JPH0423035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は筆記具におけるクリツプ取付構造の改良
に関する。

「従来技術と本案が解決しようとする問題点」 従来から筆記具外筒の一端開口部からクリツプ
片の折曲部を挿嵌し、この折曲部を内筒などの介
在部材を利用して外筒との間で挟着保持するよう
にしたクリツプの取付構造は広く知られている。

しかして、この従来の取付構造においては先記
のような内筒やこれを補強する補助部材などの介
在部材や圧入嵌合だけによつて結合したものが多
く特に、外筒と内筒の関係においてこの圧入嵌合
だけの結合構造では、その強度を維持するために
どうしても、補強部材が必要となり必然的に、構
造が複雑化していた。また、素材の経時劣化によ
る嵌合強度の劣悪化から取付クリツプ片のガタつ
き現象が頻発するなど問題の多いものであつた。

「問題解決のための手段」 本案は以上の問題に対し、弾性樹脂材からなる
内筒と外筒の間でクリツプ片の折曲部を挟着しか
つ、この内筒内に圧接環を圧嵌するとともに内筒
先端部の雌ねじ部に首部筒の雄ねじ部を螺合し、
この内筒先端部でのねじ螺合によつてクリツプ片
を挟持する内筒を吊り下げ方式で外筒に固定する
ことをもつてその解決手段としている。

「作用」 本案は以上のとおりの構成からなるので、外筒
と内筒凹部の間のクリツプ片の折曲部は内筒内に
圧嵌される圧接環が内筒内側面を押圧することに
よつて確実に挟着されまた、内筒先端部のねじ部
への首部筒ねじ部の螺合によつて内筒は、首部筒
方向へ引つ張られ外筒後端開口部の端面にその段
部を当接して外筒に固定されることになる。

また、凹部内のクリツプ片折曲部は当該凹部の
後端縁部でその起立部を押圧されることになり、
外筒の透孔および切欠部との係合作用とあいまつ
てその定着が保証される。

「実施例」 以下、本案の実施例について図面を基に詳説す
る。

中空状の外筒１の後端開口部１ａにクリツプ片
２の折曲部２ａがこの後端開口部１ａから挿嵌さ
れるときに当該折曲部２ａの起立部２a′が係合す
る切欠部１a′が設けてありまた、その先方位置に
クリツプ片の折曲部２ａに設けた上向き突起部２
ｂが係合する透孔１ｂが穿設してある。

３は中空状の内筒であつて、弾性を有する合成
樹脂材からなり、その長手方向の長さは外筒１の
長さと略同等か、わずかに短寸にしてある。ま
た、内筒３はその後端外周面にクリツプ片の折曲
部２ａを受容する凹部３ａが形成してあり更に、
その先端内周面には首部筒４の雄ねじ部４ａと螺
合する雌ねじ部３ｂが設けてある。この雌ねじ部
３ｂは外筒１の先端開口部９からわずかに後方へ
離間した辺りに位置しているのが好ましい。

５は内筒凹部３ａの後端縁部３a′に連接して形
成した段部であつて、内筒３の先端内周面に設け
た雌ねじ部３ｂに首部筒４の雄ねじ部４ａを螺合
したとき、先記の外筒後端開口部１ａの端面に当
接して、内筒３が首部筒４方向へ引つ張られて移
動するのを規制している。つまり、首部筒の雄ね
じ部４ａを内筒の雌ねじ部３ｂに螺合する結果、
この段部５と外筒後端開口部１ａの端面が当接し
て内筒３と外筒１が固定されることになりまた、
内筒の凹部３ａ内にあるクリツプ片の折曲部２ａ
はその起立部２a′の側面を当該凹部３ａの後端縁
部３a′で押圧されることになり、外筒１に設けた
切欠部１a′および、透孔１ｂとの係合作用とあい
まつてその定着が保証される。

また、６は内筒３後端から圧入嵌合される圧接
環であつて、内筒３内への圧入嵌合によつて弾性
樹脂材からなる内筒３を押圧して、クリツプ片折
曲部２ａの挟着力を補強している。なお、図中７
は筆記体８の出没機構を説示しているが、その一
部であるノブ部材７ａは内筒３後端から突出して
いる。

いま、外筒１にクリツプ片２を取付けようとす
る場合、クリツプ片の折曲部部ａを凹部３ａ内に
収容した内筒３を、折曲部２ａの上向き突起部２
ｂが外筒１の透孔１ｂに係合しまた、外筒切欠部
１a′にクリツプ片の起立部２a′が係合するように
外筒後端開口部１ａから挿嵌し次に、外筒先端開
口部９から首部筒の雄ねじ部４ａを内筒の雄ねじ
部３ｂに螺合するとともに圧接環６を内筒３内に
圧嵌してやればよい。

「考案の効果」 以上のとおりであるから、本案によれば、クリ
ツプ片を挟着する外筒と内筒の結合は首部筒のね
じ部と内筒のねじ部の螺合によつて簡便にかつ、
確実に実現するという一石二鳥の効果を有するも
のであつて、従来から発生していた内筒を補強す
る介在部材の経時劣化などによつて内筒と外筒の
結合力が低下することから発生していたクリツプ
片のガタつきや緩みといつた悪弊は完全に払拭で
きるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案のクリツプ取付構造を具備する筆
記具を説示した一部省略断面図、第２図は各部品
に関する説明図であつて、１はクリツプ、２は内
筒、３は２のＡ−Ａ断面図、４は外筒、５は４の
上面図、６は圧接環についてのものである。 １……外筒、１a′……切欠部、１ｂ……透孔、
２……クリツプ片、２ａ……折曲部、２a′……起
立部、２ｂ……突起部、３……内筒、３ａ……凹
部、３ｂ……雌ねじ部、５……段部、６……圧接
環。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空状の外筒の一端開口部から挿嵌したクリツ
   プ片の折曲部を介在部材を用いて挟着、保持して
   なるクリツプの取付構造において、前記中空外筒
   １の後端開口部１ａにクリツプ片２の起立部２
   a′が係合する切欠部１a′を設けるとともにその先
   方位置にクリツプ片２の折曲部２ａに形成した上
   向き突起部２ｂが係合する透孔１ｂを穿設し、外
   筒１内に嵌合する弾性合成樹脂材からなる中空状
   の内筒３の後端外側面には前記クリツプ片の折曲
   部２ａを受容する凹部３ａを設けるとともに前記
   外筒後端開口部１ａ面と当接する段部５を当該凹
   部３ａの後端縁部３a′に連接して設けかつ凹部３
   ａにクリツプ片折曲部２ａを受容して外筒１に嵌
   合した内筒３内に圧接環６を圧嵌するとともに内
   筒３の先端内周面に首部筒４の雄ねじ部４ａが螺
   合する雌ねじ部３ｂを設けたことを特徴とする筆
   記具におけるクリツプの取付構造。