点温度を有する重合セグ
メントを含んでいてもよい。この重合セグメントに用い
るポリマーは、ヒドロキシル基又はカルボキシル基の如
き反応性末端基によりポリエステルのセグメントと重縮
合することができるか、又は連鎖延長剤の使用によりポ
リエステルセグメントに結合できるものでなければなら
ない。特に適当な重合セグメントはポリエチレングリコ
ール及びテトラメチレングリコールであり、ポリエステ
ルセグメントは典型的にはポリエチレンテレフタレート
又はポリブチレンテレフタレートである。
本発明の配向フィルムに配合されるポリエステル樹脂
の量は、配向フィルム中に5〜45重量%、好ましくは20
〜40重量%の範囲内である。
(C)成分:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂及
び/またはグリシジルメタクリレート変性ポリオレフィ
ン樹脂 本発明の配向フィルムに用いられる無水マレイン酸変
性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性量が0.01
重量%以上の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂で
あり、グリシジルメタクリレート変性ポリオレフィン樹
脂は、グリシジルメタクリレート変性量が0.01重量%以
上のグリシジルメタクリレート変性ポリオレフィン樹脂
である。
このような変性ポリオレフィン樹脂は、前記(A)成
分のポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸又はグリシジ
ルメタクリレートをグラフト共重合させることによって
得られる。
ポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸又はグリシジル
メタクリレートをグラフト共重合させるには、ポリオレ
フィン樹脂を溶媒中に溶解させるか、懸濁させるかし
て、グラフトモノマーである無水マレイン酸又はグリシ
ジルメタクリレートを加えた後、ラジカル発生剤の分解
温度、一般に50〜150℃で、ラジカル発生剤を少量づつ
添加してグラフト反応させ方法、またはポリオレフィン
樹脂にグラフトモノマーである無水マレイン酸またはグ
リシジルメタクリレートをラジカル発生剤を用いて押出
機中で150〜260℃で熱をかけ、グラフト重合させる方法
で行なう。
このようにして得られた変性ポリオレフィン樹脂は、
該変性ポリオレフィン樹脂中に、無水マレイン酸変性ポ
リオレフィン樹脂の場合は無水マレイン酸単位が0.01重
量%以上、好ましくは0.1〜10重量%の量で、又、グリ
シジルメタクリレート変性ポリオレフィン樹脂の場合は
グリシジルメタクリレート単位が0.01重量%以上、好ま
しくは0.1〜10重量%の量で含まれている。
このような変性ポリオレフィン樹脂は、前記(A)及
び(B)成分の合計量に対して1〜50重量%、好ましく
は2〜35重量%の範囲内で配合される。
(2)配向フィルム化 上記の(A)、(B)及び(C)成分を配合し、シー
ト状に成形した後、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂
の融点より低い温度で一軸又は二軸方向に延伸すること
により結晶配向させて、本発明の配向フィルムを得る。
この結晶配向されたフィルムは延伸の間にポリオレフィ
ン及びポリエステルのポリマー間にミクロポイド(小
孔)が生じてフィルムは半透明又は不透明化される。こ
の配向フィルムの密度は0.75〜0.90g/cm3で軽量性に優
れる。
(3)熱転写画像受容紙 本発明の配向フィルム1aの表面に、画像受容層形成用
塗工液を塗布し、乾燥して溶媒を飛散させることによっ
て画像受容層1bを形成した熱転写画像受容紙1を製造す
ることができる。
(画像受容層) 画像受容層1bを形成する樹脂としては、オリゴエステ
ルアクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アクリルエステル
・スチレン共重合体、エポキシアクリレート樹脂等が利
用され、これらはトルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等に溶解し、塗工液として用い
られる。
この塗工液は、耐光性を高めるために紫外線吸収剤及
び/又は光安定剤を含有することができる。
また、熱転写体2との離型性を向上せしめるために画
像受容層1b中に離型剤を含有せしめることができる。
更に、画像受容層1bの白色度を向上して転写画像の鮮
明度を更に高めるとともに被熱転写シート1の表面に筆
記性を付与し、かつ、転写された画像の再転写を防止す
