JPH04227674A - 位置変更可能接着剤を有し、可塑化基体に永久接着可能なフィルム複合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動性モノマー可塑剤
を含有する基体に、これらの可塑剤の侵入により接着剤
が軟化されることなく永久接着する接着剤層を有する可
撓性背面接着性フィルム複合体に関する。特に、本発明
はそのようなフィルム複合体の接着剤層に関する。

【０００２】

【従来の技術】米国特許第４，６０５，５９２号（パケ
ット（Ｐａｑｕｅｔｔｅ）ら）に指摘のように、高度に
可塑化されたビニル基体は、従来から手塗りまたはエア
ブラシスクリーン印刷インクにより装飾されてきた。ス
クリーン印刷画像を有する背面接着性ビニルフィルムの
形態の装飾フィルム画像（ｐｒｅｆａｂｒｉｃａｔｅｄ
　ｇｒａｐｈｉｃｓ）はより安価であるけれども、ビニ
ルフィルムのしわ形成（ｗｒｉｎｋｌｉｎｇ）およびビ
ニル基体に対する接着性の消失のためにそのような用途
には適さない。このことは、少なくとも部分的には、ビ
ニル基体由来のモノマー可塑剤がビニルフィルムおよび
接着剤中へ移動することに起因する（第１欄第２４〜３
３行）。 このようなビニル基体は、通常はジオクチルフタレート
のようなモノマー可塑剤をビニル樹脂１００重量部に対
して２５〜１００部程度含有する。

【０００３】一般に、安価なモノマー可塑剤は高価なも
のよりも移動性が大きい。したがって、可塑化基体の製
造者によるコストダウンの試みにより、しばしば装飾背
面接着性可撓性フィルムのこれらの基体に対する接着の
問題が悪化する。

【０００４】パケットの特許には、移動性モノマー可塑
剤を含有するビニル基体に接着する際に接着力を持続さ
せることが可能で、実質的にしわが生じない材料が記載
されている。パケットの特許の装飾フィルム複合体は、
（１）好ましくはスクリーン印刷インク受容性のポリ塩
化ビニルフィルム層、（２）耐可塑剤感圧接着剤層（例
えば、ｎ−ブチルアクリレート５２．５重量部とメチル
アクリレート３７．５重量部とアクリル酸１０重量部と
のターポリマー、および（３）脂肪族ポリウレタン樹脂
のような移動性可塑剤遮断中間層を有する。塗布乾燥後
に、この接着剤は架橋されうる。例えば、ベンゾフェノ
ンのような光架橋剤を含有する場合は、ＵＶ照射で架橋
することにより、ビニル基体から移動するすべての可塑
剤に対してより耐性である接着剤層が形成される。パケ
ットの特許の感圧接着剤の実施例では、これらは溶液重
合され溶液から被覆されている。

【０００５】

【発明の要旨】本発明によれば、パケットの特許の複合
体装飾材料類似の、装飾用に使用し得る可撓性背面薄層
を有する背面接着性フィルム複合体が提供される。パケ
ットの複合体の複合体装飾材料のように、この新規なフ
ィルム複合体の接着剤にはアクリルポリマーを用い、感
圧性であり得る。しかしながら、これは室温で接触した
場合に粘着性である必要はない。そして、この接着層が
接触れた場合に非粘着性であるにも拘わらず、この新規
フィルム複合体は室温で指圧迫することによりビニルフ
ィルムまたはビニル被覆紙、移動性モノマー可塑剤を含
有する織布またはスクリムのような高度に可塑化された
基体に永久に接着する。このような基体は、例えば壁用
カバー材料、可撓性サイドトラック（ｓｉｄｅ　ｔｒｕ
ｃｋ）カバー材料、可撓性標識、および天幕に好適に用
いられる。この接着剤混合物は架橋させなくとも可塑剤
に対して耐性であるので、製造の際に架橋工程に伴う出
費が省かれる。

【０００６】簡単に言えば、本発明のフィルム複合体は
、１）アクリルラテックス接着剤１０〜９９重量％、お
よび２）フィルム状態で少なくとも１００％の伸びを有
する熱活性化可能ウレタンラテックス接着剤１〜９０重
量％、の混合物を含有する水性エマルジョンから塗布さ
れた接着剤層を支持する可撓性背面薄層を有する。この
熱活性化可能ウレタンラテックス接着剤を接着剤層から
除くこと以外は同様の組成で調製した複合体と比較して
、この新規複合体の接着剤混合物は通常の室温で作製し
た場合でもより良好な接着値を提供する傾向がある。こ
のウレタンラテックス接着剤単独では熱活性化しなけれ
ばならないことを考慮すると、この改良は驚くべきこと
である。

