JPH0423157Y2

JPH0423157Y2 -

Info

Publication number: JPH0423157Y2
Application number: JP11819687U
Authority: JP
Priority date: 1987-08-03
Filing date: 1987-08-03
Publication date: 1992-05-28
Also published as: JPS6424183U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、災害時に組み立てて使用するため
の、組み立て式便所に関するものである。

［従来の技術］関東大震災級の大災害が起こつた場合、都市部
においては建物の倒壊のみならず上下水道が機能
しなくなることにより、便所が使用できなくなる
事態が予想される。便所は、非常事態といえども
人間の生活には欠かすことのできないものである
が、食糧や衣類のように他地域からの緊急援助を
当てにすることはできない。したがつて、それに
備えて適切な対策がなされていなかつた場合は、
はなはだ不衛生な状態が生じ、伝染病等の発生原
因となることは明らかである。

しかしながら、災害時にそなえて非常事態にお
いても使用可能な便所を用意しておくことはほと
んど考えられていない。

［考案が解決しようとする問題点］災害時に使用する便所をあらかじめ用意するこ
とを考えたとしても、平常時には必要のない便所
を安全な場所に多数作つておくことは現実的では
ないから、組立式簡易場所の材料を多数用意して
おくことがまず考えられる。しかしながら、その
場合でも、その材料をどのようにして保管すれば
地震や火災の後も確実に利用できるかという問題
が残る。

本考案は、上記問題点を解決して、災害時に確
実に利用することのできる便所を提供しようとす
るものである。

［問題点を解決するための手段］上記目的を達成することに成功した本考案は、
地下に埋設される単一の便槽；複数の便器；上記
複数の便器を取り付け可能で便槽を蓋状に覆うこ
とができる床材；床材の上に、便器取り付け位置
ごとに扉付き小室を構成するのに必要な壁材、扉
材および柱材；便槽を蓋状に覆うことができる形
状の屋根材；ならびにこれらの材料より便所を組
み立てるための組立て用具からなり、全材料が耐
食性の素材からなり、かつ床材および屋根材以外
のすべての材料が便槽内に収納可能であることを
特徴とする災害時用組み立て式便所を提供するも
のである。

本考案の便所を構成する部材のうち、便槽は、
工場で作られたプラスチツク製またはコンクリー
ト製のものを用いてもよいが、便所設置場所おい
てコンクリート等を用いて構築してもよい。便槽
がプラスチツク製で、その上部構造物を支えるに
は強度が不足する場合は、便槽の周囲に基礎材を
適宜使用する。床材および屋根材（特に後者）
は、FRP等で作られた単一の板からなるものと
することが望ましいが、それに限定されるわけで
はない。なお、以下の説明においては扉材を含む
意味で壁材ということがある。

［作用］本考案の便所は、公園、広場等、周辺に建物が
ない場所を選んで便槽を地下に構築または設置
し、壁材、柱材、便槽、組み立て用具等を便槽内
に収納し、次いで便槽を床材および屋根材で覆
い、更にその上を土で覆つて、必要が生じる日ま
で地下に保存するものである。この便所を必要と
する事態になつたならば、覆土を除いて材料を取
り出し、組み立てて使用する。

［実施例］第１図は本考案の１実施例を組み立て状態にお
いて示す斜視図である。また第２図は、同じ状態
を示す側面図、第３図は屋根材１を除いた状態の
平面図である。

この便所の便槽２は金網で補強されたコンクリ
ート製のもので、第２図に現れているように全体
が地下に設置されている。便槽２以外の部品は、
便槽２をちようど覆う大きさの床材３、床材３の
４箇所にある開口部に取り付けられる便器４、各
便器に合わせて扉付き小室６を作るための壁材
７、扉材（扉５付き壁材）８および柱材９、床材
３とほぼ同じ大きさの屋根材１、およびこれらを
組立てるための金具その他の小部品である。便槽
２は壁材７や柱材９を寝かせた状態で収容し、さ
らに４個の便器４も収容できる大きさを持つ。そ
こでこの便所を必要とするまでは、第４図に示し
たように、壁材７、扉材８、柱材９、便器４、組
み立て用具等を便槽２内に収納し、さらに床材３
および屋根材１で蓋をしてから、土Ｇで覆つてお
く。埋設したあとの地上部は、構造物を構築しな
い限り、任意の用途（たとえば花壇）に供するこ
とができる。アルミ押出し型材である柱材９以外
の大型部材はFRP製であり、組み立て用具はス
テンレス鋼またはプラスチツク製であるから、特
に防湿措置を講じなくても腐食の恐れはない。

使用するときは、覆土を除いてすべての材料を
便槽２から取り出し、床材３を便槽２の上に置
き、その上に図示したような地上部構造を組み立
てる。柱材９は第５図に示したような断面形状の
ものであつて、その井げた状リブ１０の間に壁材
７または扉材８を嵌合させてネジ１１で留めれ
ば、壁材７および扉材８の柱材９への取り付けが
できる。これに先立つて、あるいは並行して、柱
材９の床材３への固定を行う。固定には、柱材９
の中空部１２を利用する取り付け具１３を用い
る。最後に屋根材１を柱材９の頂部に取り付けれ
ば、第１図の組み立て状態が完成する。

本考案の便所は、上記例のように便器４個を四
角形に配置するものが最も壁材利用効率がよく、
また規模としても適当であるが、これに限られる
わけではなく、複数の便器を直線的に配置するも
のであつてもよい。

［考案の効果］本考案は上述のように組立て式の便所を特定の
素材および特定の寸法の材料で構成し、必要にな
るまではすべての材料を便槽にいれて地下に保存
し、必要になつたとき掘り出して組み立てるよう
にしたものであるから、設置場所を確保するのが
容易であり、また災害によつて使用不能になる恐
れもないなど、大きな災害が起こつた場合の便所
の問題を解決するのにきわめて有効なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は側面図、第３図は平面図（ただし屋
根材１を取り除いた状態）、第４図は組立て前に
地下に保存中の状態の説明図、第５図は柱材９の
断面図である。１……屋根材、２……便槽、３……床材、４…
…便器、５……扉、７……壁材、８……扉材、９
……柱材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 地下に埋設される単一の便槽；複数の便器；
上記複数の便器を取り付け可能で便槽を蓋状に
覆うことができる床材；床材の上に、便器取り
付け位置ごとに扉付き小室を構成するのに必要
な壁材、扉材および柱材；便槽を蓋状に覆うこ
とができる形状の屋根材；ならびにこれらの材
料より便所を組み立てるための組立て用具から
なり、全材料が耐食性の素材からなり、かつ床
材および屋根材以外のすべての材料が便槽内に
収納可能であることを特徴とする災害時用組み
立て式便所。 (2) 便器が４個、四角形配置される実用新案登録
請求の範囲第１項記載の災害時用組み立て式便
所。