JPH0423488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、一般家庭で魚や肉等を直火で焼く際
に用いられる焼物器に関する。

（従来の技術） 従来の魚焼網は、鉄板上に金網板を張設した構
造、珪藻土質の網板上に金網板を張設した構造等
が知られている。

（考案が解決しようとする課題） 上述のような従来の焼網は火熱との距離が近い
ため表面が焦げ易く、また流下した油が燃えて大
量の煙を発生するばかりでなく表面だけ焦げて中
身は生焼けになるという問題がある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案の焼物器は上下を開口した台枠と、この
台枠の底部に周囲に通気空間を介して取付けられ
た断熱材と、この断熱材の上面を被覆した着脱自
在の油受皿と、この油受皿の周囲の前記通気空間
の上方を覆つて前記通気空間からの熱気を前記油
受皿の中央部上方に案内する環状の熱気案内枠
と、この熱気案内枠の上方に位置させて前記台枠
の開口縁に支持させ内周側を前記熱気案内枠より
も内方迄延長させた環状の上載枠と、この上載枠
上に支持された焼網枠とよりなるものである。

（作用） 本考案の焼物器は、台枠をガスコンロ等の火熱
上に載置すると、火熱は断熱材の周囲の通気空間
を上昇しさらに上方の熱気案内枠に案内されて台
枠の上部中央から上方に流れ、上方の焼網枠上の
魚等の焼物を火熱で包むようにして焼成する。こ
のとき焼物から滴下する油分は油受皿上に流下し
油受皿はこの下面に介在させた断熱材によつて過
熱が防止されているから滴下した油が燃焼して発
煙するようなことがない。また、台枠の上方に支
持された焼物は、台枠の通気空間とこの上方を覆
つた環状の熱気案内枠とに案内された火熱によつ
て遠火で強く集中的に焼成されるから内部まで火
が通り表面だけが焦げるようなことがない。

（実施例） 本考案の一実施例を添付図面によつて説明す
る。

１は上下を開口した角筒形の金属板製台枠であ
り、この台枠１内の下部に周囲に環状の通気空間
２を介して断熱材容器３が腕片４によつて台枠１
の内壁に支持されている。断熱材容器３内には、
耐火石、軽石、セメント等よりなる耐火物等より
なる断熱材５が収容され、この断熱材５を被覆す
るように上面に表面を弗素樹脂加工した油受皿６
が設置され両側上端縁より外方につまみ片７が突
設されている。

さらに、断熱材容器３の周囲の通気空間２の上
部を覆うようにして下端外周縁８を前記台枠１に
内接するとともに前記腕片４上に支持させ上端内
周縁９を前記断熱材容器３の上端開口部よりも上
方でかつ前記油受皿６の開口縁よりも内側となる
ようにして環状の熱気案内枠１０が設けられ、熱
気案内枠１０は断面が外方に向つて膨出するよう
に稍彎曲されている。

またこの熱気案内枠１０の上方には、環状の上
載枠１１が設けられ、この上載枠１１は、前記台
枠１の上端開口縁に支持される環状の網支持部１
２とこの網支持部１２の外周を下方に屈曲させ前
記台枠１に外接される環状の係合縁１３と、前記
網支持部１２の内周側を下方に向つて傾斜させた
環状の傾斜面１４と、この傾斜面１４の下端を内
方に向つて熱気案内枠１０の内周縁９よりも上方
でかつ内方に位置するように延長された環状の延
長内周縁１５とより構成されている。そして前記
網支持部１２上に焼網枠１６が支持され、焼網枠
１６の側縁に突設された係合片１７が前記網支持
部１２に形成された係合孔１８に着脱自在に係合
されている。

また、前記台枠１の両側面より上方に突設され
た取付片１９の取付孔２０に提手杆２１の両端が
係合されている。

上述の実施例の構成の焼物器を用いて、魚焼き
をする場合は、ガスコンロ等の火熱上に台枠１を
載置すると、熱気は耐火物材の周囲の通気空間を
通つて熱気案内枠１０に案内されて台枠１の中央
部上方に向つて集中する。したがつて熱気案内枠
１０の上方の上載枠１１に支持された焼網枠１６
上の魚は熱気に包まれた状態で焼成される。

このとき魚は熱源よりも台枠１の高さだけ離間
されているから焼け焦げることがなく油は直接断
熱材５で断熱された油受皿６上に落下するか上載
枠１１の傾斜面１４を流下して油受皿６に落下す
るため油の燃焼がなく煙の発生が少ない。

また魚は強い熱気でしかも熱源から離間された
遠火で焼成されるため味良く焼くことができる。

さらに、台枠１から断熱材５、油受皿６、熱気
案内枠１０、上載枠１１、焼網枠１６は何れも分
離可能であるから分解して洗浄することができ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、熱源の熱気は通気空間の空気
とともに上昇して、台枠内の油受皿の中央部上方
に案内され台枠上に支持された魚等の被焼成物を
遠火でかつ強い熱気で包み内部までむらなく焼成
することができる。また滴下した油脂は下面を断
熱材で支持された油受皿によつて支受され油脂の
燃焼による煙の発生がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す焼物器の縦断
正面図、第２図は同上平面図である。 １……台枠、２……通気空間、５……断熱材、
６……油受皿、１０……熱気案内枠、１１……上
載枠、１６……焼網枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下を開口した台枠と、この台枠の底部に周囲
   に通気空間を介して取付けられた断熱材と、この
   断熱材の上面を被覆した着脱自在の油受皿と、こ
   の油受皿の周囲の前記通気空間の上方を覆つて前
   記通気空間からの熱気を前記油受皿の中央部上方
   に案内する環状の熱気案内枠と、この熱気案内枠
   の上方に位置させて前記台枠の開口縁に支持させ
   内周側を前記熱気案内枠よりも内方迄延長させた
   環状の上載枠と、この上載枠上に支持された焼網
   枠とよりなることを特徴とする焼物器。