【０００７】さらに、この新規フィルム複合体は、初め
に可塑化基体に適用する際に優れた配置性（ｐｏｓｉｔ
ｉｏｎａｂｉｌｉｔｙ）、位置変更性（ｒｅｐｏｓｉｔ
ｉｏｎａｂｉｌｉｔｙ）、および除去特性を有する。従
って、この新規複合体は適切に位置決めを行い指圧迫と
同等の圧力を適用した後にこの基体に短時間内に素早く
永久接合され、除去することが困難となる。また、この
接着剤混合物をビニルフィルム複合体とともに用いるこ
とにより、可塑化基体上に適用および経時させた場合に
構成物の外観が改良されることが示されている。

【０００８】従って、移動性可塑剤を含有するビニル基
体と、水性エマルジョンから塗布される１）アクリルラ
テックス接着剤１０〜９９重量％、および２）熱活性化
可能ウレタンラテックス接着剤１〜９０重量％、の混合
物を含有する接着剤層を支持するビニル、ポリウレタン
、およびポリオレフィンフィルムから選択される可撓性
背面薄層を有する背面接着性フィルム複合体との、積層
体も本発明の一局面である。

【０００９】

【発明の構成】このアクリルラテックス接着剤と熱活性
化可能ウレタンラテックス接着剤とはｐＨおよび乳化剤
の電荷（ｃｈａｒｇｅ）がほぼ等しい場合には容易に混
合しうる。 好ましくは、これらの乳化剤はともにアニオン性かとも
にカチオン性、または一方がアニオン性で他方がノニオ
ン性である。

【００１０】一般に、ラテックスと適合するいかなる融
着剤もそれぞれのラテックスに用いうる。

【００１１】好ましいアクリルラテックス接着剤は、ａ
）平均２〜１２個の炭素原子のアルキル基を有する非３
級アルコールのアクリル酸エステル８４〜１００部と、
ｂ）エチレン性不飽和共重合可能モノマー、上記ａ）の
量に対応して、１６〜０部との、アクリルエマルジョン
ポリマーである。移動性可塑剤に対する最大の耐性は上
記アルキル基中の平均炭素原子数が２〜５、より好まし
くは２〜３の場合に得られる。この平均値を低く保つこ
とにより、この接着剤混合物は低い初期接着値を有する
。従って位置変更可能特性は高められるけれども、接着
性は適切な短期間所望の高レベルに保たれる傾向が生じ
る。さらに、上記炭素原子の平均数が低い場合は、この
接着剤混合物は剪断力に対する耐性が高められる。

【００１２】上述のモノマーａ）、またはモノマー混合
物ａ）およびｂ）をフリーラジカル開始剤とともに界面
活性剤系中に乳化し、適当な昇温条件において完全に重
合させる（＞９８％コンバージョン）ことにより、その
後の工程を必要としないで５．０を上回る固有粘度が容
易に得られる。得られるラテックスを濾過した場合は、
典型的には、１０００ｇのラテックスに対して０．０１
ｇを下回る凝集物しか得られない。

【００１３】本発明ではアクリルラテックスとウレタン
ラテックス接着剤との混合物を水性エマルジョンから塗
布するので、大気汚染を防止するための装置が不要であ
る。

【００１４】この新規フィルム複合体の接着剤層はウレ
タンラテックス接着剤とモノマーａ）のアクリルエマル
ジョンホモポリマーとの混合物でありうる。しかしなが
ら、モノマーａ）とｂ）とのアクリルエマルジョンコポ
リマーを用いることにより、特にモノマーｂ）の極性が
高い場合に可塑化基体に対するより強力な接着剤が得ら
れる。 また、現在のところは、高極性モノマーｂ）の使用を省
くことによる経済的な利益もない。有用な高極性モノマ
ーには、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルおよびイタコン酸が包含される。他の有用な共重合
可能モノマーｂ）には、メチルメタクリレート、酢酸ビ
ニル、Ｎ−ビニルピロリドン、およびスチレンスルホネ
ートが包含される。

【００１５】この新規フィルム複合体の接着剤層中に用
いられる熱活性化可能ウレタンラテックス接着剤は少な
くとも２００％、好ましくは少なくとも４００％の伸び
を有する必要がある。そうでなければ、この接着剤は極
度に高いまたは低い接着値を提供しうる。ポリカーボネ
ートポリウレタンおよびポリエーテルポリウレタンと比
較して、ポリエステルポリウレタンを用いる場合に最も
良好な結果が得られる。ビニル材料における可塑剤と同
様に機能する、典型的にはフタレートエステルまたはポ
リマーポリエステル、およびポリエステルポリウレタン
に対する性能が本構成により改良される。

