JPS5855883Y2 - 鍋型調理器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、外鍋の内部に内鍋を懸架取付し、外鍋を加熱する
ことにより内鍋内の食品をむし焼とする錨型調理器具に
おいては、長時間の使用により、外鍋の底板が火力によ
って溶解し、ついには錨型調理器具そのものの使用がで
きなくなってしまう欠点がある。

本考案の目的は、上記欠点を排除し、錨型調理器具の底
板相当部を取換自在なものとして、錨型調理器具の耐久
性を保持することにある。

更に、本考案の目的は、肉、漁類、野菜等の本来の味を
損うことなくあぶる、焼く、蒸す、いぶる等の調理が行
える錨型調理器具を提供することである。

以下、本考案の実施例を説明する。

４は外鍋であって、周壁２に連なる底板は周縁に輪状の
凹陥部１ａを残して切抜され、その口縁には適宜形状の
内鍋受片３・・・・・・が突成されている。

この外鍋４の前記内鍋受片３には金網５を張設できるよ
うにした内鍋６を載置するとともに該外鍋４の側壁上部
１ｂには、断面が略半円状に形成され且つ、頂上には、
排気蓋７を開閉或は着脱自在に冠着した排気部８を形成
した蓋９を、開閉或は着脱自在に近付できるようにした
錨型調理器具１０である。

これを調理に用いるときは、ガスコンロ１１上に、おか
れた本考案にかかる錨型調理器具１０の蓋９を開いて、
内鍋６に張設された金網５上に被調理物１２例えば肉類
を載置し、しかる後蓋９を閉じる。

本考案にかかる錨型調理器具１０は、上記の如く構成さ
れているので、ガスコンロ１１の炎は、外鍋４の周壁２
の下縁に設けられた内鍋受片３に載置されている内鍋６
の底板を加熱すると同時に、ガスコンロ１１の炎から出
る熱気は、外鍋４の周壁２の下縁に内鍋６の底板を載置
する内鍋受片３によって形成される外鍋周壁２の下縁と
内鍋６底板の間隙から外鍋４に蓋９を近付して戊る上記
構成の錨型調理器具１０内に侵入する。

内鍋６の金網５上におかれた被調理物１２は、内鍋６の
底板が加熱されることにより、その熱気で、あぶられ、
或は焼かれる。

その際、被調理物からにじみでて、内鍋底板面に滴下し
た脂肪等からは油気を発し、これが上昇し、被調理物を
蒸す作用を果し、更に内鍋底板面に滴下した脂肪が加熱
されることにより、これが、焦げて、煙を発するように
なる。

そして、この煙が被調理物を燻す作用を果すことになる
。

又、一方、上記したように、外鍋４の周壁２の下縁と内
鍋６底板との間は、内鍋受片３によって間隙ができてい
て、この間隙より侵入した熱気は、略半円形状に形成さ
れた蓋９の内面を矢印の如く対流して、内鍋６の金網５
上におかれた被調理物１２にふりかかる。

その際、加熱された内鍋底板から発する熱気も、上記し
た油気も、又煙もともなってふりかかる。

従って、内鍋に張設された金網の上にのせられた被調理
物は、密閉された調理器具の内で下面からだけでなく上
面からも、上記した作用をうけることになり、被調理物
１２がもつ本来の味、臭、等を逃がすことなく、吸収し
て調理される。

更に、被調理物の焼き加減、蒸し加減、燻し加減を調節
しようとするときは、蓋９に設けられた排気部８には排
気蓋７が開閉或は着脱自在に設けられているので、これ
を全開成は半開として調節することによって熱気、油気
、煙を調理器具外１０に排出し、被調理物の焼き加減、
蒸し加減、燻し加減を調節できる。

又、本考案を上記の如き構成したことは、先に出願した
特願昭５５年第１７４４３５号の錨型調理器具が、大型
のものであって、業務用に用いたときは、常にガスコン
ロにかけられて調理に供されるものであるので、錨型調
理器具の底板が、ガスコンロの炎の熱気により損傷し、
錨型調理器としての機能を果たさなくなる。

このとき、錨型調理器具自体を取り替えるとなると、そ
の費用が重む。

そこで、このようなときは、錨型調理器の内鍋６だけを
取り替えられるようにしておけば、内鍋の構造は、上記
したように簡単であるので非常に経済的である。

尚、本考案にかかる錨型調理器具の蓋は、取りはずし自
在とすることに限らず、蝶番を以て外鍋側壁と蓋とを連
結し、蝶番を介して開閉自在に構成してもよいことは勿
論である。

本考案にかかる錨型調理器具が大型のものとして構成さ
れた場合には蓋９の適宜個所に、ワイヤー１３等を以て
結束し、ワイヤーを自動式或は手動式によって巻取り、
巻き戻しその他の方式で蓋９を上昇或は下降するように
して開閉するようにしてもよく、例えば蓋９の排気部８
に、ワイヤー１３の一端を適宜の手段によって取付け、
排気部８の排気蓋７は、第２図に示すようにワイヤー１
３が通過する部分を切り欠き部７ａを設け、ワイヤーに
よって排気蓋の開閉が邪魔されないようにして、これを
蝶番で排気部先端に開閉自在に取り付け、ワイヤーの他
端は、自動或は手動によって操作される引き揚げ並に引
き戻し機構（図示しない）に連結する。

このように構成することによって、本考案にかかる鍋型
調理器具内の被調理物の調理加減をしようとするときは
、排気蓋が、上記の如き構成になっているので、排気蓋
を多少開けたり或は全開することにより調理加減ができ
る。

又、調理が終って被調理物を取出すとき、或は、新に被
調理物を鍋型調理器具内にかけるときは、ワイヤーの引
き揚げ引き戻し機構（図示しない）を作動して蓋９を開
閉できるように構成することによって能率的に調理がで
きる。

本考案は以上説明したように外鍋４の底板を輪縁状に作
って、火熱を内鍋６の周側面に沿って誘導する案内縁の
役をさせるとともに、ガスコンロの火熱が直接、内鍋６
を加熱するようにしたから内鍋６を交換するだけで、い
つまでも経済的に使用することができ、かつ清掃が容易
であり、その上外鍋の周壁２の下縁を輪状の凹陥部１ａ
に形成したため、加熱された水分や脂肪の蒸気が液化し
て周壁２を伝い流下してもガスコンロ上に滴下すること
なく、さらにこの部分に予め水を入れ、その水が熱せら
れることによって発する水蒸気を、調理に際しての蒸し
加減に利用することができる。

この錨型調理器具は円形状のものである必要はなく四角
形状に構成してもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、錨型調理器具の一部切欠断面図。 第２図は、錨型調理器具の蓋を特殊構造としたときの斜
視図。 １ａは凹陥部、２は周壁、３は内鍋受片、４は外鍋、５
は金網、６は内鍋、７は排気蓋、８は排気部、９は蓋、
１０は錨型調理器具、１１はガスコンロ、１２は被調理
物、１３はワイヤー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁２に連なる底板を周縁を輪状の凹陥部１ａを残して
   切抜し、その口縁に内鍋受片３・・・・・・を突成した
   外鍋４の内部に、上面に金網５を嵌装した皿状の内鍋６
   を上記内鍋受片３・・・・・・に載架して上方に取り出
   し可能に収容するとともに、外鍋４の周壁土部１ｂ上に
   は頂部に排気蓋７を設けて排気部８を形成した断面はぼ
   半円状の蓋９を着脱自在に被冠してなる錨型調理器具。