る目的で画像受容層1b中に白色顔料を添加することがで
きる。
画像受容層1bの肉厚は、0.2〜20μmが一般である。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜8、比較例1〜9 原反シート成形 (A)成分:ポリプロピレン(PP)、 (B)成分:ポリエチレンテレフタレート(PET)又は
ポリブチレンテレフタレート(PBT) 及び (C)成分:変性ポリオレフィン樹脂として無水マレイ
ン酸(MAH)グラフトポリプロピレン又はグリシジルメ
タクリレート(GMA)グラフトポリプロピレン を第1表に示す割合で配合した各樹脂組成物を、それぞ
れ押出機を用いて、溶融混練し、260℃の温度でダイよ
りシート状に押出し、直ちに冷却ロールで80℃の温度に
まで冷却し、厚さ2mmのシートを得た。
延伸加工 得られた原反シートから、120mm×120mmの正方形に切
り抜いた試験片を(株)岩本製作所製パンタグラフ色二
軸延伸機を用いて次の(A)又は(B)の条件で延伸加
工し配合フィルムを得た。
熱転写記録用画像受容紙の製造 前記実施例及び比較例で得た配向フィルム1aの上に、
下記組成の画像受容層形成組成物をメイヤーコーティン
グにより乾燥時の厚さが4μmとなるように塗布し、乾
燥して画像受容層1bを形成させ、熱転写記録用画像受容
紙1を得た。
飽和ポリエステル (東洋紡製バイロン200 Tg67℃) 5.3重量部 ( 〃 バイロン290 Tg77℃) 5.3重量部 ビニライトVYHH (ユニオンカーバイド製塩化ビニール・酢酸ビニル共
重合体) 4.5重量部 酸化チタン (チタン工業製KA−10) 1.5重量部 アミノ変性シリコンオイル (信越シリコン製KF−393) 1.1重量部 エポキシ変性シリコンオイル (信越シリコン製X−22−343) 1.1重量部 トルエン 30 重量部 メチルエチルケトン 30 重量部 シクロヘキサン 22 重量部 なお、実施例及び比較例において得られたフィルムの
延伸加工性、密度、不透明度、引張弾性率等の物性及び
各配向フィルムより製造した画像受容紙の画像評価を以
下に示す測定方法によって行なった。
結果を第1表に示す。
延伸加工性 可:延伸可(フィルム厚み:100〜150μm) 否:延伸不可 不透明度 色差計(スガ試験機(株)製)を用いて測定した。
引張弾性率 テンシロン((株)オリエンテック製)を用いて測定
した。
引張速度:200mm/分 熱収縮率 合成紙を固定せずに平坦面に置き、120℃の温度下で3
0分間放置した時の寸法lを測定し、元の長さloとこの
lとの差を求め、次式により熱収縮率を求めた。
画像評価 熱転写記録用画像受容紙1と転写体2として昇華性染
料を塗布乾燥した三菱製紙(株)製転写フイルム“TTF
シアン”(商品名)とを重ね合せ、熱傾斜試験機(東洋
精機製Type−HG−100)を使用し、熱板を120℃より10℃
間隔で5点熱傾斜させ、0.5kg/cm2の圧力で2秒間加熱
し、転写画像を得た。
得られた転写画像の濃度をマクベス濃度計で測定し、
下記の5段階で評価した。
5:大変良い。
4:良い。
3:実用上支障がない。
2:実用上少々問題がある。
1:実用にならない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明実施例の配向フィルムの断面図を表わ
し、第2図は転写感熱記録装置の要部の断面図を表わ
す。 1:熱転写記録用画像受容紙、 1a:配向フィルム、1b:画像受容層 2:転写体、2a:基体 2b:転写層、3:ドラム 4:熱源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02 23:26)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)、(B)及び(C)の各成分
    からなることを特徴とする配向フィルム。 (A)成分:少なくとも一種のポリオレフィン樹脂 95〜55重量%、 (B)成分:少なくとも一種の熱可塑性ポリエステル樹
    脂 5〜45重量%、 (C)成分:無水マレイン酸変性量が0.01重量%以上の
    無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂又はグリシジル
    メタクリレート変性量が0.01重量%以上のグリシジルメ
    タクリレート変性ポリオレフィン樹脂から選ばれた変性
    ポリオレフィン樹脂 前記(A)及び(B)の合計量に対して1〜50重量%。
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