【００１６】好ましくは、この新規フィルム複合体の可
撓性背面層は、ポリウレタン、ポリオレフィン、および
可塑化ビニルフィルムのような装飾ポリマーフィルム、
またはアルミニウムのような柔軟性金属フィルムである
。この背面層がポリウレタンフィルムである場合は、こ
れが脂肪族系である方が耐久性が高い。可塑化ビニルフ
ィルムは現在のところポリウレタンフィルムよりも安価
なので多用途性、耐久性および低コストの観点からグラ
フィック工業分野で広く用いられる。背面層が可塑化ビ
ニルフィルムである場合は、非移動性ポリマー可塑剤を
用いることが好ましい。好ましいビニル背面層はパケッ
トの特許に開示されており、これらはスコッチカル（Ｓ
ＣＯＴＣＨＣＡＬ）ＴＭフィルムシリーズ３６５０およ
びコントロールタック（ＣＯＮＴＲＯＬＴＡＣ）ＴＭフ
ィルムシリーズ１８０として３Ｍ社より入手可能である
。これらは本発明に用いうる。

【００１７】ビニル背面層を有する新規フィルム複合体
はパケットの特許に開示されている遮断層を有すること
が好ましい。このように、新規フィルム複合体が接着さ
れる基体の移動性モノマー可塑剤によりこのフィルム背
面層におけるしわ形成が良好に防止される。

【００１８】好ましい熱活性化可能ウレタンラテックス
接着剤はポリエステル−ポリウレタンラテックスであり
、このフィルムは約５００％の伸びを有し、モーベイ（
Ｍｏｂａｙ）社より「ベイボンド（Ｂａｙｂｏｎｄ）」
４０２Ａとして市販されている。

【００１９】好ましくは、本発明のフィルム複合体の接
着剤混合物のアクリルラテックス接着剤は、アクリル酸
エチルおよびアクリル酸ｎ−ブチルから選択されるモノ
マーａ）と高極性モノマーｂ）とのコポリマーである。 例えば、用いられる好ましい接着剤混合物は、アクリル
酸エチル５０〜９０重量部と、アクリル酸ｎ−ブチル１
０〜５０重量部と、アクリル酸およびメタクリル酸から
選択される共重合可能高極性モノマー２〜１２重量部と
の、アクリルエマルジョンコポリマーである。少なくと
も６５％のアクリル酸エチルを用いることにより移動性
可塑剤に対する最大の耐性が得られる。

【００２０】好ましくは、このアクリルポリマーは０〜
−５０℃の計算Ｔｇを有する。この計算Ｔｇが実質的に
好ましい範囲を上回る場合は、低温において衝撃または
振動のような力が加わった場合にこの新規フィルム複合
体の接着力が低下しうる。この計算Ｔｇが好ましい範囲
を実質的に下回る場合は、この新規フィルム複合体の粘
着性が強くなり過ぎるので、基体に完全に接触させる前
にこのフィルムを位置変更することが不可能となる。

【００２１】

【評価法】１８０°剥離値 　　インストロン試験機（Ｉｎｓｔｒｏｎ　ｔｅｓｔｅ
ｒ）を用いて、ＡＳＴＭ　Ｄ−１０００、Ｂ法に従って
１８０°剥離接着値を測定する。以下に示す保存後の試
料について接着性評価を行う。

【００２２】

【実施例】以下の非限定的な実施例により本発明をさら
に説明する。以下の実施例においてのすべての部は重量
基準である。

【００２３】

【実施例１】紙ウェブにより支持されている厚さ５０μ
ｍの二酸化チタン顔料含有可塑化ポリ（塩化ビニル）フ
ィルムを、以下の１）および２）の等量（重量部基準）
混合物である固形分４０％のエマルジョン水溶液で被覆
した。 １）アクリル酸エチル８０部とアクリル酸ｎ−ブチル１
６部とアクリル酸４部とのアクリルエマルジョンコポリ
マー。 ２）熱活性化可能ポリエステルポリウレタンラテックス
（モーベイ社より入手可能な「ベイボンド」４２０Ａ）
。 この塗膜を６６℃で１０分間乾燥させることにより、５
０ｍｇ／ｍ２の乾燥重量とした。ついで、この接着剤面
にシリコーン離型ライナーを積層し、そしてこの紙ウェ
ブを除去することにより本発明の背面接着性フィルム複
合体を得た。

【００２４】この複合体を可塑化ビニル基体（Ｖｅｒｓ
ｅｉｄａｇ　Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅ　ｔｅｘｉｌｉｅｎ社
、西ドイツ、より「デュラスキン（Ｄｕｒａｓｋｉｎ）
」として入手可能、重さ１８　ｏｕｎｃｅｓ／ｙｄ２　
　（６１０ｇ／ｍ２））からの１８０°剥離接着値につ
いて評価した。それぞれの保存期間における結果を表１
に示す。

【００２５】

【表１】 　　１８０°剥離接着値（Ｎ／ｃｍ） 初期　　２時間後（室温）　　　２４時間後（室温）　
　　１週間後（６６℃）　　　２週間後（６６℃）　３
．９　　　　　　５．６　　　　　　　　　　　　　　
５．６　　　　　　　　　　　　　　７．７　　　　　
　　　　　　　　１２．０

【００２６】この比較的低い初期接着値はこの接着剤の
良好な位置変更特性を示す。しかしながら、加速経時試
験の結果に示されるように、接着値は結果的には望まし
い程度に上昇する。

【００２７】

【実施例２〜８】アクリルラテックス接着剤とウレタン
ラテックス接着剤との割合（Ａ／Ｕ割合）を表２に示す
ように変化させて用いること以外は実施例１と同様にし
て一連の背面接着性フィルム複合体を調製し評価した。 さらに、異なる可塑化ビニル基体（アドバンストビニル
社（Ａｄｖａｎｃｅｄ　Ｖｉｎｙｌ，Ｉｎｃ．）より入
手可能な「プリスマックス（Ｐｒｉｓｍａｘ）」１４ｏ
ｚ天幕材料）からの１８０°剥離接着値について評価し
た。実施例５の複合体は実施例１と同一であり、実施例
２および８は比較例である。

【００２８】

【表２】 　　１８０°剥離接着値（Ｎ／ｃｍ） 実施例　　　Ａ／Ｕ割合　　　２４時間後（室温）　　
　１週間後（６６℃）　　　２週間後（６６℃）　　２
　　　　　　１００／０　　　　　　　　１．４　　　
　　　　　　　　　　　※　　　　　　　　　　　　　
　　※　　３　　　　　　　９０／１０　　　　　　　
３．９　　　　　　　　　　　　　１３．０　　　　　
　　　　　　　　１３．０　　４　　　　　　　７５／
２５　　　　　　　４．６　　　　　　　　　　　　　
１２．８　　　　　　　　　　　　　１３．０　　５　
　　　　　　５０／５０　　　　　　　６．９　　　　
　　　　　　　　　１２．８　　　　　　　　　　　　
　１３．０　　６　　　　　　　２５／７５　　　　　
　　６．０　　　　　　　　　　　　　　９．５　　　
　　　　　　　　　　　９．１　　７　　　　　　　１
０／９０　　　　　　　５．３　　　　　　　　　　　
　　　７．９　　　　　　　　　　　　　　７．０　　
８　　　　　　　０／１００　　　　　　　５．１　　
　　　　　　　　　　　　５．６　　　　　　　　　　
　　　　５．５ ※：初期接着不適

【００２９】

【実施例９】アクリルエマルジョンコポリマーとして市
販のアクリルラテックス接着剤（ナショナルスターチ（
Ｎａｔｉｏｎａｌ　Ｓｔａｒｃｈ）社から得られる「エ
バ−タック（ＥＶＡ−ＴＡＫ）」７２−９６８５）を用
いること以外は実施例１と同様にして、背面接着性フィ
ルム複合体を調製した。得られる複合体を実施例２〜８
で用いた可塑化ビニル基体「プリスマックス」）につい
て評価した。結果を、この接着剤混合物のアクリル接着
剤から形成した比較複合体Ａにおける結果とともに表３
に示す。

【００３０】

【表３】

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　１）アクリルラテックス接着剤１０〜
   ９９重量％、および２）フィルム状態で少なくとも１０
   ０％の伸びを有する熱活性化可能ウレタンラテックス接
   着剤１〜９０重量％、の混合物を含有する水性エマルジ
   ョンから塗布された接着剤層を支持する可撓性背面薄層
   を有することにより、モノマー可塑剤を含有する基体に
   永久接着することが可能な背面接着性フィルム複合体。
2. 【請求項２】　　前記アクリルラテックス接着剤がａ）
   平均２〜１２個の炭素原子のアルキル基を有する非３級
   アルコールのアクリル酸エステル８４〜１００部と、ｂ
   ）エチレン性不飽和共重合可能モノマー、該ａ）の量に
   対応して、１６〜０部との、アクリルエマルジョンポリ
   マーである、請求項１記載の背面接着性フィルム複合体
   。
3. 【請求項３】　　移動性可塑剤を含有するビニル基体と
   、水性エマルジョンから塗布される１）アクリルラテッ
   クス接着剤１０〜９９重量％、および２）熱活性化可能
   ウレタンラテックス接着剤１〜９０重量％、の混合物を
   含有する接着剤層を支持するビニル、ポリウレタン、お
   よびポリオレフィンフィルムから選択される可撓性背面
   薄層を有する背面接着性フィルム複合体との、積層体。